2013年01月21日

『山高帽のイカロス』(島田荘司著、講談社刊『御手洗潔のダンス』収録)

『山高帽のイカロス』(島田荘司著、講談社刊『御手洗潔のダンス』収録)ネタバレ書評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

<あらすじ>

人間は空を飛べるはずだ、と日頃主張していた幻想画家が、4階にあるアトリエから奇声と共に姿を消した。そして4日目、彼は地上20メートルの電線上で死体となっていた。しかも黒い背広姿、両腕を大きく拡げ、正に空飛ぶポーズで!画家に何が起きたのか?名探偵御手洗潔が奇想の中で躍動する快作集。
(講談社公式HPより)


<感想>

短編集『御手洗潔のダンス』に収録された短編。
『御手洗潔のダンス』には、他に『ある騎士の物語』、『舞踏病』、『近況報告』の3編が収録されている。

『山高帽のイカロス』は『週刊モーニング』誌上にて原点火先生の作画で連載される『ミタライ ―探偵御手洗潔の事件記録―』にて、2013年1月31日からのコミカライズ作品に選ばれています。

『ミタライ ―探偵御手洗潔の事件記録―』第3弾の内容判明!!コミカライズ作品は『山高帽のイカロス』(講談社刊『御手洗潔のダンス』収録)に!!

今回の御手洗は「空を飛んだ男の謎」に挑みます。
果たして、男は本当に空を飛んだのか?

まさに、『斜め屋敷』的な奇想が用いられた作品ですね。
多少、強引なところもありますが、その展開には惹きこまれる筈。

実を申し上げますと、管理人には『御手洗潔の挨拶』と『御手洗潔のダンス』を取り違えて『御手洗潔の挨拶』を2冊も購入したとの苦い思い出がありまして、複雑な想いのある本だったりもします。

ネタバレあらすじはかなり改変されているので、オリジナルを読むことをオススメします!!

<ネタバレあらすじ>

登場人物一覧:
御手洗潔:名探偵。
石岡:御手洗の助手にしてベストパートナー。
湯浅真:事件の目撃者。
赤松稲平:画家。人は空を飛べると信じていた。
氷室志乃:赤松の妻、企業家。
古川:志乃の秘書。
田崎刑事:担当刑事。
後亀山刑事:担当刑事。

「人間は空を飛べる筈だ」そう主張し続けていた画家・赤松稲平が、4階にあるアトリエから姿を消した。
それから4日後、赤松が地上20メートルの電線上で死体となって発見される。
しかも黒い背広姿、両腕を大きく拡げ、正に空を飛ぶポーズのまま硬直していた。
一体、赤松に何が起こったのか?

さらに、赤松の妻で会社経営者の氷室志乃が正気を失った状態で発見される。
事件の目撃者を名乗る湯浅真によれば、赤松と志乃は空を飛んでいたと言う。
しかも、志乃の秘書である古川も姿を消していた。
全くもって不可解である。

一方で、電車が切断された人の手首を引き摺るとの猟奇的な事件も発生していた。
かと思えば、踏切でベンツと電車が衝突する身元不明の人身事故も。
こちらはベンツの運転手が死亡していた。

この奇々怪々な状況に、御手洗が出馬することに。
御手洗は快刀乱麻で謎を解く。

湯浅の目撃証言は、薬物を使用していた彼自身の妄想による補完の産物に過ぎないと断定。
さらにその薬物の出所が赤松と志乃、古川たちであると断言する。
これに、赤松と志乃の夫婦仲が良くないと推理するや、赤松が志乃を薬物について脅迫し殺害されたと結論付ける。

一体、何が起こったのか?

脅迫された志乃は古川と相談し、赤松を殺害した。
当初は首吊り自殺に偽装するつもりであった。
ところが、其処へ湯浅が訪問して来た。
湯浅は赤松の断末魔の声を聞いており、安否を確認しようとする。

慌てた志乃と古川は赤松の死体をベッドの下に隠すと窓の外に隠れた。
扉を壊し室内へと踏み込んで来た湯浅だが、赤松も志乃も見つけられない。
不思議に思いつつも、その場を引き上げる。
当然、扉を壊したので修理の業者を手配した。
これが赤松がアトリエから姿を消した顛末である。

この隙に志乃と古川は脱出する。
すぐに赤松が発見されるかと思われたが、赤松は見つからなかった。

其処で、志乃たちは赤松の死体を回収に赴いた。
目立つ行動は避けたいので、部屋へは上り込めない。
志乃たちは赤松を首吊りに偽装する際のロープが窓から外へと垂れていることに気付く。
これを利用して、赤松の死体を屋上から吊り上げて回収することに。
しかし、死体は窓枠に引っ掛かり上がらない。

困った古川の目に向かい側のビルと近くを走る電車が飛び込んで来る。
此処で古川の脳裏にある閃きが!!

古川は向かい側のビルに移ると、電線を経由しつつ赤松へと繋がるロープを引いた。
その後、ロープの先を脇を走る電車に引っかけた。
人力ではなく、電車の進む力を利用して赤松を引き摺り出そうと考えたのだ。

ところが、此処で致命的なミスが。
なんと、ロープに古川の腕が絡んでしまった。
しかし、電車が止まる筈もない。

結局、古川の腕は電車の力に耐えられずもげてしまった。
この腕こそが、電車が引き摺っていた腕の正体である。
この様子を見た志乃はショックで発狂してしまった。

では、当の古川は何処に消えたのか?
これこそ、例の人身事故であった。
腕を失った古川は痛みに耐え兼ね、薬物を服用しベンツを運転。
薬物を使用したことで正常な判断力を喪失した古川は、そのまま電車に突っ込んでいたのだ。
事故の衝撃で出火した為に、古川の死体は身許が判別出来なくなってしまったのである。

一方、肝心の赤松の死体は途中まで引き摺り上げられ、電線の上で止まることとなった。
これが“飛ぶ男”の正体である。

たまたま事件に関係した湯浅が、赤松の影響で「人が空を飛ぶこと」を信じた為に複雑化した事件であった。
御手洗の推理を受けた後亀山刑事と田崎刑事は確認に動く。

残された御手洗は「今回の事件、加害者は全員が相応の報いを受けている」と語り、我関せずを貫くのであった―――エンド。

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