<あらすじ>
御茶ノ水署生活安全課の斉木斉(船越英一郎)と梢田威(的場浩司)は御茶ノ水周辺で行われていた出会い系サイトを利用した組織的なコスプレ売春を捜査していた。元締は六本木のガールズバーの常連客・緑川(柳憂怜)という男だと突き止めた2人はそのガールズバーの経営者・五十嵐(野村修一)から半ば強引に緑川の住所を聞き出しマンションに向かうが、緑川は五十嵐からの連絡を受け、すでに逃げ出したようだった。 数日後、巡回指導として警視庁警務部所属で日本剣道選手権を五連覇した水元敦子(山本未來)が御茶ノ水署にやってくる。敦子は経験不足を補うため1週間の指導期間中は捜査現場にも立ち会いたいと願い出る。本庁からやってきた敦子の依頼に一色署長(六平直政)は快諾、他に要望はないかと聞くと、敦子は梢田を呼び出すようお願いした。2人は小学生のころ同じ道場で剣道を学んだ幼なじみだったのだ。久々に道場で立ち合う梢田と敦子だったが、実力差は歴然で梢田は敦子に完敗する。 翌朝、斉木が御茶ノ水署に出勤すると刑事課の捜査員たちがざわついていた。ガールズバーの経営者・五十嵐が管内で殺されたのだという。殺人事件は担当外だが、事件現場に顔を出す斉木と梢田。が、2人のことを常に快く思っていない刑事課の辻村(赤坂泰彦)と川崎(大沢樹生)に邪険に扱われ、案の定、事件現場から追い出されてしまう。斉木は梢田の携帯電話を取り上げ、出会い系サイトに登録し、緑川に雇われ売春をしている女の子を片っ端から捕まえ事件解決の糸口を探そうとするが…。
(金曜プレステージ公式HPより)
では、続きから(一部、重複アリ)。
コスプレ売春を追った斉木と梢田。
五十嵐のガールズバーの常連・緑川が元締をしていると知った2人は五十嵐のもとへ。
斉木は其処で物凄く美味しい蕎麦を堪能する。
その蕎麦は山内芳之の手によるものであった。
感心する斉木。
五十嵐から緑川の住所を得た斉木たちは早速、そちらへ向かうが……もぬけの空であった。
五十嵐が緑川に斉木たちの来訪を教え、逃がしたのだ。
数日後、巡回指導として水元敦子が梢田のもとを訪れた。
梢田にとって敦子はマドンナであった。
翌朝、五十嵐が死体で発見される。
辻村たちは五十嵐の恋人・樋口奈々を疑うが奈々にはアリバイがあった。
例の山内の自宅に宿泊していたらしい。
山内は「奈々ちゃんは酒を飲んでおり、熟睡していた」と証言する。
だが、奈々の容疑はなかなか晴れない。
彼女を心配した山内は斉木のもとに餃子を差し入れする。
山内が作った餃子には野沢菜が使われていた……。
一方、梢田は敦子から、緑川を捕まえることで手柄を立てるよう促されていた。
矢先、緑川も何者かに殺害されてしまう。
現場付近で敦子が目撃されたことから、敦子に容疑が向かうことに。
ところが、敦子は姿を消してしまう。
どうやら、信州に向かっているらしい。
すべては敦子の居た信州にある―――斉木たちも信州へ。
富井の知り合いであるタクシードライバー・小百合の協力を得て行動する斉木たち。
敦子の過去に、曽根原佑一による古谷真澄殺害が絡んでいることを突き止める。
犯人として追われた佑一は自殺していた。
曽根原佑一の母・正子を訪ねた斉木たち。
正子は水元敦子を憎んでいた。
佑一は敦子と交際していたが、温泉旅行の際に撮影された敦子の恥ずかしい写真をネタに脅迫されていたらしい。
どうやら、真澄が脅迫していたようだが……。
過去に佑一は傷害事件を起こしており、この被害者が真澄の恋人だった関係で恨まれていたのだ。
これが動機となり、佑一が真澄を殺害したと思われていた。
正子は「敦子が水元署長の妹である為に事件に巻き込まれることなく庇われたのだ」と叫ぶ。
さらに、正子によれば敦子は「あの男が犯人かもしれない」と述べていたそうだ。
敦子は写真を撮影された温泉に真澄と共に来ていた男を疑っていたらしい。
だが、それが何処の誰かまでは分かっていなかった……。
その頃、当の敦子は佑一の最期の言葉を思い出していた。
佑一は「俺はやっていない。先生(敦子のこと)だけは信じてたのに」そう呟くと目の前で自殺してしまったのだ。
斉木たちは、敦子が撮影されたとされる温泉へ向かうことに。
女将によれば、捜査員から容疑者らしい男の写真を確認させられたらしい。
つまり、容疑者は特定されていたのだ。
女将が覚えていた車の特徴から、真澄に同行していた人物が五十嵐であると斉木は考える。
佑一ではなく、五十嵐こそが真澄殺害の犯人であったのだ。
古谷真澄殺害事件を担当していた百瀬を訪ねた斉木たち。
百瀬によれば、真澄殺害事件が発生し数日後、敦子の兄で署長の水元克也に呼び出された。
そこで水元に命令され、敦子を監視したらしい。
水元の予想通り、敦子は佑一から連絡を受けこれと密会した。
其処を追い込んだ為に、佑一は自殺したのだ。
そして、百瀬は五十嵐にも辿り着いていた。
だが、緑川が五十嵐のアリバイを証言した為に佑一の犯行とされたのだ。
これにも水元の意向が含まれているらしい。
五十嵐と緑川を殺害した犯人は誰なのか?
山内が作った餃子には野沢菜が用いられていた。
野沢菜と言えば、信州の名産だ。
つまり、山内もまた信州の人間。
山内は古谷真澄の父だったのだ。
五十嵐殺害時、奈々のアリバイを証言した山内だが、奈々は熟睡しており記憶が無い。
当然、山内のアリバイは存在しないのだ。
山内は娘が佑一に殺害されたと思っていた。
だが、敦子の説得を受け考えを変えたのだ。
そして、真澄の復讐に動いた。
敦子と山内は通じていたに違いない。
同じ頃、真澄の墓前に立つ山内は自殺しようとしていた。
敦子はそれを止めようとするが、山内は制止を振り切って……。
間一髪、其処へ斉木と梢田が現れる。
山内は自殺を阻止された。
すべてを語り出す敦子。
敦子は佑一に罪を着せた男を捕まえるべく東京へ向かい五十嵐の存在を掴んだ。
それを受けて、山内は五十嵐を調べるべくその懐に飛び込んだ。
山内の狙いを知らない五十嵐は緑川と事件について会話を交わし、山内はすべてを知った。
やはり、五十嵐が真澄を殺害したのだ。
そして、緑川がアリバイを偽証したのである。
これを知った山内は、五十嵐に真澄の死について真相を語らせるべく詰め寄った。
五十嵐は真澄に肉体関係を強要し、拒否された為に殺害していた。
山内は逆上し五十嵐を殺害してしまう。
五十嵐が死亡したことで、佑一の無実を証明できる人間は緑川しかいなくなってしまった。
敦子は梢田を煽って緑川を探させることに。
だが、山内に先回りされ、これも殺害されてしまう。
斉木は「裁きを受けさせるべきだった」と山内を責める。
さらに「加害者のもとに被害者遺族を差し向けることがどうなるか分からなかったのか?しかも、梢田を利用するなんて」と敦子を批判。
山内はそのまま逮捕される。
敦子も自身の責任を問いつつ、その場を去った。
結局、敦子は警視庁を去り、佑一の無実を証明することに全力を尽くすこととなった。
その頃、斉木は水元のもとへ。
今回の事件の責任を取り、古谷真澄殺害事件についても責任を果たすよう訴える。
数時間後、水元は古谷真澄殺害事件について公式に再捜査を開始した―――エンド。
<感想>
「所轄刑事」シリーズ8作目です。
前作(7作目)は2012年7月27日に放送されているので、実に6ヶ月ぶりの新作となります。
シリーズについてはネタバレ批評(レビュー)ありますね。
興味のある方は感想下部をどうぞ!!
原作は「百舌シリーズ」などで知られる逢坂剛先生でした。
では、ドラマ感想を。
毎回、何らかの事件が発端として設定されている本作。
第5弾が振り込め詐欺、第6弾が車上ドロ、第7弾が貧困ビジネスとなっており、第8弾は管理売春でした。
そんな本作ですが、今回は全体的にかなり良かった。
斉木の指摘も正しかったし。
そして、梢田が大活躍していましたね。
もっとも、成果らしい成果が挙げられないのは、梢田が梢田たる由縁と言えそうですが。
でも、良かった。
ただ、結果論となりますが、正義感のある人物が誰1人報われない結末なのは切ないですね。
佑一は正義感が仇となり、傷害罪に問われた後に殺人犯として自殺。
梢田は正義感が空回りし、敦子に想いを寄せるも利用されることに。
敦子は正義感を個人的な正義に適用し、山内を殺人犯にしてしまう。
特に敦子は正義感と言うよりは、佑一を目の前で死なせた罪の意識から解放されることが優先されていて、他が見えていないのかなとの印象を受けた。
山内ではなく、最初から梢田に相談した方が良かったような。
敦子の語る「梢田の正義感」が本物ならば協力してくれそうな気もする。
そう言えば、前半で出ていた「裏カジノ」とか「コミックサファリ」とかあんまり関係なかったね。
それと、サブタイトルは詐欺だなぁ。
今回も変わらず斉木の携帯の着信音が「踊る大捜査線」でしたね。
ほっとしました。
・「踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!」(2010年、日本)ネタバレ批評(レビュー)
◆関連過去記事
・金曜プレステージ「所轄刑事7〜能登・金沢 ストーカー連続殺人事件の闇〜哀愁の能登で白骨遺体発見!狙われた美人保母。貧困ビジネスをはらむ凶悪事件に所轄デカが挑む!(悪しき貧困ビジネス)」(7月27日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・金曜プレステージ「所轄刑事6〜欺かれた生活安全課〜シリーズ史上最も凶悪な連続殺人発生!犯罪組織に立ち向かう下町人事の所轄刑事。事件に潜む悲しい真実にまさかの結末が!」(10月21日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・金曜プレステージ「所轄刑事5 走れ!生活安全課〜振込め詐欺の出し子を探せ〜」(1月22日放送)ネタバレ批評(レビュー)
<キャスト>
斉木斉:船越英一郎
梢田威:的場浩司
辻村隆三:赤坂泰彦
暮林ヒトミ:上原さくら
川崎刑事:大沢樹生
富井一郎:徳井優
本田マリコ:内田もも香
一色署長:六平直政
水元敦子:山本未來
百瀬刑事:小林正寛
緑川育郎:柳憂怜
五十嵐孝夫:野村修一
樋口奈々:中島愛里
曽根原正子:大沢逸美
曽根原佑一:田島優成
赤羽小百合:中島陽子
古谷真澄:古川小夏
山内芳之:深水三章
水元克也:小木茂光 ほか
(金曜プレステージ公式HPより)
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