ネタバレあります、注意!!
第23話登場人物一覧:
マーニー:主人公にして名探偵。本名は真音(マリオン)。
ロイド(パパ):ロイド探偵事務所所長にしてマーニーの保護者。元刑事らしい(3話)。
エリオット:マーニーの愛猫。
若島津ゆりか:マーニーの友人。4話、5話、9話、10話、14話、16話、23話、24話に登場。
片岡:ある特異な趣味を持った大学生。4話、23話、24話で登場。
波峰りあ:マーニーとゆりかの同級生。巻野という名の幼馴染で年上の彼氏が居るらしいが……24話に登場。
巻野大輝:波峰の彼氏とされる人物、誰も姿を見た者がいない。24話に登場。
毛利刑事:ロイドの後輩刑事。3話、18話、24話で登場。
これまでの登場人物については過去記事リンクの後に記載しています。
<ネタバレあらすじ>
友人と他愛のない会話を楽しむマーニー。
メンバーは、片岡との交際も順調なゆりか、幼馴染の彼氏が居るらしい波峰りあの2人である。
2人とも彼氏持ち。
当然、話題は恋愛方面に。
1人、彼氏の居ないマーニーは面白くない。
そんなマーニーの気も知らず、ゆりかと波峰は遊園地のカップル割引券があるので皆で行こうと予定を立て出す。
もちろん、マーニーも一緒だ。
(毛利さんでも呼ぼうかな……)
半ば、自棄気味のマーニー。
ところが後程、ゆりかから意外な依頼がもたらされる。
波峰りあに本当に彼氏が居るか調べて欲しいと言うのだ。
なんでも、波峰はどうしても彼氏に会わせようとしないらしい。
そこで、ゆりかは彼氏の実在を疑っていたのである。
早速、調査に乗り出すマーニー。
ところが、出るわ出るわ。
調べれば調べるほど、波峰が男性と歩いていたとの目撃情報が続出する。
曰く「日焼けした男と歩いていた」
曰く「年上の男と一緒にいたよ」
曰く「背の高い男と笑ってたな」
どうやら、波峰に交際相手が居るのは事実のようだが……。
だが、マーニーは目撃証言それぞれの男性のイメージが微妙に重ならないことが気になっていた。
矢先、波峰は今回の遊園地行きも彼氏が参加できなくなったと伝えて来る。
「幼馴染じゃなくて、年上の男性らしいじゃない!!」
例の目撃情報を持ち出すゆりか。
「巻野さんはね、年上の幼馴染でお兄ちゃんなのよ」
笑って応じる波峰。
だが、これではカップルは片岡とゆりかの1組のみになってしまう。
そんな波峰が提案した方法とは―――。
遊園地行きの当日、マーニーは何故か男装させられていた。
そう、波峰の提案とはマーニーを男性に仕立て、これを波峰の恋人とすることで、片岡&ゆりか、マーニー&波峰の2組のカップルを作ることであった。
バレないものなのだろうか……そんなマーニーの心配も杞憂に終わり、あっさりとパス出来てしまう。
変装術を誇るべきか、他の理由を捜すべきか、流石にしょげかえるマーニー。
とはいえ、通過出来れば、後は楽しむのみである。
切り替えたマーニーだが、ゆりかは未だに波峰の彼氏問題を引きずっていた。
片岡と話す波峰の様子を観察していたゆりかは「彼氏と交際している割には、男性に対し緊張している」と評価を下す。
これを聞き不安になったマーニーは毛利へ調査を依頼する。
そして、明かされた事実は意外なものであった。
なんと、波峰は最近になって男性への傷害事件を引き起こしていた。
なんでも、連れ立って歩いていた男が肉欲に溺れ彼女に襲いかかったところを返り討ちに遭わせたらしいのだ。
しかも、波峰が彼氏と述べていた巻野大輝についても意外な事実が!!
巻野は既に死亡していた。
幼馴染で高校生の巻野と交際を始めた中学時代の波峰。
ところがある日、波峰は見知らぬ男に暴行されそうになった。
この急をGPS携帯で知った巻野は波峰を助けようと相手と戦いビルから転落、共に死亡していたのだ。
まさか……マーニーの脳裏にある推測が芽生える。
すると、肝心の波峰が居ないではないか!!
慌てて捜すマーニーたち。
彼女が発見したのは、見知らぬ男を殴り倒す波峰であった。
波峰は自身の所為で、巻野が死亡したと責任を感じていた。
罪の意識に囚われていたのである。
そんな波峰にとって、巻野を一番感じることが出来るのが巻野を失った状況に自身を追い込むことであった。
そうなれば、巻野が現れてくれる。
こうして、波峰は見知らぬ男を誘惑しては自身を襲わせ、これを巻野として返り討ちに遭わせていたのである。
それが一番、心が休まる方法だったから。
殴り続ける波峰を慌てて止めるマーニーたち。
波峰は途端に泣き出してしまうのであった。
こうして、事件は解決した。
波峰の被害者には死者が無く、また、誘われたとはいえ暴行しようとしていたこともあり、大事にはならなさそうである。
心の傷を抱えた波峰は入院。
そんな波峰に「過去を悔む必要は無い」と告げるマーニー。
だが、そんな彼女自身も何処か辛さに耐えた表情を隠しきれないのであった―――エンド。
<感想>
「フランケン・ふらん」で知られる木々津克久先生が、2010年の「ヘレンesp」以来2年ぶりとなる「週刊少年チャンピオン」本誌への連載を開始されました!!
連載作品のタイトルは「名探偵マーニー」。
コミックス1巻も発売中です!!
今回はその第24話「彼と彼女の事情」です。
今回も良かった!!
「幼馴染であり、居て当たり前だったはずの彼を喪ったこと」、また「その原因が望まぬこととはいえ自身にあったこと」により精神の均衡を崩した波峰の物語でした。
動機としては「確かに巻野を感じたかった」のかもしれませんが、他にも理由がありそうですね。
敢えて男を誘っていたのは、巻野を殺したのと同じタイプの男への復讐とも取れますし。
さらに「この誘いに乗らないで欲しい」といった男性と言う種への微かな希望もあったように思います。
ゆりかが評した片岡への接し方を見ても、波峰自身も過去の経験から男性に対し恐怖症めいたものがあり、これを乗り越えたいとの願望もあったのかも。
だが、乗り越えられず巻野の力を借りていたとの考え方も出来そうです。
同時に、いつも返り討ちに遭わせることが成功するかどうかも危険なことであり、敢えて自身を危険に曝すのは巻野への贖罪の念もあったように思います。
自暴自棄になっていた……という見方も出来そうです。
その意味で、カップル割引のある遊園地へマーニーを男装させてまで来園したのは、何処かで救いを求めて居た心の現れかも。
マーニーたちが気付いて正解でしたね。
一方、気になるのは「過去について触れた」際のマーニーの表情。
やはり、未だ登場せぬ母親に何か理由がありそうですね……。
こちらはいずれ明かされるのか!?
ただ、明かされるときは最終回に近い気もする。
少しでも長く続いて欲しいと思える作品だし、早く理由を知りたいとも思うし、複雑だ。
次回も期待です!!
ちなみに、上にもある通りマーニーのコミックス1巻の発売中。
これでいつでもマーニーの活躍を読むことが出来ます。
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木々津克久先生といえば「フランケン・ふらん―OCTOPUS―」が『拡張幻想 年刊日本SF傑作選』(大森望・日下三蔵編、東京創元社刊)に掲載されています。
こちらも注目。
・木々津克久先生が「週刊少年チャンピオン」本誌に帰還する!!2012年8月16日より探偵物語「名探偵マーニー」連載開始!!
さて、作者である木々津克久先生と言えば、管理人にとっては「週刊少年チャンピオン」本誌での「ヘレンesp」の作家さんとのイメージ。
「ヘレンesp」は、盲目のヘレンがその特別な力(ESP能力)を駆使し、愛犬や叔父さんたちに見守られながら同年代の友人や幽霊など様々なものと交流する物語。
衝突したり理解し合えなかったりと苦難がヘレンを襲うものの、その都度ヘレンの純粋な心で相手に向き合い相手との心の壁を乗り越えていくさまは、心に響きました。
確かにあらすじだけ聞くとよくある展開かと思うものの、本作は不思議な“熱”と“説得力”を持っており、透明感のある淡い絵柄も加え、なかなかの名作といえるでしょう。
既に連載自体は終了していますが、こちらもオススメです。
◆「名探偵マーニー」関連過去記事
・「名探偵マーニー」第1話から20話まで(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)まとめ
・名探偵マーニー」第21話「ラッキーバード」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「名探偵マーニー」第22話「ニセモノ」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「名探偵マーニー」第23話「ゲーマー」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
◆関連過去記事
・「フランケン・ふらん 最終話(最終回) Dream」ネタバレ批評(レビュー)
・「フランケン・ふらん 59話 BestFriend」ネタバレ批評(レビュー)
・「Phase20」(木々津克久作、「チャンピオンRED 2012年1月号」掲載)ネタバレ批評(レビュー)
・「鋏女(チャンピオンRED 5月号掲載)」ネタバレ批評(レビュー)
・「ヴァンパイア・アナライズ (チャンピオンRED 7月号掲載)」(木々津克久著、秋田書店刊)ネタバレ批評(レビュー)
これまでの登場人物一覧:
【ロイド探偵社】
マーニー:主人公にして名探偵。本名は真音(マリオン)。
ロイド(パパ):ロイド探偵事務所所長にしてマーニーの保護者。元刑事らしい(3話)。
母親:マーニーの母親、不在。事情があるらしい(1話)。
エリオット:マーニーの愛猫。
【学校関係者】
若島津ゆりか:マーニーの友人。4話、5話、9話、10話、14話、16話、23話、24話に登場。
前花:マーニーの友人。
那智先輩:学校のヒーロー。2話、4話、16話で登場。
白鳥:マーニーの先輩、白鳥財閥の令嬢。1話、7話、13話、16話、19話、21話で登場。
累:白鳥の友人。1話、22話にて登場。
香坂:生徒会書記、2年生。7話で登場。
宮島小百合:マーニーの学校に勤務する教師。10話、15話、21話に登場。
鈴村蝶子:カーディガンズの1人。12話で登場。
黒屋明彦:雪彦の双子の兄、社交的。13話に登場。
黒屋雪彦:明彦の双子の弟、内向的。13話、20話に登場。
露島:新聞部部長。自腹でニュースサイトを運営し多大な影響力を持つ。16話に登場。
吉沢:新聞部員の1人。16話に登場。
舞城天:マーニーと同じ学校の生徒。17話に登場。
マキちゃん:本名は真希田、マーニーの級友。
波峰りあ:マーニーとゆりかの同級生。巻野という名の幼馴染で年上の彼氏が居るらしいが……24話に登場。
【警察&探偵】
毛利刑事:ロイドの後輩刑事。3話、18話、24話で登場。
武頼:ロイドの先輩。22話にて登場。
【再登場しそうなゲスト】
亜羽:ロイドの過去の依頼人。3話で登場。
片岡:ある特異な趣味を持った大学生。4話、23話、24話で登場。
村枝紗平:政財界のフィクサー。ロイドによれば「黒い噂」で知られる有名人らしい。8話で登場。
野宮真理:ニュース番組の人気キャスター。9話で登場。
舟木真治:宮島の初恋の相手、10話、21話(名前のみ)に登場。
光輪:往年のヒーロー「ブリット」を演じた俳優。現在では病を患っている。11話で登場。
鈴村都:蝶子の妹。12話で登場。
マックス鞠野:高名なマジシャン。効果を最大限に発揮するマジックがモットー。18話より登場。
真希田流:マキの姉。18話より登場。
玄武:大学生。日本有数のセレブで白鳥の知人。19話より登場。
宝蔵院はるか:大学生。玄武のフィアンセ。玄武同様にセレブ。19話より登場。
市長:マーニーとロイドが暮らす地域の市長。20話より登場。
阿刀孟:世界的に著名なアニメクリエーター。20話より登場。
瀬尾俊幸:阿刀のマネージメントを担当していたスタッフ。20話より登場。
ラッキー:白鳥が保護した「首なし鶏」。21話に登場。
君津和臣:化粧品メーカーの重役。今回の依頼人。22話にて登場。
日出有吉:木ノ崎順也の功績はこの人物の物であった。22話にて登場。
武藤遊助:片岡のいとこ。国公立トップである東都大学のエリート学生。23話で登場。
【その他ゲスト】
西郷:那智の親友。2話で登場。
徳吉すばる:亜羽の同僚。3話で登場。
望月楓:ラクロス部のイケメン。6話で登場。
謎の女性:望月の周辺に現れた謎の女性。6話で登場。
亀井:村枝の文通相手。8話で登場。
安崎良則:映画会社の社長。11話で登場。
安崎みどり:良則の娘。故人。11話で登場。
ゆりかの祖父:幽斉の中学時代の同級生、緊急入院してしまう。14話に登場。
河野幽斉:祖父の中学時代の同級生。同窓会の主催者。14話に登場。
幽斉の妻:幽斉とは犬猿の仲。14話に登場。
甲本:宮島の大学時代の同級生、宮島曰く「オタクっぽい人」。15話にて登場。
相葉:宮島の大学時代の後輩、宮島曰く「他人の恋人を寝盗る男」。15話にて登場。
甲本の元恋人:相葉に殺されかけたが……秘密が!?15話にて登場。
天の大叔父:年嵩の紳士然としたドイツ人。17話に登場。
はるかの母:はるかの母。健康志向であった筈だが……。19話より登場。
木ノ崎順也:『悪意の天国』で知られる往年の名監督。その正体は誰も知らない。
巻野大輝:波峰の彼氏とされる人物、誰も姿を見た者がいない。24話に登場。
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