「フランケン・ふらん」の連載を終えた木々津克久先生の特別読み切りが5月号の「鋏女」に続き「月刊チャンピオンRED」7月号(秋田書店刊)に掲載されました。
その名も「ヴァンパイア・アナライズ」。
早速読んでみたところ、やはり木々津先生のテイストは健在でした。
そこでお伝えするべくネタバレ批評(レビュー)です。
ちなみに、ネタバレあらすじはかなり端折ったり曖昧になるように書いています。
この記事にて本作に興味を持った方は是非「チャンピオンRED 7月号」本誌を読んでみて下さい。
<ネタバレあらすじ>
「ヴァンパイア・アナライズ」に所属する吸血鬼の女性にある使命が与えられた。
ある著名な教団が何者かにより攻撃を受けているらしい。
その犯人を突き止め、排除せよとのものだった。
調査と張り込みの結果、犯人らしき謎の人物と衝突することに。
ところが、その犯人こそ初代の教祖であり創始者であった。
なんでも、最後の晩餐の際に弟子の中に吸血鬼がおり、知らず知らずのうちに血の契約を交わしてしまったらしい。
その為に、死後に吸血鬼となってしまったのだ。
以後、姿を隠していた彼だったが、自身の創始した組織は拡大を続け、自身の意志を超えて動いていることに我慢がならなくなったのそうだ。
こうして、暴走する彼を止めるべく女性は戦いを挑む。
だが、相手は奇跡を自在に起こす神ともいうべき存在である。
少しずつ追い込まれて行くが……。
彼女は自身の本能を呼び起こす。
相手が偉人であるように、彼女もまた偉人であった。
彼女の名はブラド。
そう、あの「串刺し公」である。
まさに本性そのままに串刺しにして動きを止めるのであった……。
と、ブラドは彼を助け「ヴァンパイア・アナライズ」に連れて行く。
実は「ヴァンパイア・アナライズ」は吸血鬼化した偉人たちの集まりであった。
ニュートンやゲーテ、アインシュタインなど多くの偉人が吸血鬼化し永遠の生を生きていた。
彼らは、新しく仲間になったものに正しい吸血鬼の生き方を教えることを目的としていたのだ。
こうして、人に迷惑をかけず生きることを義務付けられた彼の人は、新たに自身の教えを布教すべく今日も街角に1人立っている。
だが、誰も彼を本物であるとは認めようとしないのであった―――エンド。
<感想>
やっぱり、木々津先生テイストは健在。
かなり諧謔的です。
是非、本作を読んで頂きたい。
さて、作者である木々津克久先生と言えば、管理人にとっては「週刊少年チャンピオン」本誌での「ヘレンesp」の作家さんとのイメージ。
「ヘレンesp」は、盲目のヘレンがその特別な力(ESP能力)を駆使し、愛犬や叔父さんたちに見守られながら同年代の友人や幽霊など様々なものと交流する物語。
衝突したり理解し合えなかったりと苦難がヘレンを襲うものの、その都度ヘレンの純粋な心で相手に向き合い相手との心の壁を乗り越えていくさまは、心に響きました。
確かにあらすじだけ聞くとよくある展開かと思うものの、本作は不思議な“熱”と“説得力”を持っており、透明感のある淡い絵柄も加え、なかなかの名作といえるでしょう。
既に連載自体は終了していますが、こちらもオススメです。
◆関連過去記事
・「フランケン・ふらん 最終話(最終回) Dream」ネタバレ批評(レビュー)
・「フランケン・ふらん 59話 BestFriend」ネタバレ批評(レビュー)
・「Phase20」(木々津克久作、「チャンピオンRED 2012年1月号」掲載)ネタバレ批評(レビュー)
・「鋏女(チャンピオンRED 5月号掲載)」ネタバレ批評(レビュー)
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