ネット上で話題となっており、順調に版を重ねているとの情報も流れています。
実際、読んでみると不思議な魅力を持つ本作。
面白いものを読んだら語らずにはいられない管理人にとって、十分に語るべき対象となる作品であります。
というわけで、前回のネタバレ批評(レビュー)以降に掲載された作品をあらすじのみ、まとめておきます。
これを読んで興味を持たれた方は、是非「週刊少年チャンピオン」本誌連載とコミックスにもチャレンジして貰えればオススメした甲斐があるかもしれません。
直に本作を目にして貰えればその不思議な魅力をご理解頂けるかと思います。
では、本作の魅力をお伝えするべくネタバレ批評(レビュー)です。
◆2012年5月17日「週刊少年チャンピオン」掲載
高校生の栄花は意中の女子・寺尾に告白し交際することになった。
早速、デートの約束をした栄花。
その当日、寺尾はなかなか現れない。
栄花が不安に駆られた頃に、ひょっこり寺尾がやって来る。
寺尾はバスで来るか歩いて来るかで悩んだらしい。
結局、歩いた為に遅くなったようだ。
それと、もう1つ理由があると語る寺尾。
今日のデートに来るかどうかについても悩んだらしい。
寺尾によれば、初デートを体験する自分としない自分を想像してどちらも青春として捨て難かったのだそうだ。
さらに、栄花が襟を立てるか立てないか1つにも選択の結果だと大喜びする。
そういえば、こういう奴だったな……と振り返る栄花。
もともと告白した際にも寺尾は「どっちでもいい」と答えていたのだ。
交際しても、しなくても、それなりの経験が出来るに違いないと考えているらしい。
一抹の寂しさに囚われかける栄花。
だが、そんな気持ちを吹き飛ばすほどに寺尾は可愛い。
その後も何かにつけ悩む素振りを見せる寺尾。
そんな寺尾に栄花は家に猫を見に来ないかと誘う。
これには悩むことなくあっさり了承する寺尾。
猫が大好きらしい。
自分との対応の違いに栄花は困惑を隠せない。
途端、生き物を飼うことはその死を看取ることだと主張する寺尾。
最期の時まで時間と選択を共有することらしい。
それすらも選択だと言う。
2人でカラオケボックスへ向かうことに。
熱唱する栄花だが、寺尾は乗り気ではない様子。
なんでも、寺尾は後で振り返った時にはしゃぎ過ぎた自分を思い出すことに耐えられないらしい。
独特な考え方ゆえに理解できない栄花は怒ってしまう。
そんな怒りさえ選択の結果として受け止める寺尾。
と、此処で栄花はそんな寺尾だからこそ好きになったのだと気付く。
とりあえず別れる時まで宜しくと語る寺尾。
そんな時は来ないと返す栄花―――エンド。
<感想>
2012年5月17日掲載のものです。
服は何を着るか、お昼に何を食べるか、遠まわりするか近道するか……などなど。
人は日々生きる続ける限り選択を積み重ねて行くワケですが、それを表現した作品です。
寺尾の生き方は周囲を騒がせるだけかもしれませんが、楽しいものかもしれませんね。
ただ、そんな寺尾に付き合わされる栄花は大変かも。
寺尾にとって栄花との交際も選択の1つなのでしょうから。
とはいえ、わざわざ栄花を選んでいることから考えても気がないワケではないでしょうし。
なんだかんだでいいカップルかもしれませんね。
そんな「空が灰色だから」は「週刊少年チャンピオン」に連載中の漫画。
読むと心がざわついて何処となく落ち着かなくなる作風。
この間から何となく感じていたのですが、本作は過去に「週刊少年チャンピオン」にて連載されていた倉島圭先生「24のひとみ」にテイストが似ていますね。
従来の枠に囚われない世界観は両者の特徴と言えるでしょう。
その味は、古典部シリーズ『氷菓』のアニメ化で話題の米澤穂信先生の著作『儚い羊たちの祝宴』に通じるモノがありそうです。
・『儚い羊たちの祝宴』(米澤穂信著、新潮社刊)ネタバレ批評(レビュー)
◆関連過去記事
・阿部共実先生「空が灰色だから」(秋田書房)の1巻が発売!!不思議な魅力を湛えた本作に注目すべし!!&今週号ネタバレ批評(レビュー)
・2012年3月15、22日の「空が灰色だから」ネタバレ批評(レビュー)
・2012年3月29日、4月5日の「空が灰色だから」ネタバレ批評(レビュー)
・2012年4月12日、4月19日の「空が灰色だから」ネタバレ批評(レビュー)
・2012年4月26日の「空が灰色だから」ネタバレ批評(レビュー)
・2012年5月10日の「空が灰色だから」ネタバレ批評(レビュー)
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