2012年09月02日

2012年8月30日の「空が灰色だから」43話ネタバレ批評(レビュー)

待望の2巻も発売された阿部共実先生「空が灰色だから」(秋田書店)。
ネット上で話題となっており、1巻は今も順調に版を重ねているとの情報も流れています。
2012年7月18日には「asahi.com」さんにて「シュールで不思議な短編集」として紹介もされました。
実際、読んでみると不思議な魅力を持つ本作。
面白いものを読んだら語らずにはいられない管理人にとって、十分に語るべき対象となる作品であります。

というわけで、2012年8月30日に掲載された作品のあらすじをまとめておきます。

これを読んで興味を持たれた方は、是非「週刊少年チャンピオン」本誌連載とコミックスにもチャレンジして貰えればオススメした甲斐があるかもしれません。
直に本作を目にして貰えればその不思議な魅力をご理解頂けるかと思います。

では、本作の魅力を出来る限りお伝えするべくネタバレ批評(レビュー)です。

◆2012年8月30日「週刊少年チャンピオン」掲載

郁美は家でごろ寝を決め込んでいた。
彼女は26歳無職、誰に何を咎め立てされるでもなく自由を謳歌できる立場にあった。

郁美は思う―――ああ、うるさいと。
外からはひっきりなしに何かの音が流れ込んで来る。
そして、中は中でパソコンのファンの音、締め忘れた蛇口から水が滴る音が彼女を悩ませた。

でも、それでも、郁美は何もしない。
パソコンを止めるでもなく、蛇口を締めるでもなく、窓も開け放したままひたすら布団の上に横たわっているだけだ。

郁美は思う―――バイトは辞めたけど、貯金はあるしぃ〜〜〜と。
バイト先では年長者であるからと言う理由だけで特に何か出来るわけでもない郁美がバイトのリーダーとされた。
自分が居ない間に陰口を叩かれているのではないかと思うと、気が気でなくなった。
仕事が特に出来るわけでもなかった郁美は責任を感じたこともあり、バイトを辞めた。
でも、まだ生きて行けるだけの貯金はある。

そうこうしている内に、郁美の思考はあらぬ方へと流れて行く。
これは夢だろうか、現実だろうか。
ふわふわと空間を漂う郁美の周囲を血の華が咲き乱れ、それが地に落ち子供が生えて来る。
その子供たちに囲まれた郁美は彼らに押し上げられて……空へと舞い上がる。

ぷるるるるるる……。

そこで郁美の意識は現実に引き戻された。
耳に飛び込んで来たのは携帯の着信音だ。
何時の間にか寝入っていたようである。

「ようやっと、寝られたのに」
苛立ちまじりに電話に出ると、相手はバイト先の主任。

「バイトの子たちが喧嘩ばかりでまとめられないんだ。戻って来てくれないか?」
「嫌です。当分の間は無職なので!!」
そのまま、電話を切ってしまう郁美。

そして、また惰眠を貪るのであった―――エンド。

<感想>

2012年8月30日掲載のものです。

これまた活字泣かせな展開ですね。
もう本編見るしか雰囲気を掴みようがない。

出来る限り改変入れつつ再現してみたけど、原作ほど良くない。
あの雰囲気は出せなかったなぁ……。

怠惰と狂気の境目的な描写が続くシーンは凄かった。
あれは必見だと思う。

それにしても、郁美は「特に仕事が出来たワケではない」と自身を評価しているが、割と仕事が出来たタイプの模様。
少なくとも、改めて翻意を促されている程度には主任から信頼されているし。
これまではバイト関係で主任の手を煩わせる事態が発生していなかったらしいことからも、郁美が上手くまとめていたんだろね。
陰口を叩かれるのでは……と心配しているところを見ると人の顔色を窺うタイプだったのかな。
だからこそ、人間関係は円滑に出来ていたっぽいな。
主任は割ときっちり人を見てリーダーを選んだんだろうなぁ。

なので、現在こそ怠惰モードの郁美ですが、いずれはまた別の仕事に戻るのでしょうね。
オンとオフを切り分けて、割と現実との折り合いをつけられそうなタイプの気がする。

そんな「空が灰色だから」は「週刊少年チャンピオン」に連載中の漫画。
読むと心がざわついて何処となく落ち着かなくなる作風。

この間から何となく感じていたのですが、本作は過去に「週刊少年チャンピオン」にて連載されていた倉島圭先生「24のひとみ」にテイストが似ていますね。

従来の枠に囚われない世界観は両者の特徴と言えるでしょう。
その味は、古典部シリーズ『氷菓』のアニメ化で話題の米澤穂信先生の著作『儚い羊たちの祝宴』に通じるモノがありそうです。

『儚い羊たちの祝宴』(米澤穂信著、新潮社刊)ネタバレ批評(レビュー)

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