ネット上で話題となっており、1巻は今も順調に版を重ねているとの情報も流れています。
実際、読んでみると不思議な魅力を持つ本作。
面白いものを読んだら語らずにはいられない管理人にとって、十分に語るべき対象となる作品であります。
というわけで、2012年7月5日に掲載された作品のあらすじをまとめておきます。
今回は一挙2本立てでした。
これを読んで興味を持たれた方は、是非「週刊少年チャンピオン」本誌連載とコミックスにもチャレンジして貰えればオススメした甲斐があるかもしれません。
直に本作を目にして貰えればその不思議な魅力をご理解頂けるかと思います。
では、本作の魅力を出来る限りお伝えするべくネタバレ批評(レビュー)です。
◆2012年7月5日「週刊少年チャンピオン」掲載
7月5日「空が灰色だから」は一挙2話掲載でした。
・1話目「乙女心」
色部さんはクールビューティーに憧れる女子学生。
それもこれも大好きな山科君への想いを叶える為!!
彼にとって魅力的な女性となるべく、何を考えているのか読まれない女になるのだ〜〜〜。
と、そこへ同級生の高畠が声をかけてくる。
だが、クールビューティーを目指す色部さんは気安くは応じない。
どこか素っ気ない態度を示す。
と、今度は山科君が!!
(やっ、やっ、山科君〜〜〜)
彼を目の前にすると頬は赤く染まり、身体は硬直してしまう。
どこからどう見ても、色部の気持ちはバレバレである。
と、高畠は色部さんの気持ちを山科君に伝えてしまう。
「ええ〜〜〜っ、な、なんで〜〜〜!!」
取り乱した色部さん、もはや、クールビューティーの面影はどこへやら。
「裏表ないよね〜〜〜」
そんな色部さんを評して高畠の一言。
彼女の本質は広く知られるところだったのである―――エンド。
・2話目
「ネガティバー(ネガティブな人)」を自称するリコナは今日もネガティブ発言を繰り返していた。
友人の美緒はそんなリコナに呆れ気味。
もう1人の友人・翔は天才少女だけあって、我関せずを貫いている。
リコナは語る「何をどうしようがどうにもならないんだから、世の中は私に甘くなるべきだ」と。
むしろ「世の中が甘くないのは変だ」と。
これを聞いた美緒は「ポジティブにネガティブだ」と驚く。
一方、翔は「じゃぁ、甘くなるよう自分が頑張らないとね」と一刀両断。
リコナはぐうの音も出ない。
辛うじて「うん、じゃあ頑張って甘くしてみせるよ」と宣言する。
(やっぱり、この娘はポジティブなんじゃ……)
と思う美緒なのであった―――エンド。
<感想>
2012年7月5日掲載のものです。
一挙2話掲載でした。
まずは1話目。
これはカラーを上手く活かしていますね。
まさにカラーでなければ本領が発揮され得ない作品。
理由は実際に本作をご覧くだされば分かる筈。
内容的には「知らぬは本人ばかりなり」ですね。
もともと山科に好かれようと、クールビューティーを演じようとするだけあって根が素直なんでしょう。
動機からして既に結果を裏切っていた……ということでしょうね。
次に2話目。
何処かで見たことのあるキャラの登場です……って、これ本作には珍しくメインとなった再登場キャラですね。
内容的には「果たしてポジティブなのかネガティブなのか」がテーマかな。
これはありますね。
「後ろ向きに頑張る」とか「前向きに否定する」とか。
何とも複雑です。
「むしろ中庸が素敵なのですよ!!」と主張してみたりする。
そんな「空が灰色だから」は「週刊少年チャンピオン」に連載中の漫画。
読むと心がざわついて何処となく落ち着かなくなる作風。
この間から何となく感じていたのですが、本作は過去に「週刊少年チャンピオン」にて連載されていた倉島圭先生「24のひとみ」にテイストが似ていますね。
従来の枠に囚われない世界観は両者の特徴と言えるでしょう。
その味は、古典部シリーズ『氷菓』のアニメ化で話題の米澤穂信先生の著作『儚い羊たちの祝宴』に通じるモノがありそうです。
・『儚い羊たちの祝宴』(米澤穂信著、新潮社刊)ネタバレ批評(レビュー)
◆関連過去記事
・阿部共実先生「空が灰色だから」(秋田書房)の1巻が発売!!不思議な魅力を湛えた本作に注目すべし!!&今週号ネタバレ批評(レビュー)
・2012年3月15、22日の「空が灰色だから」ネタバレ批評(レビュー)
・2012年3月29日、4月5日の「空が灰色だから」ネタバレ批評(レビュー)
・2012年4月12日、4月19日の「空が灰色だから」ネタバレ批評(レビュー)
・2012年4月26日の「空が灰色だから」ネタバレ批評(レビュー)
・2012年5月10日の「空が灰色だから」ネタバレ批評(レビュー)
・2012年5月17日の「空が灰色だから」ネタバレ批評(レビュー)
・2012年5月24日の「空が灰色だから」ネタバレ批評(レビュー)
・2012年5月31日の「空が灰色だから」ネタバレ批評(レビュー)
・2012年6月7日の「空が灰色だから」ネタバレ批評(レビュー)
・2012年6月14日の「空が灰色だから」ネタバレ批評(レビュー)
・2012年6月21日の「空が灰色だから」ネタバレ批評(レビュー)
・2012年6月28日の「空が灰色だから」ネタバレ批評(レビュー)
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