<あらすじ>
夫の加賀哲夫(井上純一)と離婚後、娘の真理(疋田英美)と暮らしている主婦の花村絢乃(麻生祐未)は、特命で検事に任命されることになった。元判事だった絢乃の亡父が、東京地方検察庁の検事正である岡田幸喜(高橋英樹)に遺言し、それを受けた岡田が検察庁法第18条の3を適用して絢乃を検事に任命したのだ。絢乃は司法試験を受けたことすらなかったが、検察庁法第18条の3には「大学の法律学の教授または准教授の職に3年以上在った者は検事に特別任用される資格を持っている」と記されており、絢乃はこの条件を満たしていたのだ。
早速、絢乃は刑事1部に配属されることになった。刑事1部は、部長の須田(正名僕蔵)を筆頭に、検事の浅井(山田麻衣子)、渡部(敦士)、事務官の宇治谷(温水洋一)らが所属していた。しかし、絢乃の存在が気に入らない須田は、絢乃を辞めさせようと画策。まずは、東京簡易裁判所墨田庁舎にある東京区検察庁道路交通部墨田分室で、「三者即日処理」に立ち会うよう命じる。これは、交通違反で違反切符を切られた人が、警察、検察庁の取調べから、簡易裁判、罰金の納付までを1日で行うことで、通常、事務官上がりの副検事が行くことになっていた。
須田の嫌がらせと知りつつも絢乃はそれに臨むが、妻と子どもがいながら酒気帯び運転で捕まった18歳の戸田ツトム(野澤祐樹)に説教をしたところ、口論になってしまい、須田からますます怒られることになってしまう。さらに、その後も須田による嫌がらせは続き、絢乃は新人ながらも、被疑者が容疑を否認したまま送致されているという難しい案件の担当を任されることになってしまった。
不動産会社を経営している野本俊夫(加納健次)が殺害されたその事件の被疑者は、なんと以前三者即日処理で絢乃が口論になってしまった戸田ツトムだった。野本はツトムの母親が経営するスナックに立ち退きを迫っており、再三嫌がらせ行為にも及んでいた。逮捕の決め手となったのは、現場付近で発見された凶器と携帯電話からツトムの指紋が発見されたことだったが、ツトムは容疑を否認したまま送致されていた。
仮に裁判でツトムに有利な証拠を弁護人が出してきた場合、検察側は負ける可能性もあり、もし負ければ今後の絢乃のキャリアに大きな傷がつくことを意味していた。しかし、絢乃は進んでこの事件の担当を引き受ける。
絢乃は先日の三者即日処理の際、ツトムが身重の妻をいたわっているのを目撃しており、そのような人間が犯罪を起こすのか、疑問に感じていた。絢乃は特捜部のエース・有沢(原田龍二)にアドバイスを受けながら、真相の解明に乗り出すが…。
(水曜ミステリー9公式HPより)
では、続きから(一部、重複アリ)……。
花村絢乃は夫が借金を作り駆け落ちしたことから離婚した主婦。
判事であった父より、検事になることを望まれた絢乃は検察庁法第18条の3を適用して司法試験を受験せずに検事となった。
部長の須田はそんな絢乃が面白くない。
絢乃が最初に担当することになった事件は、不動産会社社長の野本殺害。
容疑者として戸田ツトムが送検されて来た。
戸田が犯行を否認していることから、彼の無実を信じた絢乃は須田の制止を振り切り独自の捜査を開始する。
その正体を知らないが、ひょんなことから知り合った特捜部のエース・有沢のアドバイスを受けながら真相へと迫る絢乃。
一方、当の有沢は大山孝蔵代議士の不正を追っていたが、証拠がなく詰め切れないでいた。
絢乃はツトムの周辺を調べ、金井の存在を突き止める。
金井は中村倫子代議士の秘書・今野と接触しているらしい。
しかも、中村に詐欺疑惑が浮上。
バブル期に100億、現在では10億はする土地を騙して500万円で手に入れていたのだ。
どうやら、これには野本も関わっていたらしい。
野本殺害に中村が関与していると考えた絢乃。
中村が今野を通じて金井に野本殺害を命じたのではないか?
矢先、金井が轢き逃げに遭ってしまう。
さらに、今野が「詐欺や野本殺害はすべて自分1人でやった」と出頭して来る。
ツトムについては間違い電話を受けたとのアリバイが成立し、不起訴に。
だが、中村自身の犯行を立証出来ず、絢乃は納得できない。
そんなとき、金井が「裏帳簿」と口にしていたことを突き止める。
実は大山と中村は裏で繋がっていた。
大山は自身の裏帳簿を中村に預けていたのだ。
絢乃からこの可能性について指摘を受けた有沢は、遂に強制捜査に踏み切る。
中村宅から裏帳簿を発見し次第、大山の身柄を押さえる手筈である。
有沢の口利きで、絢乃も中村側の捜査に加わることに。
強制捜査当日、捜査員に対し「裏帳簿など知らない」とシラを切る中村。
その姿には自信のほどが窺えたが……。
それを裏付けるように、時間だけが過ぎて行くが一向に裏帳簿は見つからない。
焦りを募らせる捜査員たち。
その傍らで様子を見ていた絢乃、中村の手から漬物の匂いが漂っていることに気付く。
糠床を探った絢乃は遂に裏帳簿を発見する。
大殊勲であった。
動かぬ証拠の発見により、中村と大山は逮捕されることとなった。
不正献金や詐欺、殺人教唆の容疑である。
野本は中村と大山を脅迫した為に口封じに殺害されていたのだ。
こうして事件は解決した。
しかし、未だに絢乃は有沢の正体を知らないのである―――エンド。
<感想>
新シリーズ「特命おばさん検事!花村絢乃の事件ファイル」第1弾です。
なんとなく、「流石姫子シリーズ」を思い起こさせるタイトルですね。
ちなみに原作なし、オリジナルです。
実はこの時点で既に気になることが……。
サブタイトルが3回も変遷しています。
1.巨額不動産サギの裏に連続殺人…バツイチ子連れ検事が悪徳政治家の陰謀を斬る!
2.100億不動産サギの裏に連続殺人!子連れバツイチ主婦が暴いた悪徳政治家の陰謀…
3.10億の土地がたった500万円!危ないサギ連続殺人裏手口!バツイチ子連れ検事の怒りが暴く巨悪の(秘)帳簿
だいたい3つとも内容は同じなのですが、2と3の間で不動産の金額が10分の1ほどに目減りしてますね。
一体、何が起こったのか……物凄く気になっていましたが、作中にて判明。
100億はバブル期の資産価値、10億は現在での資産価値だった模様。
なるほど、これについては納得。
一方、タイトルにも謎が。
「特命おばさん検事!花村絢乃の事件ファイル」と「特命おばさん検事!」の2種類が存在しています。
などなど、視聴前からいろいろと気にかかって仕方がないドラマです。
さて、そんなドラマの感想を!!
全体的な空気は割と好きです、続編もアリかな。
特に絢乃が主婦であることを活かした「裏帳簿の在処が糠床であると看破するシーン」は良かった。
有沢君の設定も良し。
ただ、シーンごとがぶつ切りだった印象。
全体的な話の流れにスムーズさが欠けていたような気がします。
大山と中村の存在は本作の巨悪であり、メインの筈ですが、イマイチ急な展開だったことは否めないかも。
「裏帳簿」あたりもオープニング以外では金井の台詞で急に出て来て、そのまま大山と中村を結び付けるキーアイテムとなるなど急でしたね。
もう少し、自然な流れで裏帳簿の存在に辿り着けていれば良かったかなぁ。
あの金井の台詞だけで、絢乃が大山と中村の繋がりに気付き、中村宅に裏帳簿があると予測するのはかなり飛躍していたような……。
設定が先走り過ぎてシナリオが追い付いていない印象とでも言うべきか。
その分、設定自体は評価出来る。
有沢の存在も上手く活かされていた。
なんだろう……全体的に悪くは無いんだけど「オシイ」と感じてしまう。
キャラなどは良かったと思うので、次回に期待!!
<キャスト>
花村絢乃:麻生祐未
岡田幸喜:高橋英樹
有沢達郎:原田龍二
宇治谷巌:温水洋一
須田武彦:正名僕蔵
大山孝蔵:若林豪
中村倫子:沢田亜矢子
渡部守:敦士
加賀哲夫:井上純一
花村真理:疋田英美
戸田ツトム:野澤祐樹
戸田由美:若尾夏希
野本俊夫:加納健次
野本絹江:福井裕子
金井浩二:小澤雄太 ほか
(順不同、敬称略、公式HPより転載)
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この放送枠では、「捜査検事・近松茂道」シリーズでの主演でおなじみですが。
近松検事は、「じっくりと、事件を徹底的に調べて起訴の可否を判断する」人ですが、この岡田検事正はどうだったのでしょう。
検事正というからには、当然近松検事のような「捜査検事」の仕事もしていたはずですし、「公判検事」としての仕事もしていたはずです。
彼の過去を掘り下げる話が作られても面白そうな気がします。
(例えば、岡田が起訴に持ち込めなかった、過去の事件の容疑者だった人が殺される事件とか。)
こんばんわ!!
管理人の“俺”です(^O^)/!!
確かに!!
高橋さんと言えば「近松検事」ですよね。
本作の岡田幸喜も飄々とした印象のキャラクターでした。
仰る通り、其処を活かして岡田が担当した過去の事件に花村が挑む形でシリーズ化されると面白いかもしれませんね。
或いは、シリーズが続くようならスピンオフなどもアリかも……。