2013年03月18日

「C.M.B. 森羅博物館の事件目録 73話「グラウンド」(「月刊少年マガジン」2013年4月号掲載分)」(加藤元浩著、講談社刊「月刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「C.M.B. 森羅博物館の事件目録 73話「グラウンド」(「月刊少年マガジン」2013年4月号掲載分)」(加藤元浩著、講談社刊「月刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です!!

ネタバレあります、注意!!

<ネタバレあらすじ>

登場人物一覧:
森羅:主人公。C.M.B.の指輪の主。多大な影響力を持つ。
七瀬立樹:森羅のパートナー。身体を動かすことが得意。

八車監督:明友高校野球部監督。
栗林:明友高校野球部のエースピッチャー。
清川:明友高校理事長にして、立樹の母方の祖父。
立樹の父:清川の娘婿。今回、意外な活躍を……。


七瀬湯の朝は早い―――登校前の立樹、その視界に店の前を掃除する父の姿が映る。
道行く人は、そんな父にそれぞれ思い思いに時候の挨拶の言葉をかけていく。

「今日は寒いね〜〜〜」
「今日は暑いね〜〜〜」

相反する感想だが、立樹の父は特に矛盾することなくそれぞれに合せて頷く。
流石は客商売と父の真価を其処に見出す立樹。

事件はその日に起きた。
今日はグラウンドを用いたマラソン大会の日。
生徒たちは森羅と立樹を除いて、同じ思いで結束していた。
すなわち、「面倒くさい。中止になればいいのに」と。

ところが、そんな願いを誰かが聞き入れたのか、グラウンドが水浸しにされる事件が発生。
これでグラウンドが使用不可能になってしまった。
野球部などは朝練が出来なくなった為に、近くの河川敷のグラウンドを借りざるを得なくなったらしい。

野球部にはなんだが……と大喜びする生徒たち。
だが、世の中そんなに甘くない。
グラウンドが駄目でも、町内1周は出来るのだ。
結局、グラウンドよりもハードなマラソンに変更となってしまった。

マラソンが開始され、喜ぶ森羅を他所に不満たらたらの生徒たち。
と、河川敷近くで野球部員がキャッチボールしている光景を目撃する。
レンタルしたグラウンドは使わないのだろうか?

マラソンが終わり放課後。
下校する森羅、立樹たちは先程の野球部員を目撃する。
ところが、彼らは何故か脱兎のごとく逃げ出してしまう。
結局、これを追いかけた立樹により、彼らは捕まってしまうのだが……。

何故、逃げ出したのか疑問に思う立樹。
森羅は「今朝急なことにも関わらず河川敷のグラウンドを使用出来たのは、グラウンドが使えないことを事前に知っており予約していなければ不可能」と発言。
彼らがグラウンド水浸し事件に関係していると断定する。

実はグラウンド水浸しの犯人は彼らであった。
しかも、彼らは既に野球部を退部した身らしい。

何か事情があると察した森羅は彼らの相談を受けることに。
そこで、すべては彼らの意志ではなく、監督である八車の指示であると判明。

明友高校野球部は惜しくもベスト8で敗退し、甲子園出場を逃した。
だが、このエリアには特別枠が存在していた。
「困難な状況下で練習を積みベスト16に入った」と認められれば、この特別枠で出場できる可能性があったのだ。

そこで「グラウンドが使用できず、河川敷まで出かけ練習した」との事実や、「部員自体がギリギリしかいない」との事実の為に、「グラウンドを水浸し」にしたり「部員に自主退部を強制」したのだ。

八車に対し反発のある部員たちだが、エース栗林の実力は本物でこれを甲子園で活躍させる為に涙を呑んでいたのである。
これを聞いた森羅と立樹は、彼らが野球部に戻れるよう一計を案じるのであった。

数日後、碌に整備されても居ない河川敷グラウンドにて練習する野球部の姿。
八車監督はそれを眺めながら「この環境ならば特別枠に選ばれる筈」と内心で笑っていた。
そんな八車の思惑を実現するように、野球部の練習風景を熱心にチェックするサングラスの男が1人。
男は明らかに何かを確認するように、手帳にメモを取ると「ふむふむ」と頷いている。

「特別枠を認定する担当者に違いない」
男に気付いた八車は内心の笑いを堪えつつ、何をしているのか問う。
これに対し男は意外なことを八車に告げた。
男はプロ球団のスカウトマン、新しい指導者として八車を迎えたいと語ったのだ。

特別枠での出場の狙いも、自身の指導力を世の中に認めさせるためであった八車。
これこそ、まさに願ってもないチャンス。
一も二もなく乗り気な八車だが……そんな八車に男は「惜しいなぁ」と洩らす。
整備された練習環境ならばともかく、現状の練習環境では八車の本当の指導力が確認出来ないらしい。
向上された練習環境下での八車の指導力を確認出来れば、球団に推薦し易いのだが……呟く男。
これを聞いた八車は男に対し後日の再訪を依頼しある行動に出る。

学校のグラウンドへの放水を止めた。
退部させた部員たちを呼び戻した。
自腹で練習機器も購入した。
八車はこれまでにないやる気を見せたのだ。
これには野球部員たちも大喜び。

其処へ再訪したサングラス男。
男は八車の指導力が確認出来たと述べるや、結果は後日とその場を去る。
これでプロの監督間違いなし……とほくそ笑む八車。

これこそ、森羅の策であった。
サングラス男の正体は、立樹の父だったのだ。
あとは「球団内で協議にかけたがギリギリで決まらなかった」と電話で断りを入れるだけだったが……。

ところが、野球部員と立樹の父が談笑している姿を八車が目撃。
これに疑問を抱いた八車は、球団本部に問い合わせ男が偽物であることを突き止める。

激怒した八車は野球部員たちを集め、再度の退部を迫る。
其処へ現れたのは森羅と立樹、そしてその父である。

立樹の父を詐欺師と罵る八車。
しかし、清川理事長が登場したことで事態は急変する。
清川は立樹の父を婿であると紹介すると、八車の行為を批難したのだ。

だが、八車は「すべては生徒の責任」と主張。
退部についても自主的なものだと申し開きする。

これに対し、森羅はその言い訳は通用しないと断言。
環境整備の為に大量の部員の再入部を許可した書類がある。
其処に八車のサインがある限り、入退部に関して八車の意志が絡んでいたことは明らかであると主張したのだ。

これに無言で罪を認めた八車。
清川は彼に進退を問うと宣告。
こうして、野球部内の事件は終わりを告げた。

野球部は今日も元気にグラウンドで練習中である―――エンド。

<感想>

「月刊少年マガジン」2013年4月号掲載分「73話 グラウンド」です。

立樹パパ大活躍の回でしたね。
伊達に清川の娘婿はやっていない様子、流石は立樹の父である活躍ぶりでした。

八車が騙されたところでエンドかと思いきや、もう一捻りあったのが良かったですね。
次回にも期待!!

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