ネタバレあります、注意!!
第19話登場人物一覧:
マーニー:主人公にして名探偵。本名は真音(マリオン)。
ロイド(パパ):ロイド探偵事務所所長にしてマーニーの保護者。元刑事らしい(3話)。
エリオット:マーニーの愛猫。
白鳥:マーニーの先輩、白鳥財閥の令嬢。1話、7話、13話、16話、19話で登場。
玄武:大学生。日本有数のセレブで白鳥のイトコ。19話より登場。
宝蔵院はるか:大学生。玄武のフィアンセ。玄武同様にセレブ。19話より登場。
はるかの母:はるかの母。健康志向であった筈だが……。19話より登場。
これまでの登場人物については過去記事リンクの後に記載しています。
<ネタバレあらすじ>
今日も今日とて白鳥に呼び出されたマーニーは、その紹介で玄武という大学生と引き合わされる。
玄武は白鳥同様にセレブ階級の人間。
どうやら、マーニーに依頼したい様子。
「お金持ちなんだからもっと大手に頼めば……」ともっともな疑問を抱くマーニー。
だが、白鳥は「大手でも信用出来ない。セレブは自ら信用出来る人間を育てて探偵にする」と一蹴する。
だからこそ、マーニーが選ばれたらしい。
(そうか、私はそんな目で見られていたのか……)
育てられていたと知り軽くショックを受けるマーニー。
そんなマーニーの気も知らず依頼内容を伝える白鳥と玄武。
内容はこうだ。
玄武には同じく大学生の婚約者・宝蔵院はるかが居る。
はるかも白鳥や玄武と同じくセレブの出身で、その容姿を活かしパーティークイーンとまで呼ばれる派手な生活を送っていた。
ところが、そのはるかが急に大人しくなったのだそうだ。
暇さえあれば、スマホを触り、触ったかと思えば溜息を吐く。
玄武は浮気すら疑っていた。
そこで真相を突き止めて欲しいとの依頼である。
断りき切れず引き受けることとなったマーニー。
早速、セレブパーティーに潜入することに。
ところが、其処は全くの別世界。
豪華な会場に、見たことも無い料理が並ぶ。
現実味のない光景に頭を抱えるマーニーだったが……。
突然、声をかけられるマーニー。
どうやら、ナンパらしい。
周囲の男性陣は初参加のマーニーに目をつけたようだ。
ひっきりなしに声がかかる。
断り続けるマーニーだったが、相手は聞く耳を持たない。
遂には腕まで掴まれてしまい……。
「おやめなさい。嫌がってるじゃないの!!」
と、其処へ制止の声が。
誰あろう、当の調査対象・はるかであった。
この一喝で周囲の男たちは引き波のように消えて行く。
「ごめんなさい。人間の質は変えられないものね」
すごすごと引き下がる男たちを目にし、呟くはるか。
その瞳は何処か寂しそうだ。
ふと見れば、そんなはるかの手には「プロミスリング」が。
さらに腕には見慣れぬブレスレットが。
マーニーの視線に気付いたはるか。
「ああ、これ!?バイタルブレスって言うのよ。健康を管理する器具なの」
何処か疲れたように説明するはるかだったが……。
結局、その日はパーティークイーンとまで呼ばれたはるからしい活躍もなく終わりを告げた。
はるかは終始、控え目に振る舞っていた。
好物らしい酒も一滴も口にしない。
だが、マーニーは些細なヒントを見逃していなかった。
翌日、玄武に頼み宝蔵院家を訪れることに。
マーニーたちを出迎えたのははるかの母である。
日中にも関わらず酒臭い息を吐いている。
どうやら、飲酒していたようだ。
あまりにも良家の妻のイメージと異なる姿に驚くマーニー。
一方で、古くから彼女を知る玄武も驚いている様子。
どうやら、玄武の知るはるかの母とは様変わりしていたようだ。
応接室に通されたマーニーたち。
はるかの母は、自然食など健康について明るく語る。
その腕にははるかと同じバイタルブレスが。
何処か違和感を含みながら和気藹々と進む会話。
ところが、途中ではるかの母は顔色を変えると部屋を飛び出してしまう。
呆気にとられる玄武に、マーニーは「嘔吐したのだと思います」と自身の推理を告げる。
マーニーは遂に真相に辿り着いていた。
パーティクイーンとまで呼ばれ、酒好きで気儘な生活を送っていたはるか。
会話の内容から見て取れるように、健康志向のはるかの母。
まるっきり方向性の違う2人。
ところが、今はまるで逆である。
何故か?
はるかとはるかの母は自身の主義の違いから激突したのだ。
互いに一歩も譲らぬ結果、お互いの主義を交換することにした。
自身の主義の素晴らしさを相手に分からせる為である。
その約束として、互いにプロミスリングを嵌めた。
さらにバイタルブレスで状況を確認し合っていたのだ。
はるかがスマホを都度都度確認していたのはこの為であった。
はるかにとっては退屈な日々が続く。
はるかの母にとっては合わない酒を無理に飲み続けたことで身体がもたない。
だが、彼女たちはともに一歩も退こうとしないのだ。
そのプライドにかけて―――エンド。
<感想>
「フランケン・ふらん」で知られる木々津克久先生が、2010年の「ヘレンesp」以来2年ぶりとなる「週刊少年チャンピオン」本誌への連載を開始されました!!
連載作品のタイトルは「名探偵マーニー」。
今回はその第19話「プライド」です。
なんと、19話は18話と同時に掲載。
これはコミックス1巻発売を記念したもの。
しかも、18話はセンターカラーでの登場でした。
この18話と19話が2本揃って読むことで落差を発揮しているんだなぁ。
19話を読まれた方は18話も目にして欲しい。
でもって、その19話。
退くに退けないプライドの衝突、それはセレブゆえか否か……。
何とも言えない結末でしたね。
ラストでマーニーから真相を告げられた玄武の表情が、第3者が抱く感想のすべてを物語っていますね。
この対決に果たして決着はつくのでしょうか……いや、つかないだろうなぁ。
テーマには「セレブと言えど人は人」的なものも含まれていそうですね。
今回も良かった、次回も期待出来そうです。
ちなみに、上にもある通りマーニーのコミックス1巻の発売が判明。
これでいつでもマーニーの活躍を読むことが出来ます。
興味のある方は本記事下部アマゾンさんリンクよりどうぞ!!
木々津克久先生といえば「フランケン・ふらん―OCTOPUS―」が『拡張幻想 年刊日本SF傑作選』(大森望・日下三蔵編、東京創元社刊)に掲載されています。
こちらも注目。
・木々津克久先生が「週刊少年チャンピオン」本誌に帰還する!!2012年8月16日より探偵物語「名探偵マーニー」連載開始!!
さて、作者である木々津克久先生と言えば、管理人にとっては「週刊少年チャンピオン」本誌での「ヘレンesp」の作家さんとのイメージ。
「ヘレンesp」は、盲目のヘレンがその特別な力(ESP能力)を駆使し、愛犬や叔父さんたちに見守られながら同年代の友人や幽霊など様々なものと交流する物語。
衝突したり理解し合えなかったりと苦難がヘレンを襲うものの、その都度ヘレンの純粋な心で相手に向き合い相手との心の壁を乗り越えていくさまは、心に響きました。
確かにあらすじだけ聞くとよくある展開かと思うものの、本作は不思議な“熱”と“説得力”を持っており、透明感のある淡い絵柄も加え、なかなかの名作といえるでしょう。
既に連載自体は終了していますが、こちらもオススメです。
◆「名探偵マーニー」関連過去記事
・「名探偵マーニー」第1話から10話まで(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)まとめ
・「名探偵マーニー」第11話「ブリット」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「名探偵マーニー」第12話「オジイチャン」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「名探偵マーニー」第13話「双子」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「名探偵マーニー」第14話「虫のしらせ」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「名探偵マーニー」第15話「NTR」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「名探偵マーニー」第16話「商売上手」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「名探偵マーニー」第17話「天」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「名探偵マーニー」第18話「マジシャン」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
◆関連過去記事
・「フランケン・ふらん 最終話(最終回) Dream」ネタバレ批評(レビュー)
・「フランケン・ふらん 59話 BestFriend」ネタバレ批評(レビュー)
・「Phase20」(木々津克久作、「チャンピオンRED 2012年1月号」掲載)ネタバレ批評(レビュー)
・「鋏女(チャンピオンRED 5月号掲載)」ネタバレ批評(レビュー)
・「ヴァンパイア・アナライズ (チャンピオンRED 7月号掲載)」(木々津克久著、秋田書店刊)ネタバレ批評(レビュー)
これまでの登場人物一覧:
【ロイド探偵社】
マーニー:主人公にして名探偵。本名は真音(マリオン)。
ロイド(パパ):ロイド探偵事務所所長にしてマーニーの保護者。元刑事らしい(3話)。
母親:マーニーの母親、不在。事情があるらしい(1話)。
エリオット:マーニーの愛猫。
【学校関係者】
若島津ゆりか:マーニーの友人。4話、5話、9話、10話、14話、16話に登場。
前花:マーニーの友人。
那智先輩:学校のヒーロー。2話、4話、16話で登場。
白鳥:マーニーの先輩、白鳥財閥の令嬢。1話、7話、13話、16話、19話で登場。
累:白鳥の友人、1話にて登場。
香坂:生徒会書記、2年生。7話で登場。
宮島小百合:マーニーの学校に勤務する教師。10話、15話に登場。
鈴村蝶子:カーディガンズの1人。12話で登場。
黒屋明彦:雪彦の双子の兄、社交的。13話に登場。
黒屋雪彦:明彦の双子の弟、内向的。13話に登場。
露島:新聞部部長。自腹でニュースサイトを運営し多大な影響力を持つ。16話に登場。
吉沢:新聞部員の1人。16話に登場。
舞城天:マーニーと同じ学校の生徒。17話に登場。
マキちゃん:本名は真希田、マーニーの級友。
【警察】
毛利刑事:ロイドの後輩刑事。3話、18話で登場。
【再登場しそうなゲスト】
亜羽:ロイドの過去の依頼人。3話で登場。
片岡:大学生、4話で登場。
村枝紗平:政財界のフィクサー。ロイドによれば「黒い噂」で知られる有名人らしい。8話で登場。
野宮真理:ニュース番組の人気キャスター。9話で登場。
舟木真治:宮島の初恋の相手、10話より登場。
光輪:往年のヒーロー「ブリット」を演じた俳優。現在では病を患っている。11話で登場。
鈴村都:蝶子の妹。12話で登場。
マックス鞠野:高名なマジシャン。効果を最大限に発揮するマジックがモットー。18話より登場。
真希田流:マキの姉。18話より登場。
玄武:大学生。日本有数のセレブで白鳥のイトコ。19話より登場。
宝蔵院はるか:大学生。玄武のフィアンセ。玄武同様にセレブ。19話より登場。
【その他ゲスト】
西郷:那智の親友。2話で登場。
徳吉すばる:亜羽の同僚。3話で登場。
望月楓:ラクロス部のイケメン。6話で登場。
謎の女性:望月の周辺に現れた謎の女性。6話で登場。
亀井:村枝の文通相手。8話で登場。
安崎良則:映画会社の社長。11話で登場。
安崎みどり:良則の娘。故人。11話で登場。
ゆりかの祖父:幽斉の中学時代の同級生、緊急入院してしまう。14話に登場。
河野幽斉:祖父の中学時代の同級生。同窓会の主催者。14話に登場。
幽斉の妻:幽斉とは犬猿の仲。14話に登場。
甲本:宮島の大学時代の同級生、宮島曰く「オタクっぽい人」。15話にて登場。
相葉:宮島の大学時代の後輩、宮島曰く「他人の恋人を寝盗る男」。15話にて登場。
甲本の元恋人:相葉に殺されかけたが……秘密が!?15話にて登場。
天の大叔父:年嵩の紳士然としたドイツ人。17話に登場。
はるかの母:はるかの母。健康志向であった筈だが……。19話より登場。
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