<あらすじ>
京都の老舗・赤間呉服店の専務、渋谷洋三郎(上杉祥三)が撲殺され、竹やぶで死体が発見された。
京都府警の三田村裕一課長(中西良太)とその部下の渡辺結(京野ことみ)、坂航太(瑞木健太郎)が捜査を開始する。
結は渋谷の部屋にあった歴史書が気にかかる。異端の作家、薬王寺菊馬(谷口高史)によって歴史の珍説が綴られているこの本は、とても人気がある。渋谷はその本に書かれていた、源義経が平清盛と常盤御前の隠し子だったという珍説に関心があったようだ。結は恩師である気象歴史学者の北山丈晴(橋爪功)に意見を求めるが、丈晴はその説は有り得ないと一蹴する。
赤間呉服店は今は亡き先代の妻・登紀子(立石凉子)と3人の息子、長男の雄樹(吉見一豊)、次男の宏樹(石井英明)と三男の智樹(本田大輔)が経営を担っていた。3人は日頃、殺された洋三郎から生活の乱れを注意されて疎ましく思っていたが、殺害容疑は否定する。
捜査を続けるうち、結は先代の愛人でクラブを経営する園田圭子(藤真利子)が、かつて源氏名を常盤と名乗っていたことを知る。また丈晴は、下宿の大家・宇田川粂吉(北村総一朗)に連れられて圭子の店を訪ねる。そしてこの店に常盤御前と源義経、さらに義経の兄たちを描いた、歌川国芳による絵の複製が飾ってあることに気付いた。
一方、殺された洋三郎は、雑誌記者の河本沙織(遊井亮子)と結託して誰かを恐喝していたことが判明。だが、沙織も何者かに殺されて自宅で死体が発見され、捜査の糸口が途絶えてしまった。
結は警察に寄せられる様々な情報の中に不可解なメッセージあることに気付き、再び丈晴に相談する。
丈晴と結は、事件に関する情報を整理しメッセージの解読に挑む。粂吉と丈晴の元妻・早川南(戸田恵子)も事件の進展に興味津々だ。
丈晴は、結が持ち込んだメッセージから、呉服店の三兄弟の出自にまつわる重大な秘密が隠されていることを読み解いた。そして、事件の関係者の中に公には名乗りあうことのできない哀しい母子がいることに気付き、その母子が事件に深く関わっていることを見抜くのだが・・・。
(月曜ゴールデン公式HPより)
では、続きから……(一部、重複あり)。
赤間呉服店という店がある。
先代の赤間雄一郎は既に亡く、店は先代の妻・登紀子と先代の忘れ形見によって切り盛りされていた。
先代には息子が3人、長男の雄樹、次男の宏樹、三男の智樹である。
中でも、智樹は非常に優秀らしい。
そんな中、赤間呉服店専務の渋谷洋三郎が殺害された。
次いで、その恋人である河本沙織も殺害されてしまう。
寿司店店主の証言により、渋谷と河本が「ヨシズは儲かる」と口にしていたことが判明。
三田村課長は「葭簀の業者」が関連していると考え、この捜査を結たちに命じる。
そんな結のもとへ、何者かから「牛の身代わり」という不可解なメッセージが届く。
結は大学時代の恩師・北山丈晴に協力を求める。
丈晴は赤間雄一郎と愛人関係にあった園田圭子が過去に「常盤」と呼ばれていたこと。
「赤間」が平家縁であること。
「ヨシズ」が「葭簀」ではなく「義経」の聞き間違いぽいこと。
これらから、丈晴は大家の宇田川らと共に「今若、乙若、牛若」のエピソードに注目する。
実は、殺された渋谷は「義経(幼名・牛若)が平清盛と常盤御前の隠し子である」という異説の熱烈な信奉者であった。
つまり、「雄樹、宏樹、智樹」を「今若、乙若、牛若」でなぞらえ、「牛が身代わり」だとした上で、「義経(幼名・牛若)が平清盛と常盤御前の隠し子である」とすれば、「智樹が圭子の実子ではないか」と考えたのだ。
此処からメッセージの送り主を登紀子だと考えた丈晴は、この事実を確認することに成功する。
登紀子は実子である雄樹、宏樹よりも優れた智樹を内心、疎んじていたのである。
もしも、渋谷と沙織がこの事実により脅迫していたとしたら……。
矢先、圭子が渋谷たちを殺害したと自首して来る。
どうやら、脅迫されていたことは間違いないらしい。
これを聞いた丈晴は智樹のもとへ。
真犯人は智樹であった。
母である圭子へ愛情を抱いていた智樹。
そんな圭子が自身のことで渋谷に脅迫されていることを知り、これを殺害したのだ。
その後、さらに脅迫して来た沙織をも殺害したのである。
雨の日に圭子と別れた智樹。
歌川国芳の絵の複製に雨が描かれていたことが決め手となった。
こうして事件は解決したのであった―――エンド。
<感想>
「京都殺人授業」シリーズ第1弾。
オリジナルです、原作はありません。
では、ドラマの感想をば。
どう言えばいいのかなぁ……言葉に困る作品。
少なくとも2時間ドラマにする必要は無かったかな。
展開や構成、手法含めて1時間ドラマのものだし。
どちらかと言えば、製作スタッフさんも同じだし「京都迷宮案内で使えなかったネタを此処で用いたのかな」との印象。
1時間ドラマなら特に感じない粗も2時間に引き延ばしたことで見えて来ちゃうし。
強引になぞらえるのは本作の味として仕方が無いとは言え、「ヨシズ」が「ヨシツネ」は流石に聞き間違えのレベルを超えていると思う。
それが分かる丈晴たちも凄いが、わざわざ「牛若」と呼んでいた相手を「義経」と呼び換えた渋谷もなんだか凄い。
それと、登紀子も「牛の身代わり」とか分かりにくいメッセージを送ったのもどうなんだろ。
もっと、分かり易くしないと目的は達せられないだろうに。
そもそも「渋谷が智樹を牛若になぞらえていた」ことを知らないとこの内容は難しいんじゃないかなぁ。
そう言えば、渋谷たちが「智樹が実子ではないこと」を理由に脅迫を繰り返していましたが、その事実がそれほど重要だったかが疑問。
赤間家内では周知の事実だったワケだし、智樹自身は間違いなく先代の血を継いでいるワケだし。
長男だったら影響が……とも思うが、三男だし。
もし暴露されたとして、どれだけの影響があったのか。
それとこのドラマに限っては、丈晴の当て馬役になる筈の三田村課長の方が「葭簀」の件があったとしても、常識的な人に見える不思議……。
本作に限っては、人により好き嫌いが分かれそうかな。
個人的には「良いところもある」ので、どちらとも言えない感じです。
<キャスト>
北山 丈晴:橋爪功
○
渡辺 結:京野ことみ
○
早川 南:戸田恵子
○
宇田川粂吉:北村総一朗
○
三田村裕一:中西良太
坂 航太:瑞木健太郎
○
園田圭子:藤真利子
○
赤間智樹:本田大輔
赤間登紀子:立石凉子
赤間雄樹:吉見一豊
赤間宏樹:石井英明
○
薬王寺菊馬:谷口高史
武藤好美:大門真紀
渋谷洋三郎:上杉祥三
河本沙織:遊井亮子 ほか
(順不同、敬称略、公式HPより)
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こんにちわ♪
ちょっと感じたことを長々と書きます。
>「京都迷宮案内で使えなかったネタを此処で用いたのかな」
橋爪さんと北村さんが同じ画面に映った瞬間に同じことを思いました=3
大河ドラマの『平清盛』が終わって間もないから義経とか常磐御前の名前が出てきても違和感なく見ていられましたが、そうでなければ、歴史好き以外の人たちには「???」なネタであったような気がします。(個人的には歴史好きなので気象歴史学にも大変興味がありますが。笑)
いやぁ〜あきらかに藤真利子さんが何らかのキーパソンであるのは、他の出演者と比べても明らかでしたし、3兄弟を演じた俳優さんも、もう少し有名でないと見ていて入り込めない気がしました。
見ていて疑問が残ったのは、三男坊が上の2人にいじめられて実の母である藤真利子さんに「お母さん…」と助けを求めていましたが、三男坊はいつ赤間家に入ったのか?
私は産まれてすぐに藤真利子さんから取り上げて赤間家に入ったと思っていたので、物心ついて間もない少年が藤真利子さんを「お母さん」だと分かったのかが、どうにも納得がいきません。
しかも育ての母は三男坊を溺愛していたのも、ちょっと…他の2時間ドラマだと、愛されていないパターンですよ…
正直、戸田恵子さんと京野ことみさんはちょっとこの作品には合っていないかな?とも思ったり…(特に戸田さん)
こんばんわ!!
管理人の“俺”です(^O^)/!!
やっぱり、「京都迷宮案内」を思い出しますよね。
舞台も同じ京都だし。
1時間モノの連続ドラマにした方が良かった気もします。
藤さんがキーパーソンであることが示されている点も「京都迷宮案内」ぽかったかな。
仰る通り、源平が用いられていたのは大河ドラマを狙っての事のような気もしますね。
本当はもう少し早く放送するつもりだったのかも。
そして、幾つか疑問が残されていたり。
サブタイトルが「第一講座」なので、たぶん「第二講座」もある筈。
次回に期待したいところですね(^O^)/!!