2012年10月06日

「C.M.B. 森羅博物館の事件目録 68話 ガラスの楽園・後編(「月刊少年マガジン」2012年11月号掲載分)」(加藤元浩著、講談社刊「月刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「C.M.B. 森羅博物館の事件目録 68話 ガラスの楽園・後編(「月刊少年マガジン」2012年11月号掲載分)」(加藤元浩著、講談社刊「月刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です!!

ネタバレあります、注意!!

<ネタバレあらすじ>

登場人物一覧:
森羅:主人公。C.M.B.の指輪の主。多大な影響力を持つ。
七瀬:森羅のパートナー。身体を動かすことが得意。

アイリス:生物学者。
サント:地元の漁師。
フェルディナント:地元の牧師。事態解決の為、森羅を呼び寄せた。
ダーウィン:「進化論」の提唱者。
ロビン:ダーウィンの研究に付き従った軍人の1人。

〜〜〜前編のあらすじ〜〜〜〜〜〜〜

ガラパゴス諸島にて地元の漁師・サントが何者かに丘から突き落とされ怪我をする事件が発生。
サントは「生物学者のアイリスに突き落とされた」と主張。
だが、アイリスにはレンジャーと共に居たとのアリバイがあった。

一方、過去では―――ダーウィンの若き友人・ロビンが急死を遂げる。
ダーウィンは船員が彼を殺害したと疑うが……。

時を超えて交錯する2つの事件、その意味とは!?

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

アイリスが投石を受け負傷した。
どうやら、サントの支持者による攻撃のようだ。

事態が切迫したことで焦るフェルディナント。
一方、森羅は事件の真相を見抜き、真実を明らかに。

すべてはアイリスのトリックであった。
とある事情により、サントと言い争いとなったアイリスは誤ってサントを丘から突き落としてしまった。
困ったアイリスだったが、これを利用することを思いつく。

もしも、サントが「アイリスにやられた」と主張しても、アイリスにアリバイがあればどうなるだろうか。
サントの証言は信憑性を失い、誰からも信用されなくなるに違いない……。
そこで、夜になるのを見計らってレンジャーと共に出航。
無人の漁船に人が乗っているかのように映像をプロジェクターで投影するとレンジャーを騙した。
その上で、密猟者を追いかけるように芝居を打ち、気絶していたサントを保護させたのである。

その後、狙い通りにサントはアイリスを告発した。
ところが、地元の人々はサントを疑うどころか、逆にアイリスとレンジャーを疑い攻撃したのだった。
これが真相である。

では、サントとアイリスが言い争いとなった原因は何か。
それこそ、アイリスがサントを嘘吐きにしたい理由であった。

実はサントはダーウィンに関わるある発見をしていた。
この発見が知られれば、ガラパゴス諸島に観光客が押し寄せ生態系が壊されてしまうかもしれない。
そこで、アイリスはこの発見を黙殺しようとした。
一方、サントはこの発見を金に換えようとアイリスに迫っていたのだった。

その発見の正体とは―――。

再び過去。
ダーウィンはロビンの死を他殺だと判断していた。
そこで本国に戻り次第、告発する準備を進める。
告発文を書き進めるダーウィン。

これに気付いた船長はロビンの死について真相をダーウィンに明かす。
ロビンの死は疫病によるものであった。
他にも数人の被害者が出ていると言う。
驚くダーウィンに船長は「ロビンは選ばれなかったのだ」と語る。

このエピソードこそ、ダーウィンが「適者生存の法則」に気付いたきっかけであった。
ダーウィンは、告発文とロビンの遺品である十字架を密かに埋めるのであった。

その場所こそ、サントが発見しアイリスが黙殺しようとしていた場所。
森羅は語る「生物は生きるべくして生きるものである」と―――エンド。

<感想>

「月刊少年マガジン」2012年11月号掲載分「68話 ガラスの楽園・後編」です。
前編はこちら。

「C.M.B. 森羅博物館の事件目録 67話 ガラスの楽園・前篇(「月刊少年マガジン」2012年10月号掲載分)」(加藤元浩著、講談社刊「月刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

こうして振り返ると、前後編のテーマは「如何にしてダーウィンが進化論に辿り着いたか」でしたね。
そして、ロビンの死を見詰めたダーウィンがそれに気付く展開は流石でした。

ただ、メインではないからでしょうが、現代編の事件がちょっと微妙でしたね。
プロジェクターがあそこまで高性能なのか?
暗闇でも通用するものなのか?
いろいろ謎が浮かびます。

そして、過去編のロビンの死は殺人ではありませんでした。

やはり、今回はトリックそれ自体よりもテーマに重きを置いたストーリーだったと言えるでしょう。
その分、テーマは非常に良かった。

◆関連過去記事
【「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」シリーズ】
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