2012年08月19日

2012年8月16日の「空が灰色だから」ネタバレ批評(レビュー)

待望の2巻も発売された阿部共実先生「空が灰色だから」(秋田書店)。
ネット上で話題となっており、1巻は今も順調に版を重ねているとの情報も流れています。
2012年7月18日には「asahi.com」さんにて「シュールで不思議な短編集」として紹介もされました。
実際、読んでみると不思議な魅力を持つ本作。
面白いものを読んだら語らずにはいられない管理人にとって、十分に語るべき対象となる作品であります。

というわけで、2012年8月16日に掲載された作品のあらすじをまとめておきます。

これを読んで興味を持たれた方は、是非「週刊少年チャンピオン」本誌連載とコミックスにもチャレンジして貰えればオススメした甲斐があるかもしれません。
直に本作を目にして貰えればその不思議な魅力をご理解頂けるかと思います。

では、本作の魅力を出来る限りお伝えするべくネタバレ批評(レビュー)です。

◆2012年8月16日「週刊少年チャンピオン」掲載

修学旅行中の4人の学生がエレベーターに閉じ込められた。
中の1人で主人公の女子生徒・村沢は顔色を変える。
尿意が限界を超えつつあったからだ。

(ヤバい、ヤバいよ……)

追い込まれた村沢は周囲を見渡す。
村沢以外にこの場に居るのは、男子がゴリ山、ガネっち、女子が吉良の3人。
村沢にとっては、偶然くじ引きで同じ班に割り振られただけで親しくない面々。
その誰もがこの事態に余裕を持っている、いや、むしろ楽しんでいる。

「そう言えばさぁ、この機会にお互いをもっと知ろうよ!!」

吉良の提案に乗り気のゴリ山、ガネっち。
普段、親しくない村沢にいろいろと尋ねて来る。

(いやいやいや、そんなこと話せるワケが無いって)

その全てをにべもなく拒否する村沢。
ところが、その目の前で3人は平然と趣味や考え方、近況を語り合う。

(個人情報流出ですか、ダダ洩れですか!!)

村沢は迫り来る尿意と戦いつつ、ツッコミを入れる。
もはや、限界は近い……自然と脂汗が滴り落ちる。
そんな村沢に気付いた吉良は、そっとペットボトルの飲料を差し出す。
村沢が暑がっていると誤解したのだ、吉良なりの心遣いなのであろう。
だが、限界と戦う村沢にとって今はそれが恨めしい。

村沢に差し出されたペットボトルをヒョイと横取りする手があった、ゴリ山である。
ゴリ山は無造作にペットボトルに口をつける。
それを見ていたガネっち。

「もしかして、ゴリ山と吉良は付き合ってるの?」
「バレた?」

ゴリ山と吉良は幸せそうな笑顔を浮かべる。

(バレるも何も情報がダダ洩れじゃ!!)

鬼気迫る表情でツッコム村沢の横で、ガネっちの質問は続く。

「ねぇねぇ、どこまで進んだの?」
「あ〜〜〜キスまでか」

なんでもない事のようにゴリ山が応ずる。
嫌がる吉良も満更でもない様子。

(ちょっ、ちょっ、ちょっ、何を平然と洩らしているんだ!!)

今にも危機一髪な村沢だが、ツッコミは続く。
情報は洩らさないが、尿は洩らしそうな村沢。

其処へエレベーター業者から無線が。
「今、修理に向かっていますが渋滞で込み合っていて、かなり時間がかかりそうです。大丈夫ですか?」

この問いかけに……。
「大丈夫で〜〜〜す」

元気に応じる村沢以外の3人。村沢は声もない。

「では、もう暫くお時間頂き……」
「いや、駄目!!もう洩れるぅぅぅぅぅぅぅぅ」

遂に恥ずかしい個人情報について洩らしてしまった村沢。

「すいません、大至急で。乙女のピンチなんです!!」
吉良が大急ぎで相手に伝える。
「分かりました。車を降りて走ります。少し待ってくださいね」
相手の返事にホッとする村沢。

「良かったら、コレ」
空のペットボトルを差し出すゴリ山。

周囲の情けが身に染みる。
だが、もっとも恥ずかしい情報を洩らしてしまった事実に変わりはないのだった―――エンド。

<感想>

2012年8月16日掲載のものです。

あれだけ、情報漏洩を警戒していた村沢さん。
ところが、尿は洩らさずとも、重要情報を洩らしてしまう結果に。
諧謔的ですね〜〜〜。

そして、吉良さんとゴリ山は優しいですねぇ。

今回も、何とも言えない味のある展開でした。

そんな「空が灰色だから」は「週刊少年チャンピオン」に連載中の漫画。
読むと心がざわついて何処となく落ち着かなくなる作風。

この間から何となく感じていたのですが、本作は過去に「週刊少年チャンピオン」にて連載されていた倉島圭先生「24のひとみ」にテイストが似ていますね。

従来の枠に囚われない世界観は両者の特徴と言えるでしょう。
その味は、古典部シリーズ『氷菓』のアニメ化で話題の米澤穂信先生の著作『儚い羊たちの祝宴』に通じるモノがありそうです。

『儚い羊たちの祝宴』(米澤穂信著、新潮社刊)ネタバレ批評(レビュー)

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posted by 俺 at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画批評(レビュー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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