ネタバレあります、注意!!
<あらすじ>
『このミステリーがすごい!』大賞10周年記念特別編集!
「バチスタ」シリーズ 海堂尊から話題の『弁護士探偵物語』法坂一広まで現代人気作家大競演!
1作品10分間で読めるベスト・ショート・ミステリー集!
浅倉卓弥、海堂尊、柚月裕子、中山七里、高橋由太、七尾与史などを輩出してきたミステリー新人賞『このミステリーがすごい!』大賞。創設10周年を記念して、原稿用紙10枚の、オール書きおろしミステリーをお届けします。1編10分で楽しめてしまうベスト・ショート・ミステリー、29本! 謎解きあり、ユーモアあり、サスペンスありのお得な一冊。前述の作家をはじめ、『このミス』大賞作家が勢ぞろいです。
(宝島社公式HPより)
<感想>
『10分間ミステリー』に収録された短編です。
売れっ子作家の秘密とは何か……がテーマなのですが、特に明記されないものの途中で分かります。
ただ、本作はその秘密ではなく、どういった着地点になるのか……つまりラストがメイン。
ただ、短編と言うよりは超短編の為、そのラストも些か効果が薄い。
もう少し粘ってアレの方が破壊力は増した筈だ。
そう考えると、本短編集の性質上、致し方ないことではあるが、勿体ない気がする。
果たして、作中の作家は何を量産するのでしょうか。
<ネタバレあらすじ>
作家が編集者と会話している。
作家は最近、急に著作が売れ出したベストセラー作家。
彼の著作が売れ出したのには理由がある。
彼の著作通りに殺人事件が起こったのだ。
それが話題となり、彼の著作が売れている。
事件の方は、ゴルフクラブにより撲殺された被害者が出て、犯人とされる人物は遺書を残し自殺していた。
編集者は現実で起こった殺人事件について作家に語りかける。
「そういえば、この間の犯人と思しき奴の遺書ですけど、あれ訂正が入る前の先生が書かれた原稿と誤字が一緒だったんですよ。奇妙なことってあるもんですね」
これを聞いた作家の顔色が変わる。
「そうかね……どうだね、これからゴルフでも」
ゴルフ場に向かう2人。
到着するや否や、作家はゴルフクラブを素振りする。
「今度はクラブを折らないように上手くやらなきゃなぁ……」―――エンド。
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