ネタバレあります、注意!!
<感想>
『小説新潮』で連載中の第7回。
今回は9章が掲載されました。
ハルカがどんどん追い詰められています。
両親からは見捨てられ、クラスメートからは距離を置かれ……唯一、サトルのみがこれまでと変わらず。
もう1人味方になってくれそうなリンカは登校していない。
やはり、リンカには何かある……。
それにしても、クラスメートの急変は本当に三浦と関わったことが原因なのか。
管理人的に、この『リカーシブル』の世界は「死後の世界」ではないかと疑っています。
もしかして、その死者の1人である母から縁を絶たれたことでハルカは生者とされ、疎遠にされつつあるのではないでしょうか。
ある意味、ハルカとサトルは生者と死者の境に立っているとか……。
そして、ハルカはサトルが何故、既視感を持つのか気が付きつつある様子。
管理人は「死後の世界だからこそ繰り返している」と考えているのですが、果たして。
気になるのは友人・リンカの名前。
『リカーシブル リブート』だと「リンコ」でしたが、彼女だけ名前が変わったことには意味があるのか?
ひょっとすると、「リンカ」=「リーンカーネーション」の略なのか?
だとすれば、「転生」の意味を持つことになるが。
やっぱり、分からないなぁ……。
現状で、既に伏線が張られているのでしょうか?
だとすれば、物凄い物語と言えそうです。
次回以降にも要注目!!
さらに、「野生時代 2012年8月号」(角川書店刊)では米澤穂信先生の読切が掲載予定!!
「野生時代」は角川書店の発行。
角川で米澤先生と言えば―――あのシリーズ(「古典部」)かも?
こちらも要チェックや!!
<ネタバレあらすじ>
三浦の見舞いを終えたハルカを環境の激変が襲う。
その夜、帰宅したハルカは義母に呼ばれ、彼女から義務教育を終えた後には家を出るよう告げられる。
ハルカの祖父母は孫の受け入れを拒否している、叔父叔母など幽霊の如きものだ。
それについては義母も重々知っている、その上でこう告げられたということ―――つまり、文字通りハルカが捨てられたことを示していた。
絶望の淵に突き落とされ傷心のハルカ、そんなハルカにこれまで通り接するサトル。
今のハルカにとって、サトルのそんな姿がありがたかった。
翌日、登校したハルカは自身を巡る空気が変わっていることに気付く。
クラスメートが彼女を無視し、排除しようとしているのだ。
三浦への見舞いがバレたのか……三浦と関わることはかくも重要なことだったのだろうか。
ハルカは認識が甘かったと後悔する。
ハルカはリンカを通じてのみ、クラスと繋がっていた。
だが、肝心のリンカは休みを取っている……手の施しようがない。
ハルカが手をこまねいている間に、周囲はどんどん彼女を排除するべくまとまっていく。
ハルカはただひたすら耐えるしかなかった……。
下校の時間となった。
「最悪の月曜日だった」ハルカがそんな感想を洩らしたのも当然だろう。
だが、まだハルカは甘かった。
月曜日は終わっていないのだから。
帰宅したハルカに衝撃の報が伝えられる。
サトルがまだ帰って来ていないと言うのだ―――第8回(第10章)に続く。
【リカーシブル】
・『リカーシブル リブート』(『Story Seller 2』収録、米澤穂信著、新潮社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・『リカーシブル 5章(連載第3回)』(『小説新潮 2012年02月号』掲載、米澤穂信著、新潮社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・『リカーシブル 6章(連載第4回)』(『小説新潮 2012年03月号』掲載、米澤穂信著、新潮社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・『リカーシブル 7章(連載第5回)』(『小説新潮 2012年04月号』掲載、米澤穂信著、新潮社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・『リカーシブル 8章(連載第6回)』(『小説新潮 2012年06月号』掲載、米澤穂信著、新潮社刊)ネタバレ書評(レビュー)
◆「米澤穂信先生」関連過去記事
・「インシテミル」(文藝春秋社)ネタバレ書評(レビュー)
・「儚い羊たちの祝宴」(新潮社)ネタバレ書評(レビュー)
・「追想五断章」(集英社)ネタバレ書評(レビュー)
・「折れた竜骨」(東京創元社)ネタバレ書評(レビュー)
・オール讀物増刊「オールスイリ」(文藝春秋社刊)を読んで(米澤穂信「軽い雨」&麻耶雄嵩「少年探偵団と神様」ネタバレ書評)
・「満願(Story Seller 3収録)」(米澤穂信著、新潮社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・「万灯(小説新潮5月号 Story Seller 2011収録)」(米澤穂信著、新潮社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・『913』(『小説すばる 2012年01月号』掲載、米澤穂信著、集英社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・『Do you love me ?』(『不思議の足跡』収録、米澤穂信著、光文社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・『一続きの音』(『小説新潮 2012年05月号 Story Seller 2012』掲載、米澤穂信著、新潮社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・『下津山縁起』(米澤穂信著、文藝春秋社刊『別冊 文芸春秋 2012年7月号』)ネタバレ書評(レビュー)
【リカーシブル】
・『リカーシブル リブート』(『Story Seller 2』収録、米澤穂信著、新潮社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・『リカーシブル 5章(連載第3回)』(『小説新潮 2012年02月号』掲載、米澤穂信著、新潮社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・『リカーシブル 6章(連載第4回)』(『小説新潮 2012年03月号』掲載、米澤穂信著、新潮社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・『リカーシブル 7章(連載第5回)』(『小説新潮 2012年04月号』掲載、米澤穂信著、新潮社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・『リカーシブル 8章(連載第6回)』(『小説新潮 2012年06月号』掲載、米澤穂信著、新潮社刊)ネタバレ書評(レビュー)
【古典部シリーズ】
・「氷菓」(角川書店)ネタバレ書評(レビュー)
・「愚者のエンドロール」(角川書店)ネタバレ書評(レビュー)
・「クドリャフカの順番」(角川書店)ネタバレ書評(レビュー)
・「遠まわりする雛」(角川書店)ネタバレ書評(レビュー)
・「ふたりの距離の概算」(角川書店)ネタバレ書評(レビュー)
【小市民シリーズ】
・「夏期限定トロピカルパフェ事件」(東京創元社)ネタバレ書評(レビュー)
【S&Rシリーズ】
・『犬はどこだ』(米澤穂信著、東京創元社刊)ネタバレ書評(レビュー)
【太刀洗シリーズ】
・『さよなら妖精』(米澤穂信著、東京創元社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・「名を刻む死(ミステリーズ!vol.47掲載)」(米澤穂信著、東京創元社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・「蝦蟇倉市事件2」(東京創元社)ネタバレ書評(レビュー)
(ナイフを失われた思い出の中に)
【その他】
・探偵Xからの挑戦状!「怪盗Xからの挑戦状」(米澤穂信著)本放送(5月5日放送)ネタバレ批評(レビュー)
◆米澤穂信先生の作品はこちら。
【関連する記事】
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