2012年11月21日

「三億円事件奇譚 モンタージュ」第105話(講談社ヤングマガジン連載中)ネタバレ批評(レビュー)

「三億円事件奇譚 モンタージュ」第105話(講談社ヤングマガジン連載中)ネタバレ批評(レビュー)です!!

三億円事件奇譚 モンタージュ1


登場人物一覧は本記事下部に移動しました。

<第105話あらすじ>

〜〜前回までのあらすじ〜〜〜〜〜〜〜〜

沖縄へと到着した大和たちは、響子と出会うことに成功。
さらに鉄也が沖縄に居たとの情報が……。

同じ頃、鈴木の義父は「鈴本」を名乗り、響子たちに接近。
関口二郎とその双子の兄・欽一は水原と夏美の排除を決意する!!
そして、泰成は関口弘美に接触、情報を得ていた。

そんな中、正体を現した鈴本に未来が人質にされてしまう。
さらには、真玉橋までが乗り出して来る。

響子の助力もあり、辛くも虎口を脱した大和たち。
一方の鈴木は―――。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

殴られる男。
殴りつける男。

殴られた男は派手に吹っ飛ぶ。
殴った男は相手の首を締め上げつつ、問う―――「キャサリンは何処だ!?」と。

殴った男は、あのケニー。
殴られた男は鈴木と繋がる人身売買業者の人間だ。

ケニーは鈴木の行動力の秘訣が何者かのバックアップにあると察していた。
そこで情報筋を通じて、この男にまで辿り着いたのだ。
どうやら、男には他にも仲間が居るらしい。
キャサリンの所在地を問い質すケニー。
果たして、ケニーはキャサリンを救い出すことが出来るのか?

一方、鈴木の前に現れた鈴木泰成……いや、旧姓・横溝泰成。
復讐心を露わにした彼の真意を聞かされた鈴木は、最後の切り札を持ち出すタイミングを窺っていた。

「今日が何の日か分かるか?」
泰成の問いかけに思い当たる節が無い鈴木。

泰成は淡々と呟く「父・横溝保の命日だ」と。
目を伏せた泰成、其処にチャンスを見出した鈴木は切り札を使用する。
その手にはもう1丁の銃が握られていた。
鈴木が人質とした島袋から奪ったものである。

同じ頃、島袋が遂に救出されていた。
島袋は、銃を奪われたことを真玉橋に報告。
だが、その報告にはある続きが……。

「はぁはぁああああああああああ〜〜〜〜〜。甘いんだよぅ泰成ちゃ〜〜〜ん、父親と同じ命日にしてやるよ〜〜〜」
勝利を確信した鈴木は、そのまま引き金を引き……凍り付いた。

カチ、カチ、カチ……。

何度、引き金を引こうとも乾いた音が鳴るばかり。
肝心の弾は一発も出ない。

「ひっひっひっ……」
想定外の事態に恐慌状態に陥る鈴木。

「ああ、それね。気付いていたよ。人質から奪ったんだろ。弾が抜かれていることにもすぐ気付いた。どうやら、人質自身がしたことのようだね。なかなか頭が良い人物のようだ」

島袋は鈴木に銃を奪われることを想定し、事前に弾を抜いていたのだ。

「お前の父親を殺したのは3億円事件の関係者だろうが、俺じゃねぇ!!」
手負いの獣―――鈴木は吠える。

「ええ、でもね。あの禁断の金を使わせようとしたきっかけはあなたの裏切りからなんです。だから、復讐もあなたかたらが相応しい」
うずく額の傷に手をあてつつ、語る泰成。
その目には危険な光が宿っていた。

気圧された鈴木。
泰成に背を向けると、脱兎のごとく駆け出す。

ところが、一陣の風が吹いた……。

鈴木の視界いっぱいにトタンが飛び込んで来る。
気付いた時にはもう遅い。
トタンは鋭利な刃物となって、鈴木の首を断ち切った。

分かたれた胴は倒れ込み、首は転々とバケツへと……。

これを見た泰成は快哉を叫ぶ!!
「天にまで認められている……はははははっ、全員皆殺しだ!!」―――106話に続く。

<感想>


まさに天誅!!


沖縄篇第28回。
またも天の配剤が。
前回は大和と未来を鈴木の凶弾から救い、今回は鈴木自身を裁きました。
これにより鈴木は遂に退場。
しかも、泰成に勢いを与える結果に……。

さらに、泰成の目的が完全に判明。
これまでは、関口を狙撃した人物=雄大?、あるいは、沢田一派への復讐が疑われていましたが、その両方であるとの結論に。
これで、完全に独立した第3派であることが作中でも明示されました。

そして、意外な活躍を示したのが島袋。
真玉橋、島袋コンビは敵に回すと侮れない相手となりそうです。

でもって、次回は大和たちのその後に繋がるか。
ハリーのヘリで脱出した大和、未来、響子たち。
果たして、どうなるのか?
真玉橋はそのときどうする?

ただ、真玉橋さんは事情を知った上で味方になる可能性もありそうだけど。
管理人的には、雄大にとっての東海林の立場のように、大和にとって真玉橋がその役割を果たすと思っているのですが。
これだと、地蔵の3億円も回収できるし。

そして、心の拠所であるバー響子を失った響子。
これで響子が沖縄に居るべき理由は失われました。
大和たちと行動を共にする可能性も出て来たか?
あるいは、これを機にハリーの求婚に応じるのか?
こちらも注目です!!

ちなみに、手帳から北海道という地名が出たことで次の舞台は沖縄から北海道に移動か?
本州には水原と夏美たちが居るし。
とはいえ、水原と夏美には関口兄弟の手が迫っており危機的状況だが……。

さて、105話となっているモンタージュ。
此処で一度、雄大や鉄也の謎あたりについての推論をまとめておこうと思います。
ただ、過去にも同様のことをしながら、割とブレた記憶もあるので、あくまで管理人の予想ということで。

とりあえず、今のところ。

鳴海鉄也が整形した川崎雄大かなぁ……。
年齢の差については戸籍を借りた際に詐称したことも考えられるし。
これで、関口の「今度はその顔」発言や、東海林の「3億円事件の犯人の息子」発言、響子の「鳴海鉄也は3億円事件の犯人ではない」発言との整合性もとれるか。

次に、武雄が施設出身と判明したことから、雄大と和子の子供は彼ではなかろうか。
鉄也が近付いたのもこのため?
ただ、彼は事情を最近まで知らされていなかったと思われる。

そして、葉子が関口弘美の言う「ヨウちゃん」だとすれば、彼女の娘の可能性が高い。
葉子自身が施設出身との事実も、この推理を支持するだろう。
だとすれば、葉子は沢田と関口弘美の娘の可能性も……。

となると、自動的に未来の出自は当事者同然の立場になる。

で、大和はこれまでの爪を噛む描写から、雄大の血を引いていることが示唆されているので、鉄也の子で正解か。
こうなると、母親が気になる……。

ちなみに、沢田と雄大は過去に軍艦島で凄惨な体験をしている模様。

こんなところか。
ただ、この前提は現代編で登場した雄大が本物であるとの前提に基づいているので、其処が違ってくるとご破算です……。

管理人的に気になっているのは、和子死亡後に雄大がかなり暗黒面に染まっていたこと。
それが、あっさりと鉄也になれるものなのか……鉄也のキャラはどちらかと言えば竜に近い気もする。
そして、あの暗黒面に堕ちた雄大こそは、その後の沢田のキャラに近いんだよなぁ……。
まさか、雄大が沢田と入替っている可能性ないよねぇ……。
実際、銃撃戦の時点で誰が死亡したのかも明らかではないし。
あの時点で既に沢田が殺害されており、現在の沢田とされている人物が整形した雄大であり、現在の雄大とされている人物が整形した竜である可能性……ないかな?
これだと前述の「500円札についた血液」がまた別の意味を持つこともありそうだが……うむむむむむむ。

結局、はっきりしたことはまだ分からないか。
ただひとつ、今後重要となりそうなのは鳴海鉄也の正体と、大和の母。
此処がポイントとなりそうな気がします。

では、次回以降の各人の状況をまとめておきましょう。

まず、大和と未来は脱出か。
響子がついて行くのかがポイントと言えそう。
真玉橋もそれに絡むのかも注目。
注目と言えば、キャサリンは何時保護されるかもそう。
水原と夏美には関口兄弟が迫る。
泰成は次なる復讐対象者に迫る?

こんなところ?
危険なのはキャサリンと水原&夏美かな。
どう切り抜けるのか注目。

変わって、現在の勢力図はこんな感じ!?

@大和たち(水原含む)
A沢田たち(関口兄弟)
B雄大一派(雄大死亡!?)
C泰成一派(仲間は居るのか?)

Aの沢田たちも関口兄弟と沢田の間には含みがある様子。

以上のように争いは3つ巴から4つ巴に。
更なる激化は間違いないか?

とりあえず、今回はここまで。
逃亡し続ける大和と未来の明日はどっちだ!!
106話に期待です!!

ちなみに、2012年12月に「三億円事件奇譚 モンタージュ」最新第10巻が発売予定。
購入希望者は本記事下部のアマゾンさんリンクから是非!!

◆関連過去記事
「ヤングマガジン27号」(講談社刊)より「三億円事件奇譚 モンタージュ」連載開始!!

「三億円事件奇譚 モンタージュ」第1話から第100話(講談社ヤングマガジン連載中)までネタバレ批評(レビュー)まとめ

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「三億円事件奇譚 モンタージュ」第104話(講談社ヤングマガジン連載中)ネタバレ批評(レビュー)

◆登場人物一覧

【現代】

鳴海大和:主人公、三億円事件の犯人の息子と呼ばれるが……
小田切未来:大和の幼馴染み、両親の行方不明後は大和と共に逃亡中

鳴海鉄也:大和の父、五つの首(首、手首、足首)を失くした遺体で発見されるが……
小田切武雄:未来の父、突然姿を消した。関口が行方を知っているらしい……。
小田切葉子:未来の母、突然姿を消した。関口が行方を知っているらしい……。

鈴木泰成:未来の両親の後輩、要所要所にて不穏な動きを見せていたが……。104話にて横溝保の息子と判明。
水原:福岡県警所属の巡査。上司曰く「検挙率100%男」。15話より登場。
夏美:泰成の塾の教え子。大和に一目ぼれする。14話より登場。

土門:過去編の土門その人。足を洗い東海林とは友情を築いていた。47話時点では既に死亡している、病死らしい。享年70歳。
土門あきら:46話で登場した土門の孫娘。未来より1つ年下の17歳。

響子:現代編の響子。沖縄にてバーを経営していた。80話より登場。
キャサリン:響子が経営するバーの女給。81話より登場。

ハリー・スタンレー:元海兵の幹部。現在ではヘリコプター会社を営む。95話より登場。
ケニー:現役の海兵。

関口二郎:元祖悪徳警官、眼鏡の男の命令に従い大和と未来を追う。
眼鏡男:関口に指示を与えている男、どうも謎の男と同一人物らしい(42話)。88話にて関口の双子の兄・欽一と判明。

沢田幹事長:19話で登場、謎の男を従えているが……。
謎の男:シルエットのみ登場した沢田の腹心。関口に指示を与える人物と同一人物らしい(42話)。88話にて関口の双子の兄・欽一と判明。

松葉杖の男:30話で登場、小田切家を訪ねたシルエットの人物。48話で川崎雄大と判明。

朝霧:46話で登場、沢田の部下らしい。45話で石川を殺害したのは彼。64話で関口に殺害される。

小柳翔太:61話で登場、負傷した大和と水原を助けた。以後、大和と行動を共にする。
茜:61話で名前のみ登場、翔太の彼女で社会人らしい。69話で大和たちを匿う。

真玉橋:ホスト風の男性だが実は警部だった。フェリーにて大和たちと乗り合わせる。
鈴木:泰成の義父。どうにも行動が腹黒い男。105話で死亡する。
関口弘美:沢田と親しいらしい関口兄弟の養母。過去編で沢田が出入りしていた風俗店の店員か?
島袋:沖縄編で登場した刑事。真玉橋の部下。

森田:1話にて関口と共に現われた捜査員。以降、本編に出番なし。
血塗れの男性:元刑事、1話にて殺害される。これは関口の犯行だった。実は過去篇の東海林。
ボート小屋のオヤジ:軍艦島付近でボート小屋を営んでいた。6話で関口に殺害され、この殺人容疑が大和と未来にかかっている。
土居:18話に登場。ミステリ作家兼コメンテーター。三億円を信じていなかった。
島田:5話より登場。関口の部下だったが、19話で失態を犯し関口に処刑された。
夏美の母:関口と男女の関係にある。
水原の祖母:44話より登場。その自宅は東京での大和たちの活動拠点となっている。
石川:東海林の同僚、45話にて登場。同話にて朝霧に口封じされてしまう。
東海林の息子:45話にて登場。東海林の一人息子だが東海林とは折り合いが悪かったらしい。
高野:65話で登場。関口に協力し証拠を隠滅した。69話で関口に殺害される。

【三億円事件当時】

川崎雄大:22話より登場。三億円事件では白バイ警官役を演じたらしい。和子との間に一子をもうける。
望月竜:23話(22話は名前のみ)より登場。雄大と共に三億円事件を実行した。
響子ギブソン:竜の恋人。竜と共に土門への対策を練っていた。
土門:地元の顔役(地廻り)。竜と対立するが……
東海林:25話にて登場。土門を追う刑事。雄大の機智に興味を持っていた。後に1話で殺害された老刑事が彼と判明(37話)。
沢田慎之介:26話より登場。竜の顔馴染み&雄大の友人、日本の行く末を憂慮していた。28話にて後の幹事長と判明。
横溝:26話より登場。竜の後輩。
和子:27話より登場。雄大と交際中の女性。雄大との子供を妊娠するも事故死。
和子の子供:28話に登場。雄大と和子の子供。未熟児で生まれた。現代篇の誰になるのか?

健:真理のヒモ、関口兄弟を虐待する。後に関口兄弟に殺害される。89話より登場。
真理:関口兄弟を拾った人物、健の恋人。健同様、関口兄弟に殺害される。89話より登場。

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