ネタバレあります、注意!!
第27話登場人物一覧:
マーニー:主人公にして名探偵。本名は真音(マリオン)。
ロイド(パパ):ロイド探偵事務所所長にしてマーニーの保護者。元刑事らしい(3話)。
エリオット:マーニーの愛猫。
舞城天:マーニーと同じ学校の生徒。27話にて趣味は自転車ロードレースと判明。17話、27話に登場。
大神:自転車のチューンナップを生業とする男性。27話に登場。
ゴーストレーサー:髑髏マスクに黒装束の怪人。その正体は……。27話に登場。
これまでの登場人物については過去記事リンクの後に記載しています。
<ネタバレあらすじ>
マーニーの自宅に、ある事件(17話「天」のこと)で知り合った舞城天が訪問して来た。
なんでも、気になる噂があるらしくマーニーの耳に入れたいようだ。
噂の内容は「ゴーストレーサー」について。
出所は峠の自転車ロードレーサーたち。
何でも、峠を走っていると髑髏のマスクに黒装束の怪人がロードバイクで現れ抜き去って行くらしい。
しかも、到底、人間業とは思えぬスピードで。
その余りに奇怪な存在ゆえに、何時の間にやら「ゴーストレーサー」と呼ばれるようになったそうだが……。
これに興味を持ったマーニーは調査に乗り出すことに。
ところが、ネットで幾ら追っても肝心の「ゴーストライダー」の情報が出て来ない。
さらに、各道路に設置された監視カメラの映像を調べるが、これにもそれらしい記録は無い。
まさか、天が嘘を吐いたとも思えない。
となれば、それこそ本物の「ゴーストライダー」のようだが……。
数日後、次に「ゴーストライダー」が現れる場所に心当たりがあるらしい天に連れられたマーニー。
向かった先は「賭けロードレースの会場」であった。
明らかに違法である。
顔を顰めるマーニーだったが、さらに意外な事実が判明。
天自身がこれの参加者であり、「賞金王」と呼ばれていたのだ。
天の思わぬ一面を知ることになった……と驚くマーニー。
だが、一方の天は多くを語らない。
そうこうしているうちに、例の「ゴーストライダー」が現れる。
今回のレースの目的には「ゴーストライダー」の捕縛も含まれているとのことで、一斉に追跡を始めるレーサーたち。
天ももちろん追跡部隊に参加する。
こうなってしまえば、マーニーに出来ることはバックアップしかない。
マーニーは天にインカムを手渡すと健闘を祈る。
「ゴーストレーサー」は実際に速かった。
かなりの人数で追撃している筈だが、今や実業団レベルの数人しか追跡できていない。
そんな中に、天が居ることが彼女の実力を証明したと言えようか。
天自身は、この人数ならば何とか相手を取り押さえられると考えていたが……。
思わぬ時に思わぬことが起こる物。
飛び出して来た動物の親子を避け、追跡部隊が転倒、ほぼ全滅してしまう。
残されたのは、もはや天のみだ。
こうなれば……必死に「ゴーストライダー」の後を追う天。
次第にスピードに憑りつかれ、「ゴーストライダー」へとグングン迫る。
一方、バックアップに回るマーニーはある事実を掴み慌てていた。
その頃、天は「ゴーストライダー」の背中に指呼の間まで迫っていた。
その黒い背中が、さらに迫り続け……。
「天、ストップ!!」
マーニーの叫び声に我に返った天は急ブレーキをかける。
既に「ゴーストライダー」に並びかけていた。
その瞬間、天は見た。
髑髏の窪んだ目に、人の瞳があったことを。
其処には何かに憑かれたような色があった。
その間にもマーニーがインカム越しに天へと話しかけてくる。
「ゴーストライダー」の正体は、大神と言うロードバイク専門のチューンショップを営む男性であった。
大神は過去に競輪選手をしていたが、身体を壊し引退。
その後も自転車に憑りつかれ、「ゴーストライダー」としてロードレーサーに復讐していたらしい。
彼のスピードの秘訣は、その自転車自体にあった。
大神は自転車を違法な電動機付きに改造していたのだ。
そして、警察もこの事実を掴み、大神を追っていた。
この峠に大神が現れることを知り、出口に網を張っているのだ。
このまま行けば、賭けレースをしていた天やその仲間たちも捕まってしまうところであった。
「ゴーストライダー」は止まることなく、そのまま猛スピードで離れて行く。
天はその背中をそっと見送ることに。
その表情は何処か虚ろだが……。
後日、大神逮捕のニュースが流れた。
「ゴーストライダー」こと大神はあのままのスピードで停止することなく検問に突っ込んだそうだ。
最終的に、設置されていた網で捕えられたと伝えられていた。
事前にバイク用のサポーターを着込んでいたらしく、特に怪我もないようだが。
マーニーからこの報告を聞く天。
あのときは気付かなかったけど、あの黒い服はまるで誘うようだった。
もしも、あそこでマーニーが止めてくれなかったら……と洩らすのであった。
天の脳裏に浮かぶのは、彼女がギリギリで拒否することが出来たあの髑髏の姿―――エンド。
<感想>
「フランケン・ふらん」で知られる木々津克久先生が、2010年の「ヘレンesp」以来2年ぶりとなる「週刊少年チャンピオン」本誌への連載を開始されました!!
連載作品のタイトルは「名探偵マーニー」。
コミックス1巻も発売中です!!
2巻も3月発売予定!!
今回はその第27話「黒い自転車乗り」です。
「ゴーストライダー=髑髏」はスピードの象徴。
まさに、スピードの魔力ですね。
古来より、これに憑りつかれた者たちの伝説は枚挙に暇がありません。
「1秒でも早く、コンマ1秒でも早く」
スピード競技に携わる者は皆、多かれ少なかれコレに囚われざるを得ない。
大神もこれに憑りつかれ、違法改造してまでも拘った。
天もまた、「ゴーストライダー」を追うことでこれに取り込まれかけました。
ですが、マーニーの声をきっかけにこれを振り払った。
天の語った「マーニーが止めてくれなかったら……」は、逮捕から救った以外に彼女の精神を救ったとの意味も含めているのでしょう。
スピードに限らず何事もトップを目指せば、同じような誘惑が待ち構えているのかもしれません。
剣道、柔道、弓道など勝敗を競う系統のスポーツもそうですし、水泳やマラソンなど記録(スピード含む)を競うスポーツも同じでしょう。
いずれも、一握りの頂点を目指すうちに限界にぶつかり、甘い誘惑が待ち構えている。
それはドーピングだったり、買収だったりするワケです。
今回の場合はそれが違法改造だった……と言うことでしょうか。
如何に誘惑に負けず、頂点を目指せるかがカギになりそうです。
それにしても、天の意外な一面が判明。
割と負けん気の強い人だったんですね。
しかも、活発なアウトドア派でした。
きちんと登場したキャラを活かしきっているあたり、マーニーはやっぱりイイ!!
次回も期待です!!
ちなみに、上にもある通りマーニーのコミックス1巻の発売中。
2巻も3月に発売予定とのこと。
これでいつでもマーニーの活躍を読むことが出来ます。
興味のある方は本記事下部アマゾンさんリンクよりどうぞ!!
木々津克久先生といえば「フランケン・ふらん―OCTOPUS―」が『拡張幻想 年刊日本SF傑作選』(大森望・日下三蔵編、東京創元社刊)に掲載されています。
こちらも注目。
・木々津克久先生が「週刊少年チャンピオン」本誌に帰還する!!2012年8月16日より探偵物語「名探偵マーニー」連載開始!!
さて、作者である木々津克久先生と言えば、管理人にとっては「週刊少年チャンピオン」本誌での「ヘレンesp」の作家さんとのイメージ。
「ヘレンesp」は、盲目のヘレンがその特別な力(ESP能力)を駆使し、愛犬や叔父さんたちに見守られながら同年代の友人や幽霊など様々なものと交流する物語。
衝突したり理解し合えなかったりと苦難がヘレンを襲うものの、その都度ヘレンの純粋な心で相手に向き合い相手との心の壁を乗り越えていくさまは、心に響きました。
確かにあらすじだけ聞くとよくある展開かと思うものの、本作は不思議な“熱”と“説得力”を持っており、透明感のある淡い絵柄も加え、なかなかの名作といえるでしょう。
既に連載自体は終了していますが、こちらもオススメです。
◆「名探偵マーニー」関連過去記事
・「名探偵マーニー」第1話から20話まで(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)まとめ
・名探偵マーニー」第21話「ラッキーバード」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「名探偵マーニー」第22話「ニセモノ」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「名探偵マーニー」第23話「ゲーマー」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「名探偵マーニー」第24話「彼と彼女の事情」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「名探偵マーニー」第25話「事故物件」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「名探偵マーニー」第26話「枯野」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
◆関連過去記事
・「フランケン・ふらん 最終話(最終回) Dream」ネタバレ批評(レビュー)
・「フランケン・ふらん 59話 BestFriend」ネタバレ批評(レビュー)
・「Phase20」(木々津克久作、「チャンピオンRED 2012年1月号」掲載)ネタバレ批評(レビュー)
・「鋏女(チャンピオンRED 5月号掲載)」ネタバレ批評(レビュー)
・「ヴァンパイア・アナライズ (チャンピオンRED 7月号掲載)」(木々津克久著、秋田書店刊)ネタバレ批評(レビュー)
これまでの登場人物一覧:
【ロイド探偵社】
マーニー:主人公にして名探偵。本名は真音(マリオン)。
ロイド(パパ):ロイド探偵事務所所長にしてマーニーの保護者。元刑事らしい(3話)。
母親:マーニーの母親、不在。事情があるらしい(1話)。
エリオット:マーニーの愛猫。
【学校関係者】
若島津ゆりか:マーニーの友人。4話、5話、9話、10話、14話、16話、23話、24話、25話、26話に登場。
前花:マーニーの友人。オカルトに造詣が深いらしい。
那智先輩:学校のヒーロー。2話、4話、16話で登場。
白鳥:マーニーの先輩、白鳥財閥の令嬢。1話、7話、13話、16話、19話、21話で登場。
累:白鳥の友人。1話、22話にて登場。
香坂:生徒会書記、2年生。7話で登場。
宮島小百合:マーニーの学校に勤務する教師。10話、15話、21話に登場。
鈴村蝶子:カーディガンズの1人。12話で登場。
黒屋明彦:雪彦の双子の兄、社交的。13話に登場。
黒屋雪彦:明彦の双子の弟、内向的。13話、20話、25話(25話は名前だけ)に登場。
露島:新聞部部長。自腹でニュースサイトを運営し多大な影響力を持つ。16話に登場。
吉沢:新聞部員の1人。16話に登場。
舞城天:マーニーと同じ学校の生徒。27話にて趣味はロードレースと判明。17話、27話に登場。
マキちゃん:本名は真希田、マーニーの級友。
波峰りあ:マーニーとゆりかの同級生。巻野という名の幼馴染で年上の彼氏が居るらしいが……24話に登場。
浜沢志乃:マーニーの同級生、不動産を多数所持する。「幽霊マンション」もそのひとつ。25話に登場。
枯野:目立とうとしない天才。マーニーも一目置く。26話に登場。
3人組:マーニーのファンたち。探偵団を結成しようとするが……。26話に登場。
【警察&探偵】
毛利刑事:ロイドの後輩刑事。3話、18話、24話で登場。
武頼:ロイドの先輩。22話にて登場。
【再登場しそうなゲスト】
亜羽:ロイドの過去の依頼人。3話で登場。
片岡:ある特異な趣味を持った大学生。4話、23話、24話で登場。
村枝紗平:政財界のフィクサー。ロイドによれば「黒い噂」で知られる有名人らしい。8話で登場。
野宮真理:ニュース番組の人気キャスター。9話で登場。
舟木真治:宮島の初恋の相手、10話、21話(名前のみ)に登場。
光輪:往年のヒーロー「ブリット」を演じた俳優。現在では病を患っている。11話で登場。
鈴村都:蝶子の妹。12話で登場。
マックス鞠野:高名なマジシャン。効果を最大限に発揮するマジックがモットー。18話より登場。
真希田流:マキの姉。18話より登場。
玄武:大学生。日本有数のセレブで白鳥の知人。19話より登場。
宝蔵院はるか:大学生。玄武のフィアンセ。玄武同様にセレブ。19話より登場。
市長:マーニーとロイドが暮らす地域の市長。20話より登場。
阿刀孟:世界的に著名なアニメクリエーター。20話より登場。
瀬尾俊幸:阿刀のマネージメントを担当していたスタッフ。20話より登場。
ラッキー:白鳥が保護した「首なし鶏」。21話に登場。
君津和臣:化粧品メーカーの重役。今回の依頼人。22話にて登場。
日出有吉:木ノ崎順也の功績はこの人物の物であった。22話にて登場。
武藤遊助:片岡のいとこ。国公立トップである東都大学のエリート学生。23話で登場。
【その他ゲスト】
西郷:那智の親友。2話で登場。
徳吉すばる:亜羽の同僚。3話で登場。
望月楓:ラクロス部のイケメン。6話で登場。
謎の女性:望月の周辺に現れた謎の女性。6話で登場。
亀井:村枝の文通相手。8話で登場。
安崎良則:映画会社の社長。11話で登場。
安崎みどり:良則の娘。故人。11話で登場。
ゆりかの祖父:幽斉の中学時代の同級生、緊急入院してしまう。14話に登場。
河野幽斉:祖父の中学時代の同級生。同窓会の主催者。14話に登場。
幽斉の妻:幽斉とは犬猿の仲。14話に登場。
甲本:宮島の大学時代の同級生、宮島曰く「オタクっぽい人」。15話にて登場。
相葉:宮島の大学時代の後輩、宮島曰く「他人の恋人を寝盗る男」。15話にて登場。
甲本の元恋人:相葉に殺されかけたが……秘密が!?15話にて登場。
天の大叔父:年嵩の紳士然としたドイツ人。17話に登場。
はるかの母:はるかの母。健康志向であった筈だが……。19話より登場。
木ノ崎順也:『悪意の天国』で知られる往年の名監督。その正体は誰も知らない。
巻野大輝:波峰の彼氏とされる人物、誰も姿を見た者がいない。24話に登場。
古書泥棒:2人組、リーダー格は「LUCK」と指に刺青している。
大神:自転車のチューンナップを生業とする男性。27話に登場。
ゴーストレーサー:髑髏マスクに黒装束の怪人。その正体は……。27話に登場。
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