2012年09月05日

『狙われた病室(監禁探偵2)』7話(我孫子武丸原作、西崎泰正画、実業之日本社刊『漫画サンデー』連載)ネタバレ批評(レビュー)

『狙われた病室(監禁探偵2)』7話(我孫子武丸原作、西崎泰正画、実業之日本社刊『漫画サンデー』連載)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<登場人物一覧>

アカネ:轢き逃げに遭い実日会総合病院に入院。記憶を喪失しているようだ。前作のアカネと同一人物?
多岐川:実日会総合病院の外科医。アカネの手術を担当。眼鏡着用。
米山:実日会総合病院の看護師長。
宮本:実日会総合病院の研修医。
拓人:子供。実日会総合病院の入院患者。
桐島いつき:若手の看護師。2話より登場。同話にて被害者に。
川越修:実日会総合病院院長。65歳。眼鏡着用。2話より登場。
川越学:修の息子。医師。5話より登場。
原田真菜:いつきの同僚看護師。4話より登場。
刑事:1話で登場。轢き逃げ事件を追っている。

<7話ネタバレあらすじ>

〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜〜〜〜〜

轢き逃げ事故に遭った少女が実日会総合病院に運び込まれた。
少女は身許を示すような品を所持しておらず、ハンカチにあった刺繍からアカネという名前を与えられる。
アカネは意識を取り戻すが、記憶を喪っていた。

そんなアカネに近付く入院患者の少年・拓人。
彼によれば、実日会総合病院は「幽霊病院」らしいが……。

車椅子により動けるようになったアカネは、看護師の桐島いつきが何者かと逢引している現場を目撃する。
翌朝、当の桐島いつきが謎の転落死を遂げるのだった。
桐島いつきの死の真相に幽霊が関わっているとの噂も飛び出す。

しかも、次なる轢き逃げ事故の被害者が死亡した夜にアカネと多岐川は幽霊を目撃する。
幽霊は消え、謎だけが残された。
事件の真相は!?

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「桐島いつき殺害、幽霊騒動、轢き逃げ事件」に関連性があると口にするアカネ。
これを聞いた宮本は、アカネの指示に従い何事かを調べることに。
院内にあるパソコンを駆使し調べ物を続ける宮本……。

一方、米山はアカネの処方箋について指示を出していた。
「あれ?これ量多過ぎじゃないですか」
担当看護師が疑問を口にするが、米山は「多岐川先生のご指示ですよ」と相手にしない。

その夜、出された薬を服用したアカネは強い眠気に誘われ意識を手放してしまう。
そこへ現れた多岐川、「よく眠っているね」と微笑むが……。

次にアカネが目覚めたとき、目の前には下り階段が広がっていた!!
どうやら、犯人はアカネを睡眠薬で眠らせ階段から車椅子ごと突き落とすつもりらしい。
必死に口内を噛みしめ意識を覚醒させたアカネは激しく抵抗する。

だが、遂に抵抗空しく突き落とされてしまう……。
転がり落ちるアカネは車椅子から飛び降り、身体を回転させながら衝撃を逃がす。

翌朝、これが功を奏したのかアカネは一命を取り留めた。
特に怪我もなかったらしい。

自身が突き落とされたことを宮本に告げるアカネ。
それを耳にした多岐川にアカネは笑いかける。
「睡眠薬を処方したのは多岐川先生ですよね」と―――8話に続く。

<感想>

2010年8月に『漫画サンデー』で連載されていた『監禁探偵』の続編です。
原作&作画は前作同様、我孫子武丸先生原作、西崎泰正先生画。
『監禁探偵』ネタバレ批評(レビュー)はこちら。

「監禁探偵」(我孫子武丸原作、西崎泰正画)まとめ

さて、第7話。
前回にて、アカネの口から「桐島いつき殺害」、「幽霊騒動」、「轢き逃げ事件」に関連性があることが宣言されました。
ただ、同一犯なのか、連鎖的に起こって居る事件なのかは不明。

これに基づき、アカネは宮本に何かを調べるよう指示を出しました。
一方、アカネの捜査を恐れた真犯人はアカネを排除すべく階段から突き落とそうとするとの暴挙に!!

とりあえず、今回も推理を進めて行きましょう。
6話までのところ、宮本犯人説を主張してきた管理人ですが、雲行きが怪しくなってきましたね。
今回は、純粋に宮本が調査してるし。
宮本は完全にワトスン役、前回の亮太のポジションなのかな。
それと、多岐川は犯人から消してもよさそう。

今回、睡眠薬を多岐川が処方したのは間違いないと思われる。
アカネの睡眠状態を多岐川が確認してるし。
理由はおそらくアカネの調査を阻止するか、アカネの治療を進める為であり殺意はない。

ただ、これに便乗した人物がいる。
それが犯人であろう。

つまり、多岐川がアカネに睡眠薬を服用させ眠らせたことを知っている人物が状況を利用したのだ。
となると、知っていると作中で表示されている人物は2人。

看護師長の米山と担当看護師である。

このうち、担当看護師は処方に疑義を挟み、また名前のないキャラなので、米山の方が怪しいか。
米山ならば幽霊騒動とも関連付けることが出来る。
ただ、今回のことで、米山にしろ、担当看護師にしろ、幽霊が消えた真相は「幽霊騒動を起こした人物は直後に女子トイレに隠れやり過ごした、後から現れた米山が調べる振りをして見逃した」で決まりっぽい。
つまり、前回ネタバレ批評(レビュー)中の2つ目で正解だったと思われる。

こうなると、重要となるのはアカネが宮本に依頼した調査内容。
これは「轢き逃げ事故の被害者を担当した看護師を調べる」ことか、「誰か(スタッフ?入院患者?)の家族関係を調べる」などといったことが考えられる。

個人的には後者の可能性が高いと思われる。
いずれにしろ米山の関与は免れ得ないので、彼女が犯人の1人なのは間違いない。

管理人が疑っているのは「拓人」。
子供なので目立たないし、彼が米山の親族か何かで協力しているとかはどうだろうか?
多岐川とアカネが目撃した幽霊も彼の仕業で、追われた彼は女子トイレに身を隠す。
それを米山が庇ったとか。
もともと、アカネは車椅子なので女子トイレを確認することは難しい。
あの場で緊急避難的に逃げ込むのならば、多岐川に調べられる恐れのある男子トイレよりは女子トイレとなるのも自然な選択だと思われる。

ただ、米山が庇ったとすれば、特に「拓人」でなくとも良いのがこの説の弱いところ。
果たして、どうなるのか?

7話までではこんなところか、8話に注目です。
ちなみに、アカネが割とあっさり病室からの拘束を抜け出してしまったのは意外でした。
もう少し粘ると思ったんだけど。

そして、我孫子武丸先生といえば『狼と兎のゲーム』が『メフィスト』(講談社刊)にて連載中。
こちらも注目です!!

◆「狙われた病室」関連過去記事

『狙われた病室(監禁探偵2)』1話(我孫子武丸原作、西崎泰正画、実業之日本社刊『漫画サンデー』連載)ネタバレ批評(レビュー)

『狙われた病室(監禁探偵2)』2話(我孫子武丸原作、西崎泰正画、実業之日本社刊『漫画サンデー』連載)ネタバレ批評(レビュー)

『狙われた病室(監禁探偵2)』3話(我孫子武丸原作、西崎泰正画、実業之日本社刊『漫画サンデー』連載)ネタバレ批評(レビュー)

『狙われた病室(監禁探偵2)』4話(我孫子武丸原作、西崎泰正画、実業之日本社刊『漫画サンデー』連載)ネタバレ批評(レビュー)

【容疑者絞りました】『狙われた病室(監禁探偵2)』5話(我孫子武丸原作、西崎泰正画、実業之日本社刊『漫画サンデー』連載)ネタバレ批評(レビュー)

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◆関連過去記事

「狼と兎のゲーム(第1回)」(我孫子武丸著、講談社メフィスト連載)ネタバレ書評(レビュー)

「狼と兎のゲーム(第2回)」(我孫子武丸著、講談社メフィスト連載)ネタバレ書評(レビュー)

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我孫子武丸先生の「殺戮にいたる病 (講談社文庫)」です!!
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◆我孫子武丸先生のその他の作品はこちら。
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posted by 俺 at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画批評(レビュー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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