2012年08月08日

【容疑者絞りました】『狙われた病室(監禁探偵2)』5話(我孫子武丸原作、西崎泰正画、実業之日本社刊『漫画サンデー』連載)ネタバレ批評(レビュー)

『狙われた病室(監禁探偵2)』5話(我孫子武丸原作、西崎泰正画、実業之日本社刊『漫画サンデー』連載)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<登場人物一覧>

アカネ:轢き逃げに遭い実日会総合病院に入院。記憶を喪失しているようだ。前作のアカネと同一人物?
多岐川:実日会総合病院の外科医。アカネの手術を担当。眼鏡着用。
米山:実日会総合病院の看護師長。
宮本:実日会総合病院の研修医。
拓人:子供。実日会総合病院の入院患者。
桐島いつき:若手の看護師。2話より登場。同話にて被害者に。
川越修:実日会総合病院院長。65歳。眼鏡着用。2話より登場。
川越学:修の息子。医師。5話より登場。
原田真菜:いつきの同僚看護師。4話より登場。

<5話ネタバレあらすじ>

〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜〜〜〜〜

轢き逃げ事故に遭った少女が実日会総合病院に運び込まれた。
少女は身許を示すような品を所持しておらず、ハンカチにあった刺繍からアカネという名前を与えられる。
アカネは意識を取り戻すが、記憶を喪っていた。

そんなアカネに近付く入院患者の少年・拓人。
彼によれば、実日会総合病院は「幽霊病院」らしいが……。

車椅子により動けるようになったアカネは、看護師の桐島いつきが何者かと逢引している現場を目撃する。
翌朝、当の桐島いつきが謎の転落死を遂げるのだった。
桐島いつきの死の真相に幽霊が関わっているとの噂も飛び出すが、果たして!?

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

宮本や真菜たちと幽霊について話すアカネ。
揺さぶりをかけるべく、いつきの逢引の相手を確認する。
出て来た名前は意外なモノであった……院長の川越修だったのだ。

川越修はれっきとした既婚者。
つまり、いつきとは不倫の関係にあったことになる。

しかも、いつきが原因とされる医療ミスも修の息子・学が犯人との噂もあった。
執刀医が学だったのである。

アカネは試みに「修が邪魔になったいつきに息子の責任も押し付け殺害したのではないか」と口にする。
宮本や真菜は共に鈍い反応しか示さない。

また、アカネは自身の轢き逃げにも意味があったのかもしれないと洩らす。

そんな中、新たな轢き逃げ事件が発生。
被害者は多岐川の治療の甲斐なく死亡してしまう。

無力感に苛まれる多岐川は、1人壁を叩く。
そんな多岐川に声をかけるアカネ。
冷静を装う多岐川だが、何処かその様子はぎこちない。

と、多岐川が止まった。
その視線の先には白い幽霊らしきものが浮いていた―――6話に続く。

<感想>

2010年8月に『漫画サンデー』で連載されていた『監禁探偵』の続編です。
原作&作画は前作同様、我孫子武丸先生原作、西崎泰正先生画。
『監禁探偵』ネタバレ批評(レビュー)はこちら。

「監禁探偵」(我孫子武丸原作、西崎泰正画)まとめ

さて、第5話。
幾つか新情報が。

真菜によれば、ナースセンターでのいつきの逢引相手は院長の川越修とのこと。
これが事実かは不明ですが、信用しても良さそうかな。
そして、その息子・学には医療ミスの疑いあり。
轢き逃げ事件は2件目が発生。同一犯によるものかは不明。
最後に、アカネと多岐川の前に幽霊登場……と。

この時点で容疑者とされたことで、修と学の犯行はほぼ消えましたね。
そして、このタイミングで幽霊登場。
どう考えてもアカネに見せる為のものですね、コレは。
とすると、前もって準備されたものなので、アカネと目撃することで幽霊騒動についてアリバイを持つことが出来る多岐川が怪しくなるか……。
ただ、多岐川は前回の宮本の誘導らしきものがあってから、容疑者から外しているので考えにくい。

むしろ、このタイミングでアカネに幽霊を見せるということは、アカネが幽霊騒動に興味を持っていることを知っている人物。
つまり、アカネに幽霊騒動の話をした人物。
あるいは、アカネと共にその話を聞いていた人物。
これに該当する人物は、宮本、真菜、拓人の3人。

さらに、アカネが口にしたようにアカネの轢き逃げに意味があるとすれば、彼女を入院させ自身の都合の良いように事件の解決に利用する為か(あるいは、これは殺害犯とは別の人物によるものかもしれないが)。
だとすると、アカネに情報を提供し推理を誘導している人物が犯人の可能性が高い。
これに該当するのは宮本と拓人。

さらに今回、アカネと多岐川の目前で幽霊騒動を起こした。
このことから、幽霊騒動の犯人は多岐川にアリバイを用意し庇っていると考えられる。
これに該当するのは、多岐川に心酔してる様子の米山と、1度は多岐川の関連を示唆しながら否定した宮本か。
ちなみに、これが正しいとすれば犯人の動機は「院長である川越と学の排除」となりそう。

以上のことから、「冷やし中華始めました」的に「容疑者絞りました」と宣言するならば、現在容疑者トップはすべてに該当する宮本になるなぁ……。

ただ、このロジックはかなり恣意的なので危険。
何より、幽霊騒動、轢き逃げ、いつき殺害の各事件が同一犯とは限らない。
各事件が個別だった場合に備え、管理人的には安全策として、宮本に米山、多岐川、拓人を加えた4人を容疑者としたい。
もちろん同一犯ならば、拓人は除外される。
あくまで、子供である拓人を加えたのは、幽霊トリックに有利と思われるからである。

メタ的に言えば、他に該当しそうなキャラがいないし。

こうなると気になるのは、幽霊のトリック。
前回の推理で正しいのか否か、これによって4人の誰が犯人になるのか、同一犯なのかが変わって来る。
次回以降に注目だ!!

5話までではこんなところか、6話に注目です。
ちなみに、アカネが割とあっさり病室からの拘束を抜け出してしまったのは意外でした。
もう少し粘ると思ったんだけど。

そして、我孫子武丸先生といえば『狼と兎のゲーム』が『メフィスト』(講談社刊)にて連載中。
こちらも注目です!!

◆「狙われた病室」関連過去記事

『狙われた病室(監禁探偵2)』1話(我孫子武丸原作、西崎泰正画、実業之日本社刊『漫画サンデー』連載)ネタバレ批評(レビュー)

『狙われた病室(監禁探偵2)』2話(我孫子武丸原作、西崎泰正画、実業之日本社刊『漫画サンデー』連載)ネタバレ批評(レビュー)

『狙われた病室(監禁探偵2)』3話(我孫子武丸原作、西崎泰正画、実業之日本社刊『漫画サンデー』連載)ネタバレ批評(レビュー)

『狙われた病室(監禁探偵2)』4話(我孫子武丸原作、西崎泰正画、実業之日本社刊『漫画サンデー』連載)ネタバレ批評(レビュー)

◆関連過去記事

「狼と兎のゲーム(第1回)」(我孫子武丸著、講談社メフィスト連載)ネタバレ書評(レビュー)

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『狼と兎のゲーム(第3回)』(我孫子武丸著、講談社メフィスト連載)ネタバレ書評(レビュー)

・[速水三兄妹シリーズ]
「8の殺人」(講談社)ネタバレ書評(レビュー)

『夏に消えた少女』(我孫子武丸著、新潮社『Mystery Seller(ミステリーセラー)』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

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我孫子武丸先生の「殺戮にいたる病 (講談社文庫)」です!!
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弥勒の掌 (文春文庫)





◆我孫子武丸先生のその他の作品はこちら。
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posted by 俺 at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画批評(レビュー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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