2012年11月15日

水曜ミステリー9「ガンリキ2〜警部補・鬼島弥一 追憶殺人 迷走した殺意!女を騙す疑惑のセレブ殺人事件!密室プールの死体が最後に見た哀しい愛の真実」(11月14日放送)ネタバレ批評(レビュー)

水曜ミステリー9「ガンリキ2〜警部補・鬼島弥一 追憶殺人 迷走した殺意!女を騙す疑惑のセレブ殺人事件!密室プールの死体が最後に見た哀しい愛の真実」(11月14日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

警部補の鬼島弥一(中村梅雀)は、路上で傷害未遂事件に遭遇した。フランチャイズコンサルタント会社「キタムラプランニング」を経営している社長の北村志保(筒井真理子)に対し、自分の店が倒産したのは本社の対応が悪かったせいだとして、フランチャイズ契約を結んでいた元経営者の水野佐知子(内田春菊)がナイフで切りかかろうとしたのだ。しかし、志保と一緒にいたキタムラプランニングの顧問弁護士でマスコミでも人気の氷川真澄(大家由祐子)の誠実な対応のおかげでその場は収まり、鬼島は真澄の人柄に感銘を受ける。
ところが数日後、その真澄が、自宅マンションの地下1階にある屋内プールで遺体となって発見された。現場に駆けつけた鬼島は、真澄の首筋に注射痕があるのを発見。しかも、プールサイドにきちんと並べられている椅子のうち、端の一つだけ位置が僅かにずれているのが気にかかる。このマンションには北村志保も住んでいた。
その後、警視庁捜査一課の管理官・三島紀子(宝積有香)の指揮のもと、捜査会議が行われた。捜査一課の刑事・山形篤則(布施博)の説明によると、真澄は何者かに筋弛緩剤を投与されたことにより溺死。プールの入室記録には真澄以外が入室した形跡は何も残されていなかったが、エントランスとエレベーターに設置されていた防犯カメラを調べた結果、1人だけ身許確認のできない女性がマンションを出入りしていたことが判明する。
その後、捜査一課の落合七海(黒川芽以)と再びコンビを組んで捜査にあたることになった鬼島は、真澄の怨恨関係を調べ始める。真澄の師匠にあたる有名な元人権派弁護士・青木茂幸(勝野洋)と知り合った鬼島たちは、真澄の人柄について鬼島が抱いている印象と違わない話を聞く。ところが捜査が進むにつれて、次第にキタムラプランニングの手荒な経営手法とともに、真澄の別の顔が浮かびあがる。そんな中、マンションに出入りしていた女性の足取りが判明するが…。
天才的な眼力で難事件を解決する、ちょっと変わった警部補・鬼島弥一の活躍をお楽しみに!
(水曜ミステリー9公式HPより)


では、続きから(一部、重複アリ)……。

「キタムラプランニング」の顧問弁護士・氷川がプールで殺害された。
死因は筋弛緩剤を注射されたこと。
だが、使用されたと思われる注射器は発見されない。
つまり、注射器は犯人が持ち去ったと思われた―――紛う事無き他殺である。

そして、プールサイドには位置のずれた椅子が置かれていた。
この意味は何か?

さらに、殺害現場は完全セキュリティで防備されていた。
犯人はどのようにして内部に侵入し殺害したのか?

捜査により氷川に裏の顔があることが判明した。
相手の弁護士と裏取引や、裁判官と密会、果ては偽証までさせていたらしい。
鬼島は氷川はそんなことをする人間では無いとあくまで信じ続けるが……。

氷川の師で、人権派弁護士と知られ今は引退した青木を訪れた鬼島。
青木もまた「氷川はそんな人間ではない」と鬼島の主張を支持する。

容疑者として戸森由起子が浮上する。
現場を訪れていたことは認めるが、その理由を明かさない戸森。
それもその筈、不倫をしていたのだ。
殺害時刻に不倫相手と居たことが証明されアリバイが成立。
こうして、戸森の容疑は早々に晴れた。

一方、「キタムラプランニング」が多くのフランチャイズ加盟店から訴えを起こされていたことが判明。
資金的に負担が嵩んだ加盟店が脱退を申し出ると、高額の違約金を要求するのがその理由らしい。
この裁判を担当し、「キタムラプランニング」を勝利に導いたのが氷川だったのである。

直後に、カードではなく合鍵を使えば履歴を残すことなくプールに侵入可能であることが判明。
事前に侵入し、ボイラー室に潜伏していれば犯行は特に困難ではないのだ。

普段からボイラー室に出入りする人間ならば、これが可能だと考えた鬼島。
調べた結果、清掃係の清水由梨絵が浮上する。
さらに、清水もまた「キタムラプランニング」の被害者であると判明する。
清水には沙織という妹がおり、姉妹でフランチャイズ契約を結んだが、次々に追加費用を要求され脱退。
今度は違約金に追われ沙織は自殺していた。

しかも、ボイラー室からは田倉刃物店のレシートが見つかり、清水が出刃包丁を購入していた事実も確認される。
清水は出刃包丁を購入したが、氷川殺害とは関係ないと主張する。

侵入者ではなく、被害者の行動を追った鬼島。
氷川が普段プールを利用しないことを突き止める。
プールを利用するのは北村だったのだ。
そもそも、「キタムラプランニング」に恨みを持つ者の犯行ならば北村を狙う筈だ。
まさか、氷川と北村が間違えられて殺害されたのではないか……鬼島はそう考える。

北村にこの推測を確認する鬼島。
確かに北村はプールをよく利用していたようだ。
だが、殺害当日は仕事の為に利用できなかったらしい。
ふとしたことからペット自慢となった鬼島と北村。
それによれば、北村はトイプードルのモモちゃんを飼育しているらしい。

矢先、氷川の弁護助手であった島崎が殺害されてしまう。
島崎が所持していたハンカチからはトイプードルの毛が検出される。

トイプードルと言えば……モモちゃんだ!!

こうして北村とその秘書・西山が逮捕された。
実行犯は西山、指示したのは北村らしい。

北村はフランチャイズ契約を結んだ相手を敢えて倒産に追い込み、違約金を奪うことで利益を上げていたのだ。
この事実を島崎に知られ、脅迫されたのが理由であった。

島崎殺害については認めた北村たちだが、氷川殺害は認めない。

一方、「キタムラプランニング被害者の会」本部を突き止めた鬼島。
其処には青木と清水由梨絵が居た。
どうやら、青木が被害者たちを陰から支援していたそうだ。

さらに、殺害現場のプールが内装工事の関係で、カンファレンスルームの非常扉を常時開いていたことが判明。
防犯カメラの死角になっており、誰でも出入り出来たことも分かる。

しかも、病気により青木が余命幾許もないことも判明。
これを聞き、例の位置のずれた椅子に座った鬼島は「犯人の狙いが北村ではなく氷川だった」と断定する。

翌日、青木と清水由梨絵を訪ねた鬼島。

鬼島は、清水が非常扉が防犯カメラの死角となっていることを利用し侵入し、作成していた合鍵でボイラー室へ隠れたと推理する。
この際、出刃包丁を所持しており、レシートを落としたのだ。
すべては北村を殺す為だ。

ところが、やって来たのは氷川であった。
清水は殺害を諦め、その場を引き上げた。

一方、同じく被害者の会の1人・岡島ルリ子は清水の殺意に気付き青木に「止めてくれ」と頼んだ。
青木はプールへ駆け付ける。
途中、清水に出会った青木は北村ではなく、氷川が其処に居ることを聞かされた。

氷川の死因は筋弛緩剤であった。
青木は通院している。
青木が通院先から筋弛緩剤を盗んだのだ。

そう、氷川を殺害したのは青木であったのだ。

氷川は北村と関わることで金の魔力に屈し、その走狗となった。
愛弟子の変節にショックを受けていた青木は自身の余命が残り少ないこともあり、氷川の名誉を守るべく手に掛けることを選んだのだ。

「青木先生の正義が大好きでした」
氷川はそう呟くと死亡したそうだ。

鬼島は何故、青木が犯人だと睨んだのか?
それは、位置のずれた椅子に理由があった。

青木は氷川を殺害後、椅子に腰かけ氷川の死体をずっと眺めていたのだ。
つまり、氷川に愛情のある人間の犯行となる。
そこで、青木が犯人だと目星をつけたのだそうだ。

鬼島は「氷川の本質は青木の知るソレであったに違いない」と告げる。
これを聞いた青木は自身の罪を償う道を選ぶのであった―――エンド。

<感想>

原作は無し。オリジナル作品です。
前作は2012年1月18日に放送されており、実に10ヶ月ぶりの新作となります。

水曜ミステリー9「ガンリキ〜警部補・鬼島弥一 片方だけの証拠〜消された謎文字歪んだ愛の連続殺人!!刑事の“眼力”が暴く仮面家族の衝撃真実(優秀?変人?鋭い眼力の持ち主!?梵字とカレーの謎?)」(1月18日放送)ネタバレ批評(レビュー)

では、ドラマの感想を。

なかなかだったのではないでしょうか。
まず、前作の特徴が今作でかなり薄れていたような気がします。
その分、割と普通の作品ぽくなり、取っ付き易かった。

次に、氷川と島田、2件の殺人が行われていますが、メインが氷川に絞られていたのは良かったと思います。
今回、トイプードルや戸森など、情報が出るなりすぐに伏線回収されていました。
通常ならば取ってつけたようであまり好ましくないと思うところですが、本作については氷川殺害に集中する為の仕掛けと好意的に捉えたく思います。
この点は高評価。

物語上、島田が殺害される必要があったのは、北村と西山を明確な罪で罰する必要があったからかな。
ここらは、視聴者にとって鬱憤が溜まらない優しい作りだったのかも。

そして、「ハードが如何に優れていようとも、真価を発揮するかどうかは利用する人間次第」といった点も良かったですね。
ふと「銀河英雄伝説」1巻「イゼルローン要塞奪取のくだり」を思い出しました。

ただ、タイトルがガンリキの割には……鬼島は人を見る目が無いなぁ。
鬼島は氷川のダーティーな面を否定していたけど、結局、これについては周囲の方が正しかったワケだし。
如何に氷川の本質(悪事を後悔していた)を見抜こうとも、真実を認めようとしなかったのはどうかなと思う。
まぁ、最終的には認めたから良いけど。

何より疑問なのは次の点。
この事件、普通に捜査していればすぐに解決していたような……。

とりあえず、清水やボイラー室は実際の事件とは関係ない。
出刃包丁も関係ない。
そして、「北村と氷川の間違い殺人」との鬼島の見解自体が間違いだった。
つまり、氷川を殺害する動機を持つ人間を追っていた捜査本部の姿勢は正しい。

調べる必要があったのは筋弛緩剤の出所で、これを追えば多分、すぐに解決していたと思うんだけど。
青木の通院先の病院でも盗難に気付いていたようだし。
犯人逮捕は時間の問題だったと言えそうな気もする……ここがモヤモヤ。
鬼島でなければ解決できない事件の方が良かったかもしれない。

とはいえ、なかなか良かったことは事実。
次回にも期待!!

<キャスト>

鬼島弥一:中村梅雀
落合七海:黒川芽以
青木茂幸:勝野洋
山形篤則:布施博
清水百合絵:りりィ
北村志保:筒井真理子
片桐貴子:田中律子
宮下健吾:モト冬樹
鬼島小夜子:田中美奈子
氷川真澄:大家由祐子
三島紀子:宝積有香
水野佐知子:内田春菊
西山高次:石井英明
神田一郎:萬雅之
岡島ルリ子:中野若葉 ほか
(順不同、敬称略、公式HPより転載)


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