2012年08月27日

『いつまでもショパン』第1回(中山七里著、宝島社刊『「このミステリーがすごい!」大賞作家書き下ろしBOOK』連載)

『いつまでもショパン』第1回(中山七里著、宝島社刊『「このミステリーがすごい!」大賞作家書き下ろしBOOK』連載)ネタバレ書評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

<あらすじ>

ショパン・コンクールの予選会場で起きた奇怪な殺人事件。
岬洋介が挑むシリーズ第三作長編連載、いよいよ開幕!
中山七里 いつまでもショパン
(宝島社公式HPより)


<感想>

第1作『さよならドビュッシー』の映画化も明らかになった「岬洋介シリーズ」の最新作。
『このミステリーがすごい!大賞作家書き下ろしBOOK』にての連載となっています。

【映画】『さよならドビュッシー』映画化決まる!!2013年春、公開予定!!さらに、シリーズ最新作『いつまでもショパン』も『書き下ろしBOOK』にて連載開始!!

「岬洋介シリーズ」は「難聴を抱える天才ピアニスト岬洋介が関わった事件を描く」シリーズ作品。
あくまで関わった事件なので、主な視点人物は各作品ごとに別の人物となっており、岬は事態解決やアドバイスなどを行う探偵役の立場となっています。

シリーズには、長編『さよならドビュッシー』『おやすみラフマニノフ』、短編集『さよならドビュッシー前奏曲(文庫化に際し『要介護探偵の事件簿』を改題)』があります。
過去にネタバレ書評(レビュー)していますね。
興味のある方は関連過去記事へどうぞ!!

その最新作『いつまでもショパン』ですが、これまでと違い国際規模のかなりスケールの大きな物語となりそうです。

1行目からポーランド大統領であるレフ・カチンスキを巡る事件が発生。
専用機が謎のテロにより墜落、カチンスキを含め96人全員が死亡する事態に。
次いで、ポーランドからショパンコンクールに参加する期待の星・ヤンへと視点が移り殺人事件が……。
既に岬も登場しています。
ちなみに本作の時系列は『おやすみラフマニノフ』の後のようです。
かの「柘植彰良」も名前だけではありますが登場しています。

本作を素直に読めば「犯人の述懐などから、テロを起こした犯人が会場に潜んでおり、今回の犯行も同一犯によるもの」と思われます。
ただ、それでは「ミステリ」になりません。

とすれば、「専用機で96人が亡くなったこと」を強調している点がどうにも怪しい。
そもそも、確認した筈の手荷物が爆発した理由も気になる。
爆弾が仕掛けられていたのはカチンスキの妻・マリアの荷物と思われるが……。
そうなると、マリアの最期の言葉「あなた(カチンスキ)が先に逝くのを恐れていた」も意味深長か?

果たして、謎の殺人犯“ピアニスト”の正体は!?
個人的には、ヤンの師であるカミンスキが物凄く容疑者っぽい。
こういったテロに続く殺人事件の相場は、同一犯の連続殺人ではなく、別件、しかもテロ被害者による復讐殺人の可能性が高いような……。

普通に考えれば“復讐”がテーマとなりそうですが、果たして!?
遂に舞台を海外へと移したシリーズ長編第3弾。
第2回に注目ですよ!!

<ネタバレあらすじ>

登場人物一覧:
岬洋介:シリーズ探偵。柘植彰良の推薦でショパンコンクールに参加。
ヤン・ステファンス:ステファンス家期待の星。ショパンコンクールに参加。
ヴィトルド:ヤンの父。音楽院教授。
カミンスキ:ヤンの師。
ガガリロフ:ヤンの同輩。

柘植彰良:『おやすみラフマニノフ』に登場した世界レベルの音楽家。故人。
レフ・カチンスキ:ポーランド大統領、謎のテロにより暗殺?
マリア:カチンスキの妻。カチンスキに同道していた。死亡?
アレクサンデル:国家安全保障局局長。カチンスキの腹心。死亡?
ガーゴル:軍参謀総長。カチンスキの腹心。死亡?

ポーランド大統領であるレフ・カチンスキは専用機上の人となっていた。
その傍には妻のマリアの姿もある。
マリアはショパンを敬愛しており、彼女が聞くショパンの音楽にカチンスキも激務の傷心を癒されていた。

と、爆発音と共に専用機が大きく揺れた。
急を伝えるべく駆け込んで来たのは、軍参謀総長のガーゴルだ。
専用機にはガーゴル以外にも、国家安全保障局局長のアレクサンデルなど閣僚たちも同乗している。

3基あるエンジンの1つが火を噴いたらしい。
あくまで事故と語るガーゴルだが、カチンスキは彼の嘘を見抜いていた。
そっと室外に出ると改めて確認する。

「爆弾が仕掛けられたようです」
何者かによるテロである。
常に冷静なガーゴルの顔に冷や汗が流れていた。
事態はそれだけ深刻なのだ。

覚悟を決めつつ、室内に戻ったカチンスキ。
マリアを巻き込むのは忍びない……そんなカチンスキの気持ちは敏感にマリアに伝わってしまったようだ。
「あなたに先に逝かれることをずっと怖れていたわ」
そうカチンスキに告げるマリア。

カチンスキはふと思う。
爆破されたエンジン付近には搭乗者の荷物が積まれていた筈だ。
全ての荷物は事前にチェックを免れえない。
だが、2つだけチェックを免れた荷物がある。
カチンスキとマリアの荷物だ。

専用機は強行着陸を試み失敗、四散した。
カチンスキら96名は全員落命した。

ヤン・ステファンスは期待の新星であった。
父・ヴィトルドに代表されるステファンス家の悲願、それがショパンコンクール優勝。
3代に渡り達成出来なかったこの悲願がヤンの指にかかっていた。
父への反発心を抱えつつ、ヤンは満を持してコンクールに挑む!!

そんなヤンの前にライバルとなるコンクールの参加者・岬洋介が現れた。
敵愾心など露ほども見せず、飄々とした岬。
彼の語るショパン論に、自国民が抱くそれと同じ物を見出したヤンは岬を強敵と認める。

コンクールへ改めて身構えるヤン。
彼は負けることを許されないのだ。
ヤンの師であるカミンスキは彼に油断しないよう警告。
同輩であるガガリロフとも健闘を誓い合う。

矢先、騒動が持ち上がる。
控室で死体が発見されたらしい。
しかも、死体は10本の指すべてを第2関節から切断されていた。
コンクールに不穏な空気が漂うが……。

その頃、犯人である“ピアニスト”は殺害について振り返っていた。
刑事に気付かれるとは思ってもみなかった。
だが、その刑事も彼がこれだけ早く対応するとは考えもしなかったであろう。
刑事が疑念を抱いたと察した彼は、咄嗟に刑事に抱き着くと、至近距離からこれを射殺したのだ。

果たして“ピアニスト”の正体は―――第2回に続く。

・上記1話以降の『いつまでもショパン』ネタバレ書評(レビュー)を追加しました。こちら。
『いつまでもショパン』(中山七里著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)

◆「中山七里先生」関連過去記事
【岬洋介シリーズ】
『さよならドビュッシー』(中山七里著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)

『おやすみラフマニノフ』(中山七里著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)

『いつまでもショパン』(中山七里著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)

『要介護探偵の事件簿』(中山七里著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)

【その他ネタバレ書評】
『連続殺人鬼カエル男』(中山七里著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)

『静おばあちゃんにおまかせ』(中山七里著、文藝春秋社刊)ネタバレ書評(レビュー)

『いつまでもショパン』連載が開始された『『このミステリーがすごい!』大賞作家書き下ろしBOOK』です!!
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