「上意討ち 拝領妻始末」とは―――
1967年に公開された映画。
滝口康彦先生『拝領妻始末』(講談社刊)が原作。
滝口康彦先生と言えば、2011年にリメイクされた映画「一命」の原作者でもあります。
・「一命」(2011年、日本)ネタバレ批評(レビュー)
ここからは、1967年に公開された「上意討ち 拝領妻始末」のネタバレがあります、注意!!
1967年に公開された「上意討ち 拝領妻始末」の「あらすじ」はこちら。
なお、このあらすじは結末に触れています、注意!!
<あらすじ>
会津松平藩馬廻りの三百石藩士笹原伊三郎は、主君松平正容の側室お市の方を、長男与五郎の妻に拝領せよと命ぜられた。武芸一筋に生きてきた伊三郎は、笹原家に婿養子として入った身で、勝気な妻すがの前で忍耐を重ねて暮してきた。だから、与五郎には自分の轍を踏ませず、その幸福な結婚を願っていたため、なんとしても命を受けるわけにはいかなかった。伊三郎は親友で国廻り支配の浅野帯刀に相談し、時をかけてこの話を立ち消えにしようと考えた。しかし、側門人高橋外記の性急な要請と、笹原一族の安泰を考える笹原監物の談判を受け、伊三郎は藩命という力の前に屈した。間もなく与五郎といちの祝言が挙げられた。いちの花嫁姿は子を生んだ女とは思えないほど初々しく、その後も夫や姑に従順に仕えた。家督を与五郎に譲った伊三郎はそんないちが、なぜ藩主から暇を出されたのか訝った。いちは十九歳の時、許嫁がいるにもかかわらず一方的な藩命で正容の側室にされ、菊千代を生んだ。その悲惨な運命を受け入れたいちが、喜々として正容の側室になったお玉の方を見た時、正容をけだもののように感じて逆上したのであった。与五郎も伊三郎も、この一部始終をいちから聞いているうちに、いちほど立派な嫁はいないと思った。平和な日が続き、いちはとみを生んだ。そんなある日、正容の嫡子正甫が急死した。菊千代が世継ぎと決り、いちの立場は藩主の母となってしまったために、藩の重臣は与五郎にいちを返上せよと命じた。この人道にそむく理不尽な処置に伊三郎は怒った。これまで笹原家の門閥と格式を守ることにのみ生きてきた伊三郎は、与五郎と共に叛徒になる決心をした。明け方、上意討ちの一隊が笹原家を襲ったが、拉致されたいちは自ら刃の前に身を投げ出して果て、与五郎もいちに折り重って敵刃に倒れた。伊三郎は狂気のように荒れ狂い、外記らを斬りまくった。やがて、藩の非道を幕府に訴えようと、とみを連れて旅に出る伊三郎の前に領内の出入りを見張る帯刀が現われた。役目とはいえ、非痛な思いで伊三郎に対峙する帯刀は、伊三郎の豪剣の前に倒れた。しかし、その伊三郎も追手の銃弾に果てた。その場所鬼神ケ原には、とみの泣き声が藩の非道を訴えるように聞こえていた。
(goo映画公式HPより)
時代を反映して「組織に潰される個人の尊厳」をテーマにした作品のようですね。
封建制度の本質を1人の武士の視点で描いた点では『一命』と同じものと言えそうです。
さて、今回のリメイク版ですが「笹原伊三郎」役に田村正和さん。
「いち」役に仲間由紀恵さん。
「笹原与五郎」に緒形直人さんとのこと。
ドラマ版のあらすじはこちら。
・テレビ朝日開局55周年記念「ドラマスペシャル 上意討ち〜拝領妻始末 家族愛のため命を懸けた男の壮絶な闘い!!嫁がされた側室の女…嫁姑の争い、夫婦愛を踏みにじる非道!!傑作時代劇が今夜蘇る!!」(2月9日放送)ネタバレ批評(レビュー)
<あらすじ>
会津松平藩馬廻りの三百石藩士・笹原伊三郎(田村正和)は、藩きっての剣の達人。その腕を先代に見込まれ婿養子として笹原家に入った伊三郎は20数年、気難しい妻・すが(梶芽衣子)の尻に敷かれ、じっと我慢を重ねながら生きてきた。
そんな伊三郎のもとに突然、会津藩側用人・高橋外記(北村有起哉)が訪れた。側用人がわざわざ訪ねてくるなど、笹原家はじまって以来のこと…。戸惑う伊三郎に、外記はなんと、主君・松平正容(大杉漣)の側室・お市の方(仲間由紀恵)を、伊三郎の長男・与五郎(緒方直人)の妻として差し遣わすことに決まったと告げる。この拝領は殿の御内意、つまり命令だった。
上意とはいえ、その拝領は伊三郎にとって、到底受け入れがたいものだった。息子たちには自らの不幸な結婚生活の二の舞だけはさせたくない、愛のある結婚をさせたいと常々、願っていたからだ。聞けば、お市の方は正容との間に男子を生みながらも、若い側室の出現に逆上し、殿の胸倉をつかむほどの大騒ぎを起こしたため暇を出されたという。そんな嫁を喜んで迎えられるはずもない。
親友である国廻り支配・浅野帯刀(松平健)に相談を持ちかけた、伊三郎。のらりくらりと時間をかけて沙汰やみとなることを期待するしかないと考え、督促のため再訪した外記に対し、「恐れ多いゆえ、なにゆえご辞退を…」と低頭する。
だが、当の与五郎が突如、「拙者は、拝領をお受けしたい」と言い出したのだ。与五郎は大奥に上がる前のお市の方を偶然、見かけたことがあり、心に強い印象を残していたという。与五郎当人が受けるといってしまっては、伊三郎も致し方ない。こうして、笹原家は拝領妻を受けることとなった。
まもなく、お市の方から格下げになった“いち”と、与五郎の婚儀が執り行われた。花嫁のいちは、主君の寵愛を受けて一子をもうけた女とは思えないほど楚々とした美しい女性だった。そしてそれからというもの、いちは口うるさいすがのいじめにも耐え、嫁として慎ましく仕えた。
そんな“嫁の鑑”のようないちが、なぜ藩主につかみかかるような乱暴な行いに出たのか、伊三郎もそこだけは合点がいかない。伊三郎が与五郎に真相を聞いてみると、いちが悲壮なまでの思いを秘めて大奥に上がっていたことがわかり…!?
その後も与五郎といちの夫婦仲はいたって睦まじく、伊三郎はいちのことを“三国一の花嫁”だと思うようになっていった。このまま平和な日々が続くと信じ、伊三郎は与五郎に家督を譲り、役目を引退。いちは、娘・とみを出産した。
ところがある日、幸せな日常が急変した…! 正容の嫡子・正甫が病死し、いちが側室だったときに生んだ容貞が世継ぎと決まったのだ。つまり、いちは、“御世継ぎ様のご生母”となってしまった。世継ぎの母を、一家臣の妻として打ち捨てておくことはできない…。藩の重臣たちは、与五郎にいちを城に返上するよう命じた。それは、殿の御内意でもあると…。
理不尽で血も涙もない藩の仕打ちに、伊三郎は激怒した。そして息子夫婦の愛の深さに心を打たれた伊三郎は、笹原家を守ることだけに生きてきたこれまでの人生を捨て、与五郎と共に上意に逆らう決意を固めるのだが…!?
(公式HPより)
浅野帯刀役は松平健さんということで、田村さんと松平さんが一騎討ちすることになるのか!!
これは必見!!
そんな「上意討ち 拝領妻始末」は2013年春放送予定とのこと!!
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