<あらすじ>
京都南署の鑑識官・円城寺りつ子(田中美里)は後輩の常磐康介(長谷川朝晴)に誘われ、料理評論家・花房香子(床嶋佳子)のトークショーにやって来た。香子は有名な料理評論家で、高級料亭『六盛』を会場に開かれたこのトークショーも1席3万円と高価だが、大人気なのだという。
流暢な香子のトークを聞きながら料理を楽しむりつ子たちだったが、突如、場内の照明が暗転! スポットライトを浴びて、新進気鋭のシェフ・小嶋稔(大浦龍宇一)が登場した。突然のなりゆきに驚く香子に、著書刊行の祝いとして真っ赤なバラの花束を渡す小嶋。スターシェフの登場に、康介はもちろん場内の客たちは大喜びだったが、香子は苛立ちを隠せない様子だった。
翌朝、上司の志賀主任(小林稔侍)から、京都市内のマンションで若い女性の死体が発見されたという知らせを受け、りつ子は急いで現場に向かった。殺されていたのは、人気フードライターの高岡マリ(仁科仁美)。室内には物色した痕跡があり、一見、押し入り強盗の犯行のように思えたが、りつ子たちは指紋や足跡がきれいに消し去られていることに注目、顔見知りの犯行に違いないと考える。だが、最大の謎は窓ガラスが割られていたことだった。たとえ犯人が強盗を偽装しようとしたとしても、窓ガラスを割る音で周囲に犯行を気づかれるリスクは高い。犯人はなぜそんな危険を冒してまで窓ガラスを割ったのか、りつ子たちは不審に思う。
その矢先、刑事課の大山主任(東幹久)の調べで、前夜、マリは花房香子とある店で会っていたことがわかる。実は、香子が長らく執筆してきた月刊誌の連載エッセイが打ち切りとなり、代わりにマリが書き手として起用されることが決定。香子はマリに恨みを抱いていたようなのだ。だが、香子はマリと会ったことは認めたものの、その後はホテルに帰ったといい、そのアリバイは、香子の秘書である中村奈緒(遊井亮子)も証言していた。
そんな中、マリが、3年前に自殺したフレンチシェフ・平野祐司(斉藤陽一郎)の店でアルバイトしていたこと、そして、平野の死の直後からマリの暮らしぶりが派手になっていたことが判明。しかも、マリは死の直前に、平野の妻・美雪(山田麻衣子)が営むおばんざいの店を訪れていたこともわかった。美雪の写真を見たりつ子は、驚く。香子のトークショーで、りつ子の隣の席に座っていた女性だったのだ…!
(土曜ワイド劇場公式HPより)
では、続きから(一部、あらすじと重複あり)……
マリ殺害において犯人が窓を割ったのは落としたコンタクトレンズを隠す為であった。
つまり、マリ殺害犯はコンタクトレンズの使用者となる。
一方、美雪の夫・平野は3年前に死亡していた。
橋からの転落死である。
これまでは自殺と思われていたが……。
なんでも、香子が「美食通信」に書いた酷評記事が原因らしい。
美雪はこのことが原因で香子を恨んでいた。
実は、平野についての酷評記事は香子ではなく、その秘書・中村奈緒の手によるものだった。
当時、一時的な味覚障害に陥った香子は信頼していた奈緒に記事を任せたのだ。
ところが、これを良いことに奈緒は一方的な記事を書いたらしい。
何やらありそうだが……。
関係者のDNAを照合した結果、意外な事実が判明。
花房香子と平野美雪が親娘だと分かったのだ。
香子はこの事実を知っていたが、美雪には伏せて欲しいと語る。
矢先、小嶋が殺害される。
刺創から、凶器が二股のミートフォークと推測された。
小嶋の所持品からマリ殺害の凶器であるハンマーが発見されたこと。
さらに小嶋がコンタクトレンズの使用者であることから、マリ殺害の犯人が小嶋と判明。
さらに、平野のレシピノートまで発見される。
どうやら、3年前の平野の死は他殺。
小島がレシピノート欲しさに平野を殺害したようだ。
つまり、小嶋は平野を殺害したことでマリに脅迫されていたらしい。
そこで口封じにマリを殺害したのだろう。
しかも、奈緒が小嶋に買収され提灯記事を書いていたことが分かる。
3年前の「美食通信」により、平野と小嶋は明暗が分かれた。
酷評された平野は経営難に追い込まれた。
逆に小嶋は一躍、スターシェフの座に上り詰めたのだ。
これもすべては奈緒と小嶋の陰謀であった。
小嶋は平野をライバル視しており、奈緒を買収することで彼を貶めると共に自身の評判を金で買ったのだ。
それ以来、小嶋は奈緒に働きかけ続けていたらしい。
小嶋を殺害したのは誰か?
夫を殺害された平野美雪か。
小嶋と関わりがあった中村奈緒か。
そして、美雪の母であると判明した花房香子か。
誰もに動機があるが……。
小嶋殺害現場に残された滴下血痕から犯人の身長が168センチから176センチと推測。
だが、容疑者3人ともその身長に満たなかった。
りつ子は犯人がハイヒールを履いていたと推理する。
何故、凶器がミートフォークだったのか?
もしかして、小嶋は犯人に料理を振る舞ったのではないか。
小嶋の得意な猪肉を提供したに違いないと考えた常磐康介はメニューを「シヴェ・ド・サングリエ(ジビエ・ド・サングリエ)」と推測。
ある物を発見する。
翌日、りつ子たちは美雪、奈緒、香子3人の口唇紋を採取。
照合した結果、ある女性が証拠品と合致する。
その頃、奈緒は香子に秘書を辞め独立する旨を伝えていた。
どうやら、香子の後釜に座るべく陰で立ち回っていたらしい。
そんな中、関係者が一堂に集められる。
いよいよ事件の真相が明らかに。
3年前、小島は平野を殺害した。
だが、平野のレシピノートを盗むところをマリに目撃された。
以降、マリに脅迫され続けた小嶋は遂にマリを殺害した。
そして、今度はその小嶋が何者かに殺害された。
小嶋を殺害した犯人は凶器となったミートフォークを持ち去ったが、ある痕跡を残した。
「シヴェ・ド・サングリエ(ジビエ・ド・サングリエ)」を食べた犯人は、ついナプキンで口を拭ったのだ。
そのナプキンは現場に残されており、ナプキンから犯人の口唇紋が検出された。
これこそが常磐康介の発見した証拠品であった。
それに該当した人物の名は―――花房香子!!
香子は自身の犯行をあっさり認める。
3年前にはなんとも思わなかった平野の件が気になった香子は今になって調べ始めた。
良く考えれば、3年前の奈緒に任せた記事により平野は死亡した。
そして、代わりに小嶋はスターシェフとなった。
どうやら、奈緒は小嶋に買収されているらしい。
もしや、平野の死にも何かあるのでは……確認すべく小嶋を訪ねた香子。
小嶋は「シヴェ・ド・サングリエ(ジビエ・ド・サングリエ)」を香子に振る舞った。
これを食べた香子は平野の味であると気付く。
そこで小嶋を追求したらしい。
すると、小嶋から「あんたは賞味期限が切れている」と虚仮にされ、カッとなって殺害したのだそうだ。
香子の告白を聞いた奈緒は、「これからは私の時代だ」とその場を去ってしまう。
美雪は香子を「自分勝手な人」と責めたてる。
美雪は香子が母親だと知っていたのだ。
香子に捨てられたと思っていた美雪。
さらにやっと出来た家族である夫の平野までも香子が原因で死亡したと思っていた。
その為に香子を激しく憎んだのである。
そんな美雪の憎悪を一身に受け、連行されて行く香子。
「待ってください。あなたが小嶋さんを殺したのは美雪さんの為ですよね」
りつ子は親娘2人が誤解したままなのを許せず口を挟む。
これを受けて真実を明かす香子。
小嶋は身辺を探られ始めたことで美雪を殺そうとしていたのだ。
それを知った為に香子は小嶋を殺害したのだ。
香子は美雪を守ったのである。
りつ子は香子が書いたコラムについて読み上げる。
タイトルは「愛しのだし巻き卵」。
姑の味であるとの紹介から始まり、美雪の店で食べた「だし巻き卵」が逸品だとされていた。
ここでの「だし巻き卵」は美雪自身を示していた。
香子は母として美雪の成長を喜んだのだ。
これを聞いた美雪は香子と和解する。
数日後、志賀は「人には賞味期限などない」と語る。
同意するりつ子であった―――エンド。
<感想>
「京都南署鑑識ファイル」シリーズ7作目。
前作が2011年8月13日の放送だったので、ほぼ1年ぶりの新作となりました。
前作のネタバレ批評(レビュー)はこちら。
・土曜ワイド劇場「京都南署鑑識ファイル 華道家元連続殺人!!美女は青いバラの浴槽に浮かぶ!?月下美人の花粉が語る死体移動の謎…(華道家元殺人事件)」(8月13日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・土曜ワイド劇場「京都南署鑑識ファイル 狙われた映画女優〜連続殺人の罠!!圧迫痕花粉、掌紋…科学捜査が暴く真犯人の秘密」(11月6日放送)ネタバレ批評(レビュー)
さて、今回の感想は。
・常磐康介の意外な趣味はイイね!!
・そして、相変わらず豹変するなぁ……。
・「だし巻き卵」で感動させるのは難しいような……。
の3本。
常磐康介のキャラはイイね。
前回が華道で今回が料理、なかなかキャラが立っています。
香子は「犯人ですね」と指摘されるや否や、あっさり認めてしまったね。
そして、「美雪の為の犯行」を隠そうとしながら、あっさりと認めるね。
美雪はあれだけ反目してたのに、「だし巻き卵」のコラムで人間が変わったね。
あまりに豹変し過ぎだろうがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……。
その「だし巻き卵」のコラムで感動させようとするのは無理があるよ、幾らなんでも。
上記、豹変含めてかなり無理があるなぁ……と思いつつ、何とか感動シーンに入ったのにタイトル「愛しのだし巻き卵」。
言いたいことは分かるんだよ、でも、タイトルは工夫できなかったものか。
皆が半分涙ぐんでいるシーンで「愛しのだし巻き卵」というのはシュールを通り越して少し面白かった。
さらに、あの読み上げた内容が意外とまた……。
狙いは分かるし、実際悪くはないんだけど、なんだか納得が……。
ちなみにサブタイの滴下血痕が解決に何ら貢献していなかったのには驚いた。
あれだったら「ナプキンに残された口唇紋が犯人を暴く!!」とかの方が正確だったな。
<キャスト>
円城寺りつ子:田中美里
志賀隆造:小林稔侍
大山主任:東 幹久
玉木刑事課長:黒田福美
花房香子:床嶋佳子
中村奈緒:遊井亮子
小嶋 稔:大浦龍宇一
平野美雪:山田麻衣子
常盤康介:長谷川朝晴
久坂竜子:茅島成美 ほか
(敬称略、順不同、公式HPより)
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ありがとうございます!
こんばんわ(^O^)/!!
管理人の“俺”です!!
こちらこそ、お役に立てたようで良かったです。
放送時間が1時間ずれると違和感ありますよね!!