<あらすじ>
居酒屋の店長・板垣正明(松川貴弘)が殺された。店は全国展開する外食産業会社の系列で、板垣は何者かに毒を盛られたようだ。「店長は会社に殺された」という匿名のメールが警察に届き、捜査一課の刑事・村上徳郎(柳葉敏郎)と五十川圭(若山慎)が捜査を開始する。
板垣が売上げを横領していた疑いがあり、急成長している会社自体にも様々な疑惑がある事から、捜査二課の財務捜査官が会社を調べることになった。藤堂房雄(伊武雅刀)室長は、新任の佐山隆一(益岡徹)係長に捜査の指揮を任せる。雨宮瑠璃子(浅野ゆう子)と佐山が捜査のため訪れた居酒屋に村上も来ており、その時、村上と佐山が同期だと知り、瑠璃子は驚いた。
さて、瑠璃子と松下静夫(梨本謙次郎)、中島幸太(津田寛治)たちは応酬した膨大な書類と格闘するが、殺人事件につながる手がかりは発見できなかった。ところが板垣の上司・田所慶介(乃木涼介)とさらに専務・石黒卓也(日野陽仁)が相次いで殺された。経理担当の重役・三原佐和子(有森也実)も階段で突き落とされ怪我を負った。次々と社員たちが死傷する事態に、一代で会社を築いた漆原正康(中丸新将)社長とその妻・久代(鷲尾真知子)は動揺を隠せない。そんな中、佐山は社長秘書・徳永美鈴(滝沢沙織)の動きに注目する。一方、村上も独自の捜査で事件の真相に迫りつつあった。
やがて、殺された田所と負傷した三原が、10年前に世間を騒がせた大型詐欺事件の加害者だったことが判明する。佐山はその事件の捜査を担当していたが、詐欺の被害者が自殺した上に、事実を徹底解明できなかったことが心の傷となって残っていた。瑠璃子と佐山は詐欺事件が今回の連続殺人に大きな影を落としていることに気付くのだった…。
(月曜ゴールデン公式HPより)
では、続きから……(一部、重複あり)。
居酒屋チェーン店「ミリオンダイニング」の店長・板垣がトリカブトの毒で殺害された。
村上たちが捜査に乗り出す一方で、「ミリオンダイニング」と代議士の富成との間で不正な資金の流れがあると掴んだ瑠璃子たちも捜査にあたることに。
瑠璃子は自身が所属する捜査二課の新たな係長となった佐山と共に捜査に赴く。
佐山は村上の同期であった。
「ミリオンダイニング」は社長・漆原とその妻・久代が1代で築き上げた会社。
他に専務の石黒、経理担当常務の三原、エリアマネージャーの田所、社長秘書の徳永美鈴などが在籍していた。
矢先、田所が殺害。
さらに、三原が何者かに突き落とされ負傷する。
田所の口座から毎月「イワシタカズトシ」名義で5万円が引き出されていることが判明。
岩下によれば、5万円は家賃らしい。
実に相場の3分の1の値段である。
岩下が、大規模なフランチャイズ詐欺を行っていた「フォワードカンパニー」の幹部だったことが明らかに。
「フォワードカンパニー」事件は結局、逮捕者も出ず、有耶無耶に終わっていた。
さらに、田所の前歴は明かされておらず、「フォワードカンパニーの幹部ではないか」との疑惑が浮上する。
突如、様子のおかしくなる佐山。
瑠璃子は、佐山の過去を知る村上から事情を訊くことに。
佐山は当時の「フォワードカンパニー」事件の担当者だった。
しかし、「フォワードカンパニー」に警察上層部の親族が関わっていたことから捜査は打ち切られていた。
つまり、捜査を終結したのは佐山である。
しかも、佐山は「ミリオンダイニング」の社長秘書・徳永美鈴に異常な反応を示すが……。
そんな中、瑠璃子は田所が担当していた店舗の米の仕入れ量が増えていることに気付く。
にも関わらず、売上は変わっていなかった。
各店舗を回ったところ、いずれも仕入れ量が増えていたこと自体を知らなかった。
つまり、複数店舗を管理するエリアマネージャー・田所が数字を操作し、差額を不正に取得していたのだ。
仕入れ先とされる米屋に当たったところ、裏金を認める。
ただ、黒幕は田所ではなく、石黒であった。
どうやら、板垣はこのカラクリに気付き脅迫していたようだ。
早速、石黒を訪ねる瑠璃子だったが、石黒は既に服毒死していた。
板垣の死因と同じトリカブトである。
佐山は「石黒が板垣を殺害、その罪を田所になすりつけたが、見抜かれた為に自殺した」との筋書きを主張。
だが、瑠璃子はこれを疑問視。
未だ明らかになってない「ミリオンダイニング」と「代議士・富成」との関係を掴むべきと反論する。
石黒と田所を失ったことで、三原が「ミリオンダイニング」の陣頭に立つ。
これに警戒心を抱く久代だが、夫である社長の漆原は全く相手にしない。
実は、漆原は三原に誘惑され骨抜きにされていた。
三原は「ミリオンダイニング」乗っ取りを目論んでいたのだ。
瑠璃子は「ミリオンダイニング」にて年2回ほど内装工事が行われていることに注目。
担当する業者が「荒神建設」で固定されていることに疑問を持つ。
調べたところ、工事が終わるごとに「荒神建設」が「赤丸設備」あてに「ミリオンダイニング」から支払われた10パーセントの金額を払っていることを突き止める。
何時どんな時でも10パーセントを支払っている……さらに疑問に思った瑠璃子たちは調査を続ける。
悩み続けていた佐山は村上に説得され、自身の知る情報すべてを瑠璃子に明かす。
三原も田所も元「フォワードカンパニー」の社員だったのだ。
佐山が情報を隠していたのには理由があった。
ある人物を庇う為である。
食堂を経営していた夫婦が「フォワードカンパニー」の詐欺に遭い死亡していた。
夫婦には1人娘が居た。
その娘こそ、徳永美鈴だったのである。
そして、美鈴の両親を騙したのは、三原と田所だった。
もしや、美鈴が両親の復讐をしているのでは?
これが事実ならば「フォワードカンパニー」を摘発できなかった自分にも責任がある―――そう佐山は考えたのだ。
しかも、佐山は美鈴が富成と接触していた事実も掴んでいた。
「刑事として責任を取りたい」―――佐山は瑠璃子に捜査に協力して欲しいと依頼する。
これに応じた瑠璃子は共に「赤丸設備」を追う。
半月ほど前、美鈴が「赤丸設備」を調べていたことが判明。
さらに、「赤丸設備」が架空の会社であり、代表取締役が富成の第二秘書と分かる。
つまり、「赤丸設備」に流れた金銭は三原から富成への不正献金だったのだ。
美鈴は三原への復讐を果たすべく、三原の周囲を調べていたのだ。
その頃、美鈴と三原は2人きりで新店舗の建設予定地に同行していた。
人気のないそこで、三原は水筒の飲み物を美鈴に勧めるが……。
車と共に、瑠璃子と佐山が駆け付ける。
「また、殺す気か?」三原から水筒を取り上げる佐山。
瑠璃子は石黒殺害を三原の犯行と指摘、弾劾する。
そもそも、三原が石黒の不正に気付かない筈がなかった。
三原はそれを知りつつ、石黒を告発出来なかった―――何故か?
それは富成への不正献金を石黒に知られていたからである。
石黒と田所は三原を脅していた。
同時に自身らも帳簿上の米の仕入れを操作して、不正していた。
しかし、それを板垣に嗅ぎ付けられ脅迫された。
そこで、石黒が板垣を口封じに殺害。
ところが、今度は田所が石黒を脅迫、取り分を増やすよう要求し始めた。
そこで、またも石黒が田所を殺害した。
三原の転落事故も石黒の仕業らしい。
石黒は三原を痛めつけた上で、海外への逃亡資金を支払うよう迫ったのだ。
だが、今度ばかりは相手が悪かった。
三原はあっさりと石黒を毒殺してしまう。
「どう?あんたが望んだ通り破滅したわよ」
美鈴へ向けて皮肉をぶつける三原。
「父が母があなたに騙され死んでから、どれだけ苦労したか……」
無念を訴える美鈴。
だが、三原は怯まない。
「自分だけが不幸だと思っているの?私なんて父が殺害犯なのよ、そんな中、此処までやってのけた!!」
そんな三原に、瑠璃子は三原が富成を庇っていると詰め寄る。
そして、そんな必要はないと。
三原は富成との結婚を夢見ていた。
だが、三原は知らなかったが、彼女が行った富成への献金のすべては他の女性との派手な遊興費に消えていた。
富成は三原を利用したのだ。
これを聞かされた三原は自嘲気味な笑いを浮かべ連行されて行った。
板垣の死について匿名の告発メールを送ったのは美鈴であった。
佐山は、あのとき「フォワードカンパニー」を追及できなかったことを美鈴に謝罪する。
美鈴はこの謝罪を受け入れるのだった。
富成に捜査の手が入った。
三原の供述が決め手となり、富成は止めを刺された。
「ミリオンダイニング」は大打撃を蒙った。
漆原と久代は「一からやり直す」ことを心に誓う。
佐山は自ら所轄署への移動を願い出る。
正義を行う為にこちらもやり直すらしい―――エンド。
<感想>
2011年2月14日放送「財務調査官 雨宮瑠璃子6」に続くシリーズ7作目。
シリーズ前作のネタバレ批評(レビュー)はこちら。
・月曜ゴールデン 財務捜査官 雨宮瑠璃子6「経営破たんした大規模農園に大企業の黒い影!?殺害された社長と農薬の関係とは!?財務捜査と殺人事件が指し示した犯人とは」(2月14日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・月曜ゴールデン「財務調査官 雨宮瑠璃子5」(11月9日放送分)ネタバレ批評(レビュー)
早速、感想をば。
良かったですね〜〜〜。
飄々とした浅野さん、柳葉さんの演技が好印象。
伊武さんら他のキャストの方も大奮闘されてました。
このドラマ、意外とキャスティングが凝っていますね。
中でも特に、ゲストのお2人が大活躍!!
佐山役の益岡徹さん、主役みたいでした。
三原役の有森也実さん、怪演でした。主役を喰ってました。
「あんただけじゃないわよ!!」発言は凄かった。
そして、「ミリオンダイニング」大打撃ですね……。
常務が殺人犯、専務も殺人犯、エリアマネージャーが不正、店長も不正。
再起を志すにしても、かなり難しい状況か……苦しいなぁ。
佐山はトラウマを乗り越え、新生の道へ。
再生に希望が持てそうなのはこちらかな。
前回(第6回)の方が個人的に好みですが、これはこれでアリかな。
なかなか楽しめました!!
<キャスト>
雨宮瑠璃子(あまみやるりこ):浅野ゆう子
村上徳郎(むらかみとくろう):柳葉敏郎
藤堂房雄(とうどうふさお):伊武雅刀
松下静夫(まつしたしずお):梨本謙次郎
中島幸太(なかじまこうた):津田寛治
高橋清二(たかはしせいじ):伊藤正之
五十川圭(いそがわけい):若山慎
○
佐山隆一(さやまりゅういち):益岡徹
三原佐和子(みはらさわこ):有森也実
徳永美鈴(とくながみすず):滝沢沙織
漆原久代(うるしばらひさよ):鷲尾真知子
漆原正康(うるしばらまさやす):中丸新将
石黒卓也(いしぐろたくや):日野陽仁
田所慶介(たどころけいすけ):乃木涼介
板垣正明(いたがきまさあき):松川貴弘 ほか
(順不同、敬称略、公式HPより)
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