2012年09月09日

土曜ワイド劇場「京都殺人調書〜熱血検事登場!祇園祭殺人事件!届かぬ想いを紡いだ最後の西陣帯〜」(9月8日放送)ネタバレ批評(レビュー)

土曜ワイド劇場「京都殺人調書〜熱血検事登場!祇園祭殺人事件!届かぬ想いを紡いだ最後の西陣帯〜」(9月8日放送)ネタバレ批評(レビュー)です。

<あらすじ>

納得がいくまで起訴状は書きません、いや書けないんです―。
そんな不器用で大きな少年のような捜査検事、押忍正義〈おしのぶまさよし〉(山口智充)は、京都地検への配属のため、妻の真里子(中越典子)を伴って生まれ故郷である京都に帰って来た。真里子はある事件の犯罪被害者で、事件以来、声を失っている。そんな二人を西陣の町家で暮らす押忍の母・貴子(野川由美子)は温かく迎える。
折しも京都は祇園祭の真っ最中。街角には壮麗な山鉾が立ち並び、町家では屏風飾りといって自慢の帯や織物を街行く人に公開する。西陣帯の老舗「菊田帯」も新作の帯の展示会を行っていた。そんな中に浴衣姿の押忍と妻の真里子、母の貴子の姿があった。真里子にとっては初めての京都。真里子は一本の艶やかな西陣帯に目を奪われる。それは西陣帯では人間国宝級と評判の織子、大沼誠治(中村扇雀)が手機で織った逸品だった。さらに跡取り娘の菊田由香(春木みさよ)は新人賞を取っており、「菊田帯」の未来は順風満帆かに思われた。だが、主の菊田道夫(山本圭)はいきなり「店を畳む」と言い出す。妻の芳江(坂口良子)も由香たちも突然のことに驚きを隠せない。
そしてその翌日、菊田道夫が死亡する。自宅の階段を転落したのだ。
押忍の京都地検での初仕事は、奇しくもこの菊田道夫の階段転落死事件となった。他殺の疑いが出てきたという報告を受けるや、事務官の星野月男(石倉三郎)が止めるのも聞かず飛び出していく。「菊田帯」に到着すると、府警の村雨警部(今井雅之)からも、初動は任せてもらいたいと釘を刺されるが、一向におかまいなし。その上、捜査会議にまで出るありさまで星野や村雨を困らせる。押忍には全く他意はない。真実が知りたいだけなのだ。
事件当日、店を畳むことについて道夫と娘婿の智史(坂田聡)が激しく言い争っていたという目撃証言が出ていた。村雨たちは智史を疑う。が、智史は義父の殺害を否認していた。
一方、押忍は現場に残されていた菓子折「鹿の園」が気になっていた。予約しないと手に入らない銘菓だという。予約した人物の名前を調べると、由香の友人で女流能楽師の篠山志乃(遠野なぎこ)が購入していたことが分かる。
志乃は何をしに「菊田帯」に来たのだろう?それよりも道夫はなぜ「店を畳む」と言ったのだろう?押忍は星野を伴い、道夫の過去を調べ始める。
「菊田帯」を日本一の帯屋にしたい。若き日の道夫は織物の街・丹後伊根から大沼と芳江を引き抜き、その後芳江を自らの嫁にする。道夫と大沼の熱い情熱で「菊田帯」は隆盛を極めていく。その最中、道夫は上七軒の芸妓を囲っていたことも判明。
押忍は星野とともに上七軒の小料理屋を訪ね、女将から道夫が囲っていた芸妓、雪乃について話を聞く。実は、雪乃と道夫の間には娘が一人生まれており、それが志乃だった。結局、道夫に捨てられた雪乃は女手一つで志乃を育てたが、無理がたたり、亡くなってしまったという。志乃の自分たちを捨てた父への復讐では?と推理する村雨。それなら、なぜ、志乃は目立つ菓子折りを現場に残したのか?そんな疑問を胸に、押忍は道夫の仮通夜に現れた志乃に直接、話を聞く。志乃の口から語られる真実とは・・・。
立派な後継者ができたにもかかわらず、急に店を閉めると言った道夫の真意とは!? 帯に描かれた大輪の花火が意味するところとは!?
(あらすじ・写真共に公式HPより)


では、続きから(一部、重複アリ)……。

志乃は母・雪乃が菊田を許して死んだことから、自身も菊田を許し父として慕っていたのである。
そんな志乃が菊田を殺害する筈はない。
押忍は志乃の犯行ではないと結論付ける。

その頃、菊田の妻・芳江は大沼と共に「花火柄」の帯を必死に制作していた……。

一方、押忍は菊田の娘・由香から新たな情報を得る。
菊田が殺害される少し前、由香が幼い頃に家族で見た花火の想い出を菊田に語ったところ、不快な表情を浮かべていたらしい。
菊田が店を畳むと言い出したのもその後のことであった。

さらに大沼と芳江が、丹後伊根町の出身と突き止める。

これに注目した押忍は伊根町へ。
そこで数十年前に芳江が由香と共に家出をし、大沼が連れ戻しに来たことがあったと知る。
その夜、伊根町では花火大会が行われていた……。
この日の芳江は、結婚以来それまでになくはしゃいでいたらしい。

もしや、由香が家族の想い出としている記憶はこのときのものではないか。
だからこそ、自身が参加していない想い出を楽しそうに語られた菊田が激怒したのではないか。

矢先、大沼が出頭して来る。
大沼は伊根町の花火の件で、菊田に批難されたことに傷心。
さらに、菊田が店を畳もうとしていた動機が其処にあると知り必死に押し留めようとしていた。

菊田は芳江と大沼の仲を疑っていたのだ。
遂には菊田が「花火の帯が完成し次第、焼却処分にしてやる」とまで発言。
これに堪忍袋の緒が切れた大沼が掴みかかり、揉み合う内に階段から転落してしまったそうだ。

大沼は取り調べを受けることに。
だが、押忍はこれに納得していなかった。

押忍は菊田が転落後も生きていた可能性を重視したのだ。
さらに、事件以来、言葉を失くしてしまった由香の息子・輝樹が何かを知っていると睨む。

実父を目の前で刺殺されたことで言葉を失った妻・真理子に事態を相談する押忍。
真理子の協力を得て、輝樹に話しかける。

同じ頃、芳江は花火柄の帯を完成させていた。

押忍たちの説得の甲斐あって、輝樹が言葉を口にし始める。
これを目にした芳江は遂に真実を語り始める。

帰宅した芳江、そのとき菊田は転落したものの生きていた。
「大沼に突き落とされた。くそ、俺はお前らの為に生きているわけじゃないぞ!!お前たちに繋がる物は全部燃やしてやる」

これを聞いた芳江も堪忍袋の緒が切れた。
「あなた、堪忍へ」
言葉と共に菊田に止めを刺した芳江。

確かに芳江は大沼を愛していた。
だが、あくまでプラトニックなものであった。
しかも、大沼は芳江本人よりも芳江の技量それ自体を愛していた。
所詮、2人は結ばれ得ない。
そこで、芳江は大沼への想いを断ち切り菊田と結婚したのだった。
だから、だからこそ、せめて帯の中だけでも大沼との想いを成就させたい。

そんな芳江に、大沼が芳江を庇ったことを伝える押忍。
芳江の気持ちは決して一方通行な物ではなかったのだ。

そして……菊田はそんな大沼と芳江の想いを40年もの長きにわたり嫉妬を込めて見詰めていたのである。
そんな嫉妬の炎が一息に溢れだしたゆえの悲劇であった。

今回の事件を通じ、星野は押忍を認めることに。

一方、押忍は芳江について求刑5年に決めた。
大沼は不起訴となった―――エンド。

<感想>

新シリーズ「京都殺人調書」第1弾。
原作は佐伯俊道先生『京都西陣 恋衣の殺人 捜査検事・押忍正義「京都殺人調書」』(光文社刊)。

<あらすじ>

押忍正義は凶悪犯罪を扱う捜査検事として京都地検に赴任する。赴任早々、西陣帯の老舗・菊田帯の当主、菊田道夫が階段の下に転がり落ちて死んでいるのが発見された。捜査の先頭に立つ押忍は、美しい帯を織る老舗のなかに、愛憎の糸が縺れる複雑な人間関係があるのを突き止める。愚直なまでに粘り強く謎を追う検事が辿り着いた、真犯人の哀しみと人間の業とは!?
(光文社公式HPより)


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では、ドラマの感想を。

40年に渡る男女3人の愛憎の悲劇でしょうか。
菊田は疑心暗鬼に苦しみ。
大沼は愛よりも技術の追及を選び苦しみ。
芳江は真実の愛を求め苦しんだ。

なんで結婚してしまったんでしょうか?
結婚してしまったことが間違いだったのか?
たとえ、スタートに打算があったとしても共に暮らすうちに育まれる愛情もある筈と思うのですが……。
なんとも難しいところですね。

キャスト的にもなかなか満足でしたね。
特に貴子役の野川由美子さん、良かったです。

全体としては、特に優れているワケではありませんが、特に瑕疵があるワケでもない。
シリーズ続編、あってもいいのではないでしょうか。

<キャスト>

押忍正義:山口智充
押忍真里子:中越典子
押忍貴子:野川由美子
星野月男:石倉三郎
村雨洋一郎:今井雅之
安保幸三郎:中原丈雄
篠山志乃:遠野なぎこ
大沼誠治:中村扇雀
菊田道夫:山本 圭
菊田芳江:坂口良子 ほか
(公式HPより、敬称略)


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