「日本の原作がいきなりハリウッドで映画化!?」と首を傾げる方もいらっしゃるかもしれませんので、より正確にお伝しましょう。
正確には「短編『ある脅迫』を原作とする1960年に公開された日本映画『ある脅迫』がハリウッドでリメイクされる」とのことです。
リメイク版の脚本は、映画「クラッシュ」のロバート・モレスコさん。
『野獣の青春』がジョン・ウー監督の手でリメイクされるとの情報もあり、1960年代の日本映画が注目されているようです。
原作の『ある脅迫』は『落ちる』『笑う男』と共に3作で直木賞を受賞したほどの作品。
『ある脅迫』を収録した『落ちる』のあらすじはこちら。
<あらすじ>
自己破壊衝動に苛まれる男の物語「落ちる」、万年平行員のささやかな逆襲「ある脅迫」、完全犯罪かと思われた事件の皮肉な露顕「笑う男」――第40回直木賞を受けた3編など、多彩な趣向に満ちた初期秀作10編を収める。
目次「落ちる」「猫」「ヒーローの死」「ある脅迫」「笑う男」「私は死んでいる」「かわいい女」「みかん山」「黒い木の葉」「二夜の女」
(東京創元社公式HPより)
これだけだとどのような作品か分かり辛いと思うので、映画版のあらすじをどうぞ。
ただし、こちらは結末にまで触れていますので注意!!
<『ある脅迫』あらすじ>
北陸××銀行直江津支店次長滝田恭助は、本店の業務部長に栄転することになった。彼の妻は頭取の娘で、このことも出世を早める原因らしかった。滝田の送別会で、一人離れて座っている男があった。中学時代に滝田と同級だった庶務係の中池だ。滝田の妻はもとはといえば中池の恋人だった。それを滝田が奪ってから彼の人生街道が開いたのだ--。宴会の帰途、滝田の前に立った男がある。ヤクザの熊木だ。滝田が女を養うために印鑑を偽造、浮貸しをしている秘密を握っているのだ。三百万円よこせと脅迫した。そして、拳銃を渡して金庫破りをすすめた。ある夜、レインコートを着、ハンチングと黒いスカーフで顔を隠した滝田は、小使を縛って銀行へ押し入った。宿直の中池が帰って来た。滝田は拳銃をつきつけ、金庫の前に中池を引っ立てた。しかし、中池は滝田の正体を見破っていた。滝田は急に笑い出し、防犯週間だから銀行ギャングの予行演習を考えついたのだと言った。この場は何とかつくろったが、熊木が三百万円を待っている。二人は断崖の上でもみあい、足をすべらした熊木は悲鳴を残して落ちていった。翌日、滝田は中池に呼び止められた。中池は自分が熊木を使って脅迫させていたのだと言った。--妻や子と任地へ向う滝田は汽車に乗っていた。しかし、隅の方の席には中池が座っていた。「これからあんたの行くところへはどこまでもついて行く。銀行はやめたよ」と滝田を見上げて言うのだった。
(goo公式HPより)
どうでしょう、お分かりになりましたか?
勝者と敗者が逆転する作品です。
ハリウッドリメイク版では舞台を現代に移すとのことですが、どのような作品になるのか注目です!!
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