2012年08月11日

『Sのための覚え書き かごめ荘連続殺人事件』(矢樹純著、宝島社刊)

『Sのための覚え書き かごめ荘連続殺人事件』(矢樹純著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

<あらすじ>

本邦初! のぞき見探偵誕生!

おぞましき因習が残るひなびた山村の、雪に閉ざされたかごめ荘で起こる連続殺人。不可解な事件の謎を解く“探偵”は、のぞかずにはいられない窃視症患者?

編集部推薦作家デビュー!『このミス』大賞 2012隠し玉

本邦初!のぞき見探偵誕生!おぞましき因習が残るひなびた山村の、雪に閉ざされた“かごめ荘”で起こる連続殺人。不可解な死体の謎を解くのは、他人の秘密をのぞかずにはいられない窃視症患者……?第10回『このミステリーがすごい!』大賞最終候補作に、全面的に手を入れて生まれ変わった、編集部推薦の「隠し玉」です。

第一章
第二章
第三章
第四章
第五章
最終章
解説   村上貴史
(宝島社公式HPより)


<感想>

第10回「このミステリーがすごい!」大賞隠し玉4作品の1つ。
応募時タイトルは『Sのための覚え書き かごめ荘事件のこと』。

第10回「このミステリーがすごい!」大賞が決定!!栄冠は「懲戒弁護士」に

隠し玉の中では、本格ミステリテイストに特化した作品。
なかなかの大仕掛けが作中にて仕込まれており、これが真相に直結するのは見事。
本格ミステリ好きにはオススメ。

作者の矢樹純先生は、加藤山羊のユニット名で漫画原作を手掛けられているとのこと。
「ビッグコミックオリジナル増刊」(小学館刊)にて「あいの結婚相談所」連載中。
「あいの結婚相談所」は管理人も読んでます。
成約率100%の結婚相談所の物語なのですが、様々な問題を抱えた男女を動物や虫の生態になぞらえ解決していく点が面白い。

本作『Sのための覚え書き かごめ荘連続殺人事件』は、トリックなどを見てもユニットを組み2人1組(1人の名義に2人の存在)の経験を積んだ著者だからこその作品と言えるかもしれません。

本作については、トリックの性質上、ネタバレあらすじはかなり改変(忍の妻や序盤など)されたものとなっています。
ネタバレあらすじではなく、きちんと本書を読まれた方が楽しめると思うので注意。

<ネタバレあらすじ>

登場人物一覧:
三崎忍:大学教授。
矢樹純:忍の故郷へ現れた人物。
桜木:探偵。
律子:忍の村の出身者。
梨絵:忍の村の出身者。
哲夫:梨絵の兄。

三崎忍と矢樹純は忍の故郷へと向かっていた。
ところが、忍が消えてしまう。

混乱する中、旅先で出会った探偵・桜木に同行した純。
桜木は人気モデルのRITUKOを見つけるが……。
純は自身の知る律子がモデルになったと知り、驚く。
さらに、律子の親友・梨絵も一緒に帰郷していた。

矢先、梨絵の父が殺害され、次いで梨絵の兄である哲夫も殺害された。
そして、梨絵も殺害されてしまったのだ。
犯人はRITUKOなのか?

一方、忍と純が同一人物の別人格であると判明。
消えたと思われていた忍は純の中に姿を消しただけであった。
純は忍と人格統合することを望み、桜木は協力を約束する。

そして事件は解決へと向かいつつあった。
犯人が分かったのだ。

純と桜木は人物を誤認していた。
モデルであるRITUKOの正体は、律子ではなく梨絵だったのだ。
RITUKOを知らなかった純は耳にした音で、律子だと思い込んでしまった。
つまり、死亡したとされた梨絵は生きていた。
死亡したのは律子、犯人は梨絵だったのである。

梨絵は律子を愛していた。
だが、律子は哲夫を愛してしまう。
しかし、梨絵は我慢していた。
やがて、哲夫は借金から逃れるべく姿を消した。
それから7年が経過しようとしていた。

律子との愛を確かなモノにしたいと考えた梨絵は、人工授精を強行し子供を妊娠する。
モデルを続けられなくなった梨絵だが、兄の生命保険金1億円を受け取ることで生活費に充てようと考えていた。
ところが、姿を消していた哲夫が父のもとへ現れた。
それだけならばまだいい。
父は自身の遺産1千万円を哲夫に継がせようと遺書を書いた。
これはマズイ。
何故なら、哲夫にはもう少しで7年が経過し、死亡宣告がされようとしていたのだから。
1億円を当てにしていた梨絵にとって、哲夫が遺産を受け継ぐことは公式にその生存を確認させ、死亡宣告がフイになることを意味していた。

そこで、遺書を奪うべく帰郷したのだ。
ところが、遺書が見つからない。
困った梨絵は父を殺害し、兄を殺害した。
さらに、自分を困らせる律子に罪を着せ殺害してしまうことを思いつく。

こうして、追い詰められた梨絵は親兄弟を手にかけ、遂には護るべき律子をも殺害してしまった。
梨絵は逮捕された。

一方、純と忍は人格統合に成功する。
とはいえ、忍は純と共に生きることを望んでいた。
結局、純は残ることに。
最近になって、純は『Sのための覚え書き かごめ荘連続殺人事件』を著している―――エンド。

「Sのための覚え書き かごめ荘連続殺人事件 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)」です!!
Sのための覚え書き かごめ荘連続殺人事件 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)





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