2013年02月06日

「三億円事件奇譚 モンタージュ」第112話(講談社ヤングマガジン連載中)ネタバレ批評(レビュー)

「三億円事件奇譚 モンタージュ」第112話(講談社ヤングマガジン連載中)ネタバレ批評(レビュー)です!!

三億円事件奇譚 モンタージュ1


登場人物一覧は本記事下部に移動しました。

<第112話あらすじ>

〜〜前回までのあらすじ〜〜〜〜〜〜〜〜

沖縄へと到着した大和たちは、響子と出会うことに成功。
さらに鉄也が沖縄に居たとの情報が……。

同じ頃、鈴木の義父は「鈴本」を名乗り、響子たちに接近。
関口二郎とその双子の兄・欽一は水原と夏美の排除を決意する!!
そして、泰成は関口弘美に接触、情報を得ていた。

そんな中、正体を現した鈴本に未来が人質にされてしまう。
さらには、真玉橋までが乗り出して来る。

響子の助力もあり、辛くも虎口を脱した大和たち。
一方、鈴木は天意であろうか、思わぬ形で命を落とす。
そして、ハリーと響子の意外な関係が明かされ、竜の死についても……。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

1968年12月22日、三億円事件から10日後である。
とある喫茶店に川崎雄大の姿があった。

そんな雄大の前に待ち合わせの相手が現れた。
若き日のハリーとその父であるジョージ・スタンレーだ。

何か思い詰めた様子の雄大は、彼らに火葬の準備を依頼。
さらに、須黒の居所を調べるよう頼み込む。

報酬は当時の100万円―――大金である。
だが、火葬の準備はともかく須黒については難色を示すジョージ。
そんなジョージに血塗れの100万円をさらに差し出す雄大。
何かが起こったことは間違いない。
そして、雄大には退くことが許されていないのだ……。

この覚悟に怯んだジョージは雄大の依頼を引き受ける。
一方、ハリーは響子が気にかかり、ジョージの忠告を無視し雄大を尾行することに。

ある家に向かった雄大。
入替りに医者らしき人物が出て来る。
何かを尋ねる雄大に、医者は首を左右に振り不可能の意志を示している。
一体、何が!?

医者は去り、屋内へと消えた雄大を追うハリー。
庭へ回り込むと、陰から中を覗き込む―――其処には!!

中には顔まで包帯で覆われた男が横たわっていた。
男は衰弱しきった身体を小刻みに震わせている。
そんな男に近付く雄大。
男の正体はあの望月竜なのか―――113話に続く。

<感想>


包帯男・望月竜!?


沖縄篇第35回兼ハリー回想編第2回。

何とも複雑怪奇な情勢になってきた模様。
竜の死自体にも疑問が、これは確定するまで保留した方が良いかも。

作中では三億円事件発生から12日経過しており、あの仲間割れと思われる銃撃戦後と思われます。
此処で雄大は2つの依頼をジョージに行いました。

1つ、誰かを火葬にしたいこと。
2つ、須黒の行方を知りたいこと。

これを額面通りに受け取ると―――

1つ目は銃撃戦の被害者を荼毘に伏したいとの現れ。
2つ目はこの被害者の復讐を須黒に対して行いたいとの現れか。

つまり、須黒とその仲間が雄大たちに対して発砲を行ったものと思われます。
現状だと、須黒と沢田が発砲した側であり、発砲された側は雄大と竜と考えられます。
横溝は須黒、沢田側に与したのでしょう。
響子は此の事情を知らなかった。

撃たれた被害者は雄大がピンピンしているので竜と思われる。
とすると、包帯男はやはり竜か。
で、医者が首を横に振っていたことから、竜は助からない。
そこで竜の遺体を荼毘に伏そうと雄大が考えているものか。
一方で、事の加害者である須黒に復讐するつもりなのでしょう。
おそらく、これにより須黒は落命した。
だから、須黒は現代編で登場しない。

その後、雄大は鳴海鉄也として生きたものと思われる。
そして、今また雄大に戻っているのだろう。

これが112話を読んだ限りの結論と言える。
だが、こうなると疑問が幾つか生じる。

まず、何故須黒に復讐しながらも沢田へは復讐しなかったのか?
次に、ハリーが目にした瀕死の竜だが、顔まで包帯を巻いているのは何故か?
そして、血塗れの500円札が重大な意味を持つのは何故か?

此処からは妄想込みの仮説を述べる。
あくまで、珍説、奇説の類であり、根拠はほとんどない。
それを了承の上で、先に進まれたい。

以前から入れ替わり説を主張し続けている。
今回はこれを活かし上記の疑問の解を求めたい。

まず、本当に撃たれたのは竜だったのだろうか、別人だったのではないだろうか?
撃たれたのが竜だとして、傷口だけでなく顔に包帯を巻くのは不自然。
あれは火傷の傷の場合の対処だろう、あるいは整形した場合だ。
だとすると……竜は整形した!?

もしも、竜が整形したとすれば別人に成りすまし生きる為と思われる。
雄大は竜を守る為に、死亡を偽装しようとしているのか?

死を偽装するにも死体が必要だ。
さらに、発砲自体は実際に起こっている出来事。
では、誰が射殺されたのか?

雄大は違う、竜も違う、須黒も違う、横溝も違う。
となると、残るは沢田だ。
被害者は沢田なのではないか?

現在編の立ち位置から須黒側と思われていた沢田だが、これは事実だろうか?
あれは別人が成り済ましている可能性はないだろうか?

もともと、雄大は和子を失い暗黒面にあった。
其処で三億円事件に参加したと思われるワケだが、その動機が判然としていない。
そして、事件参加後に雄大が存命していたとすると、彼は何処で何をしていたのか?

これまでは鳴海鉄也が雄大の変わり身だと思われていた。
だが、此処に来て竜もまた整形している可能性が浮上した。
だとすると、鉄也が響子の近くにまで現れていた点や、指輪まで地蔵に埋めたことを考えると鉄也こそが竜である可能性もある。
もっとも、遺骨と指輪をセットとしたことがネックとはなるが……。

仮に鉄也=竜だとすると、雄大が余る。
この説では沢田の枠が空くので、其処に雄大が収まることになるだろう。
和子を失い暗黒面にあった雄大は、沢田に成り代わり権力を欲した。
どうだろう―――なんとなくありそうな気がしないだろうか。

この場合、あの500円札の意味合いは大きくなる。
被害者である本物の沢田のDNAが付着しているからだ。
つまり、あの札こそが沢田が既に死亡していることの証拠となる。

一応、上記3つの疑問を潰すことは出来た。
だけど、かなり無理があるなぁ……。
自分で主張しておいて何だが、ゴメン、これは無さそう。

特に旧500円札が重要視されている理由は「沢田の指紋が付着している」からだと思うし。
紙幣から指紋が検出されることで三億円事件に関わっていたことが露見することを沢田は恐れているのだろうし(紙幣ナンバーが控えられており、事件の紙幣と特定できる為)。
竜の遺骨でもない限り指輪と共に埋める必要が無いし。

次回以降の展開にもよるが、現状では先述した通りに受け取っても大丈夫な気はする。
ただし、竜が顔にまで包帯を巻いていた理由は要注意と言えよう。
此処からは前回感想より必要部分を抜粋したもの。
111話の感想を読んでいる人は特に追記は無いのでご安心を。

竜死亡を受けて、これまでの雄大関連の流れを推測と共にまとめてみよう。

雄大は和子を亡くしショックを受けていたところ、沢田に誘われ事件に竜と共に参加。
ところが、沢田は須黒と組んでローラー作戦とそれに伴う利益を得ていた。
雄大と竜は利用されていた。
沢田たちの真の目的を知った雄大たちは激怒するも、口封じされそうになり、竜が殺害される。
雄大は地下に潜むことに。
追われる立場の雄大は鳴海鉄也と名を変え整形し、響子の近くに姿を現し見守りつつ竜を地蔵に弔った。
響子の安全が確保されていることを確認した雄大は、誰かとの間に大和を設ける?
その一方で、自身と和子の子・武雄を追い、これへ接近し親しくなる。
だが、何らかの事情(病気?正体がバレた?)で雄大に戻る必要が出来、死亡した振りをすることに。
その後、沢田と暗闘を繰り広げていた?

1つ気にかかっているのは、武雄と葉子の出会い。
そんな都合よく関係者の子供同士が出会うものだろうか?
誰かの作為があったのか―――これも気になる。

ちなみに、手帳から北海道という地名が出たことで次の舞台は沖縄から北海道に移動か?
本州には水原と夏美たちが居るし。
とはいえ、水原と夏美には関口兄弟の手が迫っており危機的状況だが……。

さて、112話となっているモンタージュ。
此処で一度、雄大や鉄也の謎あたりについての推論をまとめておこうと思います。
ただ、過去にも同様のことをしながら、割とブレた記憶もあるので、あくまで管理人の予想ということで。

とりあえず、今のところ。

鳴海鉄也が整形した川崎雄大かなぁ……。
年齢の差については戸籍を借りた際に詐称したことも考えられるし。
これで、関口の「今度はその顔」発言や、東海林の「3億円事件の犯人の息子」発言、響子の「鳴海鉄也は3億円事件の犯人ではない」発言との整合性もとれるか。

次に、武雄が施設出身と判明したことから、雄大と和子の子供は彼ではなかろうか。
鉄也が近付いたのもこのため?
ただ、武雄は事情を最近まで知らされていなかったと思われる。

そして、葉子が関口弘美の言う「ヨウちゃん」だとすれば、彼女の娘の可能性が高い。
葉子自身が施設出身との事実も、この推理を支持するだろう。
だとすれば、葉子は沢田と関口弘美の娘の可能性も……。

となると、自動的に未来の出自は当事者同然の立場になる。

で、大和はこれまでの爪を噛む描写から、雄大の血を引いていることが示唆されているので、鉄也の子で正解か。
こうなると、母親が気になる……。

ちなみに、沢田と雄大は過去に軍艦島で凄惨な体験をしている模様。

こんなところか。
ただ、この前提は現代編で登場した雄大が本物であるとの前提に基づいているので、其処が違ってくるとご破算です……。
結局、はっきりしたことはまだ分からないか。
ただひとつ、今後重要となりそうなのは鳴海鉄也の正体と、大和の母。
此処がポイントとなりそうな気がします。

変わって、現在の勢力図はこんな感じ!?

@大和たち(水原含む)
A沢田たち(関口兄弟)
B雄大一派(雄大死亡!?)
C泰成一派(仲間は居るのか?)
D真玉橋(島袋も?)

Aの沢田たちも関口兄弟と沢田の間には含みがある様子。

以上のように争いは3つ巴から5つ巴に。
更なる激化は間違いないか?

とりあえず、今回はここまで。
逃亡し続ける大和と未来の明日はどっちだ!!
113話に期待です!!

ちなみに、2012年12月に「三億円事件奇譚 モンタージュ」最新第10巻が発売予定。
購入希望者は本記事下部のアマゾンさんリンクから是非!!

◆関連過去記事
「ヤングマガジン27号」(講談社刊)より「三億円事件奇譚 モンタージュ」連載開始!!

「三億円事件奇譚 モンタージュ」第1話から第110話(講談社ヤングマガジン連載中)までネタバレ批評(レビュー)まとめ

「三億円事件奇譚 モンタージュ」第111話(講談社ヤングマガジン連載中)ネタバレ批評(レビュー)

◆登場人物一覧

【現代】

鳴海大和:主人公、三億円事件の犯人の息子と呼ばれるが……
小田切未来:大和の幼馴染み、両親の行方不明後は大和と共に逃亡中

鳴海鉄也:大和の父、五つの首(首、手首、足首)を失くした遺体で発見されるが……
小田切武雄:未来の父、突然姿を消した。関口が行方を知っているらしい……。
小田切葉子:未来の母、突然姿を消した。関口が行方を知っているらしい……。

鈴木泰成:未来の両親の後輩、要所要所にて不穏な動きを見せていたが……。104話にて横溝保の息子と判明。
水原:福岡県警所属の巡査。上司曰く「検挙率100%男」。15話より登場。
夏美:泰成の塾の教え子。大和に一目ぼれする。14話より登場。

土門:過去編の土門その人。足を洗い東海林とは友情を築いていた。47話時点では既に死亡している、病死らしい。享年70歳。
土門あきら:46話で登場した土門の孫娘。未来より1つ年下の17歳。

響子:現代編の響子。沖縄にてバーを経営していた。80話より登場。
キャサリン:響子が経営するバーの女給。81話より登場。

ハリー・スタンレー:元海兵の幹部。現在ではヘリコプター会社を営む。95話より登場。
ケニー:現役の海兵。キャサリンに想いを寄せる。

関口二郎:元祖悪徳警官、眼鏡の男の命令に従い大和と未来を追う。
眼鏡男:関口に指示を与えている男、どうも謎の男と同一人物らしい(42話)。88話にて関口の双子の兄・欽一と判明。

沢田幹事長:19話で登場、謎の男を従えているが……。
謎の男:シルエットのみ登場した沢田の腹心。関口に指示を与える人物と同一人物らしい(42話)。88話にて関口の双子の兄・欽一と判明。

松葉杖の男:30話で登場、小田切家を訪ねたシルエットの人物。48話で川崎雄大と判明。

朝霧:46話で登場、沢田の部下らしい。45話で石川を殺害したのは彼。64話で関口に殺害される。

小柳翔太:61話で登場、負傷した大和と水原を助けた。以後、大和と行動を共にする。
茜:61話で名前のみ登場、翔太の彼女で社会人らしい。69話で大和たちを匿う。

真玉橋:ホスト風の男性だが実は警部だった。フェリーにて大和たちと乗り合わせる。
鈴木:泰成の義父。どうにも行動が腹黒い男。105話で死亡する。
関口弘美:沢田と親しいらしい関口兄弟の養母。過去編で沢田が出入りしていた風俗店の店員か?
島袋:沖縄編で登場した刑事。真玉橋の部下。

森田:1話にて関口と共に現われた捜査員。以降、本編に出番なし。
血塗れの男性:元刑事、1話にて殺害される。これは関口の犯行だった。実は過去篇の東海林。
ボート小屋のオヤジ:軍艦島付近でボート小屋を営んでいた。6話で関口に殺害され、この殺人容疑が大和と未来にかかっている。
土居:18話に登場。ミステリ作家兼コメンテーター。三億円を信じていなかった。
島田:5話より登場。関口の部下だったが、19話で失態を犯し関口に処刑された。
夏美の母:関口と男女の関係にある。
水原の祖母:44話より登場。その自宅は東京での大和たちの活動拠点となっている。
石川:東海林の同僚、45話にて登場。同話にて朝霧に口封じされてしまう。
東海林の息子:45話にて登場。東海林の一人息子だが東海林とは折り合いが悪かったらしい。
高野:65話で登場。関口に協力し証拠を隠滅した。69話で関口に殺害される。

【三億円事件当時】

川崎雄大:22話より登場。三億円事件では白バイ警官役を演じたらしい。和子との間に一子をもうける。
望月竜:23話(22話は名前のみ)より登場。雄大と共に三億円事件を実行した。
響子ギブソン:竜の恋人。竜と共に土門への対策を練っていた。
土門:地元の顔役(地廻り)。竜と対立するが……
東海林:25話にて登場。土門を追う刑事。雄大の機智に興味を持っていた。後に1話で殺害された老刑事が彼と判明(37話)。
沢田慎之介:26話より登場。竜の顔馴染み&雄大の友人、日本の行く末を憂慮していた。28話にて後の幹事長と判明。
横溝:26話より登場。竜の後輩。
和子:27話より登場。雄大と交際中の女性。雄大との子供を妊娠するも事故死。
和子の子供:28話に登場。雄大と和子の子供。未熟児で生まれた。現代篇の誰になるのか?

健:真理のヒモ、関口兄弟を虐待する。後に関口兄弟に殺害される。89話より登場。
真理:関口兄弟を拾った人物、健の恋人。健同様、関口兄弟に殺害される。89話より登場。

須黒:当時の公安課刑事。強引ながらもかなりのやり手。108話より登場。

ジョージ・スタンレー:ハリーの父。裏社会と繋がり暗躍していたらしい。107話より登場。
ハリー・スタンレー:若かりし日のハリー。当時から響子を知っていた。

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