2012年10月25日

「捜査官X」(2011年、中国)

「捜査官X」(2011年、中国)ネタバレ批評(レビュー)です!!

ネタバレあります、注意!!

<あらすじ>

1917年の中国。雲南省の小さな村で不可解な事件が発生する。両替商に押し入った二人組の強盗が、その最中に謎の死を遂げたのだ。事件を担当する捜査官シュウ(金城武)は、犯人の1人が指名手配中の凶悪犯イェンだったことを知る。事件発生時、両替商にいたのは、経営者の老夫婦と製紙工場の職人ジンシー(ドニー・イェン)。ジンシーの必死の抵抗もあり、強盗犯たちは自滅したという。だが、武術の心得があるイェンと凶器を持つ相棒を、なぜ丸腰のジンシーが倒すことができたのか、シュウには疑問だった。イェンの両目が充血していたことから、殺しのプロのテクニックだと気づいたシュウは、ジンシーへの尋問を開始。現場でジンシーに乱闘の模様を再現させ、刀を振り回す男を自滅させた後、ジンシーがイェンを川に誘い込んでトドメを刺したと推理する。だが、謎は深まるばかり。妻アユー(タン・ウェイ)、幼い2人の子どもと慎ましく暮らすジンシーは、誰もが口を揃える好人物で、凄腕の殺し屋とは思えない。それでもシュウは執念深く捜査を継続。ついに、かつて故郷の荊州で殺人を犯して10年の刑に服した後、村に流れ着いた、というジンシーの告白を引き出す。さらに、彼の反射神経を試そうとしたシュウは、背後から鎌を振り下ろすが、避けなかったジンシーの右肩を抉ってしまう。またも行き詰る捜査。そこへ、荊州でジンシーの過去を探っていた同僚から重大な知らせが届く。それは、ジンシーが凶悪な暗殺集団“七十二地刹”のナンバー2ではないかというものだった。逮捕状を手に、村へ急ぐシュウ。その頃、村には“七十二地刹”の一味が押し寄せ、無法の限りを尽くしていた。果たしてジンシーと“七十二地刹”の間には、どんな因縁があるのか。家族の前で絶体絶命の危機に陥ったジンシーは、どのような行動に出るのか。極限状況の中、シュウは一か八かの提案をジンシーに持ちかける……。
(goo映画公式HPより)


では、続きから(一部、重複アリ)……

両替商に押し入った二人組の強盗がその場で不審な死を遂げた。
どうやら、店内に居た普通の男性・ジンシーが抵抗した為らしい。

ところが、死亡した強盗の1人は指名手配中で武道の心得のある凶悪犯イェンであった。
どう考えても武術の素人が敵う相手ではない。

事件を担当した捜査官シュウは、ジンシーが偶然倒したとの説に疑惑を抱き調べ始める。
妻・アユーと2人の息子と暮らすジンシーの評判は頗る良かったが……。

ジンシー本人への尋問や、目撃者の証言、死体の状況からジンシーが凄腕の殺し屋であると確信するシュウ。
やがて、捜査の結果からジンシーの正体が凶悪な暗殺集団「七十二地刹」、そのボスの息子でナンバー2のタン・ロンであると判明する。
シュウはジンシーを逮捕すべく警察を動かす。

一方、この動きを知った「七十二地刹」は長く消息の知れなかったタン・ロンを迎え入れる準備を進めようとする。
「七十二地刹」は西夏族の生き残りによる武闘派集団。
実は、タン・ロンは悪逆非道なその遣り口に嫌気がさし集団を抜けたのだ。

タン・ロンを迎えるべく現れた「七十二地刹」の先遣隊はジンシーの村を襲撃、長老たちを殺害する。
遂にはジンシーの妻子にまで手を出す。
これに激怒したジンシーはタン・ロンとして、先遣隊と戦闘。
これを破る。
しかし、本隊はすぐそこまで迫っていた―――。

シュウが警官隊を連れて村へ到着。
だが、警官たちは「七十二地刹」を恐れ、介入しようとしない。
それどころか、タン・ロンとの同士討ちを期待する始末。

これに呆れ果てたシュウはジンシーを救うべくある秘策を提案する。
それは仮死状態になることであった。

シュウは針でジンシーを仮死状態にする。
しかし、効果は15分と決まっていた。
それを過ぎれば、ジンシーは本当に死んでしまうのだ。

ジンシーの死体を「七十二地刹」に確認させるシュウ。
彼らは英雄タン・ロンの死を知り憤慨すると共に強く悲しむ。
さらにジンシーの傍から離れようとしない。
焦るシュウの前で、遂には15分が経過してしまう。
ジンシーを殺すワケにはいかないシュウは、救命治療を施しジンシーを救う。

だが、これによりジンシーの生存が露見してしまった。
意識を取り戻したジンシーは計画が失敗に終わったことを悟るや、大胆な行動に出る。

自身の左腕を斬り落とし、暗殺者としてのタン・ロンは死んだと主張したのだ。
此処に居るのはただの村人・ジンシーである、と。

これに衝撃を受けた本隊の長は、彼の心意気を汲みタン・ロンの死を受け入れ撤退することに。
ホッと胸を撫で下ろすジンシーとシュウ。

だが、まだ終わっては居なかった。

「七十二地刹」のボスにしてジンシーの父が単独行動を取っており、アユーと息子たちを連れ去ったのだ。
これを取り戻すべく、治療もそこそこに出向くジンシー。

10年ぶりの親子の対話となるが、ジンシーの父は彼の主張に納得しない。
遂には、一族の恥晒しとして自らジンシーの命を奪おうとする。

片腕である不利を除いても、凄まじい腕を持つ彼の父の前に翻弄されるジンシー。
父の拳は一撃一撃とジンシーを死の底へ突き落とそうとする。

責任の一端が自身にあると感じていたシュウはジンシーに助太刀し、彼の父へ針を突き立てる。

まずは、足の裏。
次いで、首筋。

だが、ジンシーの父は倒れない。
それどころか、シュウも反撃を受け負傷してしまう。

怪物のような力を見せるジンシーの父の前に、ジンシーもシュウも満身創痍となった。
雨の降り注ぐ中、ジンシーに止めを刺そうとする父。
その背中を捉えたシュウは、最後の力でさらに首筋に針をつく。
だが、代償にシュウは内臓を破壊されてしまう……致命傷であった。

過去、シュウは自身の義父を死に追いやっており、それを後悔し続けていた。
以来、シュウは誰も信じないスタイルを貫いていた。
そんなシュウがジンシーの為に自らの命を散らせようとしている。

この行動が遂に天を動かした。
その瞬間、奇跡が起きたのだ。

ジンシーの父に降り注ぐ雷。
それはシュウが刺した首筋の針から入り、足の裏の針へと抜けた。
まさに人間避雷針である。
これには流石のジンシーの父も黒焦げとなり落命するのであった。

後に残されたのは息も絶え絶えなジンシーとシュウの2人。
しかし、シュウには死が迫っていた。
冷静なもう1人の自分がシュウを見下ろす。
「事件終了……」
そう呟くもう1人の自分の声を耳にしつつ、ジンシーもまた落命した。

それから数日後、シュウを弔うジンシーとアユーたち一家の姿があった。
隻腕となったジンシーが、今日も仕事に出かけようとしている。

「帰って来るわよね?」
その背中に声をかけるアユー。
笑顔で応じたジンシーは山の中へと消えて行く―――エンド。

<感想>

邦題は「捜査官X」ですが、原題は「武侠」。
そして、内容的に原題の方が正しいですね。
最初にこそ捜査シーンがありますが、後半は完全にアクションものです。
とはいえ、それがこの作品の魅力と言えるでしょう。

ジンシーとシュウとの触れ合い。
ジンシーの意外な過去、そして、シュウの過去。
ジンシーとシュウ、2人の男が互いに互いを認めたとき、物語が大きなうねりを迎えるのは良かった。

ラストバトルとその結末も本作を象徴しているようで良かったですね。
人為ではなく天意による決着―――まさに相応しい結末でした。

ジンシーの正体を突き止める推理シーンこそトンデモっぽい雰囲気ですが、あれも作品世界の構築に一役買っておりアリです。

武侠物がお好きな方にはオススメ出来る一本だと思います。

ちなみに邦題「捜査官X」の「X」ですが、「シュウ」の「X」から来ているそうです。
何故、「X」なのか悩んでいたのですがスッキリしました。

◆関連過去記事
金城武さん主演「捜査官X」は、2012年4月21日公開予定!!

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ラベル:捜査官X
posted by 俺 at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画批評(レビュー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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