<30話あらすじ>
〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜〜〜
エル文化大学に通う女子大生・原田愛理はシャーロッキアン。
同じくシャーロッキアン(ホームズ譚の実在を信じる熱狂的なファン)である車教授と親交を結ぶことに。
ここから愛理の見つけて来た謎に車が挑むとの名コンビが結成された。
やがて、愛理と車教授の間には愛が芽生える。
だが、車は亡き妻を想うばかりに素直になれない。
そんな中、愛理が病気の為に倒れてしまう。
此処に至り、車は愛理への気持ちを告白。
2人は相思相愛の仲になるのであった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
車教授の誕生日が近付き、プレゼントに悩む愛理。
とある店でホームズが愛用したものと同じ種類のパイプを見かけ、これをプレゼントにと意気込む。
価格は17000円也―――なかなかの値段である。
とはいえ、これで車が喜ぶならば安い買い物だろう。
と、そんな愛理を見知った顔が呼ぶ。
「BSI(馬場3丁目イレギュラーズ)」の団長だ(団長については8、9、12、13、19話を参照)。
見れば久美子や他の団員たちも一緒のようだ。
どうやら、彼らも車の誕生日に向けプレゼントを探していたらしい。
そして、「コレ!!」という物を見つけたそうだ。
そこで、それを買うのに協力してくれないかと依頼して来る。
要は、共同でプレゼントを購入し代金を幾らか負担して欲しいとの申し出だ。
車と交際している愛理にとっては、恋人への誕生日プレゼントである。
単独の贈り物にしたい。
だが、「イイものだから」とかき口説く団長の言葉につい応じてしまう。
団長に連れられてやって来たのは、蚤の市。
特に珍しいとも思えない品々が地面に並べられている。
そんな中、団長が注目したのは1冊の本であった。
タイトルは『ビートンのクリスマス年鑑 1887』。
ホームズシリーズ第1作である『緋色の研究』が初めて掲載された雑誌だ。
しかも、初版本だと言う。
これが事実ならば、紛うことなき稀覯本である。
本物ならば1200万円はする品、それが20000円で売られていたのだ。
団長は売主が価値を知らないに違いないと決めてかかっていた。
今、此処で購入しないと勿体ないと訴える団長。
その猛烈な主張に押された愛理は、購入に協力することになった……。
結局、20000円で購入したソレ。
その費用の大半は愛理が負担させられることになってしまった。
予定していたパイプ代は綺麗に吹き飛んでしまったのである。
「もしかして、大変な過ちを犯したのでは……」と後悔し始める愛理。
一方、そんな愛理の心中を露も知らない団長たちは早速、鑑定を始める。
ネットで得た情報をもとに、購入した本が本物かどうか鑑定を進める面々。
結果、団長は「ホンモノである」と判断するが―――後編へ続く。
<感想>
シャーロッキアンの意外な真実を縦軸に、車教授と愛理の関係を横軸に置いた作品「シャーロッキアン!」が堂々の完結から半年ほどで帰還となりました。
そして、新シーズン第3話は前後編の「追跡!ビートンのクリスマス年鑑」。
今回はその前編です。
「BSI(馬場3丁目イレギュラーズ)」の団長再登場。
メンバーも健在な様子、懐かしいキャラの登場にほのぼのしましたね。
この様子だと是方君も再登場するかな?
・団長が初登場した8話はこちら。以降、9、12、13、19話に登場しています。
双葉社刊「漫画アクション」連載「シャーロッキアン!」第8話「BSIの子供たち(前編)」ネタバレ批評(レビュー)
では、内容を。
どう考えても、アレはニセモノでしょうねぇ。
団長が本物と判断した根拠が「ホンモノにある筈のないものが無かったからホンモノ」と、かなりあやふやだし……。
「ニセモノにある筈のないものがあったからホンモノ」ならばまだ信憑性もあるのですが……。
なにしろ、団長の判断法では「あるべきではない部分」を破棄すれば誤魔化せてしまう。
売主も海千山千の人物のような描写だったので、団長のような発想の人々を騙しているといったところでしょうか。
次回、プレゼントを目にした車はすぐに真贋を見極めるでしょう。
問題はその後。
果たして、車はどう対応するのか?
折角のプレゼントにケチはつけたくないし、受け取っておいて愛理と2人きりのところで真相を明かすのか。
いずれにしろ、「プレゼントそのものよりも、贈ろうとした気持ちに意味がある(貴重だ)」的な結末を迎えるとは思われますが。
後編に要注目です!!
ちなみに「ホームズ」と「料理」といえば、「朝日新聞出版」より『シャーロック・ホームズ家の料理読本』という本が文庫化されています。
<あらすじ>
ベーカー街221B。ここで名探偵ホームズとワトソンのため、長年料理の腕をふるってきた下宿の女主人・ハドソン夫人が、引退後、彼らの好きだった料理のレシピと、当時の思い出を語る。二人が好きだったビールのスープ、スコットランド・ヤードの警部たちに出したマコロン・ガトー、ホームズが旅に出るときのお弁当に必ず入れるチーズと玉ねぎのパイ、イギリスならではの臓物料理の数々。『シャーロック・ホームズ』のパスティーシュ小説のようでありながら、ヴィクトリア朝全盛期のロンドンの食文化・風俗の貴重な記録でもあるユニークな一冊。
(公式HPより)
なかなか興味深い一冊と言えそう。
他に面白いところだと、「ホームズ」と「チキン」と言えば、青森には「シャモロック・ホームズ」という「シャーロック・ホームズ」をもじった軍鶏のブランドが存在。
興味のある方は本記事下部にアマゾンさんへのリンクがあるのでどうぞ!!
◆関連過去記事
・1話から27話までのまとめです。
「シャーロッキアン!」(池田邦彦著、双葉社刊「漫画アクション」連載)まとめ
・「シャーロッキアン!」第28話「カレーの問題(前編)」(池田邦彦著、双葉社刊「漫画アクション」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「シャーロッキアン!」第29話「カレーの問題(後編)」(池田邦彦著、双葉社刊「漫画アクション」連載)ネタバレ批評(レビュー)
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