ネタバレあります、注意!!
「ビッグコミックスピリッツ」(小学館刊)にあの「ギャラリーフェイク」が帰って来ました。
特別編の前後編です。
読んでみたところ、当時のテイストは健在。
というワケで、記録に残すべく此処にあらすじと感想を記しておく次第。
<ネタバレあらすじ>
東北大震災の爪痕残る彼の地にて、古美術品を保護すべくボランティア活動を行う教授と学生たちの姿があった。
彼らは1つでも多くの古美術品を救い出そうと奔走する。
一方、藤田とサラの姿も其処にはあった。
現地にて炊き出しを行うサラ。
藤田もまた精力的に被災地の間を飛び回る。
実は、藤田は東北まで商談に赴いていた際に大震災に遭遇していた。
藤田は生きた心地がしなかったそうだ。
当時、サラは母国に帰郷しており留守。
母国にて震災の報を耳にしたサラは慌てて日本へ戻った。
数日後、漸く藤田を見つけたのである。
その間、藤田はずっと避難生活を続けていた。
この経験から、少しでも現地で役に立てるよう動き回っているようだ。
そんな藤田を見かけた教授。
藤田の悪名は此処でも轟いており、関わり合いにならないようにと指示を出す。
一方で、教授は被災地を巡り、古美術品を買い歩く不審な男の情報も入手していた。
「美術品に関わる人間として、風上にも置けない奴だ」憤る教授。
数日後、教授は学生の1人から藤田が被害に遭った地元の名家に出入りし土蔵を調べていたと聞く。
すぐに先の不審な男の情報を頭に浮かべる教授。
藤田こそが当人ではないかと疑った教授は、貴重な古美術品を持ち出されることを恐れ、咎めるべく足を運ぶ。
学生の情報通り、地元の名家宅に藤田は居た。
見れば土蔵を補修しているようだ。
藤田に詰め寄る教授だったが、藤田は動じない。
実は、藤田もまた美術品が失われぬよう保護に動き回っていた。
教授たちが古美術品のみを保護するのに対し、藤田は建物自体にも価値を見出し出来る限り保存しようとしていた。
今、修復している土蔵には見事な鏝絵が描かれており、家人の許可を取った上で修復後に好事家に売却、別のと土地に移設する予定であった。
教授から不審な男の情報を聞かされた藤田はそれがハタ師であると見抜く。
不審な男は、被災地に出没すると混乱に乗じて美術品を安く買い叩いていたのだ。
彼が出没したとされる土地を時系列順に繋ぐと見事に北上していることが判明。
次に現れるポイントを有名な名士宅であると予測した藤田は教授とある策を実行に移す。
当のハタ師・大洞は藤田の予測通り、名士宅を訪れた。
家人の困惑をよそに、家へと上り込んだ大洞だったが、そこで藤田に出会う。
そして、主人として2人の前に登場したのは教授である。
もちろん、教授は名士宅の主人ではない。
すべては藤田の罠であった。
藤田は、大洞の前で教授に対しある皿が欲しいと訴える。
これに難色を示す(芝居をする)教授。
藤田はさらに買い取り額を上げる。
これを見た大洞は、藤田が関わっている皿だけに価値があるものと見込む。
自分に売ってくれと申し出ることに。
これを見た藤田は負けじと値を吊り上げる。
応戦する大洞。
最終的に落札したのは大洞であった。
悔しがる藤田を横目にほくそ笑む大洞。
現金で前金を支払うと残りは後日払うこととなった。
喜び勇んで去って行く大洞だったが……。
その後ろ姿を眺めていた藤田は大笑い。
実は、藤田が持つ二束三文の皿をいわくありげに見せかけ高値で売りつけたのである。
大洞から手に入れた大金を被災地に寄付するよう教授に伝える藤田。
これこそまさにギャラリーフェイクの藤田の面目躍如であった―――特別編了。
<感想>
細野不二彦先生と言えば、以前にその作品「ダブル・フェイス」ネタバレ批評(レビュー)でご紹介した漫画家さんです。
・「ダブル・フェイス」(細野不二彦著、小学館ビッグコミック連載)が遂に最終回&ネタバレ批評(レビュー)
そんな細野先生の代表作の1つ「ギャラリーフェイク」。
その特別編が「週刊ビッグコミックスピリッツ」にて特別企画として掲載されました。
あのテイストは健在ですね。
土蔵と鏝絵と来たので、あの親方が意外な弟子を持つエピソードを思い出したり。
そう言えば、今回は蟹(カニカマ)食べてないなぁ〜〜〜と思ったり。
いろいろ思い出しながら、やっぱりコレだなぁと感嘆。
イイですね。
きちんとした結末を迎えた作品とはいえ、続編が読みたい作品の1つです。
そして、フェイクといえばこんなドラマもありました。
こちらも続編が欲しいドラマです。
・「フェイク〜京都美術事件絵巻」(NHK、2011年)まとめ
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