<あらすじ>
著名なファッションデザイナーである真沙美は、自らの会社の共同経営者である和子から引退を勧告されていた。かつて一世を風靡した真沙美だったが、いまではそのセンスは時代からずれ、服の売れ行きは落ち込んでいたのだ。真沙美はデザイナーとしての地位を守るために、ある完全犯罪を実行する。
著名なファッションデザイナーの真沙美(夏木マリ)は、自らの会社の共同経営者である和子(黒田福美)から引退を勧告されていた。かつて一世を風靡(ふうび)した真沙美だったが、今ではそのセンスは時代からずれてしまい、服の売れ行きは大きく落ち込んでいた。真沙美はデザイナーとしての地位を守るために、和子を殺害する完全犯罪を実行する。都鳥(三上博史)は真犯人に迫ろうと、鋭い直感を働かせ、論証を積み重ねていく。
(公式HP、@nifty tv番組表より)
では、続きから(一部、重複アリ)……
「マコリンのリーダーYOU」のコーナーが始まった。
今日のゲストは新進気鋭のファッションデザイナー・リュウヘイ高橋である。
斬新と奇抜の線上にあるその服装を目にした安永は毒づく。
「暇そうですね、先輩」
その横でトトリは書類と格闘していた。
事件解決の報告書をまとめているのだ。
報告書記入が面倒になったトトリは安永に話しかける。
「賭けをしませんか、僕が勝ったら代わりにコレやってください」
本来、安永には何のメリットもない賭けである。
だが、ついついトトリのペースに巻き込まれた安永はこれに応じることに。
トトリは掌の中に飴があることを安永に確認させると、左右の手のどちらに飴があるか当ててみろと持ちかける。
安永は思い切って選択するが……ハズレであった。
トトリによれば、同様の実験を行った場合に動物たちは間違いなく最初に見せた方の手を選んだのだそうだが……。
同時刻「FLAME」―――そこはファッションの城である。
「真沙美さん、もう無理よ」
そのメインデザイナーである真沙美は、経営者である和子に引退を勧告されていた。
理由は真沙美のデザインが時代に通用しなくなった為であった。
自分はまだやれる―――そう自負を持つ真沙美は強く反発すると共に、ある理由により和子殺害を決断する。
決行当日、和子に電話を入れ事務所へと呼び出した真沙美。
健人など従業員は事務所に隣接する店舗に詰めている。
その前を和子が戻って来た。
事務所へと入った和子に、真沙美は「自分の代わりの新しいデザイナーは誰か」と問い詰める。
そんな真沙美に和子は「あなたのように奇抜であれば良いワケじゃない」と主張。
「これからの才能を感じる人物を選択した。そのデザインは自室のトルソーにしっくり馴染んでいる」とまで絶賛する。
「なるほどね、仕事が増えるわね」
真沙美は聞き出すことだけ聞き出すと、そのままトロフィーで和子を撲殺してしまう。
和子を旅行鞄に詰め、和子に変装した真沙美。
店頭を無言で突破し、健人に存在を印象付ける。
一方で、事務所の固定電話にはある仕掛けが施されていた。
カラクリ仕掛けで、和子の出張先である海外へと発信するようセットしておいたのだ。
和子の部屋に到着した真沙美はハンズフリーマイクを装着。
これに事務所の電話を転送させる。
狙いの時刻にカラクリが動き、電話が発信。
通話相手は海外の取引先である。
これに和子の出張は取り止めになったと報告。
通話を続けながら、和子の死体を横たえるなど作業も並行する。
さらに和子の部屋から、トルソーに飾ってあった作品を回収、自身の作品に着せ替えるのであった―――。
店に戻った真沙美は、さも最初からそこに居たように取り繕うと、健人を呼び、和子の様子を見に行かせる。
こうして事件が発覚。
トトリと安永が捜査を開始することに。
現場のトルソーに注目するトトリ。
「トルソーですよ。イタリア語で人体の胴体を示します」と安永に解説する。
一方で、トルソーに飾られた服のコーディネイトに何か感じた様子。
真沙美のアリバイは健人の証言により成立。
これにより、安永は物盗りの犯行説を主張する。
しかし、トトリは和子の部屋には鍵が3つあったことに注目。
物盗りがわざわざそんな面倒な部屋を選ぶだろうかと疑問を呈する。
自分の推理にケチがつけられたことで渋い顔をする安永。
トトリはそんな安永に目もくれず、新たな実験を開始する。
「コーディネイトを評価してもらえますか?」
安永をモデルに様々な服装に着替えさせ、真沙美にチェックさせたのだ。
安永は着替えて訪ねるたびに真沙美に全否定されてしまう。
遂には呆れ果てられ真沙美を怒らせてしまうことに。
これを聞いたトトリは実験の真の狙いを明かす。
実は、和子の部屋にあったトルソーの服と靴がきちんとコーディネイトされているかどうかを試したのだ。
これにより、何者かがトルソーの服を替えた可能性に思い当たる。
トトリは安永と度々来訪した際に「FLAME」の客数をも併せて確認していた。
それによれば、「FLAME」はどう考えても儲かっていない。
それどころか、火の車だ。
和子を経営者だと知った上で狙ったとすれば、これはおかしい。
同じ手間ならば、もっと金持ちを狙うだろうからだ。
次に、トトリは和子宅の防犯カメラをチェックした。
其処に不審点を見出すトトリ。
翌日、安永は街角でファッションチェックをさせられていた。
町行く人を呼び止める安永、隣のトトリは「鞄をお持ちしましょう」とその都度鞄を預かっていた。
実験が終わり、安永は「FLAMEが流行しているかどうかの確認でしょ!!」と大喜び。
しかし、トトリは「それはもう終わりました」と冷たい反応を返す。
トトリの真の狙いは「ショルダーバッグを担ぐ肩」にあった。
結果、街頭の人々は一旦、肩から下ろしても再度、同じ肩に担ぎ直していた。
しかし、和子とされた防犯ビデオの人物は、行きと帰りで鞄をかけた肩が逆だったのだ。
此処からトトリは、犯人が和子に変装し戻って来たと察する。
和子を殺害し、成りすます機会は限られている……こうして真沙美に注目が集まった。
翌日、再度、真沙美を訪れたトトリたち。
真沙美のアリバイを確認する為だ。
真沙美はボタン1つで相手に電話を掛けると事情を説明し、協力を求める。
真沙美と交代したトトリは受話口に耳をあて、何かを考え込む。
そんなトトリに、真沙美の通話相手は、和子の殺害時刻に間違いなく通話していたことを認める。
これにより、安永は真沙美から健人へと疑いの対象を変える。
一方、トトリは真沙美に急接近する。
和子の書いた自伝について話題にするトトリ。
真沙美のデザインが大きく変化したことを取り上げた上で「変わることは怖くありませんでしたか?見失ってしまうんじゃないかって」と尋ねる。
これを笑って流す真沙美。
翌日、「FLAME」のファッションショーに現れたトトリたち。
安永が「今日こそ犯人を挙げる」と息巻く横で、トトリは別の狙いを追っている様子。
健人がハンズフリーマイクで許可を取り、入場を許されたトトリたち。
ステージ上では、真沙美宅にあったカラクリ仕掛けが大写しにされ、鐘を鳴らす姿までが描写されていた。
ステージ終了後、記者会見が開催。
記者たちから、真沙美のデザインが古くなったことが「FLAME」不振の原因ではないかとの質問が飛ぶ。
しかし、真沙美は動じない。
此処にトトリも参戦。
ブランド名「FLAME」は「炎」を現す、同様に「炎」が語源となったものが「フラミンゴ」である……と告げる。
さらに、「フラミンゴは本来、白色の動物。ピンクなのは色を偽っている。真沙美もまた、自身の色を偽っている」と公衆の面前で訴える。
苛立つ真沙美。
その夜、トトリは健人にまで接近、真沙美の変化について尋ねる。
其処へ「リュウヘイ高橋」がやって来る。
健人と高橋は同期らしい。
トトリは、リュウヘイ高橋がテーブルに置いたスケッチにある物を見出す。
真沙美に連絡を入れるトトリ。
発信先番号は事務所からとなっている。
「和子さんはあなたを別のデザイナーに交代させようとしていたようです。そのデザイナーなんですが、リュウヘイ高橋さんだそうで……」
聞くに堪えない事実を告げられた真沙美は激怒。
事務所へと押しかけるが……其処にトトリの姿は無い。
そう、トトリも真沙美と同じトリックを使用したのだ。
愕然とする真沙美にトトリは真沙美のトリックについて語る。
「あなたはこうして事務所から電話をかけました。
そして、ハンズフリーマイクを使うと音質が悪くなる。
少々、音質が悪くなっても分からない海外に電話してアリバイにしたんですよね」
押し黙ったままの真沙美。
其処に健人が入室する。
その姿を見た真沙美は「なんてこと!!リュウヘイ高橋の服なんて着ないでちょうだい!!」と激怒。
着替えるよう促す。
この言葉を聞き咎めるトトリ。
「なんで、リュウヘイ高橋の服だと分かるんです?この服は世の中に2枚しかないんですよ」
実は健人が着ていた服こそ、和子のトルソーに飾られていたものと同じ物。
そして、それは特別製の物であった。
これを知っているのは、製作者以外は犯人しかありえない。
「ああ、それね。以前に和子から新デザイナーとして選んだリュウヘイ高橋の作品として見せて貰っていたのよ」
「それはおかしいですね……」
実は和子が考えていた「FLAME」の新デザイナーは健人であった。
リュウヘイ高橋と教えたのはトトリの嘘だったのだ。
「なるほどね、和子が私を気遣ったのね」必死に取り繕う真沙美だが……。
「それはありえません!!この服は和子さん殺害当日の朝に健人君が渡したものなんですから!!」
此処に真沙美は屈することに。
「和子さんにデザイナーを変更すると告げられ、殺害したんですね」安永が此処ぞとばかりに前に出る。
「それは、ちょっと違う。デザイナー変更については予感していたからイイのよ。私が和子を殺したのは―――真沙美さんと呼んだからよ。20年、ずっと真沙美と呼んでいたのに。もう部外者みたいに……」
「それにしても、絶対バレないと思っていたのにね……」真沙美が洩らす。
「すべてはたった1つのミスから分かったんです。
健人さんの服を外したままで良かったんです。
なのに、あなたはご自分の服を掛け直してしまった」
「それが自然なことだったから……」
トトリの指摘に溜息を吐く真沙美。
「それにしても……それが今の時代の服なのね。そもそも、私には無理だったようね」
健人の服を眺めつつ、真沙美は呟く。
これを健人は否定する。
「違います!!これは1人で考えたものじゃないんです」
そう言って取り出したのは一冊の本。
其処には真沙美のデザインが掲載されていた。
「僕はこれを見て、先生に憧れてこの世界に入ったんです!!」
「白いフラミンゴのままでも……あなたはやっていけたのかもしれません」
健人の言葉を聞き、真沙美の失敗は「自分を信じなかったことである」と伝えるトトリ。
こうして、事件は解決した。
その夜、刑事部屋にて。
「ファッションショーの日、寝てましたよね」
「寝てません」
安永と報告書と格闘していたトトリの掛け合いが続く。
「今度も勝負しましょう、飴玉はどちら?」
「また、外した〜〜〜」安永の絶叫が響き渡る―――エンド。
<感想>
管理人が2012年下半期注目しているドラマの1つ『実験刑事トトリ』が遂に放送開始。
全5回放送予定で、今回はその2話目のネタバレ批評(レビュー)となります。
本作は『刑事コロンボ』や『古畑任三郎』に代表される倒叙物ドラマ。
つまり、先に犯人による犯行が描かれ、後に主人公によりその瑕疵を突かれ犯行が暴かれるアレです。
従って、如何にして完全と思われた犯行が暴かれるのかが視聴する上での醍醐味となります。
今回は此処を評価のポイントとし、視聴して行きたいと思います。
果たして、どうだったのか?
「フラミンゴの色」と「自分自身のカラー」をモチーフとした本作。
「自分を偽ることなく、自分自身を信じることの大切さ」がテーマでした。
動機も良かったですね。
同志だと信じていた相手から一方的に距離を置かれては裏切られたとの気持ちが募っても不思議ではありません。
「犯人しか知りえない事実」で詰めるのは倒叙推理の基本とでもいうべきものなのでコレも良し。
ただ、トリック的には「うん?」と首を傾げるものだったかな。
前回と同じく「死体を動かすことで殺人現場を誤認、それを利用して他者との間にアリバイ(テレビ、電話)を作るパターン」だったのはちょっといただけないかな。
やっぱり、死後硬直とか死斑の問題とかあるしね。
それでも、やはり王道中の王道と呼べる作品でしょう。
次回も期待です!!
『実験刑事トトリ』についてはノベライズ版も既に発売されています。
ノベライズには3話までが収録されていました。
管理人も読んでみましたが、1話時点で少し差異がありますね。
ノベライズ版では、トトリがゆかりの犯行を疑った理由が明かされています。
それは、映子殺害時のアリバイをゆかりに尋ねた際に何時とは言ってないにも関わらず、お昼の料理番組からアリバイを語り始めたことでした。
なるほど、犯人のみしか知らない事実を述べていたということでしょうか。
そんなノベライズ版については、本記事下部にアマゾンさんへのリンクをご用意しております。
興味を持たれた方はこちらもチェック!!
◆「実験刑事トトリ」前回までのネタバレ批評(レビュー)はこちら。
・土曜ドラマスペシャル「実験刑事トトリ 実験刑事誕生〜完全犯罪のレシピ」(11月3日放送)ネタバレ批評(レビュー)
◆関連外部リンク
・「実験刑事トトリ」公式HP(外部サイトに繋がります)
http://www.nhk.or.jp/dramatopics-blog/6000/130999.html
・「実験刑事トトリ」スタッフブログさん公式HP(外部サイトに繋がります)
http://www.nhk.or.jp/drama-blog/1660/
◆関連過去記事
・【ドラマ】異色にして本格!!『実験刑事トトリ』に注目せよ!!
・2012年下半期注目のドラマ『実験刑事トトリ』スタッフさんブログ更新開始される!!
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今回は、内容が陳腐すぎて白けてしまいました!
観るんじゃなかった感がかなり有ります(>_<)
こんばんわ!!
管理人の“俺”です(^O^)/!!
此処最近、視聴したドラマがかなりレベルが高かったというのもあるかもしれませんね。
かくいう管理人も求めるレベルが高くなってます。
そんな中、メインのトリックが前回と被っていた点は大きかったかもしれませんね。