2012年09月11日

月曜ゴールデン「漬けモノ学者・竹之内春彦 京都殺人100選 美人陰陽師が京都の街に“五芒星”を描く時、次々と起こる殺人呪いで人を殺せるのか!?竹之内が謎に挑む」(9月10日放送)ネタバレ批評(レビュー)

月曜ゴールデン「漬けモノ学者・竹之内春彦 京都殺人100選 美人陰陽師が京都の街に“五芒星”を描く時、次々と起こる殺人呪いで人を殺せるのか!?竹之内が謎に挑む」(9月10日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

民俗学者の竹之内春彦(中村雅俊)は文化庁からの依頼で「漬け物100選」を選定するために京都を訪れていた。漬け物屋を回る春彦のもとにタウン誌の記者・千里(黒谷友香)がやってきた。京都にまつわる呪いや怨霊について聞きたいというのだ。春彦は千里に宿を紹介してもらう代わりに晴明神社などを案内する。
千里が紹介した宿はすみれ(野際陽子)という女将が切り盛りする京都の老舗旅館。千里はすみれの息子・ゆたか(石井正則)と幼馴染だという。ゆたかは京都府警捜査一課の刑事だが極度のおっちょこちょいで、旅館のロビーで偶然出くわした春彦の前で捜査資料を落としてしまう。春彦は散らばった資料の中から式札(しきふだ)の写真を見つける。式札とは陰陽師が使役するしもべ・式神(しきがみ)が書かれた紙だ。ゆたかは1枚の写真からそこまで見抜いた春彦に捜査への協力を依頼する。この式札は九条山で見つかった刺殺体の口の中から発見されたものだった。
翌日、西院のホテルで撲殺死体が発見された。そしてこの死体の口の中からも式札が見つかる。春彦は2枚の式札が平安時代の陰陽師・安倍晴明が使役していた式神のものだと気付いた。安倍晴明は12人の式神を使役していたことから、これからも事件が続く可能性がある。春彦は推理の材料を探すため、第一現場の九条山を訪れる。
数日後、筆跡鑑定から2枚の式札が船岡山にある葛之葉斎社(くずのはさいしゃ)の陰陽師・葛之葉奈津子(葉月里緒奈)が書いたものだとわかった。葛之葉斎社を訪れた春彦に、奈津子は自筆の札だと認め陰陽道の術を使って人を呪い殺すことができると語る。
(月曜ゴールデン公式HPより)


では、続きから……(一部、重複アリ)

塩見正江が刺殺された。
口内から式札が発見されたことと、千里により竹之内は事件に巻き込まれることに。

さらに、今度は和田が撲殺。
これまた口内から式札が発見された。

竹之内は式札が12天将のものと看破。
最大で12人の被害者が出る恐れがあると語る。

式札の出処を求め、葛之葉斎社を突き止めた竹之内。
葛之葉斎社の陰陽師・奈津子は式札が自分の手によるものであると認める。
そこで、永原信明を見かける竹之内。
永原は通販会社の最大手・京ネットジャパンの社長として知られる人物である。
なんでも、奈津子の後援者らしい。

矢先、不動産会社を経営する高山史紀の娘・さおりが襲われる。
その口内には3枚目の式札が残されていた。
だが、さおりは睡眠薬を嗅がされ気絶していただけで無事。
これまでとは異質な犯行に竹之内は首を傾げる。

これまでの3件の犯行を比較すれば、次のようになる。

1件目はOLの塩見正江、山中、刺殺。
2件目は無職の和田、ホテル、撲殺。
3件目は女子大生の高山さおり、公園、絞殺未遂。

それぞれ葛之葉斎社の式札が発見されたことを除けば、共通点らしきものはないが……。

頭を悩ませる竹之内のもとへ奈津子が現れる。
奈津子は「早くに母を亡くしており、京都には嫌な想い出しかない」と語りつつも、「五山の送り火が好き」と奇妙な言動を見せるのだった。

さおりが意識を取り戻した。
ところが、さおりは「和田を呪殺した」と告白する。
和田は2人目の被害者である。
なんでも、30年前の何かをネタに和田が史紀を脅迫しており、それに耐えかねてのことだそうだ。
さおりが利用したのが「葛之葉斎社」と知り、竹之内は驚く。

その頃、奈津子のもとを永原信明が訪れていた。
永原は何があっても奈津子を守ると告げるが……。

その夜、小比類巻すみれから「大文字が五芒星を表現している」と聞かされた竹之内は奈津子の言葉を思い出す。
これまでの犯行現場を点とし、繋いだところ逆五芒星が現れる。
つまり、五芒星とは逆に呪いを狙ったものである。

同じ頃、和田が30年前にネジ工場に勤めていたことが判明。
同僚には史紀の名前もあった。
彼らが勤めていたのは、沢野井製作所であった。

さらに、30年前の事件の正体が沢野井製作所の工場長・剛三が刺殺されたものであるとも分かる。
容疑者は剛三の妻・梨花と和田、高山、吉岡、塩見、柴田ら5人の工員だった。
梨花は普段から剛三に暴力を奮われていた。
工員らは給料未払いに憤っていた。
なんでも、剛三は工場内に金庫を隠していたらしいが……。
この事件は最終的に吉岡が自殺し彼が犯人と思われていた。

工員の名前に注目した竹之内。
和田は第2の被害者。
高山は第3の被害者の父。
吉岡は故人。
塩見は第一の被害者・正江の夫である。
残るは柴田のみ。
今回の被害者たちは30年前に起こった沢野井剛三殺人事件の関係者であったのだ。

五芒星最後の点は「京都駅」を示していた。
狙われているのは5人の工員最後の1人「柴田」。
小比類巻たちは柴田の保護に急ぐ。

その頃、永原は奈津子に祈祷を依頼していた。
これから横浜へ商談に赴くと告げる永原。

一方、柴田が京都駅に呼び出されていることが判明。
小比類巻たちは京都駅の階段で柴田を見つける。
ところが、その目の前で柴田は何者かに突き落とされてしまう。
さらに、ばら撒かれる式札。
なんとか、柴田は一命を取り留める。

駆け付けた竹之内は永原が事件の根幹を占めていると指摘。
関係者全員を葛之葉斎社に集めるよう指示を出す。

葛之葉斎社に集った永原、塩見、高山、柴田、奈津子。
竹之内は30年前の沢野井剛三殺害は吉岡の単独犯ではなく、和田、塩見、高山、柴田らも含めた5人の犯行であると断言。
動機は剛三の隠し金にあった。
これを強奪する為に、5人で剛三を殺害したのだ。

だが、吉岡はほかの4人に裏切られ、罪を押し付けられた。
追い詰められた吉岡は山中に逃げ込み、運命的なモノを発見する。

それは本物の永原信明の自殺死体であった。
これ以降、吉岡は永原を騙り生きるようになった。
京ネットジャパン社長として成功した永原の正体は吉岡だったのだ!!

竹之内の推理を受け、永原こと吉岡は真相を語り始める。
吉岡は梨花を愛しており、剛三の暴力が許せなかった。
そこで、和田たちの隠し金強奪計画に乗り剛三を殺害した。
もちろん、残されることになる梨花の生活を支えるよう和田たちに言い含めてである。

剛三殺害後、吉岡は梨花のもとを訪れ事情を説明した。
梨花は吉岡の愛を受け入れ、関係を持った。
しかし、吉岡は剛三を殺害してしまっている。
後ろ髪引かれる思いで、その場を去ることに。

ところが、吉岡の思いも寄らぬ事態になる。
和田たちが約束を反故にし、梨花を見捨てたのだ。
どうしても、許せなかった……吉岡は怒りをぶつける。

これが動機だと語る吉岡は一連の事件を起こしたのは自分であると主張。
だが、奈津子がそれを押し留める。
奈津子は吉岡が復讐しようとしていることを知り、恩人である吉岡を助けようとした為にやったことだと訴えたのだ。

どちらが嘘を吐いているのか?
だが、竹之内は2人とも嘘を吐いていると語る。

第3の事件、さおりの殺人未遂に関しては吉岡のものだった。
奈津子を庇う為である。
吉岡は奈津子を犯人だと思い込んでいたのだ。

第4の事件、柴田襲撃は奈津子のものである。
こちらは逆に吉岡を庇う為である。
奈津子は吉岡が犯人だと思い込んでいたのである。

何故、2人は互いに庇い合ったのか?
奈津子の母こそ、沢野井梨花であった。
そして、奈津子こそ吉岡と梨花の1夜の逢瀬で生まれた娘であった。

この事実を吉岡は気付いていた。
だが、剛三を殺した吉岡は梨花親子の前に姿を見せることは出来なかった。
結局、梨花は死亡してしまう。
せめて、奈津子は救いたい。
そう考えた吉岡は必死に京ネットジャパンを大企業へ成長させ、後援者として奈津子の前に現れたのだ。

そして、この想いを奈津子もまた知っていた。
親娘は互いに知りつつ、庇い合っていたのである。

第3と第4の犯人は分かった。
では、第1の塩見正江と第2の和田を殺した犯人は誰か?

竹之内は正江の夫・塩見こそが犯人であると指摘する。

京ネットジャパン社長として吉岡の写真が雑誌に載ってしまった。
これを見た和田は吉岡が生きていることを知り、脅迫することに。
これに塩見も協力した。

ところが、正江は塩見の行為を唾棄すべきものと止めようとし、誤って殺害されてしまう。
其処へ脅迫された吉岡が到着、様子を見て慌てて逃げ出す。
この姿を心配していた奈津子が目撃。
吉岡を庇うべく捜査を攪乱しようと、式札をその場に残した。

次いで、正江の件で和田に弱味を握られた塩見は彼を殺害。
これまた、脅迫されていた吉岡が現場へ……その前に先回りした奈津子が到着。
吉岡の犯行と思い込み、式札を残しその場を去った。
この姿を吉岡が目撃、これまでの2件の殺人が奈津子の犯行だと思い込んだ。
これが3件目の犯行に繋がるのである。

奈津子、吉岡、塩見は逮捕されることに。

奈津子が竹之内に事あるごとに思わせぶりな情報提供をしていたのは、竹之内の推理を自身に向けさせる為であった。
だが、吉岡、奈津子共に連続殺人に関与していないことが分かったことで奈津子は感謝する。

数日後、京都の町を歩く竹之内と千里。
結局、漬物百選は遅々として進んでおらず追われることになるのだが……それはまた別の話―――エンド。

<感想>

新シリーズ「漬けモノ学者・竹之内春彦」第1弾。
原作は秋月達郎先生の「竹之内春彦シリーズ」その1冊『京都五芒星殺人物語』(実業之日本社刊)。

<あらすじ>

真夏の京都、九条山浄水場で一人の女が死体で発見された。柳包丁で刺殺されたらしい。そしてその口の中には謎の護符が……。さらに、翌日、西院のラブホテルで男が殺された。死因はバット状のものによる撲殺。やはり同様の護符が口中から見つかった。同一人物による連続殺人か? 京都府警の小比類巻刑事は民俗学者の竹ノ内の力を借りながら、護符を調べ始めるが、その矢先、第3の事件が……!?
(実業之日本社公式HPより)


シリーズの作者である秋月達郎先生と言えば、ファンタジー小説や架空戦記ものでお名前を拝見したことはありましたが、ミステリも手掛けられているとは知りませんでした。

では早速、ドラマ版の感想を。
ちなみに本作の脚本を手掛けたのはブラジリィー・アン・山田さん。
ドラマ「相棒」で「マジック(シーズン8)」「死に過ぎた男(シーズン9)」を手掛けられています。

なかなか話の足腰はしっかりしていて、面白かったように思えました。
二転三転する展開も今回は良かった。

個人的には当初こそ「高山のみ娘が生きていた」ことから「高山が本命の和田殺害を誤魔化すべく、他の犯行に踏み切った」と考えてましたが、裏をかかれましたね。
もともと、高山が自身も関わった30年前の事件が暴かれかねない危険を冒す必要はないワケですし、浅慮だったか。

次いで、第3と第4が吉岡と奈津子によるものと分かり、「4件の犯行、それぞれに犯人が居るのでは……」との予測に移行しましたが、第1と第2が同一犯だったとは読めませんでした。

管理人としては、吉岡と奈津子の犯行が指摘された10時27分時点ではこんな結論を考えていました。

第1の被害者・正江は塩見の犯行(動機は夫婦間のトラブル)。
第2の被害者・和田は高山の犯行(動機は脅迫されたから)。
第3の被害者・さおりは吉岡の犯行(奈津子を庇う為)。
第4の被害者・柴田は奈津子の犯行(吉岡を庇う為)。

ところが、10時30分時点で塩見が犯人と断定されました。
そこで、こちらに移行。

第1の被害者・正江は和田の犯行(和田から夫を守ろうとして返り討ち)。
第2の被害者・和田は塩見の犯行(正江の仇)。
第3の被害者・さおりは吉岡の犯行(奈津子を庇う為)。
第4の被害者・柴田は奈津子の犯行(吉岡を庇う為)。

が、結局は次の結論でしたね。

第1の被害者・正江は塩見の犯行(事故)。
第2の被害者・和田は塩見の犯行(正江殺害の口封じ)。
第3の被害者・さおりは吉岡の犯行(奈津子を庇う為)。
第4の被害者・柴田は奈津子の犯行(吉岡を庇う為)。

まさに、管理人の中でも二転三転してました。
普段なら悔しいところですが、不思議と本作については面白いと感じられたのは、やはり、話がしっかり作られていたからではないでしょうか。

モチーフである「五芒星」についてもきっちり活かし切っていたように思えますし、個人的にはシリーズ続編に期待出来る作品だと思います。
原作シリーズ自体にストックあるし。
第2弾を期待して待ちたいと思います!!

<キャスト>

竹之内春彦(たけのうちはるひこ):中村雅俊

辻本千里(つじもとちさと):黒谷友香
小比類巻ゆたか(ゆたかこひるいまきゆたか):石井正則
葛之葉奈津子(くずのはなつこ):葉月里緒奈
永原信明(ながはらのぶあき):山本 圭

高山史紀(たかやまふみのり):原田大二郎
半井半次郎(なからいはんじろう):大河内浩

小比類巻すみれ(こひるいまきすみれ):野際陽子 ほか
(順不同、敬称略、公式HPより)


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この記事へのコメント
こんばんは。


自分も面白かったですね!! ドラマの『トリック』が好きなので、野際陽子さんの母役と古畑任三郎の石井正則で、その部分ですでに面白かったですし、葉月里緒奈の雰囲気も好きでした♪
ストーリーは、ちょっと単純だったかな〜とも思いますが個人的には続編希望です!

来週は、渡鬼の最終話ですけど、管理人さんはミステリーではないので観られないのかな?

Posted by ピエロ at 2012年09月11日 19:36
Re:ピエロさん

こんばんわ!!
管理人の“俺”です(^O^)/!!

管理人もソレ思いました。
野際陽子さんはもちろん、石井正則さんも良かったですね。
石井さんといえば、やっぱり「古畑任三郎」です!!

そして、黒谷さんも出演されていたので「ハンチョウ」っぽい感じも良かった。
続編あるといいなぁ……。

そう言えば来週の「月曜ゴールデン」はミステリじゃなく、「渡る世間は鬼ばかり」なんですよね。
気にはかかっているのですが、視られたら視ようかなと思ってます(^O^)/!!
Posted by 俺 at 2012年09月12日 23:31
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