2012年10月03日

『狙われた病室(監禁探偵2)』9話(我孫子武丸原作、西崎泰正画、実業之日本社刊『漫画サンデー』連載)ネタバレ批評(レビュー)

『狙われた病室(監禁探偵2)』9話(我孫子武丸原作、西崎泰正画、実業之日本社刊『漫画サンデー』連載)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<登場人物一覧>

アカネ:轢き逃げに遭い実日会総合病院に入院。記憶を喪失しているようだ。前作のアカネと同一人物?
多岐川:実日会総合病院の外科医。アカネの手術を担当。眼鏡着用。
米山:実日会総合病院の看護師長。
宮本:実日会総合病院の研修医。
拓人:子供。実日会総合病院の入院患者。
桐島いつき:若手の看護師。2話より登場。同話にて被害者に。
川越修:実日会総合病院院長。65歳。眼鏡着用。2話より登場。
川越学:修の息子。医師。5話より登場。
原田真菜:いつきの同僚看護師。4話より登場。
刑事:1話で登場。轢き逃げ事件を追っている。

<9話ネタバレあらすじ>

〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜〜〜〜〜

轢き逃げ事故に遭った少女が実日会総合病院に運び込まれた。
少女は身許を示すような品を所持しておらず、ハンカチにあった刺繍からアカネという名前を与えられる。
アカネは意識を取り戻すが、記憶を喪っていた。

そんなアカネに近付く入院患者の少年・拓人。
彼によれば、実日会総合病院は「幽霊病院」らしいが……。

車椅子により動けるようになったアカネは、看護師の桐島いつきが何者かと逢引している現場を目撃する。
翌朝、当の桐島いつきが謎の転落死を遂げるのだった。
桐島いつきの死の真相に幽霊が関わっているとの噂も飛び出す。

しかも、次なる轢き逃げ事故の被害者が死亡した夜にアカネと多岐川は幽霊を目撃する。
幽霊は消え、謎だけが残された。
さらにアカネも何者かに命を狙われてしまう。

幽霊騒動はアカネと拓人によるものであった。
その目的は桐島いつき殺害犯を炙り出すこと。
そして、アカネが指摘した犯人とは!?

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「あなたが犯人ね」
アカネが指差した先には宮本の姿が……。

「えっ、俺?」
狼狽する宮本だが、アカネの指はその後方を示していた。
其処に居たのは―――米山看護師長である。

アカネの言葉に驚く宮本と多岐川。
米山師長は「動機がない」と否定するが……。
アカネは自分を襲ったことが米山の犯行を物語っていると譲らない。

多岐川がアカネに睡眠薬を処方したことを知っているのは、多岐川自身と米山師長に薬剤師の3人。
多岐川でなければ、米山か薬剤師。
だが、薬剤師は夜間には帰宅してしまう。
深夜にアカネを突き落とすことは出来ない。

つまり、アカネ襲撃犯は米山である。
米山は何故、アカネを襲う必要があったのか―――それこそ、桐島殺害について調べていたアカネを黙らせる為に他ならない。
これを聞き、なおも「動機がない」と云い張る米山だったが……。

「最初は川越先生、後に桐島さんによるものとされた医療ミスですよ。あれがあなたが原因だとしたら」

この言葉に自身の罪を認めることに。

川越のものとされていた医療ミスは米山の投薬ミスが原因であった。
いつ事実が明るみに出るかと恐れていた米山は桐島を殺害し罪を着せたのである。

犯行が露見した米山は逃走。
これを多岐川が追う。
宮本とアカネも彼らを追いかけることに。

追い詰められた米山は屋上から飛び降りようとするが、多岐川の身を呈した行動により阻まれるのであった。

米山は逮捕された。
多岐川は連行される米山を眺めながら「病院は人の命を救うところ、死なせてはいけないんだ!!」と力強く主張する。
これを聞いたアカネは「多岐川先生の想い、分かりました」と微笑むのだが―――10話(最終話)に続く。

<感想>

2010年8月に『漫画サンデー』で連載されていた『監禁探偵』の続編です。
原作&作画は前作同様、我孫子武丸先生原作、西崎泰正先生画。
2013年の映画化も発表されました。
『監禁探偵』ネタバレ批評(レビュー)はこちら。

「監禁探偵」(我孫子武丸原作、西崎泰正画)まとめ

さて、第9話。
作中では「桐島いつき殺害」、「幽霊騒動」、「轢き逃げ事件」、「アカネ襲撃」と4つの事件が発生。
このうち、8話にて「幽霊騒動」の犯人が明らかになっています。
今回は「桐島いつき殺害」および「アカネ襲撃」の犯人が明らかになりました。

犯人の正体は……米山看護師長でした。
一応、前回時点で犯人として指摘していましたね。
ただ、動機が異なっていました。

てっきり「桐島いつきが院長の愛人だった」ことが理由かと思いきや、此処で「医療ミスの罪を着せる為」とは。
むむ……予想外。

そして、次回は最終回。
残るは「轢き逃げ事件」のみ。
次回は意外な展開が待ち受けそうですね。

とりあえず、現状から判断すると「多岐川の想いが分かった」とアカネが述べていたことから、「聖人君子に思われた多岐川も何処か歪んでいる」ことになりそう。
当然、轢き逃げ事件は多岐川の犯行となる様子。
こちらも1話時点で既に触れたものですね。
これについては、意外な動機が焦点となりそうか。

動機として考えられるのは次の2つ。

1つ目。おそらく以前から述べていた通り「多岐川は自身の手で人を救うことに執着しており、その為には自分の手で患者を作ることも厭わない本末転倒な人間であった」パターン。

2つ目。今回の発言通り「院内で人が死ぬことが耐えられない多岐川。ならばと言うことで手術でも救えない患者を院外で轢き逃げすることで殺害していた」パターン。

アカネが被害に遭っていることから、おそらく前者のパターンだと思われますが……。
あるいは思わぬウルトラC的な動機が語られる可能性もありそう、注目です。

そして、アカネは既に記憶を取り戻していそう。
当然、ラストにも注目!!
というワケで、今後も『狙われた病室』と管理人のブログ記事には要注目なのです!!

それにしても、アカネが病室から逃げ出すことも出来ず記憶喪失状態であったなら、身体的、精神的2重の意味で『監禁探偵』のタイトル通りだったと思うと、今の自由行動状態は些か勿体ない感もあるなぁ……。

そして、我孫子武丸先生といえば『狼と兎のゲーム』が『メフィスト』(講談社刊)にて連載中。
さらに先に述べた通り、原作を担当された前作『監禁探偵』が映画化されるとのこと。
こちらも要チェック!!

【噂は事実だった】『監禁探偵』映画化発表される!!

◆「狙われた病室」関連過去記事

『狙われた病室(監禁探偵2)』1話(我孫子武丸原作、西崎泰正画、実業之日本社刊『漫画サンデー』連載)ネタバレ批評(レビュー)

『狙われた病室(監禁探偵2)』2話(我孫子武丸原作、西崎泰正画、実業之日本社刊『漫画サンデー』連載)ネタバレ批評(レビュー)

『狙われた病室(監禁探偵2)』3話(我孫子武丸原作、西崎泰正画、実業之日本社刊『漫画サンデー』連載)ネタバレ批評(レビュー)

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「狼と兎のゲーム(第2回)」(我孫子武丸著、講談社メフィスト連載)ネタバレ書評(レビュー)

『狼と兎のゲーム(第3回)』(我孫子武丸著、講談社メフィスト連載)ネタバレ書評(レビュー)

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我孫子先生が原作を担当したコミック「監禁探偵 (マンサンコミックス)」です!!
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我孫子武丸先生の「殺戮にいたる病 (講談社文庫)」です!!
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同じく「弥勒の掌 (文春文庫)」です!!
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◆我孫子武丸先生のその他の作品はこちら。
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