2012年07月05日

水曜ミステリー9「湯けむりドクター・華岡万里子の事件簿 姨捨山伝説殺人事件・信濃の秘湯で泣く母子 時を狂わす殺人トリック!老舗酒蔵の秘密(おばすて伝説殺人事件〜老母が捨てられる!?信濃の秘湯に渦巻く黒い血脈銘酒が暴くトリック)」(7月4日放送)ネタバレ批評(レビュー)

水曜ミステリー9「湯けむりドクター・華岡万里子の事件簿 姨捨山伝説殺人事件・信濃の秘湯で泣く母子 時を狂わす殺人トリック!老舗酒蔵の秘密(おばすて伝説殺人事件〜老母が捨てられる!?信濃の秘湯に渦巻く黒い血脈銘酒が暴くトリック)」(7月4日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

山村の診療所で医師を務めている華岡万里子(かたせ梨乃)は、一人娘の芽衣(尾崎千瑛)と暮らしながら村人たちの診療に携わる日々を送っている。折しも、村では村長選の真っ只中。16年間対立候補がいなかったため無投票で村長を務めてきた現職の志村仙吉(石井愃一)と、新人の升川以蔵(大高洋夫)の一騎打ちが展開されていた。以蔵はこの村に大規模な高齢者介護施設を建設し、都会から入居者を受け入れてその利益で村民の無料デイサービスを運営することを公約に掲げ、仙吉は苦戦を強いられていた。
ある日、万里子が芽衣と看護師の青田富士子(三林京子)とともに、かつて実際に「姨捨て」が行われていたという山で山菜採りに興じていると、山奥のお堂の中で倒れている老女(淡路恵子)を発見する。その女性は足を骨折しており、体には日常的に暴力を受けているのではないかと見られる打撲痕があった。誰かに虐待された挙句にお堂まで運ばれ置き去りにされたのではないかと案じた万里子は、彼女の膝関節の手術痕から身元を照会できないかと、村の駐在・栗田丸男(三波豊和)に頼む。
その結果、女性は升川酒造の升川幸代であることが判明した。長野県警の刑事・犬丸剛(渡辺哲)とともに升川酒造を訪ねた万里子は、今回の村長選に立候補している升川以蔵が幸代の長男であることを知り驚く。しかし、対応にあたった以蔵の妻・七恵(大塚良重)と弟の俊之介(湯江健幸)は、幸代は10日間の予定で湯治に行っているものと思っていたと話し、驚いた様子を見せる。
その後、以蔵と七恵が幸代のもとへ面会にやって来るが、幸代は一時的なショックのためか、話しかけられても全く反応がなく、結局、誰が幸代の足を折りお堂まで連れて来たのかはわからないままになってしまう。そんな中、以蔵の前に支援者の真田徳春(国広富之)が姿を現した。真田は「マザーエイド」という会社を経営しており、以蔵が公約に掲げている介護施設の運営を担っていた。翌日、真田の主催で大々的に介護施設建設計画の説明会が行われることになった。真田に誘われた万里子は、対立候補の志村や看護師の富士子らとともに説明会に参加する。ところが、説明会に出席する予定だった以蔵は姿を現さず、その翌日、遺体となって発見されてしまう。
やがて、升川酒造には借金があり、幸代に多額の生命保険がかけられていたことが判明するが…。
(水曜ミステリー9公式HPより)


では、続きから(一部、重複アリ)……。

升川幸代が山中に放置され、それを万里子が発見して2日後。
升川以蔵が何者かに殺害されてしまう。
死亡推定時刻を18時から20時と判断した万里子により、関係者にはアリバイが成立する。

結果、唯一アリバイがなく、以蔵と対立していた弟・俊之介に容疑が向かう。
だが、決め手のないまま4日が過ぎた。

一方、俊之介の恋人で「升川酒造」で杜氏見習いとして働く山藤美紀は七恵に問い詰められていた。
美紀の実家である「山藤バイオテックス」が「升川酒造」の買収工作に乗り出していたことが判明したのだ。
しかも、以蔵はそれに応じようとしていた節があった。
七恵は「私は売る気はない」と強硬に主張する。

その翌朝、七恵が死体で発見される。
七恵の死体の傍には、髪の毛らしきものが落ちていた……。

犯人が分からず捜査は混乱する。
一方で、俊之介は自身の知らぬところで買収に動いていた美紀の実家の行動とそれを美紀が黙認していたことを知り、美紀と言い争いに。
結局、美紀と別れることになった。

万里子の病院で治療に当たっていた幸代。
ふとしたきっかけで「さっちゃん」と呼ばれ、感情を露にする。
過去、村が食糧難に陥った際に、村の老人たちは自ら山中へと身を捨てた。
だが、幸代は空腹も気にせず自身の食べ物を彼らへと運んだ。
これを真似た村人たちにより、村は死者を出さずに済んだとの逸話があったのだ。
幸代の反応を見ていた万里子は幸代の真意に気付く。

幸代の放置事件は自作自演だった。
以蔵と俊之介の争いを見るに見かねた幸代は、資金難の会社を救う為に自身の保険金を充てることを思いついた。
そこで、山中で自殺しようとしたのだ。
しかも、幸代は升川以蔵から日常的に虐待を受けていた。

さらに、幸代と以蔵、俊之介が血の繋がっていない親子であると判明。
幸代は元船大工の妻だったが、先代に見込まれ後妻に入っていたのだ。

介護施設計画はまとまりつつあった。
計画を主導する真田徳春は「自分は何処にも身の置き場がない」と心中の孤独を万里子に訴える。

幸代について、調べ始めた万里子。
幸代は旧姓・穂波幸代。
その父は宮大工だったが博打にのめり込み、幸代が後妻となったのも金と引き換えだったらしい。
しかも、幸代には後妻となる為に施設に預けた実の息子が居たことも分かる。

幸代の息子・穂波耕介を調べた万里子は、耕介が行方をくらませていたことを知る。

矢先、七恵の遺体付近に落ちていた髪の毛が俊之介のものと判明。
俊之介が連行される。

さらに、七恵が以蔵以外の男性と関係を持っていたことも分かる。
俊之介への容疑が深まるが……。

直後に、以蔵が死亡推定時刻以後にマラソンをしていたとの目撃証言が得られる。
これを聞いた万里子は、死亡推定時刻を訂正することに。
以蔵が殺害当日0時以降に殺害された恐れが出て来たのだ。
これで関係者のアリバイが意味のないものとなった。

翌日、真田が詐欺師だと判明する。
介護施設も何もかも嘘だったのだ。

さらに、幸代が何者かに誘拐される。
誘拐したのは真田だった。
真田は幸代が捨てた息子・耕介だったのだ。
しかも、七恵の不倫相手も真田であった。

すべては耕介である真田の復讐だった。

当初、真田は以蔵を騙し村長選に出馬させ、どさくさに紛れて金を持ち逃げするつもりであった。
これに反対しそうな七恵を男女の仲になり、懐柔した。
ところが、これが仇になった。
不倫の事実を以蔵に掴まれ、責められたのだ。
真田は母を奪ったにも関わらず、逆に非難する以蔵を許せず殺害してしまう。
これを七恵に知られ逃亡するよう持ちかけられたが、真田にその気はなく、殺害したのだった。

真田は自分を捨てた幸代を殺そうとする。
だが、幸代から「お前の手を汚させはしない」と告げられ、躊躇してしまう。

そこへ駆け付けた万里子たち。
万里子は「あなたたち(幸代と真田)は親子として思い合っている」と叫ぶ。
これを聞いた真田は抵抗の意志を失い、大人しく逮捕された。

美紀と俊之介は復縁した。
美紀が父親を説得し、買収工作から投資へと切り替えさせたのだ。
こうして、升川酒造は危機を乗り越えた。

万里子の娘・芽衣は信州大学医学部への進学か役者になるべきか悩むのであった。
そんな芽衣を母親として見守る万里子―――エンド。

<感想>

「湯けむりドクター・華岡万里子の事件簿」シリーズ第6弾。
原作はなし、オリジナルです。
前作は2011年12月28日の放送なので、ほぼ7ヶ月ぶりの新作となりました。

水曜ミステリー9「“湯けむりドクター・華岡万里子の事件簿”龍神伝説殺人事件〜信濃の秘湯で誓った愛 祭の夜の悲劇!形見の指輪が死の謎を解く(信州・龍神伝説殺人事件〜呪われたダム計画…犯行は祭りの夜に17年前の出生の真実)」(12月28日放送)ネタバレ批評(レビュー)

さて、そんなドラマ版の感想を!!

ある種、トラウマとなっていた前作に比べ、今回はある程度視られるモノになっていましたね。

今回のテーマは「自己犠牲」かな。
幸代のエピソードのほぼすべてがソレを指し示していたし。
結局、その「自己犠牲」に巻き込まれた息子が被害を被ったと言えなくもないような……。

でもって、「自己犠牲」を説く幸代の生涯よりも、何の支援も無く生きて来た真田の生涯の方が遥かに過酷に思えるのですが。
真田は素直に幸代と親子の名乗りを上げていた方が良かった気がするなぁ。
その方が幸代への復讐にもなったでしょ。
同時に互いの親子の愛情を確かめる機会にもなった筈なのに。
それが出来なかったのも、幸代へ遠慮があったのだろうか……複雑だ。

ここからはシナリオの構成について。

ちょっと極端かな。
前半が殆ど意味が無く、後半の……しかも終盤30分になって重要情報が連発。
特に死亡推定時刻誤認トリックはもっと早めに視聴者に意識させるべきだと思う。
トリックがそこにあったこと自体も分かりにくかった。
トリック自体は決して悪くはないが、あの扱いでは意味がない。
正直、後半の詰め込み過ぎが原因だと思う。
伏線は前半から万遍なく盛り込むべきではないか。
ちなみに、終盤30分の内容はネタバレあらすじの「升川兄弟と幸代に血縁が無い」以降の情報がソレです。
ね、殆ど此処でしょ。

それと、真田が犯人なのはすぐに分かるよね。
だって、七恵のことを宴会の席でも「七恵さん」って呼んでるんだもの。
普通は「奥さん」とか「升川さん」でしょ。
仕事で世話になってても、相手の奥さんの名前まで知っている人はそういないと思う。
あれで、七恵と真田が不倫関係なのはすぐ分かる筈。
で、当の七恵の夫が殺害されるワケだから……。
相手の呼び方も伏線になっているのかと思いきや、そこは放置されていたけどどうなんだろう。

もろもろ振り返っても、これは前半を視る必要はなかったかもしれないなぁ……。
これ、必要なところを抽出すれば1時間に収まるのではなかろうか。
疑問だなぁ……。

とはいえ、後半はなかなかでした。
なので、全体として「可もなく不可もなく」で。

それにしても、タイトルこそ「湯けむりドクター」なんだけど、もう「湯けむり」関係ないよなぁ……。
今は「人情ドクター」だと思うんだけどなぁ……。

<キャスト>

華岡万里子:かたせ梨乃
青田富士子:三林京子
真田徳春:国広富之
升川幸代:淡路恵子
松岡善吉:米倉斉加年
犬丸剛:渡辺哲
升川俊之介:湯江健幸
栗田丸男:三波豊和
升川以蔵:大高洋夫
志村仙吉:石井愃一 ほか
(順不同、敬称略、公式HPより転載)


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