<31話あらすじ>
〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜〜〜
エル文化大学に通う女子大生・原田愛理はシャーロッキアン。
同じくシャーロッキアン(ホームズ譚の実在を信じる熱狂的なファン)である車教授と親交を結ぶことに。
ここから愛理の見つけて来た謎に車が挑むとの名コンビが結成された。
やがて、愛理と車教授の間には愛が芽生える。
だが、車は亡き妻を想うばかりに素直になれない。
そんな中、愛理が病気の為に倒れてしまう。
此処に至り、車は愛理への気持ちを告白。
2人は相思相愛の仲になるのであった。
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・前回のあらすじはこちら。
「シャーロッキアン!」第30話「追跡!ビートンのクリスマス年鑑(前編)」(池田邦彦著、双葉社刊「漫画アクション」連載)ネタバレ批評(レビュー)
車教授の誕生日プレゼントとして、団長と愛理が購入した『ビートンのクリスマス年鑑 1887』は本物であった。
つまり、愛理たちは1200万円もする本を2万円で購入したことになる。
大喜びする団長たち。
愛理も、車教授の笑顔を想像しニヤケ顔だ。
日が替わり、昨日の出来事を思い出し未だにニヤつく愛理。
まるで『ボール箱』で描かれた「ホームズが名器ストラディバリウスを手に入れた」エピソードのようだ。
ホームズは500ギニーはするその品を質屋が価値を知らなかった為に55シリングで購入したのだ。
そんな想いが口をついて出たのだろうか、これを聞きつけた車教授は「あれはホームズらしからぬエピソードだね」と感想を口にする。
相手に漬け込むような遣り口は紳士らしくないとの主張である。
この車教授の言葉に衝撃を受ける愛理。
奇しくも同じことを自分たちはしてしまったのだ。
悩んだ末に愛理は今回の行為を「卑劣な振る舞い」と判断、団長にも再考するよう持ちかける。
当初こそ、反発する団長だったが、愛理の判断が正しいことを認めざるを得なかった……。
こうして、元の持ち主に事情を説明し『ビートンのクリスマス年鑑 1887』を返却しようとする愛理たち。
ところが、持ち主である森崎は引越ししてしまい行方が掴めなくなっていた。
だからこそ、『ビートンのクリスマス年鑑 1887』を手放したのだろう。
返すに返せなくなった団長。
もはや、恥ずべき行いを改める方法もない。
追い詰められた団長は恥じ入る余りBSIの解散まで口にし始める。
団長の後悔を感じ取った愛理は、こういうときこそと車教授に相談することに。
事情を聞かされた車教授。
団長たちが持つ『ビートンのクリスマス年鑑 1887』を見て何やら考え込むが、持ち主の森崎捜しに協力を申し出る。
森崎は業者を介さず、自身の車を用い引っ越ししていた。
これが何かの手掛かりになるのではないか。
立ち上がる車教授と愛理、そしてBSIのメンバーたち。
さながらその姿は本物のホームズとBSIを髣髴とさせるものであった―――後編(32話)へ続く。
<感想>
シャーロッキアンの意外な真実を縦軸に、車教授と愛理の関係を横軸に置いた作品「シャーロッキアン!」が堂々の完結から半年ほどで帰還となりました。
そして、新シーズン第4話は前中後編の「追跡!ビートンのクリスマス年鑑」。
今回はその中編です。
やっぱり、「シャーロッキアン!」はイイですね。
てっきり、『年鑑』の真偽こそが重要視されると思いきや、むしろその入手方法の問題点を重要視し返却しようとするとは……予測がつきませんでした。
でも、誇りや正当な手段に拘る点は好感が抱けてアリです。
おそらく、次回は車を手掛かりに森崎の行方を掴むことになりそうかな。
一方で、あの『ビートンのクリスマス年鑑 1887』については偽物としか思えない。
車はそれを知りつつ、団長たちの高潔であろうとする精神に敬意を表しての行動と思われますが如何に。
後編に要注目です!!
◆関連過去記事
・1話から27話までのまとめです。
「シャーロッキアン!」(池田邦彦著、双葉社刊「漫画アクション」連載)まとめ
・「シャーロッキアン!」第28話「カレーの問題(前編)」(池田邦彦著、双葉社刊「漫画アクション」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「シャーロッキアン!」第29話「カレーの問題(後編)」(池田邦彦著、双葉社刊「漫画アクション」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「シャーロッキアン!」第30話「追跡!ビートンのクリスマス年鑑(前編)」(池田邦彦著、双葉社刊「漫画アクション」連載)ネタバレ批評(レビュー)
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