2012年06月26日

「超再現!ミステリー」第8回「“悪妻vs美少女SP”死んだ悪妻…疑われた夫助ける14歳の美人妹アリバイ偽装が大成功」(6月26日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「超再現!ミステリー」第8回「“悪妻vs美少女SP”死んだ悪妻…疑われた夫助ける14歳の美人妹アリバイ偽装が大成功」(6月26日放送)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

<あらすじ>

多彩な作風で知られる若竹七海の青春ミステリー小説「クールキャンデー」の謎解きに挑む。誕生日と夏休みの初日を翌日に控え、胸弾ませていた女子中学生。しかし当日は、ストーカーから被害を受けていた兄の嫁が他界し、そのストーカーも同じ時間に変死する。警察は彼女の兄を犯人として疑い始める。兄の無実を証明しようと、彼女は奔走する。ゲストは石田純一、EXILE・マキダイ、道端アンジェリカ。司会は徳井義実、綾部祐二、紗栄子。
(@nifty tv番組表より)


6月26日放送にて再現されたのは『クール・キャンデー』でした。
過去にネタバレ書評(レビュー)ありますね。

『クール・キャンデー』(若竹七海著、祥伝社刊)ネタバレ書評(レビュー)

【クール・キャンデー(若竹七海著)】

◆問題編(前半)スタート

夏のある晩、1人の女性が飛び降りた。
飛び降りたのは中学2年生・杉原渚の兄の妻である柚子。

渚の兄・良輔によれば、帰宅したところ柚子が倒れていたと言う。
何者かに乱暴されたようだ。
犯人は良輔の中学時代の同級生・田所。
田所は普段から柚子に横恋慕していたらしい。
柚子は田所を相手にしていなかったが、それに田所は怒り狂った。
その日、部屋まで上がり込むと柚子を襲ったのだ。
ショックを受けた柚子は良輔を見ると飛び降りてしまったのだ。

この報を伝え聞いた渚は深く悲しむ。
良輔は父の連れ子、渚はその父と母の子。
つまり、良輔と渚は異母兄弟だったのである。
そして、渚にとって良輔は兄よりも父に近い存在だった。

柚子は雑誌に特集されるほど、美人でお金持ち。
仕事上で知り合ったことが縁でお見合いがセッティングされ、そのまま結婚した。
ただ……柚子は些か性格に難があり、我儘が多かった。
渚はそんなところが兄の感情をくすぐったのだろうと理解していた。
さらに、1度着た服は2度着るのは恥ずかしいとして渚に服を譲る程度には浪費家でもあった。
もっとも、渚にとって柚子の服は派手すぎて貰ったところで困るのだが……。

緊急手術の結果、柚子は命を取り留めた。
良輔は柚子の傍から片時も離れない。
そんな姿に渚は心打たれる。

渚は兄夫婦に仇なした田所を調べ始める。
良輔や田所と同級生だった立石によれば、2人は中学時代に生徒会長と副会長をつとめた仲。
だが、高校受験を失敗したことを機に田所は身持ちを崩していたそうだ。
最近では、幻覚を見るらしく公園などで不審な行動をとっていたと言う。

3日後、柚子の容態が安定し、一般病棟へ移された。
ほっとする渚だったが、田所が暴行を否認したとの事実を知る。
翌日に誕生日を控えた渚は、何故か不安に駆られるのだった。

良輔は一旦、帰宅した。

その夜、ほぼ同時刻に2人の死者が出る。
田所がトラックに撥ねられ即死、柚子もまた病院で死亡してしまったのだ。
ところが、良輔には連絡が取れなかった……。

柚子の葬儀の日、田所殺害容疑が良輔にかかる。
柚子の復讐を行ったのではないかと言うのだ。
これに対し、良輔は自宅でテレビを視た後、疲れて寝てしまったと証言。
電話の音も聞こえないほど、深い眠りだったそうだが……。

一方、田所を轢いたトラック運転手によれば、田所はまるで何かから逃げるように飛び出してきたらしい。

◆スタジオ

良輔犯人説浮上。
そもそも田所が柚子を襲った事実は無かったのではないか。
柚子の資産を奪う目的で良輔が殺害したのか?

2人死亡したので、2人犯人が居るとの推理が……渚と良輔に疑惑が集中する。

◆問題編(後半)スタート

良輔の疑いを晴らしたい渚。

渚は、2人が死亡した事件の夜に、同級生・サチが黒マスクの通り魔に襲われたことを知る。
黒マスクはサチが叫ぶと慌てて逃げ出したそうだ。
渚の同級生である忍は、何か言い出したがるが結局、言い出せない。

事件の夜の良輔について目撃証言が飛び出した。
どうやら、良輔は外出していたらしい。
良輔は、気晴らしにドライブしていたと主張するが……どうにも旗色が悪いようだ。

田所の家を訪ねる渚。
田所の隣人によれば、事故の少し前に髪の長い女が田所宅を訪れていたらしい。
だが、良輔への容疑は晴れない。

翌日、忍から意外な事実を知らされる。
サチを襲った黒マスクの正体は忍だと言うのだ。

忍によれば……こうである。
あの夜、自転車で家とは反対方向へ向かう渚を見かけた。
渚がすぐに戻って来ると思った忍は、驚かしてやろうと公園内でマスクを被り待ち構えた。
数分後、次に現れた人物を驚かしたところ、相手は渚ではなくサチ!!
大騒ぎになってしまい、這う這うの体で逃げ出したのだった。

これを聞いた渚はある良策を思いつく。
良輔にアリバイを提供したのだ。

忍は自分が犯人だとバレると困る。
そこで、忍の代わりに良輔がサチを驚かしたことにしたのだ。

この策は大当たり。
良輔へかけられた田所殺害容疑は晴れることに。

◆スタジオ(2回目)

忍の証言「渚が自宅と反対方向に向かった」に注目。
渚に容疑が集中する。

そんな中、忍の行動自体が常軌を逸しているのでは……との指摘も。

渚の母と良輔、あるいは立石と良輔が不倫関係との説も飛び出す中、1人では無理なので、渚と良輔の犯行説で確定。
柚子を殺害したのが渚、田所を殺害したのが良輔との説でファイナルアンサー。

◆解答編

良輔は犯行当日の渚の行動を訝しむ。
一体、渚は何処へ何をしに出かけていたのか―――渚はすべてを明かす。

渚は柚子の服、長髪のウイッグで柚子に変装し、田所宅を訪れた。
その姿を見た田所は柚子が現れたと取り乱し、自分からトラックに飛び込んだと言う。
良輔は「渚が田所の口を封じてくれた」と喜びを隠せない。

それにしても、その時刻に良輔は何処にいたのか?
良輔は柚子の病室に居た。
柚子の我儘に耐えきれなかった良輔は柚子に死んで欲しかった。
そこで止めを刺したのだ。

これを聞いた渚の反応は―――

「私たちって兄妹だね」ニッコリと微笑むのだった―――エンド。

<感想>

再び1週間のお休みを挟み、放送された「超再現!ミステリー」。
その内容は『クール・キャンデー』でした。

『クール・キャンデー』(若竹七海著、祥伝社刊)ネタバレ書評(レビュー)

ちなみに『クール・キャンデー』には後日談が存在します。
それが短編『みたびのサマータイム』。
アンソロジー集『血文字パズル』か同じく『青に捧げる悪夢』(いずれも角川書店刊)に収録されているので気になる方はチェック。
ただし、この2冊とも品切れ重版未定なので注意!!

原作だと、渚は斜に構えた割とドライな娘だった筈ですが、ドラマ版では割と兄想いな妹に変更されていましたね。
ここらをどう捉えるかによって、評価が変わりそう。
管理人は「今回は選んだテキストも良かったし、かなり良かった」と思います。
「超再現!ミステリー」は短編か中編くらいのドラマ化がベストっぽいですね。

で、次回の超再現なのですが、またも2回休みを挟んで次回は7月17日放送予定。
で、超再現の対象となる作品ですが「我儘な患者が病院内で殺害された。容疑者は多数、果たして犯人は?」とのことで、これだと絞り込めない……ので、公式HPを見てみたところ、あっさり判明。深谷忠記先生『毒 poison』(徳間書店刊)とのこと。

『毒 poison』(深谷忠記著、徳間書店刊)ネタバレ書評(レビュー)

またも長編とのことで、再現し切れるのかとの疑問が……1時間に収めることが出来るのか!?
注目です!!

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『クール・キャンデー』(若竹七海著、祥伝社刊)ネタバレ書評(レビュー)

超再現された「クール・キャンデー (祥伝社文庫)」です!!
クール・キャンデー (祥伝社文庫)





続編『みたびのサマータイム』収録「血文字パズル―ミステリ・アンソロジー〈5〉 (角川スニーカー文庫)」です!!
血文字パズル―ミステリ・アンソロジー〈5〉 (角川スニーカー文庫)





同じく「青に捧げる悪夢」です!!
青に捧げる悪夢





次回超再現予定「毒―poison (徳間文庫)」です!!
毒―poison (徳間文庫)





「超再現」といえばこちらも。
「超リアルCG再現 恐竜 (双葉社スーパームック)」です!!
超リアルCG再現 恐竜 (双葉社スーパームック)





「連合艦隊―超精密3D CG再現 (双葉社スーパームック)」です!!
連合艦隊―超精密3D CG再現 (双葉社スーパームック)





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posted by 俺 at 22:00| Comment(2) | TrackBack(0) | ドラマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
今回、初めて読んだことのある作品でした。
ただし、兄が妻を殺したってのと、若竹七海さんらしいブラックな終わり方だったってことくらいしか覚えていませんでしたが……。
『血文字パズル』も読んだはずなのに、『みたびのサマータイム』の内容はまるで覚えてません……。
orz
スニーカーミステリ倶楽部、懐かしや(笑)。
(´∀`)
私は、あのレーベルと初期の富士見ミステリー文庫の影響でミステリ読みになったんですよね。
(特にスニーカーミステリ倶楽部の米澤作品とアンソロジー)

今回もドラマはなかなかよくできていましたね。
仰るとおり、この番組は中短編の方が向いてそうです。

原作は覚えていませんが、番組では渚は母の連れ子ではなく両親結婚後の子で兄とは腹違い(半分血がつながっている)という設定でしたよ。
(図も出ていました)

今回、スタジオの答えは惜しかったですが、まぁ疑わしいのがあの兄妹くらいでしたからねぇ。
むしろ、雑誌に載った妻の服をもらった上、女性なんだから、渚が田所を殺したと考えるのが自然だと思いますが……。
( ̄▽ ̄;)
いい加減、もっと頭の切れるゲストを呼べばいいのに(笑)。
Posted by パンプキン at 2012年06月28日 00:02
Re:パンプキンさん

こんばんわ(^O^)/!!
管理人の“俺”です!!

「角川スニーカーミステリ倶楽部」、「富士見ミステリー文庫」ともに今は……(泣)。

「古典部シリーズ」とか「GOSICK」とか最近になってアニメ化された作品はあのレーベル出身なんですよね。
確かに、作品の質的に玉石混交なところもありましたが、時代を先取りし過ぎていたのかもしれないなぁ……と思ったり。
ひょっこり復活しないかな。

それと、渚と良輔は腹違いの兄妹なんですね。
勘違いしてました、早速、訂正しなければ!!

ゲストの推理は惜しいところまで迫ってましたね。
伊集院光さん、ロザン宇治原さん、やくみつるさんにも参加して欲しいなぁ……。
クイズ番組みたいに、ゲストが1人ずつ順番に紙に書いて推理を提示して行く形式のも1度見てみたい気もしますね。
Posted by 俺 at 2012年06月29日 03:13
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