<あらすじ>
刑事を辞めて探偵に転身した加賀美塔子(片平なぎさ)が勤める探偵事務所に、ミイラを探して欲しいという奇妙な依頼が舞い込んだ。目を丸くする所長・宗方(大杉漣)に真剣な表情で先祖のミイラの捜索を頼むのは、和田純一(緒形幹太)と妻の文(菊池麻衣子)。歴史好きの和田夫妻は、古い資料から、純一の先祖のミイラがとある寺に保管されていることを知り、住職の田端了全(山田明郷)に引き取りたいと申し出た。了全の快諾を得て和田家の菩(ぼ)提(だい)寺(じ)に安置するまでの間自宅にミイラを置いておいたが、文がちょっと出かけた隙に何者かに盗まれてしまったというのだ。
ミイラのことは誰にも話していないので犯人の心当たりはないという文。警察も取り合ってくれないだろうからと探偵を頼ってきた和田夫妻の依頼に、塔子と相棒の田村直樹(原田龍二)が動き出す。
ミイラの盗難現場に遺留品はなかったが、幸運にも目撃者がいた。塔子たちが情報を辿っていくと、大友克子(クノ真季子)という容疑者を発見。しかし彼女はすでに殺されていた。しかも、肝心のミイラはそこにはなかった。それにしても、ミイラには一体どんな価値があるのか? 寺に保管されている間は何故盗まれなかったのか? さらに殺人事件も起こり、謎は深まるばかりで…。
(月曜ゴールデン公式HPより)
では、続きから(一部、重複アリ)……。
和田文と泉嵐寺の住職・田端の2人からミイラの奪還を依頼された塔子たち。
なんでも、文が泉嵐寺からミイラを手に入れた数日後に何者かにより盗まれてしまったらしい。
文によれば、ミイラは夫・純一の先祖。
純一は自らのルーツとしてミイラを大切にしていたそうだ。
調査の結果、ミイラ盗難犯として大友克子という女性が浮上。
これを追ったところ、当の克子が何者かに殺害されてしまう。
しかも、克子の妹・阿部めぐみも数日前に不審な死を遂げていた。
その死亡日は奇しくも和田夫妻がミイラを入手した当日。
死体発見現場も泉嵐寺の近くであった。
塔子は、めぐみと克子が不仲であったことからミイラを巡り仲間割れがあったのでは……と推理する。
一方、塔子と同じ探偵事務所の調査員・田村は克子経由で岡崎雅也に辿り着く。
岡崎によれば、克子は「1億円の儲け話」に絡んでいたらしい。
さらに、岡崎は克子が殺害された直後に殺害現場に立ち行っており、そこからミイラを盗み出していたことも分かる。
克子の語っていた「1億円の儲け話=ミイラ」と考えたらしい。
ところが、何者かの襲撃を受け、岡崎のもとからもミイラは失われていた。
ミイラは今、何処にあるのか?
矢先、克子と泉嵐寺の事務長・船山とが愛人関係にあったことが明らかに。
塔子は船山こそが事件の黒幕と見るが……。
文の周辺に夫・純一の影がないことを疑問視する田村。
調べた結果、純一は轢き逃げされ入院中であることが判明。
この轢き逃げ事件の日こそが、ミイラの盗難当日であった。
しかも、純一は轢き逃げされた際に記憶を失っており、ミイラのことしか憶えていなかった。
文は夫の記憶を取り戻すためにミイラがきっかけになればと考え、欲しているらしい。
さらに田村の調査により、純一の轢き逃げが大友克子の犯行と分かる。
どうやら、自宅に居た文を誘き出す為に、純一を襲い入院させたようだ。
これも船山事務長が仕組んだことなのか?
矢先、船山が姿を消してしまう。
住職の田端了全によれば「ミイラが呼んでいる」などと譫言のように繰り返していたらしい。
船山を追った塔子たち、ミイラを発見するものの、船山の首吊り死体をも発見してしまう。
ミイラを奪った船山だったが逃げられないと覚悟の自殺と思われた。
こうして事件は解決。
後はミイラを文のもとへ返却するのみであったが……。
ミイラは大友克子殺害事件の証拠品として押収されてしまう。
ミイラを取り戻すには真犯人を突き止めるしかない。
塔子は船山犯人説を否定。
船山が犯人ならば、寺にあるうちにミイラを奪った筈だからだ。
だとすると、船山の自殺も怪しくなる。
何者かが自殺に見せかけ殺害したに違いない。
塔子は「船山を殺したにも関わらず、ミイラを持ち去らなかったことから他に理由がある」と考える。
船山の悪行が明らかに。
出入り業者からのリベートは当たり前、他にも相当にあくどいことをしていたらしい。
泉嵐寺にあるご本尊の白毫が1億円のダイヤであるとの情報が入る。
船山の悪行が事実ならば、何故、身近な1億円のダイヤを盗まなかったのか……。
ここで、大友克子殺害時に船山にアリバイがあることが分かる。
さらに、田村の調査により、安置されている本尊のダイヤが硝子玉であることも判明。
つまり、何者かがダイヤをすり替えたのだ。
塔子は船山や克子の狙いがダイヤにあったと推理。
克子とめぐみがダイヤを盗み、めぐみが独り占めを目論んだ為にミイラにダイヤを隠したと考える。
この為にめぐみが克子に殺害され、ミイラに1億円の価値が発生したとしたら……。
しかも、船山同様に住職の田端了全も悪名高い人物あることが明らかに。
おそらくダイヤを巡り、田端と船山が暗闘を繰り返した結果が船山の死に繋がったのではないか。
塔子はこの仮説を実証するべく、証拠を捜し始める。
ところが、丸岡による盗聴調査の結果、田端もダイヤの行方を把握していないらしいことが判明する。
ダイヤは一体何処に?
その頃、文は必死に純一の記憶を取り戻そうと奮闘していた。
だが、純一が快方に向かう様子はない。
「ジュンちゃん……」涙を流す文。
一方、塔子はふとした拍子にダイヤの隠し場所に気付く。
ミイラのある証拠品管理室に忍び込んだ塔子はミイラを持ち出してしまう。
向かった先は田端のもと。
何も知らない様子で田端へと近づいた塔子。
もなかを例に「器こそが重要なんですよ」と告げる。
これを聞いた田端は「あっちだったのか……」と何かを納得して……。
直後に田端は「自分もミイラを見たい」と主張。
これを快く了承した塔子はミイラを箱ごと田端に貸し出す。
大喜びする田端。
其処へ警察を騙った田村から呼び出しの電話が……田端はしぶしぶその場を離れることに。
暫くして、戻って来た田端が目にしたモノとは!?
燃える「ミイラと箱」であった。
塔子が文に頼まれた称して、火を点けたのだ。
愕然とした田端は必死に止めようとするが、その目の前でミイラと箱は燃え尽きてしまう。
肩を落とす田端に「あなたが犯人ですね」と詰め寄る塔子。
田端は「船山がミイラが呼んでいると呟いていた」と証言した。
だが、田端は克子殺害時にはアリバイがある。
ミイラに執着していたのは別の人物の筈なのだ、船山ではない。
つまり、田端には船山の死に関し嘘を吐く理由があることになる。
1億円のダイヤを白毫に用いるとして檀家を騙し、寄付金を募った田端。
その金で実際にダイヤを購入したが、白毫には硝子玉を使用した。
檀家には本物のダイヤの鑑定書を見せて誤魔化すと、密かにダイヤを売り飛ばそうとしたのだ。
買い手が現れるまでの間、本物のダイヤは金庫に隠した。
ところが、これに船山が気付いた。
船山は愛人である克子とダイヤを盗もうと企んだ。
田端のもとへ和田夫妻がミイラを受け取りに現れたその日、克子は妹のめぐみと共にダイヤを盗み出すことに成功する。
ところが、ここでめぐみが独り占めを図る。
めぐみは克子の隙を突き、ダイヤをミイラの箱に隠した。
めぐみがダイヤを隠したことに気付いた克子はめぐみを殺害する。
だが、肝心のダイヤの行方が分からない。
暫くして、克子はミイラの存在を思い出す。
船山を通じて和田夫妻に辿り着いた克子は、轢き逃げ事件を起こしミイラを手に入れた。
しかし、ミイラからはダイヤは出て来ない。
当然だ、ダイヤは箱に隠されているのだから。
焦る船山たちの様子から事態を察した田端は克子のもとにミイラがあると推測、奪回を試みる。
ところが、克子に目撃された為にこれを殺害。
しかし、間が悪いことに、岡崎雅也が現れる。
咄嗟に隠れた田端。
のこのこ姿を現すワケにもいかず、岡崎にミイラを横取りされることに。
だが、岡崎を尾行することには成功し、ミイラを奪うのであった。
裏山にミイラを隠した田端、一息つくと数日かけてダイヤを念入りに捜す。
ところが、やはりダイヤは見つからない。
その上、たびたび裏山へ足を運んだことで船山に気付かれてしまう。
揉み合いになった田端と船山。
田端は得意の空手で船山を気絶させると、首吊りの偽装を施したのであった。
これが事件の真相であった。
「ああ、おれが船山たちを殺したさ。それがどうした、ダイヤが失われた今となっては……」
痛恨事に冷静さを失った田端は自身の罪を認める。
そう―――これこそ塔子の仕掛けた罠であった。
燃やしたのは偽物のミイラと箱。
当然、本物のミイラはもちろんダイヤも無事である。
さらに、田端の告白は録音されていた。
追い詰められた田端は空手を使い逃げ出そうとするが……。
田村たちは蹴散らせたものの、元刑事の塔子の前に取り押さえられてしまうのであった。
こうして、今度こそ本当に事件は解決。
ミイラは和田夫妻のもとへ返却された。
ミイラを目にした純一は記憶を取り戻すのであった。
そして、今日も塔子は探偵として人助けに励むのだ―――エンド。
<感想>
「ヤメ刑探偵 加賀美塔子」シリーズ第2弾です。
前作は2011年6月6日に放送されており、1年5ヶ月ぶりの新作となりました。
過去作はネタバレ批評(レビュー)ありますね、興味のある方はどうぞ!!
・月曜ゴールデン「ヤメ刑探偵 加賀美塔子 その女…元刑事!!片平なぎさのハミ出し女探偵登場…婚約者は何故消えた?連続殺人はOLの失踪で始まる…愛した女性は殺人犯か?」(6月6日放送)ネタバレ批評(レビュー)
では、ドラマの感想から。
いや〜〜〜良かった、面白かったです!!
ちょっと牽強付会気味な伏線もありましたが、これはこれでアリではないでしょうか。
田端、船山、克子、めぐみたちが、それぞれの欲に突き動かされ最終的に自滅したような感じですね。
ちなみに、ハングマン的な仕掛けや、勧善懲悪の物語運びも好印象。
途中まではてっきり次のような真相だと思っていました。
「箱に隠されていたダイヤは和田夫妻により発見、隠し直されていた。
新たな隠し場所は純一だけが知っており、ダイヤを手に入れる為に文は必死に純一の記憶を取り戻そうとしている―――」
こんな風に考えた管理人は心が濁っているようです、反省。
その分、ラストにも素直に感情移入できました。
ご都合主義的な面も逆に魅力に感じられるドラマでした。
続編にも期待ですね!!
<キャスト>
加賀美塔子(かがみとうこ):片平なぎさ
○
田村直樹(たむらなおき):原田龍二
○
丸岡 仁(まるおかじん):六角精児
○
井本暁美(いもとあけみ):高橋絵美
木下公男(きのしたきみお):佐々木征史
松井 修(まついおさむ):内山翔人
和田 文(わだふみ):菊池麻衣子
和田純一(わだじゅんいち):緒形幹太
○
田端了全(たばたりょうぜん):山田明郷
船山竜雄(ふなやまたつお):宮本大誠
大友克子(おおともかつこ):クノ真季子
○
宗方 巌(むなかたいわお):大杉漣 ほか
(公式HPより、敬称略)
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