2012年11月19日

『紅葉する夏の出来事』(拓未司著、宝島社刊)

『紅葉する夏の出来事』(拓未司著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

<あらすじ>

老婆の住むゴミ屋敷に隠されていたものは?

[日本テレビ系]「超再現!ミステリー」で話題の作家!

書店員さんも応援!
奇跡のような作品です。 [内田俊明氏 八重洲ブックセンター八重洲本店]
新聞が報じる事件より切実な小説。 [竹田勇生氏 紀伊國屋書店新宿南店]
この技巧の冴えに、高揚せずにはいられまい!! [宇田川拓也氏 ときわ書房本店]
人間の弱さを痛感しました。 [一柳友希氏 ジュンク堂書店大阪本店]

「孤独な奴ほど自分を染めたがる。紅葉(もみじ)みたいに」。日本テレビ系「超再現!ミステリー」で話題沸騰の拓未司、『このミステリーがすごい!』大賞受賞作家の新境地です!高校受験の失敗から両親との確執が深まり、不良仲間と付き合いはじめる悠馬。ラーメン屋の起業を機に、転落の道を歩み始めた元エリート・サラリーマンの伊東。そして、全身を真っ赤に染め、ゴミ屋敷に暮らす老婆RB。ある日、彼らが暮らす街で高校生による両親殺傷事件が起こって……。どうしようもない現実を生きる三人の運命が交差し、夏の“紅葉”は激しく乱れ散る。
(宝島社公式HPより)


<感想>

『禁断のパンダ』で知られる拓未司先生の作品です。

内容的には次のような感じ。
高校受験に失敗したことから確執が生じ、両親に支配されていると感じる悠馬。
遣り甲斐のある仕事を求めたが失敗し、婚約者にも逃げられた伊東。
夫を亡くし、孤独に生きる晴美。
この3人が出会ったことで、互いに傷を癒し復活を遂げる姿を描いた作品。

結局、人間は1人では生きてはいけないのでしょう。

ラストにも「ええ〜〜〜っ!!」と驚くような展開が!!
ミステリ的には「○○トリック」ですね。
これはご覧頂くしかない!!

<ネタバレあらすじ>

高校受験に失敗したことから、両親に見放されてしまった悠馬。
何かにつけ優等生で知られる順也と比較されていた悠馬は不良と付き合うようになり、両親の拘束を疎ましく感じるようになった。
やがて、悠馬は自分こそが家族の支配者になりたいと望むように。
しかし、実行には移せない。
そこで、順也に嫉妬していた悠馬は鬱憤を順也に晴らそうと考える。
ある日、順也が大人向けのアダルト書籍を所持していることを知った悠馬。
順也の携帯を奪うと書籍を写真撮影し、順也の母親にメールで送り付けてしまう。
しかし、携帯の写真フォルダに盗撮写真を見つけ、順也もまた心に闇を抱えていることに気付くのだった。
ところがその晩、両親に叱責されたことから悠馬は遂に爆発。
両親をナイフで襲ってしまう……。

食品会社に勤めていたエリートサラリーマンの伊東は、遣り甲斐のある仕事を求め起業を志す。
ラーメン屋を始めた伊東だったが、世の中は甘くなかった。
結局、借金を抱え廃業を余儀なくされた伊東は、婚約者にも逃げられてしまう。
伊東は喪失感を胸に、配管業者に就職、その日を生き抜いていた。
だが、新任の上司に目をつけられたことをきっかけに進退窮することに。

安田晴美は連れ合いを亡くした上、別居中の息子・武史にも相手にされず孤独を抱えていた。
彼女は自身を真っ赤に染め、夫の想い出を引き継ぎゴミ屋敷に暮らしていた。
いつしか、周囲からは「RB(レッドババア)」と呼ばれるように。
彼女は心身を病んで行く……。

少年が両親をナイフで殺害し逃亡した―――小さな町に似合わぬショッキングな事件に住民は不安を抱く。

悠馬と不良仲間は「RBハウス」を拠点の1つとしていた。
両親を殺してしまった彼は逃げ込む先として「RBハウス」を選択する。
其処を晴美に発見されるが、心神喪失状態の晴美は彼を武史と誤解してしまう。
こうして、彼は晴美宅で生活するように。
数日後、トイレが詰まったことで伊東を呼んだ晴美。
伊東はトイレから血塗れのナイフを発見する。
晴美に武史と呼ばれる人物が武史ではないと察した伊東は彼を追及。
彼の口から「悠馬」という名前を引き出す。
伊東は「悠馬」と親しくなる。

晴美たちの様子が気にかかった伊東は現実逃避もあって、安田家を頻繁に訪れるように。
やがて、3人は交流を続けるうちに互いのトラウマに立ち向かうようになる。

「悠馬」は自身の罪に向き合うべく出頭する。
晴美は「悠馬」が武史ではないと気付き、夫との想い出に囚われていた自分を反省し、ゴミを片付けることに。
伊東は退職を恐れず、再度、起業を志そうと決める。

そんな中、悠馬は順也が出頭したことを知り複雑な想いを抱いていた。
あの夜、悠馬はナイフで両親を襲ったが殺害にまでは至らなかったのだ。
あれ以来、両親は悠馬を恐れ、どんな命令にでも従うようになった。
今では悠馬は一家の支配者である。

一方、順也は両親を殺害してしまった。
ナイフで両親を殺害し、「RBハウス」で「悠馬」を名乗り隠れていたのは順也である。
原因は悠馬が送ったメールにあった。
メールを見た順也の母は順也の素行を心配し、彼が寝た隙をつき携帯を確認し其処に盗撮画像を発見した。
順也は自身の築き上げた世界が音をたて崩れ去るのを聞いた。
あとはあまり覚えていない。
リセットするべく必死に母を殺害し、帰宅した父をも手にかけたらしい。
だが、晴美と伊東との交流を通じ、贖罪の気持ちが芽生えたことで出頭したそうだ。

順也に対し罪の意識を抱く悠馬。
家族の支配者となったものの、思ったより楽しくない。
悠馬は両親との関係修復を望むようになった。
だが、今更元に戻ることは難しいだろう。
だから、出来る範囲で元に戻るつもりだ。
まずは、優等生と呼ばれるようになって両親の警戒を解かなければならない。
この天下も夏休みが終わるまでである―――エンド。

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