<あらすじ>
天然物のトラフグを出す料亭「浜ふぐ」の本店で、本来は毒があるので取り除かれるはずの肝を食べて、客の安井謙二(渋谷哲平)が亡くなった。その前日には、店に金を用意しなければ死人が出るという内容の脅迫状が届いており、別の支店で具合の悪くなった客が出た矢先の出来事だった…。
現場に駆けつけた班長の片山桐子(眞野あずさ)率いる神奈川県警捜査一課の刑事・吉永(船越英一郎)、小沢(林泰文)、玉田(山田純大)、木島(松雄諭)たちは、早速事情聴取を開始。調理を担当した板前の松下(菊池健一郎)は、調理の際に肝が間違って混入するようなことはなかったと説明し、それを裏付けるように、毒のある肝や卵巣を捨てるための金属製の鍵付き容器には調理したふぐの分の肝がきちんと捨てられていた。しかし吉永は、なぜ社長の新倉善造(本田博太郎)が昨日の時点で警察に知らせなかったのか、不審に思う。
その後も聞き取り捜査を続けた結果、実際に安井のもとに料理を運んだ従業員の南原規子(赤澤セリ)から、安井と一緒に来ていた女性が、食べるのもそっちのけで料理はもちろん、トイレや店内、板場まで写真を撮っていたとの証言が出てきた。そこで、吉永たちは安井と一緒に来店していた宮本ユキナ(多岐川華子)からも事情を聞くが、ユキナはこの日自分が勤めるキャバクラに同伴出勤をするつもりで安井と店を訪れたのだと話し、犯行を否認する。
その後、安井の葬儀が営まれ、そこで吉永は、飛田(石田尚巳)という安井の友人が、安井の妻・佳子(床嶋佳子)に生活費の足しにして欲しいと大金を渡すところを目撃してしまう。突然のことに戸惑う佳子は、すぐに返すと吉永に話すが…。
捜査の結果、安井はパチンコ店の店員だったが3ヶ月前から休職していたこと、しかしキャバクラには週に2、3回行くほど金回りが良かったことなどが判明する。しかし、安井とユキナが特別な関係にあったという話などは出てこず、安井と「浜ふぐ」との間にトラブルがあった形跡も一切なかった。
そんな中、ユキナが別の男性と「浜ふぐ」の別の支店へ現れた。しかも、ユキナが店を出た直後、店の客がまたしても倒れてしまう。やがて、ユキナが「浜ふぐ」に合併を持ちかけている関西のふぐ料理チェーン「大谷楼」の関東本部長・瀬良昌孝(金山一彦)と会っていたことが判明。一連の犯行はユキナによるものなのか…!?疑いの目がユキナへと向けられる中、第2の殺人が起こってしまう。
(水曜ミステリー9公式HPより)
では、続きから……(一部、重複あり)。
安井謙二に続き殺害されたのは、その調理を担当していた松下照幸。
松下は社長の新倉善造の信頼も厚い人物であったが……。
この犯人として善造の息子・新倉一平が浮上。
一平は善造の不肖の息子で、自身にコンプレックスを抱いていた。
そこで、瀬良との兼ね合いもあり、ふぐ毒騒動を起こし父親に注目されようとしていたのだ。
だが、これを松下に知られてしまった。
松下は一平の罪を自身の過失にすることで事を治めると主張。
それこそが一平を救い、善造の意に適う行為であると告げた。
これを聞いた一平は父の信頼を独占する松下へのコンプレックスが爆発。
揉み合う内に殺害してしまったのだ。
松下殺害については罪を認める一平だが、安井の死については関与を否定。
あくまで、用意したふぐ毒は致死量には達しないものであったと主張する。
さらに、安井の死の原因となったふぐ毒が一平の用意した物では無いことが判明する。
誰が安井に毒を盛ったのか?
被害者である安井の家族に注目した吉永。
安井の妻・佳子の母である山谷貴和子から、佳子が安井に虐待を受けていた事実を掴む。
安井の息子が失語症なのも、これが原因らしい。
しかも、安井とその友人・飛田が詐欺を働いていたことも判明。
安井たちは事前にふぐの肝を用意すると、料亭でふぐを注文。
ふぐに肝を混入させ、軽い中毒になる。
その上で、料亭のふぐが原因のように振る舞うと料亭から金を脅し取っていた。
飛田が佳子に大金を手渡したのもこれを後ろめたく思っての行動らしい。
もちろん、佳子は安井の詐欺行為を知っていた。
これを利用したとしたら……。
遂に真実に辿り着いた吉永は佳子を追及する。
佳子は息子の為に離婚も出来ず、かといってこれ以上は耐えられなくなり夫を殺害したのだ。
殺害当日、安井はいつも通り詐欺を働くべく「浜ふぐ」へ赴く前にふぐの肝を用意していた。
ところが、佳子はこれを中毒性の強い肝とすり替えたのだ。
それを知らない安井は口にした為に死亡したのである。
息子の為に罪を認められないと主張する佳子。
だが、吉永はこれを間違っていると批判。
諭された佳子は罪を認めることに。
連行されて行く佳子の姿に息子は声を取り戻す。
一方、善造は留置された一平を見舞い、親として支えていた―――エンド。
<感想>
「刑事吉永誠一・涙の事件簿」シリーズ第10作目。
このシリーズの原案は黒川博行先生の作品群。
今回の原作は黒川博行先生の短編『てとろどときしん』(講談社刊『てとろどときしん 大阪府警・捜査一課事件報告書』収録)。
<あらすじ>
漫才刑事たちに休息はないのか!?
「ようそんな口から出まかせを平気でいえますな。閻魔さんに舌ぬかれまっせ」
「かまへん。わしゃ二枚舌や」。
大阪府警の刑事たちが漫才そのものの大阪弁で事件を解決する。
フグ毒により客が死んだ事件に端を発する表題作をはじめ、下着ドロの意外な真犯人を描く「飛び降りた男」など、傑作短編全6編を収録。
(講談社公式HPより)
黒崎緑先生の『しゃべくり探偵』シリーズのような印象ですね。
興味のある方は本記事下部のアマゾンさんリンクよりどうぞ!!
なお、シリーズ前作が2012年6月20日放送なので、実に4ヶ月ぶりと短いスパンでの新作となります。
前作ネタバレ批評(レビュー)はこちら。
・水曜ミステリー9「刑事吉永誠一・涙の事件簿9 迷い骨〜愛しい日々を返して!夫殺し疑惑の保険金殺人トリック!?裏切られた家族が最後に夢見た幸せ(交番に届いた木箱には下顎の無い、頭蓋骨が!?)」(6月20日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・水曜ミステリー9「刑事吉永誠一・涙の事件簿最新作 虹が消えた交差点〜デート商法殺人の謎 殺人現場に謎の文字 デート詐欺の毒牙が狙う第三の女!父と娘が涙した裏切りの真実」(10月12日放送)ネタバレ批評(レビュー)
では、ドラマの感想をば。
善造、一平親子と佳子親子の親子愛を描いた作品でした。
なかなかでしたね。
事件自体は「安井殺害」と「松下殺害」の2件。
犯人も2人、1人は22時前に判明していましたね。
この点ちょっと、驚きました。
えっと、相棒視聴後に続けてとなったので実質は1時間のみの視聴となっています。
なので、理解が浅くなっている面もあるかもしれません。
というワケで詳しくは語れません。
<キャスト>
吉永誠一:船越英一郎
吉永照子:中山忍
片山桐子:眞野あずさ
安井佳子:床嶋佳子
新倉善造:本田博太郎
喜和子:水野久美
玉田隆一:山田純大
小沢慎一:林泰文
木島拓也:松尾諭
宮本ユキナ:多岐川華子
瀬良昌孝:金山一彦
牧村仁:河西健司
安井謙二:渋谷哲平
松下照幸:菊池健一郎
新倉一平:金井勇太 ほか
(順不同、敬称略、公式HPより)
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