2012年09月06日

「香港九龍財宝殺人事件」第7話(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「香港九龍財宝殺人事件」第7話(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

新シリーズ第7回!!容疑者が絞られています!!

【「香港九龍財宝殺人事件」登場人物一覧】
金田一:主人公。最終エピソードまで犯人にも被害者にもならないでしょう。
美雪:言わずと知れた金田一少年のベストパートナー。最終エピソードまで犯人にも被害者にも(以下略)。

佐木(弟):2代目記録係。流石に犯人はないだろうが被害者になる恐れはある。
瀧川龍太:ファッションショー「ガーリーモード」の責任者。
佐久間猛:「ガーリーモード」の関係者。
楊蘭(ヤン・ラン):美雪のソックリさん、腹部に「龍の瞳」に関する刺青を入れている。
新力(シン・リー):金田一たちが香港で出会った人物。第二の被害者。
陳永福(チャン・ヨングー):香港のプロモーター。第一の被害者。蝶が苦手。
柳愛碧(リュウ・アイビー):香港のデザイナー。第三の被害者。
李白龍(リー・パイロン):台湾の刑事、毒龍を知っている。
金龍東(キム・ロンドン):ガーリーモード関係者が宿泊するホテルの従業員。

明智警視:4話にて登場、剣持と共に日本から情報を提供した。
剣持警部:4話にて登場、明智と共に日本から情報を提供した。

王龍(ワン・ロン):王皇帝と呼ばれた男。謎の3人に殺害された人物。
メイジン:ワンの妻。ワンとの間に3人の子供を設けた。
ワンの子供:4人兄弟妹。リー、ロンドン、ヤンとあと1人居るらしい。
謎の3人:王皇帝殺害に関与した3人組。シン、チャン、リュウと思われる。

<7話あらすじ>

リュウが死亡した。
ランと美雪の誘拐、チャンとシン殺害の罪を悔いての自殺と思われたが……。
金田一は真犯人は別に居ると推理、事件はまだ終わっていないと主張する。

一方、核兵器であった“毒龍”の行方は未だ見つからずリー刑事は焦りを募らせていた。
逆鱗に位置し、美雪が囚われていたこの廃屋こそが怪しいが……。
ところが、幾ら調べたところで毒龍は出て来ない。
リー刑事は此処までを突き止めた金田一の推理力に協力を求める。

金田一はヒントが屋内にあると考え、周囲を見回す。
目に飛び込んで来たのは壁の落書きである。

一見、普通の落書きに見えるそれ。
だが、金田一はそれが鏡文字になっていると気付く。
鏡に映し出すと意味のある文字になるのだ。

其処に映し出されたのは数字。
金田一はこれを毒龍が保管されている場所の緯度と経度を示していると看破する。

早速、その場所へ向かうことに。
大澳の山中奥深くに分け入ったリーと金田一たちは建物を発見。
屋内を捜索する。

しかし、屋内の何処にあるのか判然としない。
此処でふとリーやラン、ロンドンなどワンの子供たちが日本語に通じていることに注目。
リーに確認してみたところ、彼らの母・メイジンは日本人。
そのメイジンが特に覚えるように指導したものだったらしい。

ワンの立場に立ってみれば、後を継ぐであろう彼の子供たちに分かり易いようにメッセージを遺している筈だ。
日本語にヒントがあると考えた金田一は廃屋の落書きの中に「屋根裏」と書かれたものを発見。
屋根裏こそが毒龍の隠し場所であると断言する。

これに従ったリー刑事は、遂に屋根裏に毒龍を発見する。
早速、解体作業が行われることに。

毒龍については一段落がついた。
残るはランと美雪を誘拐し、チャン、シン、リュウの3人を殺害した真犯人である。
金田一は真犯人を捕えることを固く誓うのだった―――8話に続く。

<感想&推理>

新シリーズ「香港九龍財宝殺人事件」第7話です。

今回はドラマ向けパートでしたね。
特に推理部分に進展は無し。
それと、前々から主張し続けて来ましたが、本作はミステリ部分よりもドラマ化に際して如何にドラマチックにするかに力点を置いていますね。

鏡文字についても謎とされた直後に解答が提示。
特に謎は無い。

何だかこの調子だとストーリーの厳密性は求めない方が良さそうな気配。
あくまで、ドラマとして見栄えがするかどうかが重要視されているっぽいし。
前回、ヤンの現在位置によっては「ヤン双子説」もありえるかとも思ったが、それ以前のような気もしてきた。
う〜〜〜ん、難しい。

ヤン双子説について説明しよう。
これは前回を読んだ管理人が提唱した説である。

現在、保護された美雪は偽物であろう。
でないと、リュウ殺害が不可能なので。

となれば、美雪ソックリの何者かが成りすましていると考えるべき。
一見、ヤンのように思える。
だが、ヤンは東涌で保護されている。
かといって、本物の美雪がヤンの振りをして東涌で保護を求める必要は無い。
だとすれば、もう1人美雪のソックリさんが必要になる。
そこで、リーたちがメイジンと別れた際にヤンはお腹の中に居たことから、お腹の中の子供が実は双子で、そのヤンの双子が偽美雪を演じているのではないか。
或いは東涌に保護を申し出た者こそ、ヤンの双子ではないかとの説である。

普通、誘拐された被害者が無傷とは言え解放されたら、解放された土地(ヤンの場合は東涌)で誰かの警護がつき保護され続ける筈。
あるいは、移動するにしても警護がつく。
だからこそ「ヤンが東涌だとすれば偽美雪を演じるもう1人の存在が必要である」と論理展開した。
ヤンが美雪に成りすました場合、当のヤンの存在が消えてしまうこともこの説を推していた。
そもそも、ヤンが美雪に成りすました場合、特徴的な龍の刺青で一発でバレるとの問題もあるし。

だが、今回の展開を見る限り、現実の常識よりも作中常識が優先されるのではとの危惧が湧く。
ヤンの所在についてはあえて無視し、東涌で保護された後に実は抜け出していたとかもありえそうで怖い。

それと、ドラマ化が最優先事項になっていると考えれば、自ずともう1人の可能性は割と低いような気も。
美雪とヤンともう1人を、1人の女優さんで表現するのは難しいだろうし。
それと、美雪とヤンの顔合わせも殆どないだろうなぁ……同じ俳優さんを1つの画面で2役では合成以外ない。
となると、撮影しにくいだろうし。
美雪役の女優さんは、美雪誘拐以降はエピローグまでヤンとしてしか登場しない可能性が高いか。

1つ気にかかるのは、ドラマ版では未だ美雪役が公表されていないこと。
もしかすると、美雪役に何か大きな秘密があるのかもしれない。

【7話まとめ】

物語上必要とはいえ、全体的に流れが恣意的過ぎる気もする。
犯人の誘導に悉く金田一がかかってるし。
やっぱり、スペシャルドラマ化だからかなぁ……。
「香港九龍財宝殺人事件」はミステリよりはサスペンス。
トリックはあまり重要視していない模様、インパクト勝負の気がします。
それだけに美雪とヤン以外のもう1人、“ヤンの双子説”もあり……それとも、無しか。
今回、犯人あてクイズあるのかなぁ……第8話に注目!!

そんな「香港九龍財宝殺人事件」ドラマ化が明らかにされました。
9月2日に豪華キャストも判明しています。
詳しくはこちらをどうぞ!!

【速報】現在連載中!!「金田一少年の事件簿 香港九龍財宝殺人事件」がドラマ化決定!!

【ドラマ】ドラマ版「香港九龍財宝殺人事件」豪華キャスト判明!!

さらに「リアル脱出ゲーム」さんとコラボすることも判明。
タイトルは「からくり館からの脱出」とのこと。

超イベント開催判明!!「金田一少年の事件簿×リアル脱出ゲーム『からくり館からの脱出』」とは!?

◆「香港九龍財宝殺人事件」関連過去記事

2012年7月スタート「金田一少年の事件簿」新シリーズタイトルは「香港九龍財宝殺人事件」!!

「香港九龍財宝殺人事件」第1話(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

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【新たな疑惑浮上?】「香港九龍財宝殺人事件」第6話(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

◆シリーズ関連過去記事
・「金田一少年の事件簿」より「暗黒城殺人事件」のまとめはこちら。
「暗黒城殺人事件」(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ

・「金田一少年の事件簿」より「人喰い研究所殺人事件」のまとめはこちら。
「人喰い研究所殺人事件」(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ

・「金田一少年の事件簿」より「ゲームの館殺人事件」のまとめはこちら。
「ゲームの館殺人事件」まとめ(「金田一少年の事件簿」より)

・「金田一少年の事件簿」より「錬金術殺人事件」のまとめはこちら。
「錬金術殺人事件」まとめ(「金田一少年の事件簿」より)

・同じく「高度1万メートルの殺人」のまとめはこちら。
「高度1万メートルの殺人」まとめ(「金田一少年の事件簿」より)

・さとう先生による読み切り「トキメキトキナ消失宣言」のネタバレ批評(レビュー)はこちら。
「別冊少年マガジン」(講談社)より「トキメキトキナ消失宣言」ネタバレ批評(レビュー)

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