2012年09月08日

「名探偵マーニー」第4話「結婚式か葬式か」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「名探偵マーニー」第4話「結婚式か葬式か」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

第4話登場人物一覧:
マーニー:主人公にして名探偵。
パパ:ロイド探偵事務所所長にしてマーニーの保護者。元刑事らしい。
ゆりか:マーニーの友人。
片岡:ゆりかが想いを寄せる謎の人物。
那智先輩:2話にて初登場。学校のヒーロー。

<ネタバレあらすじ>

マーニーの友人・ゆりかから依頼が入った。
名も知らぬ彼女の憧れの君を捜して欲しいらしい。
ゆりかによれば、親戚の結婚式で彼と出会い、何か惹かれるものを感じたそうだ。
其処で終わればそれまでだったが、今度は別の親戚の葬儀で再会したらしい。
だが、相手は名も告げず去ってしまった。
そこで、携帯で撮影した写真をもとに葬儀に参列していた親戚に尋ね回って調べたが、誰も彼を知らなかった。
一体、彼の正体は!?
ゆりかは運命の人とまで思い詰めていたが……。

早速、依頼を引き受けたマーニーは、まず、ゆりかが相手と出会った結婚式場を訪ねる。
オープンなホテルが会場だったこともあり、多種多様な人々が出入りする式場。
マーニーも飛び入り参加する。

見ず知らずの人の結婚式とはいえ、御祝い事はめでたい。
多幸感に包まれるマーニーに声をかける人影が。
どうやら、花嫁の父らしい。
新郎にコスプレの趣味があるらしく、「あんな奴に娘を任せて……」などと涙ながらに訴えて来る。
マーニーは、何かあればと「ロイド探偵事務所」の名刺を渡し営業するのだった。
マーニーの紹介を喜ぶ新婦の父は、「そう言えば……」と「マーニーと同じ制服を着た女子生徒を別の結婚式で見た」と口にするのだった。

次いで、今度は葬儀場である。
マーニーの制服は白を基調としており、流石に潜入は無理だ。
と、外から眺めていたマーニーの目に意外な光景が!!

例のゆりかの王子様が居たのだ。
彼はマーニーに気付くと逃げるようにその場を後にする。
追うマーニーだが、墓場でまかれてしまうのだった……。

自宅に戻ったマーニーの脳裏にある推理が……。

数日後、ゆりかを連れて葬儀場へ出向いたマーニー。
其処へ那智先輩(2話参照)から連絡が、どうやら目的の人物を捕まえたらしい。

駆け付けてみると、うなだれたゆりかの王子様が腰を落としていた。
傍らには逃がさないよう捕まえた那智の姿も。

捕まっている王子様の名前は片岡。
地方から出てきた大学2年生らしい。
だが、彼は特に親しい友人も出来ず、ある趣味に嵌まってしまったのだそうだ。

ここでマーニーの推理が披露される。
「肝心の情報は正確に細大漏らさず教えて欲しいものなんだけど……」
ゆりかに対しマーニーの苦情が炸裂するが……。

実はゆりかは結婚式マニアであった。
全く関わりの無い相手の結婚式にでも知人を装い参加していたのだ。
マーニー自身が感じたような多幸感を得る為だったらしい。

一方、片岡もまた同様の趣味を持っていた。
片岡の場合は、ゆりかとは逆で見知らぬ他人の葬儀に参列していたのである。
こちらは、故人の為に泣く人々を見ながら連帯感を抱いていたらしい。

当初、この事実に気付いたマーニーは祝儀ドロや香典ドロを思い浮かべた。
だが、そのような事実は一切なかったのである。
つまり、2人は2人とも純粋に参加を目的としていたのみであった。
同様の趣味を抱いた似た者同士だったのだ。

それが偶然、ゆりかは親戚の葬儀に、片岡は知人の結婚式に関係者として参加したことで本来交わらない2人が出会ったのである。
似た者同士の2人が互いに惹かれ合うのは運命といえば運命だったのであろう。

こうして、マーニーを介し互いの素性を知った2人。
「ゆりかさん」
「片岡さん」
互いに見つめ合うと、脇目もふらずイチャイチャし始めてしまう。

呆然とそんな2人を眺めるマーニーと那智。
「今回、やっぱり調査料ちょうだいね……」
疲れたように呟くマーニーなのであった―――エンド。

<感想>

「フランケン・ふらん」で知られる木々津克久先生が、2010年の「ヘレンesp」以来2年ぶりとなる「週刊少年チャンピオン」本誌への連載を開始されました!!
連載作品のタイトルは「名探偵マーニー」。

今回はその第4話です。
これまでのところでベストの出来の作品。

事の発端は「マーニーの友人が結婚式と葬儀で出会った謎の男の正体」でありながら、最終的に「友人の意外な趣味」に辿り着く点は見事。
てっきり、祝儀ドロか香典ドロだろうと思わせるミスリードも効果的でした。
そこを外しつつ、奇想天外でありながら「なるほど」と思わせる結論を創出したのは素晴らしい!!
多幸感の伏線も良かったし、話のまとまりも良かった。
4話中、ベストと言えるでしょう。

おススメです、読め!!

そして、2話に出た那智先輩が再登場。
ここも世界観の広がりが感じられ良し。

でもって「コスプレ好きの新郎」についてはいずれ事件となるのでしょうか。
名刺を渡していたし、ありそうな予感。
こちらも期待!!

木々津克久先生といえば「フランケン・ふらん―OCTOPUS―」が『拡張幻想 年刊日本SF傑作選』(大森望・日下三蔵編、東京創元社刊)に掲載されています。
こちらも注目。

木々津克久先生が「週刊少年チャンピオン」本誌に帰還する!!2012年8月16日より探偵物語「名探偵マーニー」連載開始!!

さて、作者である木々津克久先生と言えば、管理人にとっては「週刊少年チャンピオン」本誌での「ヘレンesp」の作家さんとのイメージ。

「ヘレンesp」は、盲目のヘレンがその特別な力(ESP能力)を駆使し、愛犬や叔父さんたちに見守られながら同年代の友人や幽霊など様々なものと交流する物語。

衝突したり理解し合えなかったりと苦難がヘレンを襲うものの、その都度ヘレンの純粋な心で相手に向き合い相手との心の壁を乗り越えていくさまは、心に響きました。
確かにあらすじだけ聞くとよくある展開かと思うものの、本作は不思議な“熱”と“説得力”を持っており、透明感のある淡い絵柄も加え、なかなかの名作といえるでしょう。

既に連載自体は終了していますが、こちらもオススメです。

◆「名探偵マーニー」関連過去記事
「名探偵マーニー」第1話(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「名探偵マーニー」第2話(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「名探偵マーニー」第3話「ドッペルゲンガー」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

◆関連過去記事
「フランケン・ふらん 最終話(最終回) Dream」ネタバレ批評(レビュー)

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「ヴァンパイア・アナライズ (チャンピオンRED 7月号掲載)」(木々津克久著、秋田書店刊)ネタバレ批評(レビュー)

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