2012年11月23日

「名探偵マーニー」第15話「NTR」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「名探偵マーニー」第15話「NTR」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

第15話登場人物一覧:
マーニー:主人公にして名探偵。本名は真音(マリオン)。
ロイド(パパ):ロイド探偵事務所所長にしてマーニーの保護者。元刑事らしい(3話)。

宮島小百合:マーニーの学校に勤務する教師。10話、15話に登場。
甲本:宮島の大学時代の同級生、宮島曰く「オタクっぽい人」。
相葉:宮島の大学時代の後輩、宮島曰く「他人の恋人を寝盗る男」。
謎の女性:相葉に殺されかけたが……秘密が!?

これまでの登場人物については過去記事リンクの後に記載しています。

<ネタバレあらすじ>

職員室の宮島を訪ねたマーニー。
ところが、宮島はそれどころではない様子。
何やら険しい顔で悩み込んでいる。

こうなると、好奇心に逆らえないのがマーニーだ。
早速、事件の匂いに誘われ首を突っ込むことに。

宮島によれば、大学時代の同級生に甲本というオタクっぽい男性が居るらしい。
その甲本には、相葉という名のイケメンの後輩が居た。
まったくタイプの違う2人だったが、2人は何故か仲が良かった。
おそらく、人の好い甲本を利用する為に相葉が近付いたものと思われたが……。

もともと、相葉は口八丁の詐欺師タイプの男らしい。
さらに、その力を使い他人の恋人を寝盗るのが趣味というとんでもない悪党であった。
案の定、甲本の交際相手を奪ったことがきっかけで2人の蜜月も終わりを告げたのだそうだ。
甲本は大きなショックを受け、人間不信にまで陥った。
これが数年前のことである。

そして、現在。
宮島は相葉が人に刺されることはあっても、人を刺すことはないだろう……そう思っていたそうだ。
ところが、そんな相葉が電車のホームから女性を突き飛ばす事件を起こした。
幸い相手の女性は一命を取り留めたが、明かな殺人未遂である。

何故、あの相葉がそんなことを仕出かしたのか?
この理由を宮島は欲していたのだ。
マーニーはこの謎に挑むことに。

ツイッターを駆使して相葉周辺の情報を収集するマーニー。
不思議なことに相葉の好感度は意外なほど高い。
それだけに、今回の事件は衝撃を以て受け止められたようだ。

さらに調べた結果、相葉の女性関係の派手さが証明された。
やはり、宮島の言葉に嘘は無いようだ。

そんな中、甲本のアカウント発見したマーニーはこれに接近する。
宮島の教え子であることを明かし、相葉について問うマーニー。

甲本は相葉を恨んでいた。
何故なら、2度も恋人を奪われたのだ。

1度目は宮島も知る学生時代の彼女である。
以降、人間不信に陥った甲本だが、卒業と同時に就職し少しずつ社会復帰に成功した。
そこで、新たに運命の女性と出会ったのだ。
ところが、この女性をまたも相葉に奪われたのだと言う。
どうやら、相葉が殺そうとしたのはその女性らしい。

甲本の心中を慮り気を遣うマーニーだが、甲本自身は特にショックを受けてはいないようだが……。

マーニーは推理を巡らせ、ある事実に到達する。
これを宮島に報告するマーニー。

ところが其処へ、入院中の女性が消えたとの情報が。
さらに、相葉自身も姿を消していた。

「危ない!!」叫ぶマーニー。
「相葉が相手の女性を殺す?」宮島の問いにマーニーは首を振る。
危険が迫っているのは相葉の方なのだ。

2人の行く先に心当たりのあるマーニーは宮島と共に其処へ向かう。

相葉は多くの女性を恋人から奪って来た。
ところが、社会に出た途端に行き詰ってしまった。
相葉はその嗜好が災いし、社会に適応出来なかったのだ。

一方、相葉が内心で見下していた甲本は就職し社会人として通用している。
忸怩たる思いを抱いた相葉は反省し、真っ当に生きるべく1人の女性を愛することを決め就職した。
相葉は其処で社長令嬢に出会う。
彼女は容姿は人並みだが、心映えが良かった。
この人と結婚しようと誓う相葉だったが……。

矢先、甲本と再会した。
過去の行いから、甲本に罪の意識を抱いてい相葉。
だが、聞けば甲本にも恋人が居るらしい。
さらに、甲本自身も過去に拘っていない様子でお互いに恋人を連れ食事に行こうと誘われた。

この誘いに乗った相葉。
ところが、当日になって驚いた。

甲本が連れて来た女性は物凄い美人だったのだ。
此処で、相葉の悪い虫が騒いだ。
たちまち、反省は何処へやら、過去の自分に戻った相葉は甲本から彼女を奪う。

しかし……これが大間違いであった。

甲本の彼女は、独善的で、独占欲が強く、凶暴な女性であった。
過去にも交際相手を独占しようとして事件を引き起こしたほどの危険人物だったのだ。

かくして、手に入れた筈の女性により拘束されることとなった相葉。
切羽詰まった彼は、逃げる為に相手を殺そうとしたのであった。

そんな2人が向かった先は―――教会であった。
マーニーたちが目にしたもの……それはウェディングドレスを身に纏った包帯だらけの女性と、彼女に捕まっている相葉の姿であった。
相葉は甲本の彼女を奪ったことで、職も自由も奪われ、その人生すら拘束されたのだ。

マーニーは呟く。
「これもすべて甲本さんの陰謀だったのかもしれない」と。
「まさか」絶句する宮島。

甲本が復讐の為にわざと彼女と交際し、相葉に近付けたのかもしれないのだ。
だとしたら、それだけ甲本の恨みは深かったこととなる―――エンド。

<感想>

「フランケン・ふらん」で知られる木々津克久先生が、2010年の「ヘレンesp」以来2年ぶりとなる「週刊少年チャンピオン」本誌への連載を開始されました!!
連載作品のタイトルは「名探偵マーニー」。

今回はその第15話「NTR」です。

見慣れないサブタイトル「NTR」。
気になって調べたところ、「寝盗られ」の隠語だそうです。
つまり、「寝盗る(奪う)」のではなく「奪われる」ことですね。
ここから、マーニーの推理通り、今回の物語のメインは恋人を奪った相葉ではなく、奪われたとされた甲本にあるのでしょう。

それにしても、相葉への復讐だけが目的ならば此処まで婉曲的な手段を採用せず、もっと直接的な方法もあった筈。
ところが、敢えて相葉の性根を試す(2度も奪おうとするかどうか)ような方法を採用したところに甲本の深い恨みが感じられて怖いですね。
甲本はそれだけ過去の相葉と元恋人自身を信用し、手酷い裏切りにあったと言えるでしょう。

相葉はそれだけ罪深いことをしたと言えます。
現に、新たな婚約者も裏切っていますからね。
相葉の反省が永遠のものだったならば、このような悲劇は成立しなかったのかもしれません。

今回はさらにミスリードが効いていましたね。
前半までは「相葉が甲本を愛しており、その為に甲本とその恋人との仲を引き裂いていた」なんてストーリーを想像していました。
女性の殺害未遂についても「今度の甲本の恋人が誘惑に乗らなかったので強硬手段に出たのだ」とばかり。
それだけに完全に裏をかかれましたね。

次回も期待出来そうです。

ちなみに、遂にマーニーのコミックス1巻の発売が判明。
これでいつでもマーニーの活躍を読むことが出来ます。
興味のある方は本記事下部アマゾンさんリンクよりどうぞ!!

木々津克久先生といえば「フランケン・ふらん―OCTOPUS―」が『拡張幻想 年刊日本SF傑作選』(大森望・日下三蔵編、東京創元社刊)に掲載されています。
こちらも注目。

木々津克久先生が「週刊少年チャンピオン」本誌に帰還する!!2012年8月16日より探偵物語「名探偵マーニー」連載開始!!

さて、作者である木々津克久先生と言えば、管理人にとっては「週刊少年チャンピオン」本誌での「ヘレンesp」の作家さんとのイメージ。

「ヘレンesp」は、盲目のヘレンがその特別な力(ESP能力)を駆使し、愛犬や叔父さんたちに見守られながら同年代の友人や幽霊など様々なものと交流する物語。

衝突したり理解し合えなかったりと苦難がヘレンを襲うものの、その都度ヘレンの純粋な心で相手に向き合い相手との心の壁を乗り越えていくさまは、心に響きました。
確かにあらすじだけ聞くとよくある展開かと思うものの、本作は不思議な“熱”と“説得力”を持っており、透明感のある淡い絵柄も加え、なかなかの名作といえるでしょう。

既に連載自体は終了していますが、こちらもオススメです。

◆「名探偵マーニー」関連過去記事
「名探偵マーニー」第1話から10話まで(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)まとめ

「名探偵マーニー」第11話「ブリット」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

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◆関連過去記事
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これまでの登場人物一覧:

【ロイド探偵社】
マーニー:主人公にして名探偵。本名は真音(マリオン)。
ロイド(パパ):ロイド探偵事務所所長にしてマーニーの保護者。元刑事らしい(3話)。
母親:マーニーの母親、不在。事情があるらしい(1話)。
エリオット:マーニーの愛猫。

【学校関係者】
若島津ゆりか:マーニーの友人。4話、5話、9話、10話、14話に登場。
前花:マーニーの友人。
那智先輩:学校のヒーロー。2話、4話で登場。
白鳥:マーニーの先輩、白鳥財閥の令嬢。1話、7話、13話で登場。
累:白鳥の友人、1話にて登場。
香坂:生徒会書記、2年生。7話で登場。
宮島小百合:マーニーの学校に勤務する教師。10話、15話に登場。
鈴村蝶子:カーディガンズの1人。12話で登場。
黒屋明彦:雪彦の双子の兄、社交的。13話に登場。
黒屋雪彦:明彦の双子の弟、内向的。13話に登場。

【警察】
毛利刑事:ロイドの後輩刑事。3話で登場。

【再登場しそうなゲスト】
亜羽:ロイドの過去の依頼人。3話で登場。
片岡:大学生、4話で登場。
村枝紗平:政財界のフィクサー。ロイドによれば「黒い噂」で知られる有名人らしい。8話で登場。
野宮真理:ニュース番組の人気キャスター。9話で登場。
舟木真治:宮島の初恋の相手、10話より登場。
光輪:往年のヒーロー「ブリット」を演じた俳優。現在では病を患っている。11話で登場。
鈴村都:蝶子の妹。12話で登場。

【その他ゲスト】
西郷:那智の親友。2話で登場。
徳吉すばる:亜羽の同僚。3話で登場。
望月楓:ラクロス部のイケメン。6話で登場。
謎の女性:望月の周辺に現れた謎の女性。6話で登場。
亀井:村枝の文通相手。8話で登場。
安崎良則:映画会社の社長。11話で登場。
安崎みどり:良則の娘。故人。11話で登場。
ゆりかの祖父:幽斉の中学時代の同級生、緊急入院してしまう。14話に登場。
河野幽斉:祖父の中学時代の同級生。同窓会の主催者。14話に登場。
幽斉の妻:幽斉とは犬猿の仲。14話に登場。
甲本:宮島の大学時代の同級生、宮島曰く「オタクっぽい人」。15話にて登場。
相葉:宮島の大学時代の後輩、宮島曰く「他人の恋人を寝盗る男」。15話にて登場。
甲本の元恋人:相葉に殺されかけたが……秘密が!?15話にて登場。

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