2013年02月24日

「シャーロッキアン!」第32話「追跡!ビートンのクリスマス年鑑(後編)」(池田邦彦著、双葉社刊「漫画アクション」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「シャーロッキアン!」第32話「追跡!ビートンのクリスマス年鑑(後編)」(池田邦彦著、双葉社刊「漫画アクション」連載)ネタバレ批評(レビュー)です!!

シャーロッキアン!1


<32話あらすじ>

〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜〜〜

エル文化大学に通う女子大生・原田愛理はシャーロッキアン。
同じくシャーロッキアン(ホームズ譚の実在を信じる熱狂的なファン)である車教授と親交を結ぶことに。
ここから愛理の見つけて来た謎に車が挑むとの名コンビが結成された。

やがて、愛理と車教授の間には愛が芽生える。
だが、車は亡き妻を想うばかりに素直になれない。

そんな中、愛理が病気の為に倒れてしまう。
此処に至り、車は愛理への気持ちを告白。
2人は相思相愛の仲になるのであった。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

・前回のあらすじはこちら。
「シャーロッキアン!」第31話「追跡!ビートンのクリスマス年鑑(中編)」(池田邦彦著、双葉社刊「漫画アクション」連載)ネタバレ批評(レビュー)

BSIのメンバーと共に転居した森崎を追った車教授と愛理。
森崎の愛車が「フィアット500」であったことから積載量が少ないと判断した車教授。
旧森崎宅に残されたタイヤ痕から、荷物を積んだまま7往復している事実を突き止める。
7往復したにも関わらず専門の引っ越し業者に依頼しなかったということはそう遠くない場所に転居したと推理する。

こうして、BSIメンバーは各自の担当を分けて周辺地域を捜索することに。
数日が過ぎた……だが、なかなか結果が出ない。

推理に誤りがあったのか……焦りが募り始めたその頃、森崎が「フィアット500」も手放している可能性に辿り着く。
ネットでオークションサイトを調べた車教授たちは、其処に例の「フィアット500」を発見する。
やはり、森崎は手放していたのだ。

出品者を確認し、遂に森崎の転居先を突き止める車教授たち。
早速、訪問することに。

森崎は特に嫌がることもなく彼らをもてなす。
これにBSIメンバーたちは『ビートンのクリスマス年鑑 1887』の価値を知りながら2万円で購入したことを謝罪する。

ところが、森崎は怒る様子もない。
それどころか、「もう1冊持っているので、大丈夫」と語る。
どうやら、2冊あったので1冊を手放したらしい。

これを聞いていた車教授は何事かに頷く。
実は団長たちが発見した『ビートンのクリスマス年鑑 1887』は森崎による私家版であった。
全部で30部ほど印刷していたらしい。
しかも、森崎はシャーロッキアンの間では知らぬ者のない有名な人物だったのである。

「偽物なのかぁ〜〜〜」溜息を吐く団長たち。
だが、車教授は「私家版といえど価値があり、団長たちの気持ちのこもった本物だ」と熱く語るのであった。

それにしても、何故車は私家版だと見抜けたのだろうか。
表紙を指さす車、其処には「著者としてジョン・ワトスン」の名があった。
本来ならば「コナン・ドイル」でなければならないにも関わらず。
まさに、シャーロッキアンの手で作られたからこその遊び心に溢れた書だったのだ。

その帰路、2人きりとなった車教授と愛理。
愛理は『ボール箱』での「ホームズが名器ストラディバリウスを手に入れた」エピソードもこれと同じで、ホームズにとって価値がある品になったからこそ、「ストラディバリウス」と表現したのではないか……と述べる。
これを聞いた車教授はこれまでの「らしからぬエピソード」との認識を改めることにする。
車教授の胸に温かなモノが広がるのであった。

数日後、30話に登場したパイプ専門店。
そこに、お金が貯まるまで取り置きをお願いする愛理の姿があったのは秘密である―――33話へ続く。

<感想>

シャーロッキアンの意外な真実を縦軸に、車教授と愛理の関係を横軸に置いた作品「シャーロッキアン!」が堂々の完結から半年ほどで帰還となりました。
そして、新シーズン第5話は前中後編の「追跡!ビートンのクリスマス年鑑」。
今回はその後編です。

やっぱり、「シャーロッキアン!」はイイですね。
『年鑑』は本物でこそないものの「私家版」との結論に。
そして、車教授にとってBSIメンバーとの想い出がこもった「この世に1冊しかない本」となりました。
心温まる結末でしたね。

次回にも要注目です!!

◆関連過去記事
・1話から27話までのまとめです。
「シャーロッキアン!」(池田邦彦著、双葉社刊「漫画アクション」連載)まとめ

「シャーロッキアン!」第28話「カレーの問題(前編)」(池田邦彦著、双葉社刊「漫画アクション」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「シャーロッキアン!」第29話「カレーの問題(後編)」(池田邦彦著、双葉社刊「漫画アクション」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「シャーロッキアン!」第30話「追跡!ビートンのクリスマス年鑑(前編)」(池田邦彦著、双葉社刊「漫画アクション」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「シャーロッキアン!」第31話「追跡!ビートンのクリスマス年鑑(中編)」(池田邦彦著、双葉社刊「漫画アクション」連載)ネタバレ批評(レビュー)

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posted by 俺 at 12:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 漫画批評(レビュー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして。
ブログが面白く、一気呵成に読み進めてしまいました。
ミステリの紹介だけに書き方も難しいでしょうが、面白さを十分伝えつつ、読もうかという気持ちにさせていただき感謝です。

この『シャーロッキアン!』、謎解きもそうですが、登場人物が皆好感の持てる人物ばかりで読んでて不安になりません。
個人的にパイプスモーカーな自分としては、さらりと喫煙シーンをいれているところも好感です。
ぜひ、さらなる続きを楽しみにしています。漫画も、レビュウも。
Posted by at 2013年06月22日 01:04
Re:さん

こちらこそ、初めまして!!
管理人の“俺”です(^O^)/!!

ブログ記事をご覧頂き、また楽しんで頂けたとのこと、ありがとうございます!!
さらに、こうしてコメント頂けて嬉しいです(^O^)/!!

当ブログの記事は、紹介のもとになる作品があってのモノです。
其処であらすじなどで出来る限り紹介作品の良さや本質をお伝えし、興味をお持ち頂けるよう努力しているつもりです。
この点を認めて頂けて、本当に嬉しいです(^O^)/!!

特に、ご紹介させて頂いている作品の中でも、この『シャーロッキアン!』はかなり好きな作品の1つです。

『シャーロッキアン!』は謎解きあり、心温まる物語ありと1粒で2度美味しい稀有な作品。
さらにご指摘の通り、登場人物も善意の人々で構成されており、読後感も爽やかです。
現在は休載中となっていますが、最新4巻もこの7月に発売が決定しており、次の再開が待ち遠しい!!

そして、今後も良作をご紹介出来たらと思います(^O^)/!!
Posted by 俺 at 2013年06月23日 01:32
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