<あらすじ>
信用金庫の支店長・今田昭義(大鷹明良)が、刺殺体となって発見された。解剖を担当した関東監察医務院の監察医・篠宮葉月(高島礼子)は、遺体に不審な点を見つける。今田は犯人に心臓を真正面から刺されているにも関わらず、普通は腕にあるべきはずの防御創が一切無かったのだ。
捜査にあたることになった警視庁捜査一課の風間(細川茂樹)と所轄の荒川西署の刑事・中森(松尾諭)は、今田がなぜ防御しなかったのかに疑問を抱く。さらに、所持品の中にあった手帳には、事件当日の欄になぜか星印が書き込まれていた…。
その後の捜査の結果、さらに意外な事実が判明する。同じ信用金庫で5年前にも職員の津島孝雄(森渉)が、同僚で恋人だった佐山美奈子(遠藤久美子)に殺害されるという事件が起こっていたのだ!しかも、事件後津島が信用金庫から2億円を横領していたことが発覚。その金の行方は今もわかっていなかった。
その後、今田の元愛人・青山由美子(入絵加奈子)の証言から、半年前に今田が由美子に手切れ金として3千万円を渡していたことが判明し、風間は5年前の横領事件に当時津島の直属の上司だった今田も関係しているのではないかと直感する。
風間が佐山美奈子の実家を訪ねると、父の洋一(佐藤B作)から、美奈子は今田が殺害された当日に5年の服役を終えて出所していると聞かされる。佐山美奈子の出所と今回の事件は関係しているのか…?風間は、再び5年前の事件を洗い直し始める。
5年前、事件の捜査は江東署の刑事・益岡(永島敏行)が指揮をとり、葉月行きつけの「キッチンコントワール」のマスター・三上(西田健)が鑑識として遺留品検査を、葉月の大学時代の恩師・鈴木(藤田宗久)が解剖を担当していた。そこで風間は、事件を掘り返すなという益岡からの強力なプレッシャーを受けながらも、葉月に5年前に鈴木が書いた解剖所見を見直すよう依頼する。ところがその矢先、鈴木が刺殺体となって発見されてしまう。
(水曜ミステリー9公式HPより)
では、続きから(一部、重複アリ)……。
今田に続き、鈴木までも殺害されてしまった。
鈴木は右手を握りしめて死亡しており、葉月は其処に何らかの意味が込められている筈と考える。
さらに、防御創が一切無かった理由を「被害者は自分に危害が加えられるとの認識が無かったから」と推理。
凶器が刃渡り15センチの刃物であることと、直前まで刃先が隠せることから「飛び出しナイフ」による犯行と看破する。
一方、風間の捜査により意外な新事実が。
5年前の津島殺害について、佐山美奈子ではなく今田による犯行の可能性が浮上したのだ。
どうやら、2億円の横領の主犯は今田だったらしい。
当時、津島の司法解剖を行った鈴木。
23時30分に津島の目撃証言があったことから死亡推定時刻をそれ以降としていたが、この目撃証言自体が虚偽であったと判明する。
益岡がありもしない目撃証言をでっち上げたのだ。
だが、益岡は佐山美奈子の自供があったと自身の罪を認めない。
ところが、この自供自体が津島殺害を父・洋一の犯行だと思った為に美奈子が庇ったことが原因と判明する。
さらに、津島殺害事件当夜に今田の車が現場付近で目撃されていたことも明らかに。
やはり、津島殺害犯は今田だったのだ。
今田、鈴木、5年前の事件に関わった人物が次々と殺害されている。
美奈子による復讐が考えられる中、益岡が美奈子に呼び出される。
思い詰めた表情の美奈子は刃物を手に「真相を明かす」よう益岡に迫る。
其処へ葉月と風間たちが駆け付ける。
益岡は美奈子こそが今田、鈴木殺害犯だと主張する。
ところが、葉月は逆に益岡を告発することに。
益岡は今田から5千万円を受け取っていた。
これは津島殺害について沈黙を守ったことへの報酬であった。
しかも、鈴木の右手には犯人の汗が残されていた。
汗の中には皮膚の表皮が含まれており、DNA鑑定の結果、益岡のものと合致したのだ。
勝手に鑑定を行ったことを批難する益岡。
風間はそんな益岡に鉄拳を喰らわす。
益岡は事実を語り始める。
犯してもいない罪を償い終えた美奈子は、洋一が犯人ではないと気付き真相を追い始めた。
今田に接触した美奈子。
焦った今田は、買収していた益岡に相談する。
益岡は口封じすべく今田を殺害した。
今田が死亡し、何かあることを察した美奈子は鈴木に相談に赴く。
美奈子から事情を聞かされた鈴木は益岡に目撃証言で騙されていたことに気付く。
其処で益岡を責め立てたが為に殺害されたのだ。
これが事件の真相であった。
益岡は、5年前に美奈子が虚偽の自供をした為に捜査が混乱させられ、真相に辿り着けなくなったと批判しながら逮捕された。
一方、美奈子の自供が洋一を想っての行動であったことを知った洋一は美奈子と父娘としての抱擁を交わすのであった。
彼らの時間は再び流れ出したのだ―――エンド。
<感想>
上野正彦先生原作の「監察医篠宮葉月」シリーズ第12弾です。
前作は2012年5月2日の放送なので、ほぼ6ヶ月ぶりの新作となりました。
・水曜ミステリー9「監察医篠宮葉月 新・死体は語る11 白衣の疑惑謎の2ミリ刺し傷と偽装自殺トリック!教授選に渦巻く嫉妬と脅迫!女が隠した遠い秘密!(死体は語る〜転落死不思議な首の傷!?医大に渦巻く策謀と嫉妬の連鎖!解剖暴く犯人)」(5月2日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・水曜ミステリー9「監察医篠宮葉月 新・死体は語る〜不思議な傷痕!幸せを刻む時計が秘めた死のトリック!!妻娘に届いた父の最後の贈り物…(偽装自殺見破った3つの刺創痕!借金抱えた男が妻に遺した手紙)」(12月7日放送)ネタバレ批評(レビュー)
さて、そんなドラマ版の感想を!!
今回は専門知識を割と投入していましたね。
むしろ、専門知識を中心に構成されていたいた印象。
例えば、「防御創の有無から凶器を断定」。
他には、「死亡推定時刻が遺体だけではなく、捜査担当者からの報告にも左右されること」。
それと、「汗に皮膚片が含まれていること」。
などなど、主人公が監察医であることをフルに活用した作品でした。
なかなか良かった気がします。
次回にも期待!!
<キャスト>
篠宮葉月:高島礼子
風間亮介:細川茂樹
佐山洋一:佐藤B作
畑総一郎:金田明夫
永瀬哲雄:六平直政
益岡和夫:永島敏行
佐山美奈子:遠藤久美子
三上良一:西田健
坂巻仁美:北川弘美
城島一平:浅利陽介
中森瞬:松尾諭
清水史也:山口翔悟
鈴木幸太郎:藤田宗久
青山由美子:入絵加奈子
今田昭義:大鷹明良 ほか
(順不同、敬称略、公式HPより転載)
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