2012年11月09日

「名探偵マーニー」第13話「双子」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「名探偵マーニー」第13話「双子」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

第13話登場人物一覧:
マーニー:主人公にして名探偵。本名は真音(マリオン)。
ロイド(パパ):ロイド探偵事務所所長にしてマーニーの保護者。元刑事らしい(3話)。

白鳥:マーニーの先輩、白鳥財閥の令嬢。1話、7話、13話で登場。
黒屋明彦:雪彦の双子の兄、社交的。13話に登場。
黒屋雪彦:明彦の双子の弟、内向的。13話に登場。

これまでの登場人物については過去記事リンクの後に記載しています。

<ネタバレあらすじ>

深夜の街中で特殊部隊のコスプレをした不審者が連続して目撃されていた。
事態を重視した白鳥はマーニーに調査を依頼する。
出費が重なり、手元不如意であったマーニーは一も二もなく引き受けることに。

目撃者の証言をもとに出没マップを作製したマーニーは、其処から出没地域の目途をつける。
と、同時に近辺で、落書きや動物虐待など軽犯罪が増えていることに気付く。

張り込みを開始して5日目。
遂にコスプレ男を発見したマーニーは、彼を尾行し顔を撮影することに成功。
後はこれを基に身許を特定すれば、依頼は終了……となる筈であったが。

翌日、白鳥に報告したマーニーは意外な事実を知らされる。
コスプレ男と思われる容疑者が2人居たのである。

実は容疑者は容姿もそっくりな双子であった。
黒屋明彦、雪彦というのがその名前である。

兄・明彦は社交的で交際範囲の広いアウトドア派。
弟・雪彦は内向的で孤独を好むインドア派。
何かと対照的な兄弟だったのである。

このどちらかがコスプレ男に違いないのだが……。
白鳥はインドア派の雪彦が犯人に違いないと主張。
確認もせず彼を罰しようとする。

此処まで来れば乗りかかった船である。
マーニーは明彦、雪彦、いずれがコスプレ男か突き止めようとする。

翌晩、コスプレ男を尾行するマーニーの姿があった。
マーニーは、コスプレ男の出没地域と付近で多発する軽犯罪の現場が重なることから、軽犯罪もコスプレ男の仕業と判断、捕まえようと正義に燃えていた。

ところが、どうもコスプレ男は何かを捜している様子。
と、不審に思うマーニーの背後に別の影が迫る。
不意を突かれたマーニーは別の影によりスタンガンで眠らされてしまうのであった。

数十分後、マーニーを気絶させた影は意識のないマーニーの身体を横たえると服を脱がせ弄ぼうとしていた。
マーニーのピンチである。

しかし、其処へ例のコスプレ男が現れる。

「やはり、居たな。どうせ、こんなところだろうと思ったぜ!!」
「くそ、忌々しい奴だ」
まるで、ヒーローものの悪役のようなセリフを吐く黒い影。
そのままコスプレ男と格闘を始めてしまう。

暫くして、意識を取り戻したマーニーは自身の置かれた状況を目にすると、とりあえず無事だったことに胸を撫で下ろす。
と、外では何者かが争い合う音が……。

慌てて駆け付けてみると、其処にはコスプレ男が立っていた。
その足元には今しがた勝敗が決したのだろう、マーニーを襲った黒い影が転がっていた。

すべての事情を察したマーニーはコスプレ男に呼びかける。
「あなたは止めようとしていたんですね、雪彦さん」

そう、コスプレ男の正体は雪彦であった。
雪彦は兄・明彦の暴走を止めようと自警していたのだ。
マーニーを襲い気絶させたのも明彦であった。

雪彦の兄・明彦は社交的なぶん、ストレスを溜め込み易く、その発散をかね軽犯罪を繰り返していた。
雪彦はそんな兄の行動がエスカレートしていくことを恐れ、明彦を監視・妨害していたのだそうだ。

相変わらずコスプレを着用し、ヒーローを自称、自身の行いこそが至上の正義であると主張する雪彦。
これはこれで……と救われたとは言え、頭を抱えるマーニーであった―――エンド。

<感想>

「フランケン・ふらん」で知られる木々津克久先生が、2010年の「ヘレンesp」以来2年ぶりとなる「週刊少年チャンピオン」本誌への連載を開始されました!!
連載作品のタイトルは「名探偵マーニー」。

今回はその第13話「双子」です。
「双子」と言えば、ミステリでは入替りや2人1役の代名詞。
管理人はてっきり、明彦と雪彦が共犯関係にあり、2人1役でヒーロー(コスプレ男)を演じていたものと思っていました。
その点、対照的な存在である明彦と雪彦がそれぞれ善と悪となり、ポジとネガが反転する構図だった今回には意外性を感じました。

ただ、明彦も雪彦もベクトルこそ違えど、普通人とは言い難いことは確かです。
特に明彦は、マーニーへの今話の行動により既に一線を越えているような……。
さらに、明彦=悪役、雪彦=ヒーローと、双子によるヒーローごっこ、究極のマッチポンプと言えなくもないなぁ……と思ったり。

そして、定番の依頼人と言えばこの人・白鳥先輩も登場。
偏見から、コスプレ男の正体を雪彦としていましたが、奇しくも正解でした。
本質を見抜けていたということでしょうか。

内容的にはマーニー危機一髪だったことも印象的でしたね。

ちなみに、遂にマーニーのコミックス1巻の発売が判明。
これでいつでもマーニーの活躍を読むことが出来ます。
興味のある方は本記事下部アマゾンさんリンクよりどうぞ!!

木々津克久先生といえば「フランケン・ふらん―OCTOPUS―」が『拡張幻想 年刊日本SF傑作選』(大森望・日下三蔵編、東京創元社刊)に掲載されています。
こちらも注目。

木々津克久先生が「週刊少年チャンピオン」本誌に帰還する!!2012年8月16日より探偵物語「名探偵マーニー」連載開始!!

さて、作者である木々津克久先生と言えば、管理人にとっては「週刊少年チャンピオン」本誌での「ヘレンesp」の作家さんとのイメージ。

「ヘレンesp」は、盲目のヘレンがその特別な力(ESP能力)を駆使し、愛犬や叔父さんたちに見守られながら同年代の友人や幽霊など様々なものと交流する物語。

衝突したり理解し合えなかったりと苦難がヘレンを襲うものの、その都度ヘレンの純粋な心で相手に向き合い相手との心の壁を乗り越えていくさまは、心に響きました。
確かにあらすじだけ聞くとよくある展開かと思うものの、本作は不思議な“熱”と“説得力”を持っており、透明感のある淡い絵柄も加え、なかなかの名作といえるでしょう。

既に連載自体は終了していますが、こちらもオススメです。

◆「名探偵マーニー」関連過去記事
「名探偵マーニー」第1話から10話まで(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)まとめ

「名探偵マーニー」第11話「ブリット」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「名探偵マーニー」第12話「オジイチャン」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

◆関連過去記事
「フランケン・ふらん 最終話(最終回) Dream」ネタバレ批評(レビュー)

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「ヴァンパイア・アナライズ (チャンピオンRED 7月号掲載)」(木々津克久著、秋田書店刊)ネタバレ批評(レビュー)

これまでの登場人物一覧:

【ロイド探偵社】
マーニー:主人公にして名探偵。本名は真音(マリオン)。
ロイド(パパ):ロイド探偵事務所所長にしてマーニーの保護者。元刑事らしい(3話)。
母親:マーニーの母親、不在。事情があるらしい(1話)。
エリオット:マーニーの愛猫。

【学校関係者】
若島津ゆりか:マーニーの友人。4話、5話、9話、10話に登場。
前花:マーニーの友人。
那智先輩:学校のヒーロー。2話、4話で登場。
白鳥:マーニーの先輩、白鳥財閥の令嬢。1話、7話、13話で登場。
累:白鳥の友人、1話にて登場。
香坂:生徒会書記、2年生。7話で登場。
宮島小百合:マーニーの学校に勤務する教師、10話より登場。
鈴村蝶子:カーディガンズの1人。12話で登場。
黒屋明彦:雪彦の双子の兄、社交的。13話に登場。
黒屋雪彦:明彦の双子の弟、内向的。13話に登場。

【警察】
毛利刑事:ロイドの後輩刑事。3話で登場。

【再登場しそうなゲスト】
亜羽:ロイドの過去の依頼人。3話で登場。
片岡:大学生、4話で登場。
村枝紗平:政財界のフィクサー。ロイドによれば「黒い噂」で知られる有名人らしい。8話で登場。
野宮真理:ニュース番組の人気キャスター。9話で登場。
舟木真治:宮島の初恋の相手、10話より登場。
光輪:往年のヒーロー「ブリット」を演じた俳優。現在では病を患っている。11話で登場。
鈴村都:蝶子の妹。12話で登場。

【その他ゲスト】
西郷:那智の親友。2話で登場。
徳吉すばる:亜羽の同僚。3話で登場。
望月楓:ラクロス部のイケメン。6話で登場。
謎の女性:望月の周辺に現れた謎の女性。6話で登場。
亀井:村枝の文通相手。8話で登場。
安崎良則:映画会社の社長。11話で登場。
安崎みどり:良則の娘。故人。11話で登場。

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