<ネタバレあらすじ>
益州を制覇した関羽たちは、民衆に農地を解放した。
その一方で、旗頭となる「皇」の不在に頭を悩ませる。
劉備(燎宇)が去ったことが此処に来て響いたのだ。
そんな蜀の都・成都にある城の一室で新たな命が生まれていた。
燎宇と麗甘の赤子である。
趙雲は燎宇を連れ戻すべく赤子を連れ出す。
その頃、当の燎宇と曹操は一騎討ちを続けていた。
互いに裸になった2人は組打ちを始める。
2人は一歩も退かず、それぞれの心情を吐露する。
自身のコンプレックスを拳に載せる曹操。
それをありのままに受け止め、打ち返す燎宇。
やがて、各々が剣を手に最後の1振りを相手に向ける。
それは互いに皮一枚を斬り合って……。
「俺はお前には届かないのか……」
「お前はとっくに届いているよ」
曹操の洩らした言葉に応える燎宇、それはそのまま決着を意味していた。
剣を下ろした燎宇の前に趙雲が赤子を連れ現れる。
赤子の為にも此の地に留まるよう頼み込む趙雲。
だが、燎宇の心は既に故郷・倭へと旅立っていた。
悲痛な叫びを上げる趙雲に、燎宇の友・智文が「自分が代わりに残る」と告げる。
こうして、燎宇は旅立った。
倭へと向かう船上、其処には常元の姿もあった。
相変わらず、少女をナンパしている。
こればかりは治らないようだ。
そんな常元の目に驚きの光景が!!
船の先に立つ2人、それは意外な2人であった。
燎宇と……曹操だったのである。
「お前に俺の故郷を見せてやる」
燎宇は呟く。
一方、こちらは大陸。
燎宇が去って……魏、呉、蜀、3国がそれぞれ理想を追い覇を競った。
そんな中、曹丕は父・曹操の残した書簡に目を通していた。
「倭に学ぶべし」―――そう記されたその書簡。
「おそらく、後世の者は内容を変容させてしまうだろう」
そう語る曹丕の手に握られた書簡の名は『魏志倭人伝』であった―――完。
<感想>
最終話(21話)のネタバレ批評(レビュー)です。
キリが良いので、10話からタイトルも本作に準じて「SOUL 覇 第2章」に変更致しました。
新シリーズについては「SOUL 覇 第2章」のコミックス1巻に続き2巻も発売。
読むべし!!
では、今回の感想を……。
前回、かなり批判的な感想を述べましたが、思ったより良かった。
いや、現状望みうる中では最上級のラストと呼んでもいいかもしれない。
こうして振り返ると、「覇」は群雄ではなく、燎宇と曹操2人の物語だったんだなぁ……。
改めて納得です。
特に国家ごとの主義主張がさして重要ではないのも理解できます。
ラストの意外な結末も想像を遥に超える展開でしたね。
まさか、あそこであの書物の名が出て来るとは。
サプライズでした。
燎宇と曹操、2人が主役とのことで、周瑜率いる呉が少し損をした気もします。
ローマ軍からなる“呉”はかなりインパクトあるだけに、もっと活躍の機会があれば良かったかも。
「覇」時代から数えて8年の長期連載(「覇」は2004年より連載開始)。
まさにトンデモ「三国志」ながら、大河作品でもありました。
武論尊先生、池上遼一先生、お疲れ様でした。
お2人による次回作に期待しています!!
この衝撃を体感するには、スペリオール本誌をお読みになることをオススメします。
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◆関連過去記事
・1話から10話までのネタバレ批評(レビュー)へのリンクはこちら。
「SOUL 覇 第2章(覇-LORD-)」10話までまとめ!!
・今月の「SOUL 覇 第2章(覇-LORD-)」(11話)ネタバレ批評(レビュー)
・今月の「SOUL 覇 第2章(覇-LORD-)」(12話)ネタバレ批評(レビュー)
・今月の「SOUL 覇 第2章(覇-LORD-)」(13話)ネタバレ批評(レビュー)
・今月の「SOUL 覇 第2章(覇-LORD-)」(14話)ネタバレ批評(レビュー)
・今月の「SOUL 覇 第2章(覇-LORD-)」(15話)ネタバレ批評(レビュー)
・今月の「SOUL 覇 第2章(覇-LORD-)」(16話)ネタバレ批評(レビュー)
・「SOUL 覇 第2章(覇-LORD-)」(17話)ネタバレ批評(レビュー)
・「SOUL 覇 第2章(覇-LORD-)」18話ネタバレ批評(レビュー)
・「SOUL 覇 第2章(覇-LORD-)」19話ネタバレ批評(レビュー)
・「SOUL 覇 第2章(覇-LORD-)」20話「燎宇の国」ネタバレ批評(レビュー)
・アンディ・ラウの「三国志 THREE KINGDOMS:RESURRECTION OF THE DRAGON」ネタバレ批評(レビュー)
・「三國志」―――英雄たちの子孫は今!?
・「三國志」魏の武将・曹休の墓発見か?
・「三國志」の英傑、曹操の陵墓が発見さる!!
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