2012年06月21日

『クール・キャンデー』(若竹七海著、祥伝社刊)

『クール・キャンデー』(若竹七海著、祥伝社刊)ネタバレ書評(レビュー)です。

本書以外にアガサ・クリスティ著『アクロイド殺し』のネタバレと無用の言い訳があります、注意!!

<あらすじ>

「兄貴は無実だ。あたしが証明してやる!」誕生日と夏休みの初日を明日に控え、胸弾ませていた中学生の渚。だが、愉しみは儚く消えた。ストーカーに襲われ重態だった兄嫁が他界し、さらに、同時刻にそのストーカーも変死したのだ。しかも警察は動機充分の兄良輔を殺人犯として疑っている! はたして兄のアリバイは? 渚は人生最悪のシーズンを乗り切れるか?
(祥伝社公式HPより)


<感想>

実を言うと、本作『クール・キャンデー』のネタバレ書評(レビュー)については、他と違い曖昧な記憶に基づいて書かれています。
何故、そうなったかと言うと……。

さぁ、今から言い訳が始まるよ〜〜〜。
鷹揚に構えられる心の広い人は見てね。
割とそうじゃないと思われる人は、このネタバレ書評(レビュー)は目にされない方が良いと思います。
と言うか、そうして下さると助かります。

では、言い訳タイムです。

今回、本書が蔵書から見つかりませんでした……どうやら既に手放してしまって久しいようです。
古書店の棚に並んでいるか、あなたの自宅に古書の『クール・キャンデー』があればそれかもしれません。

なので、ネット上で調べた情報と記憶に基づく曖昧なあらすじに従って述べて行きたいと思います。
とはいえ、一度は所蔵し目も通した物です、大丈夫……な筈だったのですが、詳細が出て来ない。
当然、内容が正確であるかどうか全く自信がありません。
「たぶん、こうだった」程度のものとなりますので、注意!!

なお、登場人物名についてはネット上で確認が出来ているので正確と思われます。
それと、あのラストは正しい筈。
途中経過がかなり曖昧なので、其処は超再現ドラマ版に期待します。

言い訳が長くなりましたが、感想です。
もちろん過去に読んだ際の感想となりますので、これまた曖昧です。

あの『五十円玉二十枚の謎』の経験者で知られる若竹七海先生の作品です。
『五十円玉二十枚の謎』については、下記過去記事を参照のこと。

「創元推理21 2002年夏号(2002年8月)」(東京創元社刊)

割と短い本作。
ですが、ラストは衝撃的でした。
なんてったって、アレでしたからね。
かなりのサプライズでした。
アガサ・クリスティ著『アクロイド殺し』のパターンを想起させることも上手く働き、これに貢献していますね。
その長さで気軽に読めるからこそ、あのオチが効果的なのかもしれません。

ちなみに本作の続編が短編『みたびのサマータイム』。
渚のその後が描かれます。
『みたびのサマータイム』は『血文字パズル』と『青に捧げる悪夢』(共に角川書店刊)に収録。
2冊とも品切れ、重版未定なので注意!!

<ネタバレあらすじ>

杉原渚は中学生。
誕生日と夏休みの初日を明日に控えたその日、兄・良輔の妻であった柚子が入院先で死亡。
さらに、柚子の死の原因となった田所も事故死してしまう。

田所は柚子をストーカーし、暴行を働いていた。
柚子はそれが原因で自殺未遂し、入院していたのだ。
田所の死を目撃していた人物によれば、何かに追われているようだったらしい。

こうして、動機のある良輔が疑われることに。
良輔にはアリバイが無かった。

渚は特に良輔と仲が良かったワケではないが、殺人者の妹にはなりたくない。
何より、兄の犯行ではないとの確信があった。
そこで、兄の無実を証明するべく動くことに。

一方、渚は友人・サキから田所の死亡時刻に痴漢に遭ったと聞かされる。
この痴漢は、渚とサキを取り違えた渚の幼馴染・忍が渚を驚かせるべく行ったことと明らかになるが……。

良輔の無実を証明する方法に限界を感じた渚は、この痴漢事件を利用することを思いつく。
忍ではなく良輔がやったことにしたのだ。

良輔にはアリバイが出来る。
忍はこのままでは痴漢と誤解されてしまうが、回避できる。
すべてが丸く収まるのだ。
こうして、良輔は容疑の圏外に逃れることとなった。

渚は胸を撫で下ろすが、チクリと痛みも感じていた。
何故、渚が田所の死に良輔が関与していないと断言できたか?
何故ならば、田所を死に追いやったのは渚だったからである。

渚は柚子の敵討ちに柚子に化けて田所を脅したのだ。
これを見た田所は肝を潰し、我を忘れて逃げた末に事故に遭ったのだ。

しかし、渚は知らなかった。
良輔もまた罪を犯していたことに。

良輔は田所の死についてアリバイが無かった。
いや、アリバイを証言できなかった。

何故なら、良輔はその時刻にある人物を殺害していたから。
殺害されたのは柚子である。

柚子は田所に乱暴されたことで、良輔を責めた。
カッとなった良輔は柚子を突き落としてしまう。
これが柚子が入院することとなった理由である。
柚子の自殺未遂ではなかったのだ。
もしも、柚子が回復すれば自身の犯行が露見する。
そこで良輔が柚子を殺害したのだった―――エンド。

「超再現!ミステリー」第8回「“悪妻vs美少女SP”死んだ悪妻…疑われた夫助ける14歳の美人妹アリバイ偽装が大成功」(6月26日放送)ネタバレ批評(レビュー)

◆関連過去記事
「創元推理21 2002年夏号(2002年8月)」(東京創元社刊)

「クール・キャンデー (祥伝社文庫)」です!!
クール・キャンデー (祥伝社文庫)





続編『みたびのサマータイム』収録「血文字パズル―ミステリ・アンソロジー〈5〉 (角川スニーカー文庫)」です!!
血文字パズル―ミステリ・アンソロジー〈5〉 (角川スニーカー文庫)





同じく「青に捧げる悪夢」です!!
青に捧げる悪夢



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posted by 俺 at 11:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評(レビュー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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