ネタバレあります、注意!!
第26話登場人物一覧:
マーニー:主人公にして名探偵。本名は真音(マリオン)。
ロイド(パパ):ロイド探偵事務所所長にしてマーニーの保護者。元刑事らしい(3話)。
エリオット:マーニーの愛猫。
若島津ゆりか:マーニーの友人。4話、5話、9話、10話、14話、16話、23話、24話、25話、26話に登場。
前花:マーニーの友人。オカルトに造詣が深いらしい。前回に引き続き登場。
枯野:一見、そうは見えないが天才少年らしい。彼がどう事件に関わるのか?26話に登場。
3人組:マーニーのファンたち。探偵団を結成しようとするが……。26話に登場。
古書泥棒:2人組、リーダー格は「LUCK」と指に刺青している。
毛利刑事:ロイドの後輩刑事。3話、18話、24話、26話(名前だけ)で登場。
これまでの登場人物については過去記事リンクの後に記載しています。
<ネタバレあらすじ>
図書委員である前花の依頼を引き受けたマーニー。
なんでも、図書室から稀覯本などが盗み出されているらしい。
その犯人を突き止め、捕まえて欲しいとのものである。
早速、行動に移ったマーニーは、まず聞き込み調査を開始。
其処で眼鏡をかけた冴えない男子と出会う。
彼は何事かをブツブツと呟くだけで聞き取れない。
やがて、一方的に話を打ち切るといずこかへと去ってしまった。
何が何やら分からないマーニーに、ゆりかが男の正体を教える。
男の名は枯野、かつて豊富な知識、堪能な語学などをもって天才と呼ばれていた人物らしい。
今となっては垢抜けない男子生徒の1人だが……。
その後もマーニーの調査は続く。
だが、ネット上の好事家の間でも盗まれた稀覯本についての情報はなく、特に出回っている様子もない。
専門知識が必要となるこの調査に、マーニーは大苦戦してしまう。
そんなマーニーの様子を影から眺める3人組の男たちの姿があった。
彼らはマーニーのファン。
お近付きになろうと、探偵団と称してマーニーに協力を申し出るが……。
よく分からない人物から急に協力を提案されても困惑するだけである。
特に、男たちから如何にもな下心を感じたマーニーはこの提案を拒否する。
憮然とする3人組。
一方で、男たちの提案から誰かの助けを得ることに気付いたマーニーは枯野を選ぶ。
枯野は第一印象に反し、知性的で実務家であった。
盗まれた稀覯本のリストから、知る範囲で界隈に出回っているものを抜粋すると、それらがネット上で調べられないように偽装されていることを助言。
この犯行には価値を知る目利きが必要だが、指示だけならば外部からでも可能であること、実際の盗難に関しては内部の素人でも可能だろうと予測をつける。
さらに対策として防犯タグの取りつけの提案にまで及ぶ。
原因から対策まで通じた見事な助言であった。
感心するマーニーだが、タグの取り付けには予算が足りない。
そこでマーニー流で対応することに。
前花の協力を得て、ビデオカメラを設置したのだ。
一方、この様子を陰から3人組が覗き込んでいた。
俺たちのマーニーちゃんが、あんな冴えない奴に助言を……と憤った3人組は枯野のあらぬ噂を立て始める。
曰く「枯野は気持ち悪い」。
曰く「枯野は痴漢である」。
こうして、学内全体に枯野に対する批判的な空気を築き上げた彼らは枯野を虐めることに。
そうとは知らないマーニー。
枯野の助言も手伝って、盗難の実行犯を捕まえることに成功する。
やはり、素人の男子学生であった。
「背取り」により、背表紙を撮影し画像を目利きに確認してもらい盗み出す本を決めていたらしい。
犯人は生徒会に拘束されることに。
こうして、事件は落着したかに思えたが……。
この状況に怒りを覚える人物が居た。
男子学生を操って稀覯本を手に入れていた犯人グループである。
「LUCK」と指に刺青したリーダーは、商売を邪魔された復讐を計画。
マーニーの学校に虐待され獰猛になった犬を放つ。
犬は大暴れ、あちこちで悲鳴が上がる中、あの3人組もその牙にかかりそうに……。
と、其処へ現れたのは枯野。
枯野は犬が虐待を受け凶暴になっていると看破。
もともとは大人しい犬種であると察すると、これに近付く。
「君は虐待されていたんだね。
もう大丈夫だよ、こんなことしなくても君は美しいんだ。
人と獣を分けるのは何だか分かるかい?理性なんだよ。
理性こそが大切なんだ!!」
と、説得し大人しくさせてしまう。
「人と獣を分けるのは理性であり、それが何よりも大切だ」
この枯野の言葉に自身の行いを恥じた3人組は泣き崩れて謝罪する。
事の顛末を眺めていたマーニー。
その手には通話中の携帯電話が握られていた。
相手は毛利刑事。
マーニーは「古書窃盗犯一味をビデオに撮影したので、それをもとに逮捕して欲しい」と依頼していたのである。
なんでも、前花が誤って屋外へ向けてカメラを仕掛けたことが思わぬ映像を撮影したようだ。
電話の向こうではマーニーの活躍を労う声。
だが、マーニーは今回の事件解決には自分が何ら寄与しておらず、1人の天才がすべてを解決したと称賛するのであった―――エンド。
<感想>
「フランケン・ふらん」で知られる木々津克久先生が、2010年の「ヘレンesp」以来2年ぶりとなる「週刊少年チャンピオン」本誌への連載を開始されました!!
連載作品のタイトルは「名探偵マーニー」。
コミックス1巻も発売中です!!
2巻も3月発売予定!!
今回はその第26話「枯野」です。
まさに才人であった枯野。
彼の行動の発端は、マーニーや3人組を助けたときのように情に基づいています。
ですが、その手段は彼が所有する膨大な知識を活かしたものでありました。
学園にまたも侮れぬ人物が1人、登場したと言えるでしょう。
「能ある鷹は爪を隠す」と「嚢中の錐」ですね。
実力者は「能力を見せびらかさない」、その必要が無いから。
そして「本当に能力のあるものは見せびらかさなくても、自然と現れる」。
「枯野に華を咲かせた」と、欄外のコメントも奮ってました。
面白かった!!
3人組も猛犬を通じて「自身が理性を欠き、利己的になっていた」ことを諭されました。
此処も良かった。
前花さんの意外な活躍ぶりも痛快でしたね。
きちんと登場したキャラを活かしきっているあたり、マーニーはやっぱりイイ!!
次回も期待です!!
ちなみに、上にもある通りマーニーのコミックス1巻の発売中。
2巻も3月に発売予定とのこと。
これでいつでもマーニーの活躍を読むことが出来ます。
興味のある方は本記事下部アマゾンさんリンクよりどうぞ!!
木々津克久先生といえば「フランケン・ふらん―OCTOPUS―」が『拡張幻想 年刊日本SF傑作選』(大森望・日下三蔵編、東京創元社刊)に掲載されています。
こちらも注目。
・木々津克久先生が「週刊少年チャンピオン」本誌に帰還する!!2012年8月16日より探偵物語「名探偵マーニー」連載開始!!
さて、作者である木々津克久先生と言えば、管理人にとっては「週刊少年チャンピオン」本誌での「ヘレンesp」の作家さんとのイメージ。
「ヘレンesp」は、盲目のヘレンがその特別な力(ESP能力)を駆使し、愛犬や叔父さんたちに見守られながら同年代の友人や幽霊など様々なものと交流する物語。
衝突したり理解し合えなかったりと苦難がヘレンを襲うものの、その都度ヘレンの純粋な心で相手に向き合い相手との心の壁を乗り越えていくさまは、心に響きました。
確かにあらすじだけ聞くとよくある展開かと思うものの、本作は不思議な“熱”と“説得力”を持っており、透明感のある淡い絵柄も加え、なかなかの名作といえるでしょう。
既に連載自体は終了していますが、こちらもオススメです。
◆「名探偵マーニー」関連過去記事
・「名探偵マーニー」第1話から20話まで(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)まとめ
・名探偵マーニー」第21話「ラッキーバード」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「名探偵マーニー」第22話「ニセモノ」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「名探偵マーニー」第23話「ゲーマー」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「名探偵マーニー」第24話「彼と彼女の事情」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「名探偵マーニー」第25話「事故物件」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
◆関連過去記事
・「フランケン・ふらん 最終話(最終回) Dream」ネタバレ批評(レビュー)
・「フランケン・ふらん 59話 BestFriend」ネタバレ批評(レビュー)
・「Phase20」(木々津克久作、「チャンピオンRED 2012年1月号」掲載)ネタバレ批評(レビュー)
・「鋏女(チャンピオンRED 5月号掲載)」ネタバレ批評(レビュー)
・「ヴァンパイア・アナライズ (チャンピオンRED 7月号掲載)」(木々津克久著、秋田書店刊)ネタバレ批評(レビュー)
これまでの登場人物一覧:
【ロイド探偵社】
マーニー:主人公にして名探偵。本名は真音(マリオン)。
ロイド(パパ):ロイド探偵事務所所長にしてマーニーの保護者。元刑事らしい(3話)。
母親:マーニーの母親、不在。事情があるらしい(1話)。
エリオット:マーニーの愛猫。
【学校関係者】
若島津ゆりか:マーニーの友人。4話、5話、9話、10話、14話、16話、23話、24話、25話、26話に登場。
前花:マーニーの友人。オカルトに造詣が深いらしい。
那智先輩:学校のヒーロー。2話、4話、16話で登場。
白鳥:マーニーの先輩、白鳥財閥の令嬢。1話、7話、13話、16話、19話、21話で登場。
累:白鳥の友人。1話、22話にて登場。
香坂:生徒会書記、2年生。7話で登場。
宮島小百合:マーニーの学校に勤務する教師。10話、15話、21話に登場。
鈴村蝶子:カーディガンズの1人。12話で登場。
黒屋明彦:雪彦の双子の兄、社交的。13話に登場。
黒屋雪彦:明彦の双子の弟、内向的。13話、20話、25話(25話は名前だけ)に登場。
露島:新聞部部長。自腹でニュースサイトを運営し多大な影響力を持つ。16話に登場。
吉沢:新聞部員の1人。16話に登場。
舞城天:マーニーと同じ学校の生徒。17話に登場。
マキちゃん:本名は真希田、マーニーの級友。
波峰りあ:マーニーとゆりかの同級生。巻野という名の幼馴染で年上の彼氏が居るらしいが……24話に登場。
浜沢志乃:マーニーの同級生、不動産を多数所持する。「幽霊マンション」もそのひとつ。25話に登場。
枯野:目立とうとしない天才。マーニーも一目置く。26話に登場。
3人組:マーニーのファンたち。探偵団を結成しようとするが……。26話に登場。
【警察&探偵】
毛利刑事:ロイドの後輩刑事。3話、18話、24話で登場。
武頼:ロイドの先輩。22話にて登場。
【再登場しそうなゲスト】
亜羽:ロイドの過去の依頼人。3話で登場。
片岡:ある特異な趣味を持った大学生。4話、23話、24話で登場。
村枝紗平:政財界のフィクサー。ロイドによれば「黒い噂」で知られる有名人らしい。8話で登場。
野宮真理:ニュース番組の人気キャスター。9話で登場。
舟木真治:宮島の初恋の相手、10話、21話(名前のみ)に登場。
光輪:往年のヒーロー「ブリット」を演じた俳優。現在では病を患っている。11話で登場。
鈴村都:蝶子の妹。12話で登場。
マックス鞠野:高名なマジシャン。効果を最大限に発揮するマジックがモットー。18話より登場。
真希田流:マキの姉。18話より登場。
玄武:大学生。日本有数のセレブで白鳥の知人。19話より登場。
宝蔵院はるか:大学生。玄武のフィアンセ。玄武同様にセレブ。19話より登場。
市長:マーニーとロイドが暮らす地域の市長。20話より登場。
阿刀孟:世界的に著名なアニメクリエーター。20話より登場。
瀬尾俊幸:阿刀のマネージメントを担当していたスタッフ。20話より登場。
ラッキー:白鳥が保護した「首なし鶏」。21話に登場。
君津和臣:化粧品メーカーの重役。今回の依頼人。22話にて登場。
日出有吉:木ノ崎順也の功績はこの人物の物であった。22話にて登場。
武藤遊助:片岡のいとこ。国公立トップである東都大学のエリート学生。23話で登場。
【その他ゲスト】
西郷:那智の親友。2話で登場。
徳吉すばる:亜羽の同僚。3話で登場。
望月楓:ラクロス部のイケメン。6話で登場。
謎の女性:望月の周辺に現れた謎の女性。6話で登場。
亀井:村枝の文通相手。8話で登場。
安崎良則:映画会社の社長。11話で登場。
安崎みどり:良則の娘。故人。11話で登場。
ゆりかの祖父:幽斉の中学時代の同級生、緊急入院してしまう。14話に登場。
河野幽斉:祖父の中学時代の同級生。同窓会の主催者。14話に登場。
幽斉の妻:幽斉とは犬猿の仲。14話に登場。
甲本:宮島の大学時代の同級生、宮島曰く「オタクっぽい人」。15話にて登場。
相葉:宮島の大学時代の後輩、宮島曰く「他人の恋人を寝盗る男」。15話にて登場。
甲本の元恋人:相葉に殺されかけたが……秘密が!?15話にて登場。
天の大叔父:年嵩の紳士然としたドイツ人。17話に登場。
はるかの母:はるかの母。健康志向であった筈だが……。19話より登場。
木ノ崎順也:『悪意の天国』で知られる往年の名監督。その正体は誰も知らない。
巻野大輝:波峰の彼氏とされる人物、誰も姿を見た者がいない。24話に登場。
古書泥棒:2人組、リーダー格は「LUCK」と指に刺青している。
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