<あらすじ>
東京駅を巡回していた鉄道警察隊東京駅分駐所の巡査部長・清村公三郎(小林稔侍)は、地下駐車場から車のセキュリティーアラームと銃声がしたのを聞きつけ、急行した。駆けつけてみると、トランクの開いた車のそばに2人の男がいた。1人は既に絶命していたが、もう1人は足から血を流し、手には拳銃を握っていた。その男は清村に、自分は刑事だと名乗った。
その後、死亡したのは神奈川県在住の安西浩一(関輝雄)で、発砲した刑事は本庁機動捜査隊所属の井手敏雄(高杉亘)だということが判明した。井手の話によると、東京駅の駐車場に車上荒らしが出るとの密告があり、現場で警戒していたところ、車上荒らしをしていた安西と遭遇。捕まえようとしたところ襲い掛かられ、警告を与える間もなく射殺してしまったという。
翌日、丸の内署で行われた捜査会議に呼ばれた清村は、安西の遺留品の中に湘南ライナーの乗車券があることに気づく。安西は、半年前に勤務先の不動産会社が倒産した後、家庭不和で離婚しており、最近は娘の養育費の支払いも滞っていたという。そんな安西がわざわざ余分なお金を払って、家に帰るのに通勤ライナーを使うのか…?しかも、清村たち鉄道警察のもとには車上荒らしが出るとの情報は入ってきておらず、清村と同僚の山崎萌(小林千晴)は何か釈然としないものを覚える。しかし、事件は結局真相不明のまま、井手が辞職する形で幕を降ろした。
それから3ヵ月後。久しぶりに長い夏休みをとった清村は、妻の市子(丘みつ子)、娘のあずさ(内田もも香)と共に九州旅行へと出掛けた。そこで清村は、偶然にも井手と再会し、さらに井手の後を追う怪しい女性の姿を目撃する。そしてその翌日、井手は何者かによって刺殺されてしまう。息を引き取る間際の井手を発見した清村は、そのまま事件の重要参考人として大分地検の検事・鮫島紗江子(国生さゆり)が立ち会う中、所轄の九重署で刑事の大橋(徳井優)たちから事情聴取を受けることになる。しかし、1度ならず2度も井手が関わる事件の現場に居合わせた清村は、井手との間に因縁浅からぬものを感じ、真相を解明しようと決意。翌日から、九重署の刑事・村内(賀集利樹)に見張られる中、独自に井手の足取りを調べ始める。
(水曜ミステリー9公式HPより)
では、続きから……(一部、重複あり)。
安西が井手に射殺された。
井手によれば安西は車上荒らしを行っており、井手に現行犯を見咎められ逆上し襲い掛かったと言う。
井手の行為は正当防衛として処理されたが……。
それから3か月後、当の井手も殺害されてしまう。
この2つの事件に偶然、居合わせた清村は捜査に乗り出す。
鮫島検事に注目した清村は、彼女が代議士の神部直之を贈収賄事件で起訴していたことを知る。
この神部起訴の証拠とされたのが、安西の提示した帳簿であった。
さらに、鮫島検事の父が神部により死に追いやられていたことも判明。
鮫島検事にとって、神部は父の仇だったのだ。
何かある……そう考えた清村。
鮫島検事と井手が蝶を共通の趣味としていることを突き止める。
鮫島検事を中心に安西と井手に接点が生まれたのだ。
鮫島検事が井手を使い、安西を殺害させたとしたら。
そして、当の井手を殺害したとしたら。
清村は鮫島検事に「あなたこそが井手殺害の犯人だ」と指摘する。
しかし、鮫島検事には井手殺害時にアリバイがあった。
列車に乗っていたのだ。
清村は此のアリバイ崩しに挑戦。
遂にアリバイを崩すことに成功する。
鮫島は列車の停車中に蝶を列車内に放ち騒動を起こした。
注意をそちらに向けると車掌室からこの隙に脱出したのである。
井手殺害後、別の列車に乗り追い越すと最初から乗っていたように見せかけたのだ。
こうして、鮫島は罪を認めることに。
鮫島は父の仇である神部を討つべく、検事となった。
だが、あと一歩のところでどうしても詰め切れない。
焦った鮫島は神部の部下であった安西を抱き込むことに。
証拠を捏造したのである。
ところが、安西がこれをネタに脅迫して来た。
当時、父に似た井手と交際していた鮫島は彼に相談を持ちかける。
鮫島に激しい執着を抱いていた井手は捨てられたくない一心で、安西を殺害してしまう。
井手の激しさに恐れを覚えた鮫島は大分に転勤を申し出る。
だが、此処にも井手が追って来た。
井手は泣きながら鮫島に「捨てないでくれ」と訴えた。
しかも、井手は手を汚したことから脅迫観念に怯えていた。
井手に恐怖と共に憐憫の情を抱いた鮫島は彼を殺害したのである。
すべてを清村に打ち明けた鮫島は自身の罪を償うことに決めるのであった―――エンド。
<感想>
「鉄道警察官 清村公三郎」シリーズ第9弾。
前作は2012年2月8日に放送されており、実に9ケ月ぶりのシリーズ新作となりました。
前作などについては過去記事がありますね。
興味のある方はリンクよりどうぞ!!
・水曜ミステリー9「鉄道警察官清村公三郎8 鎌倉・江ノ電幻の600系追憶の殺人事件花嫁人形が謎解く女の哀しい夢!時刻表の罠を暴く執念の捜査!!(鎌倉・江の島・幻の600系追憶の殺人事件 花嫁人形が暴く記憶を失くした女の謎!時刻表に秘めた黒い罠!!)(鎌倉・江の島〜追憶の殺人〜記憶を失くした女の謎!江ノ電だけが知っている湘南の海に消えた純愛!!)」(2月8日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・水曜ミステリー9「復活シリーズ第一弾!!鉄道警察官清村公三郎 秩父長瀞殺人レールSLの汽笛は弔いの響き…第二の人生の夢が消えた!幻の列車が暴く悲しみの不在証明(秩父・長瀞連続殺人SLを愛す定年の重役殺しを鉄警が暴く!)」(10月5日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・水曜シアター9「鉄道警察・清村公三郎最後の捜査線『北海道SLニセコ殺意の汽笛エリート官僚の堕ちた罠!小樽〜東京1100キロ幻列車の正体を暴け』(鉄道警察官 清村公三郎6 SLニセコ号 殺意の汽笛)」(3月10日放送)ネタバレ批評(レビュー)
この「鉄道警察官 清村公三郎」シリーズは、島田一男先生「鉄道警察隊」シリーズが原作。
原作に興味のある方は、本記事下部にあるアマゾンさんのリンクよりどうぞ!!
では、ドラマの感想をば。
なかなか面白かったですね。
何と言っても注目は、このシリーズの特徴であるアリバイトリック。
まさに意外なトリックでした。
それと、鮫島の井手殺害における意外な動機が目新しかった気がする。
てっきり、口封じかなと思わせておいて……このパターンは良かった。
アリです。
シリーズ次回にも期待です!!
<キャスト>
清村公三郎:小林稔侍
鮫島紗江:国生さゆり
井手敏雄:高杉亘
村内友晴:賀集利樹
橋本玲子:根岸季衣
大橋哲夫:徳井優
横堀弘:新井康弘
五十嵐満男:斉藤清六
富永友里:江口ナオ
山崎萌:小林千晴
清村あずさ:内田もも香
木下道郎:柴田p彦
高木敦:武岡淳一
安西祐二:本城丸裕
清村市子:丘みつ子 ほか
(順不同、敬称略、公式HPより)
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